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第4話 傲慢なアイドル
訪れる試練
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北村グループが経営する芸能事務所で、ある問題が浮上していた。
それは、その可愛いさから人気急上昇した、アイドル南雲葵のマネージャーがついていけず次々と辞めていくこと。
事務所の稼ぎ頭でもある為、無下には扱えず事務所の社長が沙織の父親に相談しに来たのであった。
「北村社長、このままではマスコミに嗅ぎつけられ、南雲葵の失脚が目に見えています。どうかご尽力をお願いしたいのです」
「ふむ、確か売上の大半は南雲葵が稼いでいたはず。あの年代は扱いが難しいからな」
「そうなんですよ。妙案があれば授かりたいのですが・・・・・・」
難しい顔をした沙織の父親は、しばらく考え込みこの件を預かる事にしたのだ。そして、沙織を呼び出しこの件を伝えたのだ。
「知らなかったわ。そんな事になっているのですね」
「沙織を芸能事務所の副社長という名目で、南雲葵の御目付け役にしたいと思っているのだよ。それに、年齢も近い方が南雲葵も接しやすいだろう」
「それは構いませんが・・・・・・マネージャーはどう致しましょう?学業もある為、流石にそこまでは無理ですわ」
沙織の言う通り、マネージャーと学業を両立するのは非常に困難である。今すぐにマネージャーを手配するのは難しい。このままでは、何より長続きするとは到底思えなかったのだ。
そんな時、北村社長は先日ある人に言われた事をふと思い出したのだ。『沙織さんは僕が守るから』その言葉がその場しのぎなのか、それとも本当に出来ると思っているのか。
そこで北村社長は、その人物の器を試す為マネージャーを引き受けて貰おうと考えていたのだ。
「沙織、自由な恋愛を本当にしたいと思っているのか?会社をより大きく発展させる為には、付き合う男性を選ぶ必要がある。私の娘である以上、会社に貢献する気はないのか?」
「お父様突然何を仰っているのです。わたくしも北村グループの一員、会社に貢献する事に反対はございませんわ。ただ・・・・・・」
沙織は父親が怖く言葉が続かなかった。特に会社の事となると、家族の事なんて後回しにする性格なのだ。しかし、直哉が守ってくれると言ってくれた言葉を信じ、初めて父親に自分の意見を伝えた。
「恋愛と会社は別物ですわ。ですから・・・・・・今回の件も親身になって対応させて頂きます。わたくしは、自分の意思で好きな男性とお付き合いしたいのです」
「なるほど・・・・・・あの少年・・・・・・神崎直哉とか言ったな。その少年の影響という訳か」
「そ、そんなわけは・・・・・・」
「以前の沙織なら、私の意見に自分の意思を伝える事などなかったからな。それならば、その少年がどれ程の器か試してみよう」
不敵な笑みを浮かべた北村社長は、直哉に南雲葵のマネージャーをさせる事を決めていたのだ。
「お待ちください。直哉様は関係ございません。巻き込むのはお辞め頂きたいのです」
「そこまで庇うのか。ふむ、それならば是が非でもその少年に引き受けて貰う他ないな」
「そ、そんな・・・・・・第一、直哉様はマネージャーなんてした事ございません。ですからもう一度お考え直しを・・・・・・」
「もし、南雲葵が変わる事が出来たのであれば、沙織、お前の願い通り、自由な恋愛を許そうではないか」
直哉と沙織の夢を天秤にかけさせ、どこまで本気なのかと北村社長は沙織を推し量っていた。
直哉に迷惑はかけたくなかった沙織は、悩みに悩み抜き・・・・・・ついに結論を出したのだ。
それは、その可愛いさから人気急上昇した、アイドル南雲葵のマネージャーがついていけず次々と辞めていくこと。
事務所の稼ぎ頭でもある為、無下には扱えず事務所の社長が沙織の父親に相談しに来たのであった。
「北村社長、このままではマスコミに嗅ぎつけられ、南雲葵の失脚が目に見えています。どうかご尽力をお願いしたいのです」
「ふむ、確か売上の大半は南雲葵が稼いでいたはず。あの年代は扱いが難しいからな」
「そうなんですよ。妙案があれば授かりたいのですが・・・・・・」
難しい顔をした沙織の父親は、しばらく考え込みこの件を預かる事にしたのだ。そして、沙織を呼び出しこの件を伝えたのだ。
「知らなかったわ。そんな事になっているのですね」
「沙織を芸能事務所の副社長という名目で、南雲葵の御目付け役にしたいと思っているのだよ。それに、年齢も近い方が南雲葵も接しやすいだろう」
「それは構いませんが・・・・・・マネージャーはどう致しましょう?学業もある為、流石にそこまでは無理ですわ」
沙織の言う通り、マネージャーと学業を両立するのは非常に困難である。今すぐにマネージャーを手配するのは難しい。このままでは、何より長続きするとは到底思えなかったのだ。
そんな時、北村社長は先日ある人に言われた事をふと思い出したのだ。『沙織さんは僕が守るから』その言葉がその場しのぎなのか、それとも本当に出来ると思っているのか。
そこで北村社長は、その人物の器を試す為マネージャーを引き受けて貰おうと考えていたのだ。
「沙織、自由な恋愛を本当にしたいと思っているのか?会社をより大きく発展させる為には、付き合う男性を選ぶ必要がある。私の娘である以上、会社に貢献する気はないのか?」
「お父様突然何を仰っているのです。わたくしも北村グループの一員、会社に貢献する事に反対はございませんわ。ただ・・・・・・」
沙織は父親が怖く言葉が続かなかった。特に会社の事となると、家族の事なんて後回しにする性格なのだ。しかし、直哉が守ってくれると言ってくれた言葉を信じ、初めて父親に自分の意見を伝えた。
「恋愛と会社は別物ですわ。ですから・・・・・・今回の件も親身になって対応させて頂きます。わたくしは、自分の意思で好きな男性とお付き合いしたいのです」
「なるほど・・・・・・あの少年・・・・・・神崎直哉とか言ったな。その少年の影響という訳か」
「そ、そんなわけは・・・・・・」
「以前の沙織なら、私の意見に自分の意思を伝える事などなかったからな。それならば、その少年がどれ程の器か試してみよう」
不敵な笑みを浮かべた北村社長は、直哉に南雲葵のマネージャーをさせる事を決めていたのだ。
「お待ちください。直哉様は関係ございません。巻き込むのはお辞め頂きたいのです」
「そこまで庇うのか。ふむ、それならば是が非でもその少年に引き受けて貰う他ないな」
「そ、そんな・・・・・・第一、直哉様はマネージャーなんてした事ございません。ですからもう一度お考え直しを・・・・・・」
「もし、南雲葵が変わる事が出来たのであれば、沙織、お前の願い通り、自由な恋愛を許そうではないか」
直哉と沙織の夢を天秤にかけさせ、どこまで本気なのかと北村社長は沙織を推し量っていた。
直哉に迷惑はかけたくなかった沙織は、悩みに悩み抜き・・・・・・ついに結論を出したのだ。
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