あなたならどう生きますか?両想いを確認した直後の「余命半年」宣告

M‐赤井翼

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『あなたならどう生きますか?~両想いを確認した直後に「余命半年」の宣告を受けました~』

1-35「商店街女性部会設立」

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「商店街女性部会設立」
 水曜日の朝、アラームが鳴る前に三朗は目が覚めた。時計は午前五時を示していた。突然いやな感覚に襲われ、隣を見た。いつ稀世が帰ってきてもすぐ寝られるように、敷いておいた布団は、昨晩と同じ状態だった。稀世が帰ってきた様子はない。あわてて、稀世の携帯に電話をするが、「おかけになった電話は、現在電源が…。」のコールが流れる。
 何度コールしても変わらない。メールの着信も見たが、昨晩の「先に寝ていてください。」のメッセージの後は、何も履歴が無い。「至急連絡ください」とメールを送った。
 
 (稀世さんはどこへ行ってしまったんや?)不安感だけがどんどん大きくなっていく。(直と出かけた帰り道で何かあったのか?それとも、)胸に手を当てて、昨日一日を、振り返って、三朗は血の気が引いた。(朝、稀世さんのお風呂を覗いたこと…。風呂場で稀世さんのバスタオルをまくってしまったこと…。みんなの前で秘蔵のAVコレクションを暴露されてしまったこと…。思い当たる不祥事が多すぎる。)もう一度布団をかぶって、寝ようとしたが、不安に頭が支配されてしまい、眠ることができないまま、時は過ぎていった。

 朝五時五十五分。一階から引き戸が開く音が聞こえた。あわてて、三朗は階段を駆け下り、カウンターに飛び出した。そこには、稀世がひとり立っていた。足元がふらふらしている。昨日出かけるときの持って出たはずの、ボストンバッグは持っていない。
「稀世さん、何かあったんですか?今までどこにいたんですか?いったい、何をしてたんですか?」
黙って、稀世は、カウンターの中に入ってきて三朗に言った。
「ごめん、サブちゃん、今はひとりでそっとしといて。ごめんね、十一時にはお店手伝うようにするから。」
とか細い声で呟いた。稀世の目は真っ赤に腫れている。寝不足で充血した瞳でなく、明らかに泣き腫らした眼をしている。
「ごめん、ちょっと休ませてもらうわ。ほんと、ごめん。ごめんね。」
「稀世さん!」
稀世の背後から三朗が声をかけたが、稀世は振り返ることなく、
「サブちゃん、本当にごめん。ひとりで休ませて。」
と言い残し、二階の奥の部屋に入っていき、その後、襖が開かれることは無かった。
(いったい、この一晩の間に何があったんや・・・。)ひとり、腕を組んで考え抜いたが、自分に非があることしか思い浮かばない。

 (あれだけ、目が腫れてしまうくらい泣かすことを僕はしてしまってたんか。どう謝ったらええねやろうか。とりあえず、稀世さんが起きてくるまではどうしようもない。あぁ、頭の中がグルグルや。)三朗は、熱いシャワーを浴びながら、女心を理解できない自分のふがいなさと、接し方がわからない経験のなさを悔いた。
 そんな中、既婚者の広義と徹三に意見を求めることを思いつき、急いでシャワーを出た。夜遅くまで営業している徹三は起きるのが遅いと聞いていたのを思い出した。米屋の広義なら朝七時過ぎれば電話しても迷惑にならないかと思い、先に仕込みに入った。
 仕込みをしながらもあれこれ考えるので、分量を間違えたり、同じことを繰り返したり、米をこぼしたりと散々たる作業になった。一番出汁は、考え事に捕らわれ鰹節を煮出しすぎ、ダメにしてしまった。ポッポー。時計が鳴った。(後五分で、広君に電話や!切りのいいとこまで済ましてしまお。)
 
