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第二百七話:グリの勇姿
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ユイ視点
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アリスちゃん!」
攻撃が全く見えなかったよ!
一瞬だけ数本の閃光が走ったかと思ったら、グリちゃんとアリスちゃんが前に飛び出して、そのまま急に倒れ込むんだもん。
エレナさんがアリスちゃんの様子を見てくれて、グリちゃんはアニちゃんが容態を見てる。
2人が心配だけど、私にはやるべき事がある。
(お兄ちゃん、すぐに来て! アリスちゃんとグリちゃんが酷い怪我なの、早くお願い!)
通信の魔導具で、お兄ちゃんに連絡したから、すぐに駆け付けてくれると思う。
だけど、目の前のコイツは、私が何とかしないと、お兄ちゃんは間に合わない。
みんなに攻撃の刃が向かわないよう私に注意を引きつける必要がある。
相手の事を例えるならば、黒。
真っ黒一色。
あれが実体じゃないのは私だって分かる。
きっと魔術か何かで認識を阻害してるんだと思う。
いつもならお兄ちゃんがいれば、鑑定で教えてくれるんだけど、ここにはいない。
動ける私が何とかしないと。
「ユイちゃん、魔術での援護は私に任せて!」
チラリと横を見るとルーちゃんが、精霊さんを3体召喚していた。
ほんと、戦闘においてはルーちゃん頼もしいんだよね。
戦闘以外は凄い天然って感じなんだけど。
でも私は結構好きかな?
って、今はそんな事考えている場合じゃないよね。
ルーちゃんの召喚した精霊さんが炎と氷の球を相手に向かって発射した。
相手に当たって怯んだ隙を狙うつもりで身構えていると、飛んで行った魔術が見えない何かに当たって消滅しちゃった。
「何あれ、あんなの反則だよぉ」
ルーちゃんが、負けじと何度も連射するけど、同様に全てが掻き消えちゃった。
でも、無駄では無かったみたい。
ペキリと音を立てながら、何かが砕かれていく。
さっきまで黒一色だった相手が今はハッキリと見えるようになった。
人型とは程遠い、モンスターというか、ヘンテコな姿をしてる。
生物かすら危うい気がする。
さっきのサイクロプスみたいな一つ目で、胴体は巨大な赤い団子。その胴体から蝙蝠のような羽根が生えて、宙に浮いてる。
前にお兄ちゃんに教えてもらった、雪だるま?に羽根が生えてる感じ。
「ルーちゃんナイスだよ!」
私の必殺技瞬十字を受けてみろ!
そのまま、巨大な目をバッサリと十字に斬りつけると、そのまま謎のモンスターは力無く地面に倒れた。
あれ、意外とあっけない最期だな⋯。
「さっすがユイちゃん! 一撃なんだもん!」
「ううん、ルーちゃんの援護があったからだよ。私は一瞬の隙を突いただけだよ」
二人で辺りを警戒して、問題ない事を確認してからみんなの元に戻る。
だけど、その途中でエレナさん達の鳴き声が聞こえてきた。
「ルーちゃん、急ごう」
「だね」
嫌な予感はしていたんだ。
私は種族上、勘は鋭い方だと思う。
アリスちゃんとグリちゃんは、凄く危険な状態だと思う。
だって、アリスちゃんはお腹に大きな穴が空いちゃってるし、グリちゃんは、頭や身体の至る所から血を流してた・・。
治癒の使えるエレナさんが手当てしてるけど、アリスちゃんは元々、キカイ? の身体だから、治癒は、効果ないみたい。
「ごめんなさい⋯私にもう少し力だあれば⋯」
エレナさんが、アリスちゃんを抱きしめて泣いていた。
アニは、グリちゃんの身体に顔を埋めて泣いている。
そのアニの背中をミラが撫でてる。
私は、ルーちゃんと顔を見合わせる。
「取り敢えず、あいつは倒したよ。一応この周りは今も精霊に見張らせてるから今の所は大丈夫だと思う」
アリスちゃんもグリちゃんもピクリとも動かない。
グリちゃんは、おびただしい量の出血をしている。
たぶんだけど、もう息をしていないと思う。
「エレナさん、気にしないで下さい。グリもみんなを守れて本望だったと思います」
うん⋯。
そうなんだよね⋯。
アニが指差した箇所には、熱線による5カ所の穴傷が見える。
アリスちゃんとグリちゃん以外誰もあいつの攻撃に反応出来なかったのに、私達に当たるハズだったその攻撃をその身に受けてくれたんだよね・・。
グリちゃんとアリスちゃんがいなかったら、私達全滅していたかもしれない。
「グリちゃん、ありがとう」
「本当にありがとう⋯ごめんね⋯ごめんね⋯」
みんなが、グリちゃんにお別れを言う。
光り輝いて、光の粒子みたいになって、グリちゃんがそのまま消えてしまった。
それをみんなで手を合わせて見送る。
グリちゃん、私達を守ってくれて本当にありがとう。
私、忘れないから⋯
その後、アニに聞いたんだけど、使役しているモンスターが死んじゃうと、今みたいに綺麗なキラキラってなって何処かへ旅立つんだって。
そこには、本当の意味での楽園と呼ばれる場所で、争いもないし、平和な場所みたい。
どうか、その楽園でいつまでも幸せに過ごしてくれたらいいなぁ。
「みんな、無事か!」
私は勢いよくお兄ちゃんに抱きついた。
頭を撫でて貰いたかったのかもしれない。
凄く甘えたい気分だった。
その後、お兄ちゃんと一緒に宿屋まで戻って来た。
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「アリスちゃん!」
攻撃が全く見えなかったよ!
