その気が全くなかったがいつの間にかハーレム王と呼ばれてしまう 〜約束の赤い糸〜

第3話 自由なきお嬢様

大胆な行動

『もしもし、沙織さんのお父さんですか？単刀直入に言いますね。沙織さんを自由に恋愛出来る様にして下さい。考え方を改めるまで･･････沙織さんは僕が必ず守りますから』

　言いたいことだけ言うと電話を切り、沙織の父親に向けていた怒りをさらけ出したのだ。

「直哉様･･････なんて大胆な事を･･････。でも･･････嬉しい･･････ありがとうございます」
「だって･･････許せないじゃないか。それに、本当に父親なら娘の幸せを考えるのが一番大切だと思うからね」
「直哉様･･････わたくしを必ず守って下さいね･･････約束ですよ」

　涙が自然と零れ沙織は直哉の寄り添ったのだ。まるで恋人の肩に身を委ねる様に･･････。沙織から発せられる甘い香りで直哉は正気を徐々に奪っていく。

　直哉が流れに身を任せようとしていると、脳裏に優子の顔が浮かんだのだ。自分を心配してくれる優子の姿が、直哉の正気を戻したのだ。そして、直哉は思わず立ち上がってしまったのだ。

「あっ･･････、ダメ･･････今立ち上がりますと･･････」

　沙織のドレスが完全に脱げ落ち、大人びた黒い下着が姿を現したのだ。完全にパニックになった直哉は、足がもつれてしまい沙織の上に乗りかかる格好となってしまった。

　悲鳴じみた沙織の声が部屋に響き渡ると、ドアが突然開き三人の少女が入ってきたのだ。少女達は、直哉と沙織の格好を見ると赤面し顔を手で塞いでいたりしたのだ。

「な～お～や～。何してるのよぉ～。女の人押し倒して･･････。これから何しようとしてたのかなぁ？」
「あらあら、直哉君って大胆ね。ひょっとしてお邪魔だったかしら」
「はわわわ、直哉君･･････そんな･･････それは･･････ダメだと･･････思います」

　優子は怒り、亜子は冷静に分析し、紗英は指の間からその光景を見ていたのだ。そんな三人に沙織は何かを感じたらしく、小悪魔の様な笑みを浮かべると･･････。

「直哉様･･････。もう、大胆なんですから･･････。順番というのがありましてよ？」
「ちょ、ちょっと･･････沙織さん？」
「直哉のバカあああ。何でその日会った人とこんな事になってるのよぉ」
「優子誤解だって！話を聞いて･･････」
「直哉君、そんな体制で誤解と言われても･･････ねぇ？」

　ニヤニヤしながら亜子は直哉の話を遮ってしまう。結局、事情を説明するのに一時間近くかかってしまったのであった。