 携帯を取り出し、広義の電話を鳴らした。3コールでつながった。
「おはよう、朝早くごめんな。広君を既婚者の先輩として、アドバイスもらいたいねんけど、今、時間ええかな。」
「なに?こんな時間にたいそうな話なんか?」
「うん、昨日、夜に稀世さん、直さんに連れられて出て行って帰ってけえへんかってん。六時前に帰ってきてんけど、出かけた時に持って行ってた、カバンがあれへんし、なんか、すごい泣いた後みたいな顔で帰ってきてんやんか。そんで、「そっとしといてくれ」って言って部屋にこもってしもてん。
 ちなみに、昨日、稀世さんの風呂覗いてしもたり、風呂上がりのバスタオルまくってしもたり、秘蔵のAVコレクションが見つかったりしてんねん。これってなんか関係あんのかなぁ。」
「うん、それだけじゃ、なんも言いようないなぁ。」
「でも、無断外泊して、泣いて帰ってくるって尋常やないやろ。広君とこのかずみさん、そんなことあったか?」
「うちのかずみは、泣くような玉とちゃうからなあ。ただ、俺は、家追い出されて、一晩中、泣きながら家の戸をたたき続けたことはあるなぁ。あっ、ちょっと待ってな。」
電話の向こうで何か話し合っている声が聞こえる。しばらくすると、妙によそよそしく
「サブちゃん、とりあえず、そっとしといたり。きちんと帰ってきてんねやったら、大丈夫やろ。ちょっと忙しいから切るわな。ごめんな。」
と言われ、電話を切られてしまった。(うーん、何かにおう気がするけど、それが何のにおいなんかが全然わからへん。経験の無さが足引っ張るなあ。まあ、八時になったら、がんちゃんにも聞いてみるか。それか、直さんに直接聞いてみるか。)と仕込み作業に戻ろうとしたところ、引き戸が「がらっ」と開けられた。
「おい、三朗、稀世ちゃんは?」

 直が入ってくるなり聞いてきた。
「朝六時前に帰ってきましたけど、いったい昨日何があったんですか?直さんもずっと一緒やったんですか?えらい目腫れてましたけど、なんか泣くようなことあったんですか?」
「お前は、知らんでええ。ちょっと上がらせてもらうで。絶対おまえは上がってくんなよ。」
直は、それだけ言うと勝手にカウンターに入り、バックヤードから二階に上がっていった。(いったんなんなんや。ほんまにわからん。)

 しばらくすると、直がひとりで降りてきた。
「三朗、わしは、ちょっとお前の事見直したぞ。まりあちゃんも褒めてくれると思うぞ。稀世ちゃんは、ランチの時間までは、ゆっくり寝させてやってくれ。絶対、そっとしておいてやれよ。じゃあな。」
「いや、直さん、説明してくださいよ。直さーん。あぁ、行ってしもた。」
何も聞きたいことを聞くこともできず、逃げる猫のように素早く、直は店を出て行ってしまった。(あぁ、これで頼れるのはがんちゃんだけか・・・。)

 八時になり、徹三に電話を掛けた。七回目のコールでようやく繋がった。
「もしもし、がんちゃん、朝早くにごめんな。三朗やけど。」
「ああ、サブちゃん。さとみです。てっちゃんまだ寝てるから。こんな時間に何?」
「さとみさん、おはようございます。ちょっと相談事あって、がんちゃんにかけたんですけど。うーん、さとみさん、ちょっと聞きたいことあるんですけどいいですか?」
「なに?」
「あの、昨日、うちの稀世さん、夜に直さんと出て行って帰ってけえへんかったんです。そんで、朝六時に帰ってきたんですけど、なんか、すごい泣き腫らした目してて、「そっとしといて」って二階の部屋に入って出てけえへんのです。
 で、さっき直さん来て、「昨日何してはったんですか?」って聞いてもなんも答えてくれんとすぐ帰っていってしもて。どうしたらええのかわからなくて。変な質問で、すいません。」
少し、間が開いて
「サブちゃん。私から答えてあげられることは何もないわ。ごめんね。じゃあ、電話切るね。」
と取り付く島もなく電話を切られてしまった。(広君とことおんなじ反応や。いったい何があったんや。)ますます、三朗の頭は混乱した。

