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「スクープ・パーティー・イン・向日葵寿司」
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「スクープ・パーティー・イン・向日葵寿司」
大阪府警の記者会見中継が終わった午後3時10分。「そろそろ始めさせてもらってよろしいですかー?」と三朗が豪華な海鮮盛りの大皿を持って現れた。
「サブちゃん、私も手伝うわな。」
と稀世も立ち上がり、一緒になって満員の店のテーブルに次々と料理と瓶ビールとビアグラスを運んでいった。ニコニコ商店街女性部のメンバーも手伝い、3分で各テーブルの料理とビールの準備ができた。稀世と太田の席の前には2尺の尾頭付きの「鯛の刺身」が置かれている。
太田が立ち上がると、皆、グラスに飲み物を注ぎ、乾杯の発声を今か今かと喉を鳴らして待っている。
「では、今年3発目!「スクープを呼び込む女」こと「スクープ・バキューマー稀世ちゃん」の大活躍で再々度、「3000万円」超えの世紀の大スクープを「メディアクリエイト」が獲得することが確定しました!
俺の予想では、アメリカだけでなく、イギリスを筆頭に大手テレビ局やマスコミからも取材依頼、情報提携依頼がきてるんで、「5000万円」超えは確実で、うまく波に乗れば、「7000万」いや「夢の大台」も夢やないところまで来ています!
門真の正規従業員10名ほどの制作会社にできることじゃないぞこりゃ!
それもこれも、昨年、稀世ちゃんがニコニコプロレスを惜しまれつつ引退して、わが社に来てくれたおかげ以外の何物でもあれへん。
そんなわが社、いや「ニコニコ商店街」そして「ニコニコプロレス」の…、いやいや「大阪」どころか「世界」の女神稀世ちゃんの大活躍に…」
と太田が熱弁を奮っていると、直からクレームが飛んだ。
「太田はん、長いぞ!もうコップを持つ手がしびれて来たから、先に「乾杯」せえや!」
大きな笑い声が湧く中、太田は直の言葉に忖度して
「じゃあ、とにもかくにも我らが「スクープ・バキューマー稀世ちゃん」にかんぱーい!」
とグラスを前に突きだすと、稀世以外の皆が笑顔でグラスを頭の上に突き上げた。
一気に空けられたグラスが次々とテーブルに戻ってくると、隣、向かい関係なくビールを交わし合い、2杯目に突入する中、ふくれっ面の稀世に太田が尋ねた。
「どないしたんや?今日の主役がそんな顔してたらあかんやろ?」
稀世は1杯目のビールを一気に喉に流し込むと太田に文句を言った。
「「バキューマー稀世」ってなんですの!なんかもうちょっと可愛い言い方っていうか、女の子に向けた物言いってあるでしょ!23歳の女の子に「バキューム」は無しでしょ。太田さんのセンスを疑いますよ!プンプン。」
怒っている稀世に直が味方した。
「せやせや、こんなセンスのない上司の「アホハラ」に付き合わんと、ちゃちゃっと「退社」してまりあちゃんとタッグ組んでまた毎日のようにプロレス見せてくれや!カラカラカラ。」
その言葉に慌てた太田は皆の見ている前で稀世に土下座した。
「ごめん、「気に入ってもらえる」と思ってつけた名前やったんやけど、それが嫌やったら「超セクシー・ダイナマイト・ボンバー・スクーパー・ゾンビィ稀世」やったらええか?」
とその場の勢いで忖度する太田に稀世が再び厳しい言葉を投げつけた。
