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「HDD」
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「HDD」
時を同じくして、プレジャーの門真事務所での取材は佳境を迎えていた。3人の学生スタッフから証言を得ている間、隣室との間に取り付けられたマジックミラーの向こうでビデオカメラがまわされている事に稀世は全く気付いていなかった。
最初にインタビューを受けた萱島という2年生の学生担当が奥の部屋から出てきて「すみません。もし、何か思い出すことがあった時に連絡する先を教えておいてもらえませんか?僕もややこしい事に巻き込まれるのは困るんで、これを機にプレジャーを辞めようと思ってるもんで…。」と言うので、稀世は何の疑いも持たず、メディアクリエイトの名刺を萱島に渡した。
直から「稀世ちゃん、反社が絡んでるかもしれへんのに、本名入った名刺渡してしもてよかったんか?太田はんから、「やばい取材」用に偽名の名刺を作ってもらってたやろ。」と耳元で言われたが、今更「それ間違えだったんで取り替えてください。」とは言えなかった。
その学生は名刺を受け取ると、再び奥の部屋に戻って行った。壁の向こうで受け取った名刺を幹部と思われる男に渡すと、その男は「ちっ!」と舌打ちをした。(あの女、よもやのほんまもんの「安稀世」やったんや。そういえばニコニコプロレスを引退後、ジャーナリストになったっていう話があったよな。「松本香」を名乗って面接に来やがったんも、潜入取材調査やったんやな…。舐めたマネしやがって!嘘つき女には「お仕置き」が必要やな。うちの事をどこまで調べてるかもわからん状況やから、そこは「上」に任せるか…。)と新たな面談を控えてこの事務所を訪れていたプレジャー幹部の大和田は独り言を繰り返した後、スマホを取り出し状況を古川橋に連絡した。大和田は古川橋から指示を受けるとロッカーから「記録保全」とネームテープが張られたラックと「デリヘル用」の表示のあるボックスから一つずつ部品を取り出すと精密ドライバーで分解し始めた。
稀世と直の3人目のヒアリングが終わると、萱島がこそこそと奥の部屋から出てきた。稀世と直を事務所の外に連れ出すと
「記者さん、去年の最強女子レスラー決定戦UCWWの実質チャンピオンの安選手だったんですね。リングコスチュームで無かったんで名刺もらうまで気が付きませんでした。そんな、ダメファンですけど良かったらこれ持って行ってください。ここのパソコンのデータをコピーした2TBのポータブルHDDです。少しでも安さんの取材の役に立つことを祈っています。幹部しかアクセスできないファイルもありますけど、僕が聞いた中では暗証番号は「6955」でした。試してみてください。」
と少し震える声でUSBバッテリーサイズの小型外付けHDDを渡すと、周りを気にしながら事務所に戻って行った。
「暗証番号が「6955」って笑わせよんな。まあ、ここにも稀世ちゃんファンが居ってよかったがな。カラカラカラ。」
と気楽に直は笑ったが、数時間後に稀世を大変な厄災が襲う事になるとは全く予想していなかった。
午後6時半、昨日は帰宅できなかったこともあり軽くシャワーを浴びて着替えるまで、直に部屋で待ってもらっている間に太田から電話が入って来た。「稀世ちゃーん、太田はんから電話やぞー!」と直が声をかけると「ゴメン、今、頭を洗い始めたところやから代わりに直さん出ててー!」と返事をした。
電話にでた直が、2分後、血相を変えてバスルームに飛び込んできた。太田と玖美が此花警察の立ち合いの元、病院で面会をした薬物中毒反応と記憶障害、意識障害に加えて強姦された痕跡が残る若い女の子が玖美の友人で昨夕から行方不明だった「佐藤梨恵」だったと分かったとの事だった。
玖美の病院の付き添いは警察から許可が出なかったという事だったので、ひとまず玖美を連れてメディアクリエイトに戻ることが伝えられ、午後8時からエンドレスの会議に入ることが伝えられた。
大慌てで稀世は髪を洗い流し、ドライヤーもそこそこに着替えを済ませ出かける用意をした。社用のノートパソコンにプレジャーの萱島にもらったコンパクトHDDのデータを移すと、連夜の向日葵寿司での夕食となった。