 いつもより、二十分ほど多く時間がかかりながらも、仕込みと掃除を済まし、朝ごはんを食べに二階に上がった。九時半になるが、奥の部屋の襖はまだしまったままだった。様子を覗こうかと思ったが、稀世の「そっとしといて。」との言葉が脳裏に浮かび、そこは我慢した。お茶漬けをのどにかき込んでいると、携帯が鳴った。まりあからのメールだった。「直さんから聞いたで。サブちゃんえらい!明日は、夏子と陽菜、思いっきり扱き使っていいからね。」という内容だった。ますます、訳が分からなくなった。

 十時二十分、奥の部屋の襖が開いた。
「稀世さん。」
と三朗が声をかけると、
「ごめん、シャワー浴びてくる。昨日みたいに覗かんとってな。」
とだけ言葉を残し、いそいそと稀世は1階に降りて行った。(やっぱり、昨日の覗きが原因か?泣くほど嫌な事やったんや…。僕、悪気はなかったとして、最低なことをしてしもてたんやな。ランチ営業終わったら、思いっきり土下座して謝ろ。「土下座の帝王」になりきって謝るんや。うん、それしかない。)三朗は、覚悟を決めて、開店準備に取り掛かった。

 ポッポー。鳩時計が鳴ると同時に、稀世が降りてきた。
「稀世さん。」
三朗が話しかけるが、
「暖簾出すね。あと、今日、商店会の奥さんたち来てくれはるんで、十二時にランチ十二人前準備しとってね。」
とだけ言って、厨房奥に入っていってしまった。十一時の開店と同時に、多くの客が店を訪れ、稀世とゆっくりと話すことができないまま、ポッポーと鳩時計が鳴った。
「おい、三朗、ランチ十三人前。テーブル三つ、借り切るぞ。あと、稀世ちゃんも借りるぞ。店は、お前ひとりで回せるな。」
直が勢いよく入ってきた。
「あー、いらっしゃい。直さん、今日は、何の集まりですか?」
「お前には関係ない。だまって寿司握っとけ。」

 直が店の奥のテーブルに着くと、次々と商店街会員の奥さんたちがやってきた。「サブちゃんおめでとう」、「かわいらしい奥さんもらえて良かったね」、「これからは、しっかり頑張らなあかんね。」と口々にお祝いと励ましの言葉を三朗にかけて、直を中心に席についていく。
 さとみとかずみ、檜生花店の奥さんの由紀恵も来店した。「昨日は遅くまでお疲れ様。」、「結局何本見たの?」、「どれが泣けた?」と稀世に声をかけているのが聞こえた。(ん?何の話や?)と思ったいずれにしても、稀世と楽しそうに何か話している。
 カウンターの中で三朗が寿司を握り、十三人前のランチを稀世が運び終わると、
「サブちゃん、後カウンターのお客さんだけやから、お任せして大丈夫やね?私も直さんに呼ばれてるから、今日のお手伝いはここまででね。」
とエプロンを外して、直の横に座った。

 直が立ち上がり何かみんなに話しているが、何を話しているかまでは、分からない。ワイワイと盛り上がっているようだ。ポッポーと鳩時計が鳴った。会合は、みっちり一時間でお開きとなった。
「サブちゃん、ごちそうさまー。」
とみんな帰っていき、直とさとみとかずみだけが残った。
「直さん、いったい何の会合やったんですか?昨日、稀世さんが帰ってけえへんかったことと関係あるんですか?いったい何があったんですか?」
三朗が矢継ぎ早に聞いた。
「一度に聞くな、あほボン。昨晩、商店街の嫁連中と稀世ちゃんの歓迎会をやったんや。そんでな、「ニコニコ商店街女性部会」を立ち上げることになったんや。昨日、夏子と陽菜が、「商店街の活性化は、男に任せとったらあかん。買い物すんのは女やから、女の目線で考えへんと活性化なんかでけへん。」って生意気言いやがってな。
 確かに、おまえら青年部に任せとってもビール飲んでだべるだけでなんもないやないか。そんで、檜んとこの由紀恵はんと広義んとこのかずみはんと徹三とこのさとみはんに声かけたら、なんやかんやで十一人、わしと稀世ちゃんも入れたら十三人集まったんや。そんで、女性部会発足で乾杯ちゅうわけや。」
「ごめんね、サブちゃん。朝の電話、そっけなくて。昨日はお酒入ってたから、直さんが、今日、きちんとみんなの意思確認して、発足させようっていうから、それまでは内緒やってんな。」
とさとみが言った。
「でも、朝まで飲んでたわけやないでしょ。それに、稀世さん、めっちゃ目腫らして帰ってきたんですけど、それは何なんですか?」
「ごめん、それは、私に責任が…。発足会と稀世ちゃんの歓迎会は午前一時には終わってんけど、直さんが、かずみはん、あんたDVDよおさん持ってたやろ。「世界の中心で愛を叫ぶ」と「余命1ケ月の花嫁」持ってるか?っていうから、「持ってます。」っていうたら、「稀世ちゃんに見せたってくれ。」いうことになってな、稀世ちゃん、うちに来て、「一本だけ見よか」って見だしたら、エンジンかかってしもて、朝まで二本一気に一緒に見てしもてん。一緒に、めちゃめちゃ泣いたよなぁ、稀世ちゃん。」
とかずみが頭を下げた。

