『貧困女子を食い物にする裏風俗ビジネスの闇を暴け!~元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌VOL.5』

M‐赤井翼

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「佐藤梨恵」

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「佐藤梨恵」

 翌朝、玖美が出社すると太田も稀世も目の下に深いクマを作った赤ら顔で会議室にいた。会議テーブルには、ビールや缶チューハイの空き缶が並び、明らかに5人は部屋にいた形跡が残されていた。ホワイトボードには何枚ものメモが書かれた付箋が貼られている。
「太田さん、稀世さん、朝までここで飲んでたんですか?凄いアルコール臭なんで窓を開けて換気しますよ!」
 玖美が窓を全開にして、空き缶を片付け始めると稀世も椅子から立ち上がり大きなごみ袋を取り出した。

 片付けを進める2人を横目に、太田はノートパソコンを叩き続けている。稀世は言い訳のように、ここで飲んでいたのは午前1時まででその後は、直と門真署の2人の刑事と一緒に5人で闇風俗事件について話し合っていたという事だった。
 話の争点は、直が襲われた事務所での3人の暴漢が全て元中国籍の男だったという事で、若い2人の出路は身分証明書から共に大連で大陸での前戦争で敗戦時に日本に帰国できず中国に残され、中国人との間に生まれ、数年前に横浜に移り住んだ残留二世と言う事が分かった。
 中年の男は入国記録はなかったが、顔写真から2年前の3月に香港から違法な手段で日本に入国し東京の最大手の反社の2次団体と「五分の盃」を交わしたという香港マフィア「三合会」の中の反社組織「14K」のメンバーであることが分かった。

 「どうしてそんなことが分かったんですか?」と尋ねる玖美に稀世は坂井から聞いた情報を絶対に表で口外しないという前提で説明した。「国内反社」と「香港マフィア」の「盃事」の半年後、警視庁が都内で摘発した別の事件で押収した幹部のスマホからその時の様子を治めた動画が見つかったのだった。頬に大きく残る傷跡で、その盃ごとに出席していた「14K」サイドの幹部である事が判明したとの事だった。
 「すみません。「三合会」とか「14K」っていうのが何かわかんないんですけど…?」と申し訳なさそうに尋ねる玖美に稀世が上手く説明できないでいると、太田が「香港三合会」のウィキペディアをプリントアウトし数か所にマーカーペンでチェックを入れると玖美に渡した。
 「14K」は、香港のマフィア「香港三合会」のメイン組織の一つであり、三合会は17世紀、当時の清朝に抵抗した政治結社だった。その活動の中で売春や賭博等の犯罪グループを支配する犯罪組織になったものの総称で、構成員は数万人規模とも言われることが解説された。いわゆる中国における「反社」は「黒社会」と呼ばれるのだが、香港では「黒社会」の構成員であること自体が取り締まり対象になるため、活動の場を国外に求める傾向が進んでいると言い、ウィキペディアのプリントの「活動範囲」の中にマーカーで塗られた項目に「日本」が含まれている事を語った。
 
 太田は「続いて「主な活動」の項目のマーカー部を読んでみてんか。」と玖美に声をかけた。「麻薬密売」、「武器密売」、「売春」、「人身売買」、「高利貸し」、「恐喝」、「マネーロンダリング」にマーキングがされていたのを見て、玖美はよからぬものを想像して震えた。
「太田さん、梨恵の事件にこの香港マフィアが絡んでる可能性があるって言うんですか?「薬物」に「武器」に「人身売買」って無茶苦茶じゃないですか!もし、梨恵がそんな人たちに捕まってるとするならば…、」
 言葉が出なくなった玖美に稀世がやさしく慰めた。
「玖美ちゃん、まだ何も分からへんっていうのが実際やで。ただ、昨日、直さんが絡んだ「プレジャー」の事務所で「三合会」と「チャイニーズドラゴン」の半グレが絡んでた可能性があるからって、太田さんが幼馴染の刑事さんと情報を共有しただけやから、最悪の想像をするのは止めときや。」