一瞬だけ数本の閃光が走ったかと思ったら、グリちゃんとアリスちゃんが前に飛び出して、そのまま急に倒れ込むんだもん。
エレナさんがアリスちゃんの様子を見てくれて、グリちゃんはアニちゃんが容態を見てる。
2人が心配だけど、私にはやるべき事がある。
(お兄ちゃん、すぐに来て! アリスちゃんとグリちゃんが酷い怪我なの、早くお願い!)
通信の魔導具で、お兄ちゃんに連絡したから、すぐに駆け付けてくれると思う。
だけど、目の前のコイツは、私が何とかしないと、お兄ちゃんは間に合わない。
みんなに攻撃の刃が向かわないよう私に注意を引きつける必要がある。
相手の事を例えるならば、黒。
真っ黒一色。
あれが実体じゃないのは私だって分かる。
きっと魔術か何かで認識を阻害してるんだと思う。
いつもならお兄ちゃんがいれば、鑑定で教えてくれるんだけど、ここにはいない。
動ける私が何とかしないと。
「ユイちゃん、魔術での援護は私に任せて!」
チラリと横を見るとルーちゃんが、精霊さんを3体召喚していた。
ほんと、戦闘においてはルーちゃん頼もしいんだよね。
戦闘以外は凄い天然って感じなんだけど。
でも私は結構好きかな?
って、今はそんな事考えている場合じゃないよね。
ルーちゃんの召喚した精霊さんが炎と氷の球を相手に向かって発射した。
相手に当たって怯んだ隙を狙うつもりで身構えていると、飛んで行った魔術が見えない何かに当たって消滅しちゃった。
「何あれ、あんなの反則だよぉ」
ルーちゃんが、負けじと何度も連射するけど、同様に全てが掻き消えちゃった。
でも、無駄では無かったみたい。
ペキリと音を立てながら、何かが砕かれていく。
さっきまで黒一色だった相手が今はハッキリと見えるようになった。
人型とは程遠い、モンスターというか、ヘンテコな姿をしてる。
生物かすら危うい気がする。
さっきのサイクロプスみたいな一つ目で、胴体は巨大な赤い団子。その胴体から蝙蝠のような羽根が生えて、宙に浮いてる。
前にお兄ちゃんに教えてもらった、雪だるま?に羽根が生えてる感じ。
「ルーちゃんナイスだよ!」
私の必殺技瞬十字を受けてみろ!
そのまま、巨大な目をバッサリと十字に斬りつけると、そのまま謎のモンスターは力無く地面に倒れた。
あれ、意外とあっけない最期だな⋯。
「さっすがユイちゃん! 一撃なんだもん!」
「ううん、ルーちゃんの援護があったからだよ。私は一瞬の隙を突いただけだよ」
二人で辺りを警戒して、問題ない事を確認してからみんなの元に戻る。
だけど、その途中でエレナさん達の鳴き声が聞こえてきた。
「ルーちゃん、急ごう」
「だね」
嫌な予感はしていたんだ。
私は種族上、勘は鋭い方だと思う。
アリスちゃんとグリちゃんは、凄く危険な状態だと思う。
だって、アリスちゃんはお腹に大きな穴が空いちゃってるし、グリちゃんは、頭や身体の至る所から血を流してた・・。
治癒の使えるエレナさんが手当てしてるけど、アリスちゃんは元々、キカイ? の身体だから、治癒は、効果ないみたい。
「ごめんなさい⋯私にもう少し力だあれば⋯」
エレナさんが、アリスちゃんを抱きしめて泣いていた。
アニは、グリちゃんの身体に顔を埋めて泣いている。
そのアニの背中をミラが撫でてる。
私は、ルーちゃんと顔を見合わせる。
「取り敢えず、あいつは倒したよ。一応この周りは今も精霊に見張らせてるから今の所は大丈夫だと思う」
アリスちゃんもグリちゃんもピクリとも動かない。
グリちゃんは、おびただしい量の出血をしている。
たぶんだけど、もう息をしていないと思う。
「エレナさん、気にしないで下さい。グリもみんなを守れて本望だったと思います」
うん⋯。
そうなんだよね⋯。
アニが指差した箇所には、熱線による5カ所の穴傷が見える。
アリスちゃんとグリちゃん以外誰もあいつの攻撃に反応出来なかったのに、私達に当たるハズだったその攻撃をその身に受けてくれたんだよね・・。
グリちゃんとアリスちゃんがいなかったら、私達全滅していたかもしれない。
「グリちゃん、ありがとう」
「本当にありがとう⋯ごめんね⋯ごめんね⋯」
みんなが、グリちゃんにお別れを言う。
光り輝いて、光の粒子みたいになって、グリちゃんがそのまま消えてしまった。
それをみんなで手を合わせて見送る。
グリちゃん、私達を守ってくれて本当にありがとう。
私、忘れないから⋯
その後、アニに聞いたんだけど、使役しているモンスターが死んじゃうと、今みたいに綺麗なキラキラってなって何処かへ旅立つんだって。
そこには、本当の意味での楽園と呼ばれる場所で、争いもないし、平和な場所みたい。
どうか、その楽園でいつまでも幸せに過ごしてくれたらいいなぁ。
「みんな、無事か!」
私は勢いよくお兄ちゃんに抱きついた。
頭を撫でて貰いたかったのかもしれない。
凄く甘えたい気分だった。
その後、お兄ちゃんと一緒に宿屋まで戻って来た。
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