4 / 4
第一部 西の悪魔 第一章 西の国・迷いの森編
2.小さな村 後編
しおりを挟む
そこには、インクで描かれた大きな絵があった。
「この世界はね、5層でできているんだよ」
そう。ネネが最も驚いたことは地面が何個も描かれていることだ。一番下部に描かれている地面から順に地表の4つが縦に連なるように空中に浮いている。
「このいーちばん下の層が第一層。それで、順番にいって、一番上のとこが第五層って言われてるんだ。」
なぜ、地面が浮いているのかも、なぜ5層もあるのかネネにはさっぱりだが、サフランは自慢げに話している。もしかしたら、この情報は知ってて当然で、知らないと恥なのかもしれない。
「第一層にはなにもない、枯れた土の大地だけが続いているとされているんだ。植物も動物も何もいないといわれているんだ。」
「言われている…?」
「うん、地下の層はまだ、ヒトが完全にたどり着いたわけじゃないんだ。だから、本当に正しいか誰にもわからないんだ。」
ヒトがたどり着いていない。それほど難しい道のりである可能性が高そうである。
「次に第ニ層。ここには炎の国と氷の国、その2つの間にはさまれた死者の国の3つがあるんだ。」
第二層にはなにやら、怖そうな国が並んでいる。特に死者の国。そのようなものがあって良いのだろうか。
「ここにはヒトはたどり着いているの?」
「一様はね。二層は行くことは出来るけど戻ることができないといわれているんだ。何人かが戻って来たことがあると言い伝えがあるけどその方法も、そもそも、戻ってきた人がいるかどうかも怪しいんだ。」
一層とニ層は知識があまり少ないようだ。言い伝えだけで存在を定義しているとは、もはや神話に近しい。
「それでね、僕達が今住んでいるのがこの第三層なんだ。ここにはね、ヒト以外の人種もいーっぱいいて、国もたくさんあるんだよ。」
ネネは勝手に最上階が我々が住むところだと考えていたが違うらしい。ここである疑問が生まれる。
「でも、私達が第三層にいるなら上に後ニ層もあるってことになるよね?でも、私、空を見ても浮いているものなんてみたことないけど…」
ネネがいままで見ていたのは純然たる空であった。青と白で構成された天に茶色などの浮遊物が入る余地などなかった。
「あーそれはね、第四層と第五層は他の層と比べてとーっても小さいからだよ」
本をよく見ると確かに四層、五層は小さく書かれている。この絵がどれほどの尺度で描かれているのかはわからないが、岩盤と言えるような第一層は置いといて、第二、第三は似たような大きさであるのに関わらず、四、五はその十分の一にもみたない。これで、他と同じく層と呼んで良いのか不安になるほどだ。
「第四層は天国と呼ばれていて、天使がいるんだ。実際に三層ともふかーく関わっているんだよ。そして、最上階の五層には神がいると言われているよ。」
第四層はヒトがいくことができるが、第五層もまた下層と同じでヒトはたどり着いていないようだ。
「んじゃあ、これから層について一つ一つ詳しく解説して行くね」
正直もうこれまでのたくさんの情報でネネの頭がパンクしそうになっていた矢先に、ちょうど良いタイミングで、母親からの寝なさいコールが聞こえてきた。
「えー今日はネネお姉ちゃんが来ているからいいでしょ?」
「だめよ、ネネさんは旅で疲れているのよ。そもそも、サフラン早く寝ないと身長伸びないわよ。」
「は~い」
サフランが残念そうにため息混じりの返答を交わした。
「ネネお姉ちゃん、お休み~。」
笑顔でサフランを送った後、ネネも用意された寝床についた。今回知った情報はとても大切なことであることに違いはないが、覚えることが多いため、少しずつ記憶していくしかない。そのようなことを思いながら、ネネはそっと目を閉じた。初めての寝床であったが、押し寄せる体と心の疲労に流されて、ネネの意識は深くへと落ちていった。
「この世界はね、5層でできているんだよ」
そう。ネネが最も驚いたことは地面が何個も描かれていることだ。一番下部に描かれている地面から順に地表の4つが縦に連なるように空中に浮いている。
「このいーちばん下の層が第一層。それで、順番にいって、一番上のとこが第五層って言われてるんだ。」
なぜ、地面が浮いているのかも、なぜ5層もあるのかネネにはさっぱりだが、サフランは自慢げに話している。もしかしたら、この情報は知ってて当然で、知らないと恥なのかもしれない。
「第一層にはなにもない、枯れた土の大地だけが続いているとされているんだ。植物も動物も何もいないといわれているんだ。」
「言われている…?」
「うん、地下の層はまだ、ヒトが完全にたどり着いたわけじゃないんだ。だから、本当に正しいか誰にもわからないんだ。」
ヒトがたどり着いていない。それほど難しい道のりである可能性が高そうである。
「次に第ニ層。ここには炎の国と氷の国、その2つの間にはさまれた死者の国の3つがあるんだ。」
第二層にはなにやら、怖そうな国が並んでいる。特に死者の国。そのようなものがあって良いのだろうか。
「ここにはヒトはたどり着いているの?」
「一様はね。二層は行くことは出来るけど戻ることができないといわれているんだ。何人かが戻って来たことがあると言い伝えがあるけどその方法も、そもそも、戻ってきた人がいるかどうかも怪しいんだ。」
一層とニ層は知識があまり少ないようだ。言い伝えだけで存在を定義しているとは、もはや神話に近しい。
「それでね、僕達が今住んでいるのがこの第三層なんだ。ここにはね、ヒト以外の人種もいーっぱいいて、国もたくさんあるんだよ。」
ネネは勝手に最上階が我々が住むところだと考えていたが違うらしい。ここである疑問が生まれる。
「でも、私達が第三層にいるなら上に後ニ層もあるってことになるよね?でも、私、空を見ても浮いているものなんてみたことないけど…」
ネネがいままで見ていたのは純然たる空であった。青と白で構成された天に茶色などの浮遊物が入る余地などなかった。
「あーそれはね、第四層と第五層は他の層と比べてとーっても小さいからだよ」
本をよく見ると確かに四層、五層は小さく書かれている。この絵がどれほどの尺度で描かれているのかはわからないが、岩盤と言えるような第一層は置いといて、第二、第三は似たような大きさであるのに関わらず、四、五はその十分の一にもみたない。これで、他と同じく層と呼んで良いのか不安になるほどだ。
「第四層は天国と呼ばれていて、天使がいるんだ。実際に三層ともふかーく関わっているんだよ。そして、最上階の五層には神がいると言われているよ。」
第四層はヒトがいくことができるが、第五層もまた下層と同じでヒトはたどり着いていないようだ。
「んじゃあ、これから層について一つ一つ詳しく解説して行くね」
正直もうこれまでのたくさんの情報でネネの頭がパンクしそうになっていた矢先に、ちょうど良いタイミングで、母親からの寝なさいコールが聞こえてきた。
「えー今日はネネお姉ちゃんが来ているからいいでしょ?」
「だめよ、ネネさんは旅で疲れているのよ。そもそも、サフラン早く寝ないと身長伸びないわよ。」
「は~い」
サフランが残念そうにため息混じりの返答を交わした。
「ネネお姉ちゃん、お休み~。」
笑顔でサフランを送った後、ネネも用意された寝床についた。今回知った情報はとても大切なことであることに違いはないが、覚えることが多いため、少しずつ記憶していくしかない。そのようなことを思いながら、ネネはそっと目を閉じた。初めての寝床であったが、押し寄せる体と心の疲労に流されて、ネネの意識は深くへと落ちていった。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
お気に入りに登録しました~