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私を助けて
第四話 少年の友人
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(おぉ、まさか助けたのに睨まれるとは……。俺ぁ、まったくツイてない!!)
エレノアにすごい目で睨まれた深夜は胸中で密かにショックを受けていた。けっこうな危機的状況を助けた上で、あの視線を受けることになるとは思わなかった。
(助けておいて、あの人を睨み殺さん勢いの目だもんなぁ。新手のプレイかな? まぁ、自業自得ではあるし、殴られていないだけマシだと思えばいいか)
深夜はエレノアの反応に、前向きにもそう考える。
このなんとも言えない雰囲気を変えるために、どうやって話を続けようかと迷っていると、体育館のほうから一つの足音が近づいてきた。
体育館の方から来たので敵だとは思わなかったが、若干身構えながら来る者を待つ。どんな状況であろうと、用心は常にしておくに限る。世の中何が起こるかわからないのだ。今の、この状況みたいに。
足音がするわりには気配が全くないので、誰かと思ったが顔を見せたのは入学式で隣に座っていた友人の太一だった。太一は深夜を見るなり、いきなり告げた。
「お前ら、二人で早く逃げろ。俺が適当にウソを吐いておくから、さっさとしろ……あと5分もすれば他も奴らも勘ぐって近寄ってくるぞ」
この深夜の友人は倒れた男とひび割れたコンクリートの柱、散らばったコンクリートの破片、外人のような少女。視界に入ったこれらの現状を見て、一瞬で一連の顛末を把握したらしい。普通なら状況説明を求めるだろうに、この男には必要ないらしい。
深夜は前々から思っていたが、相変わらずやけに鋭い男である。どこでその洞察力や観察力を養ったのかと不思議に思う。
「ありがとう、太一。恩に着る」
深夜は友人に軽く低頭し、短く言葉を続けた。太一のことをよくわかっている(と自負している)深夜は、彼が言葉を多く飾ることを好まないことを知っている。
「これが終わったら俺の家に来い。ご馳走するぜ」
深夜はニヤッと笑って友人を安心させた。太一はおせっかいをやくくせに、貸し借りが好きではないので、その配慮から食事を振る舞うことを提案する。
もっとも、その笑顔を見た相手は苦虫を噛み潰したような顔をして、ため息混じりに苦々しい声で返す。
「お前がその笑顔を見せるたびに俺は災難に見舞われてる気がするんだが、気のせいか?」
「ハハハ、そういうな太一。そういえば、さっきのも上手い演技だったぜ」
深夜は笑いながら、上機嫌でわざと狼狽した芝居を見せた友人をほめた。中々上手だったと思う。俳優にでもなれるのではないだろうか。
「ありがとよ。それより、深夜……髪を上げたお前が美少女とそんなにくっついてると誤解されるぞ、確実に」
深夜に体を寄せて、耳元で深夜にしか聞こえないように小さく言う太一。
親友の言葉を聞いた深夜は一度固まってから、今の状況を確認するべく、視線をつま先から頭のてっぺんまで移動させる。
さっきエアの口を塞ぐために手を伸ばしていたが、その際に身体を前かがみに(正確に言うとエアに覆いかぶさるように)している。今は口を塞いだときの手がもう離れているので、傍からみればキスをする2秒前に見えなくも無い。
瞬時にそう考え、深夜は光の速さでエアと離れた。その時の深夜の顔が赤くなっていたのを太一は見逃さなかった。
エアは二人がやりとりをしている間、顔を赤くして俯いていた。太一の声は小さく、常人より優れた聴覚を持つ深夜にしか聞こえなかったと思っていたがエアにも聞こえていたらしい。
当の深夜は、自分も軽いパニックに陥っていたのでエアの反応を見ていなかったが、友人の太一にはバッチリ目撃されていた。
「……忠告ありがとよ。じゃあ、またあとでな」
「おう、またあとで」
深夜は、ニヤニヤと笑う太一を視界に入れないようにエアに手を差し出した。