 梨恵の行方と身体の心配をし続け、仕事が手に着かない玖美には稀世が面接を受けてきた時の大和田との会話のテープ起こしを頼み、強い雨が降り始めた昼一番には稀世はメディアクリエイトの社有車で直と一緒に昨日、一悶着あったプレジャーの事務所を取材に訪れていた。
 事務所の学生に、ヒアリングを続ける中で、「匿名」を前提として「突然来なくなった女の子が居た。」、「ややこしい男たちに連れて行かれるのを見た。」、「街中ですっかり別人になった子を見かけた。」との証言を得ることができた。
 ヒアリングの最中に稀世の背後から向けられたある視線に気付くことなく、取材に熱中した稀世にある危険が迫る中、梨恵は予想外の場所で自分の名も名乗れない状態で発見されることになった。
 
 大阪湾北部のヨットハーバーである大阪北港マリーナの桟橋に下半身に出血痕のあるボロボロの身なりをした若い女が何やらぶつぶつと呟いて雨に打たれているとの通報があり、此花警察署員が向かったところ、明らかに薬物の過剰摂取オーバードーズの症状を見せ、会話も成り立たない女の子を発見し警察官は保護を決めた。署に戻ると、被害者保護係の若い女性刑事が女の衣服を着替えさせる際に、身体に多くの痣がある事に気付いた。下着を脱がせると陰部の会陰裂傷が見られ、排泄器も同様に裂けていた。
 即時、病院に連れて行き、各種検査をしたところ性器および排泄器内から複数の血液型を示す精液が摘出された。手首には金属製の手錠の痕が残り、暴れた際にできたであろう擦過傷がみられた。さらに薬物中毒を疑っての尿検査、血液検査の結果、体内から覚せい剤の成分が検出された。左ひじ内側だけでなく、会陰部にも注射痕が発見された。
「この様子だと、洋上で半グレ主催の乱交パーティーに参加して「決めセク」で薬物入れすぎちゃったか、「シャブ漬け」にされた挙句に犯されまくって捨てられたってなところね。」
と呟き、報告書を上げた。

 スマホ、財布、身分証等、女の子の身元を示すものは何もなかったが、脱がせたスカートのポケットの中から複数枚の丸まったレシートが発見された。女刑事は丁寧に広げ、ゆっくりと乾かすと、門真市にある東大阪産業大学の学生生協のレシートであることが分かった。女刑事は、レシートに会員番号らしきナンバーが印刷されているこちに気付いた。(うーん、午後4時か…。この雨だと阪神高速は大渋滞だろうし、今から門真に行っても生協は閉まっちゃうやろうからここは同期・・に動いてもらうか。)と思うとスマホを取り出し電話をかけた。
「もしもし、載田君?ご無沙汰で―す。ちょっと東大阪産業大学の学生生協で調べて欲しい事があるんやけど…。今度、晩飯の奢りで動いてくれへんかな?」

 午後4時半、載田は坂井と共に東大阪産業大学学生生協事務局に居た。「薬物」絡みで「強姦」を予想させる状況に偶然に昨日発生した直絡みのプレジャーの事件、そして東大阪産業大学の女生徒失踪事件が坂井の頭の中でリンクして速攻で捜査に入ったのだった。
同期女刑事から送ってこられたレシートの写真からそのレシートの持ち主は鈴木玖美から「誘拐」、「拉致監禁」の可能性があると聞かされていた「佐藤梨恵」である事が確認された。
坂井はメディアクリエイトの太田に電話を入れ、被害者の「面通し」で玖美との同行を申し出た。梨恵の状況については詳しくは玖美に伝えることなく、2人で此花区にある病院に車を走らせた。



「おまけ」
今日も挿絵の入れにくいシチュエーションなんで先週末のRBFCの流れで(笑)男性陣に「サービス」です!

花火大会終わって、「ビール飲みすぎで向日葵寿司の2階の寝室ではしゃぐ稀世ちゃん」&「はしゃぎ疲れて眠くなっちゃった稀世ちゃん」です!








そろそろ眠くなりますよー(笑)!





「こてん(笑)!」






RBFC女性部の意見では

「絶対にサブちゃんなら黙ってタオルケット掛けて、おでこに「ちゅっ」くらいで

「稀世さん、今日は楽しかったです。ゆっくり休んでくださいね…。」

って言うんだろうね。」ってね(笑)。


男性陣にRBFCで送った「裏イラスト(笑)」はここではNGですね(笑)!
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