「もう、なんでも並べりゃいいってもんとちゃいますよ!何気に「ボンバー」とか「ゾンビィ」とかも女の子からしたら「ディスられてる」って思っちゃいますよ!もう、普通に「稀世」って呼んでくれるだけの方がいいです!」
と文句を言いつつ、太田から視線を外し鯛のお造りに箸を入れた瞬間、稀世の表情が柔らかくなった。
「がおっ、このお刺身めちゃくちゃ美味しい!ただの鯛のお造りとちゃうやんなぁ?サブちゃん、どんな魔法を使ったん?コリッコリな歯ごたえで噛めば噛むほど甘みとコクが出てくるわ。こんな鯛のお造り初めてや!」
次の天ぷら料理を持ってきた三朗が稀世にサーブしながら、皿に盛られたピンクと黒が混ざった粉末を指さした。
「ヒマラヤのピンク岩塩と利尻昆布の粉末のミックス塩です。このお造りは普通の荒塩で「〆め」ないでこのお塩で「〆め」たんですよ。
まあ、鯛の「コブ〆め」に岩塩をふったような、「塩っけ」と「甘味」が出ますし、乾燥昆布と岩塩で身から染み出た水分はしっかりとキッチンペーパーで拭き取ってますから、水っぽさが抜けて身が締まるんです。
良かったら、鯛の身の天ぷらもこのお塩でどうぞ。凄く手間がかかるんで日頃は使わない手法なんですけど、今日は稀世さんのお祝いの席なんでいつもより3時間早起きして頑張りました。」
の三朗の一言で稀世の機嫌はすっかり戻り、太田は「稀世退社」の危機から解放され、「ほっ」とした。
スクープパーティーは盛り上がっていく中、ふとまりあが稀世に質問を投げかけた。
「ちなみに、最後の稀世と粋華との試合前まで私は「イカサマ」や「八百長」について、何も知らんかったんやけど稀世はいつ知ったんや?
まあ、準決勝の後、直さんが「明日は「賭け」禁止!」って言いだしたときに私もわかったんやけど、稀世はもっと先に気づいてたんやろ?」
まりあの質問に皆が興味を持って稀世の返答に集中した。
稀世の返答によると、最初に「おかしい」と感じたのは、ルメイに誘われて行った「高級料亭」の時だったという。太田に渡されたボイスレコーダーとスマホをテーブルの上に置き、オフレコであることをルメイに確認させると、胸の谷間に隠した薄型の盗聴器には気づかずにルメイからいくつかの質問が出たとのことだった。
「稀世の団体は運営資金に困ってないのかい?」
「日本の女子レスラーはみんな副業を持ってるってホント?」
「日本の女子プロレスって本当にみんな「ガチ」勝負なの?」
「変な言い方になるけど、「白星」の「売買」って日本ではあるの?」
「稀世は「大きなお金」と「名誉」だったらどっちを取るの?」
とその時の稀世はルメイが単に「日本の女子プロレス団体の実情」を尋ねているだけと思っていたが、今思えば「八百長」への興味を探っていたと思える問いがいくつもあったことが、盗聴会話を聞き直した太田の感想として聞かされて、ようやくそれに気がついたと口にした。
「稀世はなんて答えたんや?」
と尋ねるまりあに稀世は恥ずかしそうにうつむいて答えた。
「レスラーとして「ド直球」の返事しかできなかったです。太田さんが「盗聴器」を仕込ませたことに対して「ジャーナリスト」としての「勘」は全く働いてなかったです…。
だから、今回の案件は全然私のスクープなんかじゃないんですよ…。記者としてはまだまだですよね…。くすん。」
それをフォローするように太田が発言を挟んだ。
「でも、稀世ちゃんの凄いところは、その料亭ですっかり「ルメイ」を「取り込んだ」とこですわ!