「エア、ひとまず俺の家に行こうか……そして、複雑な事情を聞くとしますか」
おずおずと、しかし、しっかりと深夜の手を握るエア。
エアにとっては、この世界で唯一の味方かもしれない存在なのだ。その手を万が一にも離さないようにと、しっかりと握る。
それがわかっている深夜もエアの手をしっかりと握り返す。
昇降口へと向かう前に、エアが最初に持っていたベレッタを回収する。深夜は彼女がそれを手に持つのに何も言わず、落ちているチーフスペシャルへと視線を向けてから太一に首を傾げる。
太一が首を縦に振ると、深夜は軽く頷き、その場を後にする。
そして、昇降口に向かって足早に歩き出した深夜とエアのあとには、注意深く倒れた男を見る太一だけが残った。
「さてと、どう誤魔化したものか……」
さきほどはどうにかすると言った手前、彼らに疑いの目がいかないようにするしかない。太一は、体育館にいながら何が起きていたか把握していたので、深夜とエアが関わっていないように、つじつまを合わせることはできる。
面倒なのは、そのために警察の目を欺かなければいけないことだ。教師たち素人相手なら手間もかからないが、「現場検証」なるものを警察にやられたら、隠蔽がすぐにバレてしまう。
それなりには能力の高い組織なので、それを欺くためには、こちらも手を入れなければならない。
そう考えた太一は、近くにある体育館の外側に設置してある倉庫から金属バットを持ち出し、指紋がつかないようにハンカチの上から握る。
そして、そのバットで銃弾が撃ち込まれたコンクリートの柱を、ガンガンと何度か叩きつける。やかましい音があたりに響き渡るが、気にせずに叩き続ける。バットがちぎれないように、軽く変形するほどで手を止め、変形したバットを男の手に握らせる。
そして、落ちているチーフスペシャルと、男の懐から予備のマガジンを全て取り出し、自分の懐へとしまう。
そのとき、さきほどの音を聞きつけたのか、体育館の方から教師たちが何人かやってくる。気配でそれを察した太一は、何かを呟くと、男から少し距離を置いて立つ。
「君! さっきの音は一体なんだ!? そこに倒れている男は誰だ!?」
「先生、そこの男がいきなりバットで柱を叩き始めたんですよ。俺が注意したら、自分の頭をバットで殴って気絶してしまって……」
「……どういうことだ?」
「それは俺が知りたいですよ。腹が痛いって言って出てった友達が心配になって来てみたら、こんなのがいるんですから……」
頭頂部にバットで殴ったような痕がある男を見て、教師は驚くが、太一の説明で何が起きたのか理解したのか他に集まってきた教員にも同じ説明をする。
太一はその様子を見ながら、少しおびえたような表情で最初に来た教師へと言葉を重ねる。
「先生、早く警察を呼んだほうがいいのではないでしょうか。この変質者がいつ目を覚ますかもわかりませんし……」
「お、おお、そうだな。君の言うとおりだ。誰か、警察を呼んで貰えるか! あと、校長先生を呼んできてくれ」
(よしよし、上手くいったぞ。チョロいもんだ)
「ところで、君は怪我をしてないかね?」
「え? あぁ、はい。大丈夫です」
「なら、良かった。ただ、念のため保健室で少し休んでいきなさい」
「はい、ご配慮感謝いたします」
太一はここまで心配されると思っていなかったので、少し困惑したが、すぐに調子を取り戻す。感謝を肯定と受け取った教師が、保健室の教員を呼び、保健室へと連れていくように要請する。
太一は教師が呼んでくれた女性の保健室の教員と連れだって、保健室へと向かう。その途中であれこれ聞かれるのは、若干面倒だったが、丁寧に対応し、その保健室の先生もやり過ごす。
保健室へと向かった太一は、気分が優れないと言って一人にしてもらい、誰もいなくなった部屋で、天を仰ぐ。
さきほどサイレンも聞こえたことだし、今頃は、警察が教員への事情聴取と男の身柄を拘束しているだろう。
現場検証も、指紋のついたバットに、開きっぱなしの倉庫、少し凹んだコンクリートの柱しかないので、すぐに終わるだろう。