三朗に玖美の友達が大変な状態で発見されたことを伝え、今回のヤマに太田の予想する海外反社が絡んでいる可能性が高い事を話した。
「くれぐれも無茶しないでくださいね。相手は「武器輸入販売」や「殺しの請負」までしてるっていう狂暴な香港マフィアって事ですから、あくまで稀世さんの身体第一で危険なことはしないでくださいよ。」
と心配げに視線を向ける三朗に稀世はやさしく微笑んだ。
「ありがとう。でも、実際に身内で泣いてる女の子が出た以上は、早急に「悪」は暴かなあかん。これ以上、泣く女の子を出さへんためにも徹夜してでも裏付けを早くとって、坂井さんたちが検挙できるようにせんとな。サブちゃんは美味しいお寿司で応援してな。」
三朗は「夜食にみんなで食べてください。」と稀世の大好物の「筍と白ゴマのいなりずし」を持たせてくれた。
「おまけのおまけ」
秋の新作会議を10日に済ませてました。
とりあえず、次回作は決まったのですが、「10月」ネタで候補に挙げていた「ハードロックバンド除霊師」が、アニメ「ダンダダン」でよく似たコンセプトの「除霊お囃子」で出てきたので、いきなり「ボツ」になりました(笑)。
「没イラスト供養」させてください(笑)。
「稀世ちゃん」イメージと「まりあさん」イメージで作ってました。
今となっては笑い話ですが、高校時代は赤井はバンドやってて、メインは「インスト」と「ロック」だったんですけど、当時はみんな「ヘビメタブーム」で「ギター」か「ボーカル」をやりたがった時代だったので「ベース」もやってた赤井は「助っ人」で友達のバンドで「アースシェイカー」のコピーとかやってました(笑)。
さて、10月ネタを考え直さないとねー!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
「おまけのおまけのおまけ(笑)」
「社畜の鑑」で「靖君」を殺してしまい、RBFC女子部の皆さんからめちゃくちゃお叱りを受けましたので、次作で「別」の晶さんと靖君を登場させます!
今度は「37歳」の晶さんと「25歳」の靖君です。
舞台は北海道です!
次作では、「普通」に幸せにしますよー!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
時を同じくして、プレジャーの門真事務所での取材は佳境を迎えていた。3人の学生スタッフから証言を得ている間、隣室との間に取り付けられたマジックミラーの向こうでビデオカメラがまわされている事に稀世は全く気付いていなかった。
最初にインタビューを受けた萱島という2年生の学生担当が奥の部屋から出てきて「すみません。もし、何か思い出すことがあった時に連絡する先を教えておいてもらえませんか?僕もややこしい事に巻き込まれるのは困るんで、これを機にプレジャーを辞めようと思ってるもんで…。」と言うので、稀世は何の疑いも持たず、メディアクリエイトの名刺を萱島に渡した。
直から「稀世ちゃん、反社が絡んでるかもしれへんのに、本名入った名刺渡してしもてよかったんか?太田はんから、「やばい取材」用に偽名の名刺を作ってもらってたやろ。」と耳元で言われたが、今更「それ間違えだったんで取り替えてください。」とは言えなかった。
その学生は名刺を受け取ると、再び奥の部屋に戻って行った。壁の向こうで受け取った名刺を幹部と思われる男に渡すと、その男は「ちっ!」と舌打ちをした。(あの女、よもやのほんまもんの「安稀世」やったんや。そういえばニコニコプロレスを引退後、ジャーナリストになったっていう話があったよな。「松本香」を名乗って面接に来やがったんも、潜入取材調査やったんやな…。舐めたマネしやがって!嘘つき女には「お仕置き」が必要やな。うちの事をどこまで調べてるかもわからん状況やから、そこは「上」に任せるか…。)と新たな面談を控えてこの事務所を訪れていたプレジャー幹部の大和田は独り言を繰り返した後、スマホを取り出し状況を古川橋に連絡した。大和田は古川橋から指示を受けるとロッカーから「記録保全」とネームテープが張られたラックと「デリヘル用」の表示のあるボックスから一つずつ部品を取り出すと精密ドライバーで分解し始めた。
稀世と直の3人目のヒアリングが終わると、萱島がこそこそと奥の部屋から出てきた。稀世と直を事務所の外に連れ出すと