「狙って」やるんやなくて「天然」でやってしまうところが「稀世ちゃん」の凄いところなんやで。あくまで、音声データだけで映像はあれへんから半分は「想像」が入ってるんですけど、ルメイが仲居に「これから30分は、大事な話があるから誰も寄らさんようにな。」って言った後の稀世ちゃんが凄いんやわ!」
その一言で、ニコニコ商店街のメンバーは自分の席を離れて稀世と太田の席の周りに集まってきた。
皆の期待を一身に受け直が稀世に尋ねた。
「稀世ちゃん、「やった」んか?それとも、遠慮気味に「おっぱい」くらい揉ませたったんか?」
直の言葉が発せられた瞬間、三朗が近くにきて、驚いた表情で稀世に視線を向けた。目が合ったことで頭の中が真っ白になった。
何を言えばいいのかわからなくなり、あるがままを答えるしかなかった。
目の下に大きな「クマ」を浮かべたルメイに「今日は、前泊無しで日本に来られてるんですよね。アメリカの大きな会社の代表者って1日の睡眠が「3時間」って聞いたことがありますけど、きちんと寝られてますか?」と尋ねた稀世にルメイは、「UCWWが終わるまではゆっくりと寝られる時間はないんだ。」と答えたという。
「少しは寝ないとダメですよ。ルメイさんが倒れたら大会自体が無くなっちゃうじゃないですか。私、こども食堂のみんなに「美味しいもの食べさせてあげる」って約束しちゃってるから困っちゃうんですよ。」
と本音で話す稀世に、ルメイは幼少期、ロサンゼルスのダウンタウンの貧困家庭で育ち、幼稚園時代は共稼ぎの両親と仲の良い「ママ友」の日本人の友達の家で夕食をごちそうになっていたエピソードが語られた。
「我が家には無い「畳」の部屋で友達のお母さんが晩御飯の後、親が迎えに来るまで寝かせてくれるんですよ。その寝入り際までしてくれた「膝枕」ってアメリカには無い文化なんで、今日のお座敷の畳を見るとふと懐かしくなってしまいました…。
無償で幼稚園が同じだっていうだけで食事をとらせてくれて、預かってくれたその友人のお母さんと、出場賞金は「こども食堂」の運営費に充てるという「慈悲」の心を持ったやさしい稀世が重なったんですよ。
きっとその日本人女性の「慈悲」の精神を「ヤマトナデシコ」って言うんでしょうね…。」
子供のような優しい目をしたルメイに「ちょっとだけでよかったら「膝枕」しましょうか?」と思わず言ってしまった稀世に対し、一瞬驚いた顔をしたルメイだったが、スマホを操作し、「タイマー」で「10分」をセットすると稀世に見せ「少しだけ甘えさせてください。」とタイマーアプリのスタートボタンをタップした。
カウントダウンを始めたスマホ画面を確認すると、稀世はルメイの座る上座側に移り畳に正座すると「どうぞ。レスラーの太ももやから「ごつい」かもしれませんけど…。」と膝を差し出すと、ルメイは何も言わず稀世の膝に耳を預けた。
ものの数十秒でルメイは本気の寝息を立て始めた。(あぁ、ほんまに疲れてはるんや…。アメリカの若い社長さんも大変なんやなぁ…。)と思っているとあっという間に10分は経ち、「ピピピピ」とルメイのスマホが鳴った。
「おまけ」
今日は「旧ドク」だけが知っている今作の登場キャラ
「マチルダ・ルーク」選手
です(笑)。
「私達JKプロレスラーズ」
っていう、ロサンゼルスのインディーズの小説に出てくるキャラクターです。
「新読者」の皆さんにはチンプンカンプンですね。
すみません。(m´・ω・`)m ゴメン…
アメリカンコミック用に書いたもので「余命半年~」シリーズや「なつ&陽菜犯科帳」シリーズより前の作品になります。
小さくて「ちっぱい」空手少女の「アグネス・リッケンバッカー」と「高身長」でグラマー柔道少女の「マチルダ・ルーク」っていう凸凹コンビがロスの女子インディーズに入門して頑張る話なのですが、やっぱりほとんど試合のシーンが無い話でした(笑)。
「余命半年~④」の児童売買組織「CーMART」、「なつ陽菜犯科帳①」の「キリン幼稚園攻防戦」の元ネタの「マリブ・プレスクール事件」と「アグ・マチ」の話を門真に舞台を変えて「自己カバー(笑)」のネタでした!
稀世ちゃんが「59.8キロ」にこだわる原点がマチルダにあります(笑)。
ここで「イラスト供養」させてもらいますねー!