それにしても……
「まさか、同類が来るとはね……」
静かに漏れたその声には密かな困惑と微かな安堵、そしてハッキリとした驚愕が混じっていた。
エレノアにすごい目で睨まれた深夜は胸中で密かにショックを受けていた。けっこうな危機的状況を助けた上で、あの視線を受けることになるとは思わなかった。
(助けておいて、あの人を睨み殺さん勢いの目だもんなぁ。新手のプレイかな? まぁ、自業自得ではあるし、殴られていないだけマシだと思えばいいか)
深夜はエレノアの反応に、前向きにもそう考える。
このなんとも言えない雰囲気を変えるために、どうやって話を続けようかと迷っていると、体育館のほうから一つの足音が近づいてきた。
体育館の方から来たので敵だとは思わなかったが、若干身構えながら来る者を待つ。どんな状況であろうと、用心は常にしておくに限る。世の中何が起こるかわからないのだ。今の、この状況みたいに。
足音がするわりには気配が全くないので、誰かと思ったが顔を見せたのは入学式で隣に座っていた友人の太一だった。太一は深夜を見るなり、いきなり告げた。
「お前ら、二人で早く逃げろ。俺が適当にウソを吐いておくから、さっさとしろ……あと5分もすれば他も奴らも勘ぐって近寄ってくるぞ」
この深夜の友人は倒れた男とひび割れたコンクリートの柱、散らばったコンクリートの破片、外人のような少女。視界に入ったこれらの現状を見て、一瞬で一連の顛末を把握したらしい。普通なら状況説明を求めるだろうに、この男には必要ないらしい。
深夜は前々から思っていたが、相変わらずやけに鋭い男である。どこでその洞察力や観察力を養ったのかと不思議に思う。
「ありがとう、太一。恩に着る」
深夜は友人に軽く低頭し、短く言葉を続けた。太一のことをよくわかっている(と自負している)深夜は、彼が言葉を多く飾ることを好まないことを知っている。
「これが終わったら俺の家に来い。ご馳走するぜ」
深夜はニヤッと笑って友人を安心させた。太一はおせっかいをやくくせに、貸し借りが好きではないので、その配慮から食事を振る舞うことを提案する。
もっとも、その笑顔を見た相手は苦虫を噛み潰したような顔をして、ため息混じりに苦々しい声で返す。
「お前がその笑顔を見せるたびに俺は災難に見舞われてる気がするんだが、気のせいか?」
「ハハハ、そういうな太一。そういえば、さっきのも上手い演技だったぜ」
深夜は笑いながら、上機嫌でわざと狼狽した芝居を見せた友人をほめた。中々上手だったと思う。俳優にでもなれるのではないだろうか。
「ありがとよ。それより、深夜……髪を上げたお前が美少女とそんなにくっついてると誤解されるぞ、確実に」
深夜に体を寄せて、耳元で深夜にしか聞こえないように小さく言う太一。
親友の言葉を聞いた深夜は一度固まってから、今の状況を確認するべく、視線をつま先から頭のてっぺんまで移動させる。
さっきエアの口を塞ぐために手を伸ばしていたが、その際に身体を前かがみに(正確に言うとエアに覆いかぶさるように)している。今は口を塞いだときの手がもう離れているので、傍からみればキスをする2秒前に見えなくも無い。
瞬時にそう考え、深夜は光の速さでエアと離れた。その時の深夜の顔が赤くなっていたのを太一は見逃さなかった。
エアは二人がやりとりをしている間、顔を赤くして俯いていた。太一の声は小さく、常人より優れた聴覚を持つ深夜にしか聞こえなかったと思っていたがエアにも聞こえていたらしい。
当の深夜は、自分も軽いパニックに陥っていたのでエアの反応を見ていなかったが、友人の太一にはバッチリ目撃されていた。
「……忠告ありがとよ。じゃあ、またあとでな」
「おう、またあとで」
深夜は、ニヤニヤと笑う太一を視界に入れないようにエアに手を差し出した。
「エア、ひとまず俺の家に行こうか……そして、複雑な事情を聞くとしますか」
おずおずと、しかし、しっかりと深夜の手を握るエア。