 三朗の頭の中で、すべての謎が、今、繋がった。膝の力が抜けて、その場にへたり込んでしまった。
「おい、あほボン、どないしたんや。」
「いや、稀世さんが朝まで帰ってけえへんかったことと、泣き腫らした目、みんな僕に責任あると思ってたんで・・・。あー、良かった。」
「サブちゃん、ごめんなさい。私が、帰った時にきちんと説明してたらよかってんけど、映画の主人公に感情がどっぷりはまり込んでたから、薄幸の美女の気分になり切っててん。自分で「美女」言うたらあかんけどな。」

 稀世が笑った。「わかるわかる。」、「あの映画見たら、そうなるよね。」、「せやな、稀世ちゃんは悪くないで。」と三人が稀世をフォローした。ちょっと間をあけ、三朗が直に聞いた。
 「じゃあ、朝一に直さん、うちに来たのはなんやったんですか?二階に上がって、すぐに帰ったやないですか。あれも気になってたんやけど。」
「あれはやなぁ、昨日、夏子、陽菜組とわし、まりあちゃん組で賭けをしてたんや。」
「賭け?そういや、まりあさんもそんなこと言ってましたけど、なにを賭けてはったんですか?」
「昨日、夏子と陽菜がお前のAV暴露して、おまえ「全部捨てる。」って言うたよなぁ。夏子と陽菜は、夜、わしが稀世ちゃん連れだして、お前ひとりになったら「絶対AV見る。」って言い張るんや。
 わしとまりあは、おまえの味方で「今の三朗は、そんなもん見いへん」ってな。そしたら、「賭けをしよう」言うことになって、AVのケースに全部セロテープで封したったんや。それが剥れとったら「見た」、そのままやったら「見てへん」言うことで、陽菜がトラップとして、リビングにあの黒い袋目立つように置いていきよったんや。
 そんで、わしが朝一に確認に行ったいうことや。喜べ、三朗。わしとまりあちゃんの間では、三朗株はストップ高やぞ。稀世ちゃんからもな。わしらが賭けに勝ったから、明日の稀世ちゃんの引っ越し作業は、夏子と陽菜はただ働きや。カカカカカ。」

 直が楽しそうに高笑いした。
「あー、すっきりしました。僕、ほんま、さっきまで昨日の稀世さん帰って来なかったこと、そのAVか朝のお風呂の覗きか稀世さんのバスタオルまくっておっぱい見たことに原因あんのちゃうかちゅうて悩みまくってたんですから。」
「えっ、サブちゃんのAVってなに?それに覗きにおっぱい見たって?」
「えー、それ聞いてない。聞かせてー。」
「わしも覗きとおっぱいの話は聞いとらんぞ。あほボン、説明せい。」
とかずみとさとみと直が絡んできた。三朗が真っ赤な顔をして、うつむき、ぼそっと言った。
「それは堪忍してくださいよー。」
「サブちゃん、自爆!」
稀世もお腹を抱えて笑っていた。




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