(他の出場レスラーのイメージイラストはまた後日!)
では、またー!
(@^^)/~~~
大阪府警の記者会見中継が終わった午後3時10分。「そろそろ始めさせてもらってよろしいですかー?」と三朗が豪華な海鮮盛りの大皿を持って現れた。
「サブちゃん、私も手伝うわな。」
と稀世も立ち上がり、一緒になって満員の店のテーブルに次々と料理と瓶ビールとビアグラスを運んでいった。ニコニコ商店街女性部のメンバーも手伝い、3分で各テーブルの料理とビールの準備ができた。稀世と太田の席の前には2尺の尾頭付きの「鯛の刺身」が置かれている。
太田が立ち上がると、皆、グラスに飲み物を注ぎ、乾杯の発声を今か今かと喉を鳴らして待っている。
「では、今年3発目!「スクープを呼び込む女」こと「スクープ・バキューマー稀世ちゃん」の大活躍で再々度、「3000万円」超えの世紀の大スクープを「メディアクリエイト」が獲得することが確定しました!
俺の予想では、アメリカだけでなく、イギリスを筆頭に大手テレビ局やマスコミからも取材依頼、情報提携依頼がきてるんで、「5000万円」超えは確実で、うまく波に乗れば、「7000万」いや「夢の大台」も夢やないところまで来ています!
門真の正規従業員10名ほどの制作会社にできることじゃないぞこりゃ!
それもこれも、昨年、稀世ちゃんがニコニコプロレスを惜しまれつつ引退して、わが社に来てくれたおかげ以外の何物でもあれへん。
そんなわが社、いや「ニコニコ商店街」そして「ニコニコプロレス」の…、いやいや「大阪」どころか「世界」の女神稀世ちゃんの大活躍に…」
と太田が熱弁を奮っていると、直からクレームが飛んだ。
「太田はん、長いぞ!もうコップを持つ手がしびれて来たから、先に「乾杯」せえや!」
大きな笑い声が湧く中、太田は直の言葉に忖度して
「じゃあ、とにもかくにも我らが「スクープ・バキューマー稀世ちゃん」にかんぱーい!」
とグラスを前に突きだすと、稀世以外の皆が笑顔でグラスを頭の上に突き上げた。
一気に空けられたグラスが次々とテーブルに戻ってくると、隣、向かい関係なくビールを交わし合い、2杯目に突入する中、ふくれっ面の稀世に太田が尋ねた。
「どないしたんや?今日の主役がそんな顔してたらあかんやろ?」
稀世は1杯目のビールを一気に喉に流し込むと太田に文句を言った。
「「バキューマー稀世」ってなんですの!なんかもうちょっと可愛い言い方っていうか、女の子に向けた物言いってあるでしょ!23歳の女の子に「バキューム」は無しでしょ。太田さんのセンスを疑いますよ!プンプン。」
怒っている稀世に直が味方した。
「せやせや、こんなセンスのない上司の「アホハラ」に付き合わんと、ちゃちゃっと「退社」してまりあちゃんとタッグ組んでまた毎日のようにプロレス見せてくれや!カラカラカラ。」
その言葉に慌てた太田は皆の見ている前で稀世に土下座した。
「ごめん、「気に入ってもらえる」と思ってつけた名前やったんやけど、それが嫌やったら「超セクシー・ダイナマイト・ボンバー・スクーパー・ゾンビィ稀世」やったらええか?」
とその場の勢いで忖度する太田に稀世が再び厳しい言葉を投げつけた。
「もう、なんでも並べりゃいいってもんとちゃいますよ!何気に「ボンバー」とか「ゾンビィ」とかも女の子からしたら「ディスられてる」って思っちゃいますよ!もう、普通に「稀世」って呼んでくれるだけの方がいいです!」
