上 下
11 / 71
第2話 人見知りのクラスメイト

秘密のデート?

しおりを挟む
「でもさぁ・・・・・・澤村さんって、みんなの前で告白とかするのかなぁ。まぁ、私が告白とか言っておきながら何なんだけどね」
「それを亜子が言うの~。でもそれは・・・・・・あれよ、ほら、この人と付き合うんだから、愚民は話しかけるな的な感じ? そうよ、きっとそうに違いがないよ。全く・・・・・・そんな悪女に引っかかるなんて・・・泣いても知らなからね」

「ねぇ、優子、さっき関係ないとか言ってたよねぇ?やっぱり・・・・・・神崎君の事気になってるんじゃない~」
「うぅ・・・・・・。それは・・・・・・幼なじみとしてよっ。ほら、同じ環境で育ったから・・・同類と思われたくないだけだし」
「ふ~ん、まぁいいどねぇ。それで・・・・・・どうするの? このまま泣き寝入りするの?」

「泣き寝入りって・・・・・・そんなんじゃないって。でも、まぁ・・・・・・しばらくは様子見でいいんじゃないかな。ほら、そのうち直哉も遊ばれてるって気がつくと思うし」

 何だかんだで優子は直哉が気になる様子であったが、亜子は微笑しながら優子に同調したのだ。


 放課後になり、普段は優子達と帰るのだが直哉は用事があると言い残し、紗英と密会する為校門で別れると、学校から少し離れた合流場所の喫茶店へ足を運んでいた。

 紗英の希望で、他の人に人見知りである事を知られないように直哉は注意をしていた。直哉はそれぐらいとは思ったが、紗英は自分の弱い所を他の誰かに知られる事が嫌なのだ。

「ごめんね神崎君、わざわざ遠い喫茶店で・・・・・・。実は私・・・・・・あまり・・・・・・人に苦手な所を知られたくないないの。昔からと言いますか・・・・・・性格なので・・・・・・」
「まぁ、気にする事ないよ。色々な性格の人がいるからね、それに・・・・・・それは個性だから胸を張っていいと思うよ」
「ありがとうございます。そう言って頂けると、何だか嬉しいですね。でもぉ・・・・・・胸の辺りに視線を向けられるのは・・・・・・少々お恥ずかしいのですが・・・・・・」

 誰もが羨む豊満な胸に、直哉は吸い込まれる様に魅入られていたのだ。紗英の一言で思わず赤面してしまうと同時に、本当に人見知りなのか不思議に思えてきたのだ。

「ところで、澤村さんは・・・・・・」
「はい、Dですわ。でも・・・・・・いきなり胸の大きさを聞くなんて・・・・・・神崎君って思ったより大胆なのですね。それと・・・・・・私の事は紗英と呼んで下さいね」
「いや・・・・・・澤村さんは本当に・・・・・・人見知り何ですよね? 普通はそんな事聞かれても、答えないと思いますよ?」
「・・・・・・ぷいっ」
「紗英さん・・・・・・?」

「は~い、神崎君はこの胸に興味があるのかと思いまして。それと、人見知りかどうかは・・・・・・えっと・・・・・・。お恥ずかしいのですが。絶対に笑わないで下さいね?」

 直哉が軽く頷くと紗英は少し恥じらいながら、直哉に驚くべき理由を語ったのだ。
しおりを挟む

処理中です...