「記者さん、去年の最強女子レスラー決定戦UCWWの実質チャンピオンの安選手だったんですね。リングコスチュームで無かったんで名刺もらうまで気が付きませんでした。そんな、ダメファンですけど良かったらこれ持って行ってください。ここのパソコンのデータをコピーした2TBのポータブルHDDです。少しでも安さんの取材の役に立つことを祈っています。幹部しかアクセスできないファイルもありますけど、僕が聞いた中では暗証番号は「6955」でした。試してみてください。」
と少し震える声でUSBバッテリーサイズの小型外付けHDDを渡すと、周りを気にしながら事務所に戻って行った。
「暗証番号が「6955」って笑わせよんな。まあ、ここにも稀世ちゃんファンが居ってよかったがな。カラカラカラ。」
と気楽に直は笑ったが、数時間後に稀世を大変な厄災が襲う事になるとは全く予想していなかった。
午後6時半、昨日は帰宅できなかったこともあり軽くシャワーを浴びて着替えるまで、直に部屋で待ってもらっている間に太田から電話が入って来た。「稀世ちゃーん、太田はんから電話やぞー!」と直が声をかけると「ゴメン、今、頭を洗い始めたところやから代わりに直さん出ててー!」と返事をした。
電話にでた直が、2分後、血相を変えてバスルームに飛び込んできた。太田と玖美が此花警察の立ち合いの元、病院で面会をした薬物中毒反応と記憶障害、意識障害に加えて強姦された痕跡が残る若い女の子が玖美の友人で昨夕から行方不明だった「佐藤梨恵」だったと分かったとの事だった。
玖美の病院の付き添いは警察から許可が出なかったという事だったので、ひとまず玖美を連れてメディアクリエイトに戻ることが伝えられ、午後8時からエンドレスの会議に入ることが伝えられた。
大慌てで稀世は髪を洗い流し、ドライヤーもそこそこに着替えを済ませ出かける用意をした。社用のノートパソコンにプレジャーの萱島にもらったコンパクトHDDのデータを移すと、連夜の向日葵寿司での夕食となった。
三朗に玖美の友達が大変な状態で発見されたことを伝え、今回のヤマに太田の予想する海外反社が絡んでいる可能性が高い事を話した。
「くれぐれも無茶しないでくださいね。相手は「武器輸入販売」や「殺しの請負」までしてるっていう狂暴な香港マフィアって事ですから、あくまで稀世さんの身体第一で危険なことはしないでくださいよ。」
と心配げに視線を向ける三朗に稀世はやさしく微笑んだ。
「ありがとう。でも、実際に身内で泣いてる女の子が出た以上は、早急に「悪」は暴かなあかん。これ以上、泣く女の子を出さへんためにも徹夜してでも裏付けを早くとって、坂井さんたちが検挙できるようにせんとな。サブちゃんは美味しいお寿司で応援してな。」
三朗は「夜食にみんなで食べてください。」と稀世の大好物の「筍と白ゴマのいなりずし」を持たせてくれた。
「おまけのおまけ」
秋の新作会議を10日に済ませてました。
とりあえず、次回作は決まったのですが、「10月」ネタで候補に挙げていた「ハードロックバンド除霊師」が、アニメ「ダンダダン」でよく似たコンセプトの「除霊お囃子」で出てきたので、いきなり「ボツ」になりました(笑)。
「没イラスト供養」させてください(笑)。
「稀世ちゃん」イメージと「まりあさん」イメージで作ってました。
今となっては笑い話ですが、高校時代は赤井はバンドやってて、メインは「インスト」と「ロック」だったんですけど、当時はみんな「ヘビメタブーム」で「ギター」か「ボーカル」をやりたがった時代だったので「ベース」もやってた赤井は「助っ人」で友達のバンドで「アースシェイカー」のコピーとかやってました(笑)。
さて、10月ネタを考え直さないとねー!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
「おまけのおまけのおまけ(笑)」
「社畜の鑑」で「靖君」を殺してしまい、RBFC女子部の皆さんからめちゃくちゃお叱りを受けましたので、次作で「別」の晶さんと靖君を登場させます!
今度は「37歳」の晶さんと「25歳」の靖君です。
舞台は北海道です!
次作では、「普通」に幸せにしますよー!
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