と文句を言いつつ、太田から視線を外し鯛のお造りに箸を入れた瞬間、稀世の表情が柔らかくなった。
「がおっ、このお刺身めちゃくちゃ美味しい!ただの鯛のお造りとちゃうやんなぁ?サブちゃん、どんな魔法を使ったん?コリッコリな歯ごたえで噛めば噛むほど甘みとコクが出てくるわ。こんな鯛のお造り初めてや!」
次の天ぷら料理を持ってきた三朗が稀世にサーブしながら、皿に盛られたピンクと黒が混ざった粉末を指さした。
「ヒマラヤのピンク岩塩と利尻昆布の粉末のミックス塩です。このお造りは普通の荒塩で「〆め」ないでこのお塩で「〆め」たんですよ。
まあ、鯛の「コブ〆め」に岩塩をふったような、「塩っけ」と「甘味」が出ますし、乾燥昆布と岩塩で身から染み出た水分はしっかりとキッチンペーパーで拭き取ってますから、水っぽさが抜けて身が締まるんです。
良かったら、鯛の身の天ぷらもこのお塩でどうぞ。凄く手間がかかるんで日頃は使わない手法なんですけど、今日は稀世さんのお祝いの席なんでいつもより3時間早起きして頑張りました。」
の三朗の一言で稀世の機嫌はすっかり戻り、太田は「稀世退社」の危機から解放され、「ほっ」とした。
スクープパーティーは盛り上がっていく中、ふとまりあが稀世に質問を投げかけた。
「ちなみに、最後の稀世と粋華との試合前まで私は「イカサマ」や「八百長」について、何も知らんかったんやけど稀世はいつ知ったんや?
まあ、準決勝の後、直さんが「明日は「賭け」禁止!」って言いだしたときに私もわかったんやけど、稀世はもっと先に気づいてたんやろ?」
まりあの質問に皆が興味を持って稀世の返答に集中した。
稀世の返答によると、最初に「おかしい」と感じたのは、ルメイに誘われて行った「高級料亭」の時だったという。太田に渡されたボイスレコーダーとスマホをテーブルの上に置き、オフレコであることをルメイに確認させると、胸の谷間に隠した薄型の盗聴器には気づかずにルメイからいくつかの質問が出たとのことだった。
「稀世の団体は運営資金に困ってないのかい?」
「日本の女子レスラーはみんな副業を持ってるってホント?」
「日本の女子プロレスって本当にみんな「ガチ」勝負なの?」
「変な言い方になるけど、「白星」の「売買」って日本ではあるの?」
「稀世は「大きなお金」と「名誉」だったらどっちを取るの?」
とその時の稀世はルメイが単に「日本の女子プロレス団体の実情」を尋ねているだけと思っていたが、今思えば「八百長」への興味を探っていたと思える問いがいくつもあったことが、盗聴会話を聞き直した太田の感想として聞かされて、ようやくそれに気がついたと口にした。
「稀世はなんて答えたんや?」
と尋ねるまりあに稀世は恥ずかしそうにうつむいて答えた。
「レスラーとして「ド直球」の返事しかできなかったです。太田さんが「盗聴器」を仕込ませたことに対して「ジャーナリスト」としての「勘」は全く働いてなかったです…。
だから、今回の案件は全然私のスクープなんかじゃないんですよ…。記者としてはまだまだですよね…。くすん。」
それをフォローするように太田が発言を挟んだ。
「でも、稀世ちゃんの凄いところは、その料亭ですっかり「ルメイ」を「取り込んだ」とこですわ!