エアにとっては、この世界で唯一の味方かもしれない存在なのだ。その手を万が一にも離さないようにと、しっかりと握る。
それがわかっている深夜もエアの手をしっかりと握り返す。
昇降口へと向かう前に、エアが最初に持っていたベレッタを回収する。深夜は彼女がそれを手に持つのに何も言わず、落ちているチーフスペシャルへと視線を向けてから太一に首を傾げる。
太一が首を縦に振ると、深夜は軽く頷き、その場を後にする。
そして、昇降口に向かって足早に歩き出した深夜とエアのあとには、注意深く倒れた男を見る太一だけが残った。
「さてと、どう誤魔化したものか……」
さきほどはどうにかすると言った手前、彼らに疑いの目がいかないようにするしかない。太一は、体育館にいながら何が起きていたか把握していたので、深夜とエアが関わっていないように、つじつまを合わせることはできる。
面倒なのは、そのために警察の目を欺かなければいけないことだ。教師たち素人相手なら手間もかからないが、「現場検証」なるものを警察にやられたら、隠蔽がすぐにバレてしまう。
それなりには能力の高い組織なので、それを欺くためには、こちらも手を入れなければならない。
そう考えた太一は、近くにある体育館の外側に設置してある倉庫から金属バットを持ち出し、指紋がつかないようにハンカチの上から握る。
そして、そのバットで銃弾が撃ち込まれたコンクリートの柱を、ガンガンと何度か叩きつける。やかましい音があたりに響き渡るが、気にせずに叩き続ける。バットがちぎれないように、軽く変形するほどで手を止め、変形したバットを男の手に握らせる。
そして、落ちているチーフスペシャルと、男の懐から予備のマガジンを全て取り出し、自分の懐へとしまう。
そのとき、さきほどの音を聞きつけたのか、体育館の方から教師たちが何人かやってくる。気配でそれを察した太一は、何かを呟くと、男から少し距離を置いて立つ。
「君! さっきの音は一体なんだ!? そこに倒れている男は誰だ!?」
「先生、そこの男がいきなりバットで柱を叩き始めたんですよ。俺が注意したら、自分の頭をバットで殴って気絶してしまって……」
「……どういうことだ?」
「それは俺が知りたいですよ。腹が痛いって言って出てった友達が心配になって来てみたら、こんなのがいるんですから……」
頭頂部にバットで殴ったような痕がある男を見て、教師は驚くが、太一の説明で何が起きたのか理解したのか他に集まってきた教員にも同じ説明をする。
太一はその様子を見ながら、少しおびえたような表情で最初に来た教師へと言葉を重ねる。
「先生、早く警察を呼んだほうがいいのではないでしょうか。この変質者がいつ目を覚ますかもわかりませんし……」
「お、おお、そうだな。君の言うとおりだ。誰か、警察を呼んで貰えるか! あと、校長先生を呼んできてくれ」
(よしよし、上手くいったぞ。チョロいもんだ)
「ところで、君は怪我をしてないかね?」
「え? あぁ、はい。大丈夫です」
「なら、良かった。ただ、念のため保健室で少し休んでいきなさい」
「はい、ご配慮感謝いたします」
太一はここまで心配されると思っていなかったので、少し困惑したが、すぐに調子を取り戻す。感謝を肯定と受け取った教師が、保健室の教員を呼び、保健室へと連れていくように要請する。
太一は教師が呼んでくれた女性の保健室の教員と連れだって、保健室へと向かう。その途中であれこれ聞かれるのは、若干面倒だったが、丁寧に対応し、その保健室の先生もやり過ごす。
保健室へと向かった太一は、気分が優れないと言って一人にしてもらい、誰もいなくなった部屋で、天を仰ぐ。
さきほどサイレンも聞こえたことだし、今頃は、警察が教員への事情聴取と男の身柄を拘束しているだろう。
現場検証も、指紋のついたバットに、開きっぱなしの倉庫、少し凹んだコンクリートの柱しかないので、すぐに終わるだろう。
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