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第2話 人見知りのクラスメイト

勘違いの先は・・・・・・

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「ち、違うわよ。えっと、あれよ、亜子がどうしてもって・・・・・・うん、欲しい物があるから・・・それでたまたま見かけたっていうか・・・・・・」
「そこで私に飛び火かぁ~。う~ん、そうだなぁ。二人は付き合ってるのかな?」

 冷静な亜子は、話の核心をストレートに聞く事にした。妙な言い回しなんかするより、この方が早いと判断したのだ。

「えっと・・・・・・何でそういう話になってるのか、よく分からないけれど・・・・・・それはないよ。ね? 紗英さん?」
「え? えぇ・・・・・・そんな・・・・・・事はないですよ。そんな羨ましい事にはなってないんです」
「ん~、それじゃ、何で二人でラブラブショッピングとかしてたのぉ? ほらぁ、この亜子に全て正直に話しなさい」

 直哉と紗英は顔を見合わせると、これ以上嘘は突き通せないと判断するしかなかった。だが、紗英この事を言う訳にはいかない、そこで直哉は・・・・・・紗英に迷惑をかけない方法を選択したのだ。

「ほ、ほら、これは・・・・・・僕の方から誘ったんだよ。ごめん・・・・・・嘘ついてて。だって、高校に入ってクラスメイトと話した事ないから、それじゃ高校生活がつまらないと思って・・・・・・ね」
「あ、はい。そう・・・・・・です。誘われてすぐに、私の胸をいやらしい目付きで見て、カップを聞いてくる事なんてありませんでした」
「紗英さん・・・・・・、それ今必要なんですか・・・・・・。確かにそうだったかも知れませんが、カップを言ったのは紗英さんだったじゃない~」
「な・お・や? それ・・・本当? ねぇ、女性の価値は胸じゃないとか言っておきながら、やっぱりあれは嘘だったのね? ふ~ん、そっかぁ、だからベッドの下にも巨乳水着の本を隠してたのね」

 先程より更に冷たい目付きとなり、直哉の背筋が凍りそうなぐらい優子が恐ろしかった。しかし、冷静な亜子が素朴な疑問を投げかけたのだ。

「えっと・・・・・・優子? 何でそれを知ってるのか・・・・・・は、おいおい追求するとして、私は直哉君を信じるわ。ふふふ、だって直哉君は男の子だもの。それくらいで怒ってたら、本当に嫌われちゃうわよ?」
「うぅ・・・・・・わ、分かったわよ。私も今回は信じてあげる。もう・・・・・・今回・・・・・・だけだからね?」
「ありがとう、優子、それに亜子さん。紗英さんも迷惑かけてしまったね」

「いいえ、私は・・・・・・楽しかった・・・・・・です。初めて・・・・・・高校生活が楽しいと思いまし・・・・・・た。だから・・・・・・優子さん、亜子さん、これからもよろしくお願いします・・・・・・ね」
「もちろんよ、直哉の毒牙から私が守ってあげるから安心してね」
「よろしくね、紗英さん。優子はたまに暴走するけど、私が止めてあげるから安心してね」

 事態が収拾しようとしてる中で、亜子が思い出した様に特大の爆弾を落としたのだ。それは、優子が口走ってしまった、直哉の家に泊まった事であった。今度は優子が、亜子の追求から必死に言い訳をして逃れようとしていたのだった。
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