「狙って」やるんやなくて「天然」でやってしまうところが「稀世ちゃん」の凄いところなんやで。あくまで、音声データだけで映像はあれへんから半分は「想像」が入ってるんですけど、ルメイが仲居に「これから30分は、大事な話があるから誰も寄らさんようにな。」って言った後の稀世ちゃんが凄いんやわ!」
その一言で、ニコニコ商店街のメンバーは自分の席を離れて稀世と太田の席の周りに集まってきた。
皆の期待を一身に受け直が稀世に尋ねた。
「稀世ちゃん、「やった」んか?それとも、遠慮気味に「おっぱい」くらい揉ませたったんか?」
直の言葉が発せられた瞬間、三朗が近くにきて、驚いた表情で稀世に視線を向けた。目が合ったことで頭の中が真っ白になった。
何を言えばいいのかわからなくなり、あるがままを答えるしかなかった。
目の下に大きな「クマ」を浮かべたルメイに「今日は、前泊無しで日本に来られてるんですよね。アメリカの大きな会社の代表者って1日の睡眠が「3時間」って聞いたことがありますけど、きちんと寝られてますか?」と尋ねた稀世にルメイは、「UCWWが終わるまではゆっくりと寝られる時間はないんだ。」と答えたという。
「少しは寝ないとダメですよ。ルメイさんが倒れたら大会自体が無くなっちゃうじゃないですか。私、こども食堂のみんなに「美味しいもの食べさせてあげる」って約束しちゃってるから困っちゃうんですよ。」
と本音で話す稀世に、ルメイは幼少期、ロサンゼルスのダウンタウンの貧困家庭で育ち、幼稚園時代は共稼ぎの両親と仲の良い「ママ友」の日本人の友達の家で夕食をごちそうになっていたエピソードが語られた。
「我が家には無い「畳」の部屋で友達のお母さんが晩御飯の後、親が迎えに来るまで寝かせてくれるんですよ。その寝入り際までしてくれた「膝枕」ってアメリカには無い文化なんで、今日のお座敷の畳を見るとふと懐かしくなってしまいました…。
無償で幼稚園が同じだっていうだけで食事をとらせてくれて、預かってくれたその友人のお母さんと、出場賞金は「こども食堂」の運営費に充てるという「慈悲」の心を持ったやさしい稀世が重なったんですよ。
きっとその日本人女性の「慈悲」の精神を「ヤマトナデシコ」って言うんでしょうね…。」
子供のような優しい目をしたルメイに「ちょっとだけでよかったら「膝枕」しましょうか?」と思わず言ってしまった稀世に対し、一瞬驚いた顔をしたルメイだったが、スマホを操作し、「タイマー」で「10分」をセットすると稀世に見せ「少しだけ甘えさせてください。」とタイマーアプリのスタートボタンをタップした。
カウントダウンを始めたスマホ画面を確認すると、稀世はルメイの座る上座側に移り畳に正座すると「どうぞ。レスラーの太ももやから「ごつい」かもしれませんけど…。」と膝を差し出すと、ルメイは何も言わず稀世の膝に耳を預けた。
ものの数十秒でルメイは本気の寝息を立て始めた。(あぁ、ほんまに疲れてはるんや…。アメリカの若い社長さんも大変なんやなぁ…。)と思っているとあっという間に10分は経ち、「ピピピピ」とルメイのスマホが鳴った。
「おまけ」
今日は「旧ドク」だけが知っている今作の登場キャラ
「マチルダ・ルーク」選手
です(笑)。
「私達JKプロレスラーズ」
っていう、ロサンゼルスのインディーズの小説に出てくるキャラクターです。
「新読者」の皆さんにはチンプンカンプンですね。
すみません。(m´・ω・`)m ゴメン…
アメリカンコミック用に書いたもので「余命半年~」シリーズや「なつ&陽菜犯科帳」シリーズより前の作品になります。
小さくて「ちっぱい」空手少女の「アグネス・リッケンバッカー」と「高身長」でグラマー柔道少女の「マチルダ・ルーク」っていう凸凹コンビがロスの女子インディーズに入門して頑張る話なのですが、やっぱりほとんど試合のシーンが無い話でした(笑)。
「余命半年~④」の児童売買組織「CーMART」、「なつ陽菜犯科帳①」の「キリン幼稚園攻防戦」の元ネタの「マリブ・プレスクール事件」と「アグ・マチ」の話を門真に舞台を変えて「自己カバー(笑)」のネタでした!
稀世ちゃんが「59.8キロ」にこだわる原点がマチルダにあります(笑)。
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