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第二百三十九話:シリュウvsネクロード
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血まみれの女が横たわっていた。
それを眺めながらゲスな笑みを浮かべる男が1人。
男は黒地のマントを羽織り、片目にモノクルをつけている執事風の男。
その口元からは長く伸びた牙のような物がギラリと異彩を放っていた。
「いきなり何処かへ転移させられたかと思えば、待ち伏せとは、挙げ句の果てに返り討ちの末路なのだからこれを笑わずになんと言えばいいのだ」
男は苦しそうにもがく女に侮蔑な視線を送ると、興味を失ったのか、その場を去ろうとする。
しかし、そこに立ち塞がる人物が1人。
「ふむ。今度のミーの相手は貴女ですか?」
その女は側で横たわる女に視線をくべると、歯痒そうに睨みを利かせた視線を今度は目の前の男に送る。
ゼゼ…ごめんなさい。すぐに助けるからね。
殺気を放つこの人物は、魔族の精鋭集団クオーツに所属するシリュウ。
序列2位の実力者だ。
横たわるのは、彼女の直属の部下でもある同じくクオーツに席を置く序列7位ゼゼだ。
「吸血鬼風情が、この魔界に進入して生きて帰れると思わない事ね」
シリュウの両の目が光り輝いたかと思いきや、2人の位置が入れ替わる。
《相互入替》
術者と視界の先にいる対象者との位置を強制的に変えてしまう魔術なのだが、この術が使える者は世界広しと言えど彼女しかいない。
シリュウは、傍で苦しそうにしているゼゼに治癒と状態回復を施す。
傷は癒えたものの、依然としてゼゼは苦しそうにしていた。
吸血鬼は、ニヤつきながら言葉を発する。
「ミーの毒は特別性でね、誰にも解毒する事は叶わぬのだよ。恐らくもってあと30分程だろう」
ゼゼが苦しんでいたのは、先の戦闘によって吸血鬼から受けた毒が原因だった。
今出来ることは、精々時間を稼ぐ事しか出来ない。
はやく解毒剤を入手しないと。
「すぐに死にたくなければ解毒剤を渡しなさい!」
「ミーがそんな脅しに屈するとでも?それに、解毒剤など存在せぬよ。何の為にそんな物を作る必要がある? ミーは相手の苦しむ顔が見たいだけなのにそれをワザワザ自分の手で救済してやるなど、笑止」
「そう、ならいいわ。お前を殺して体内の毒を絞り出し解毒剤を作るまでの話」
ごめんねゼゼ。もう暫く待っていて。必ず私がその毒の解毒剤を作ってみせるから。
シリュウの姿が消えた。
これには吸血鬼も辺りを警戒するが、彼女は痕跡すらも残さず完全に気配を絶った。
居処は掴めない。
「姿を隠しての奇襲ですか、面白い。いいでしょう。何処からでも掛かって来なさい」
今度は吸血鬼側が動く。
「眷属召喚吸血蝙蝠」
吸血鬼の周りに無数の蝙蝠が現れた。
蝙蝠達は、召喚主を取り囲むように飛び回っている。
少し厄介ね。
このまま背後からグサリとしてやろうと思ったけど、あれじゃ、近付く前に私の術が解けるわね。
シリュウの使った隠蔽は、完全に気配を断ち自身の姿を消し去る。
しかし、何かに触れてしまうと術が解けてしまうという難点がある。
触れなければ絶対に察知される事はないので、ある意味無敵の術と言える。
そうとは知らない吸血鬼は、自身の身を守る為に盾とするべく自らの眷属を呼び出した。
召喚した眷属とは意識が繋がっており、眷属が察知した内容を召喚主は自身の五感のように感じ取る事が出来る。
結果的にこれが功を奏し、シリュウは闇討ちを諦め次なる行動に移る。
「その周でうろちょろしてるの邪魔ね」
途端に地面に魔法陣が展開されたかと思いきや、灼熱の業火となり、周りの全てを炎で呑み込んだ。
その間、魔法陣が出現してから1秒程の出来事だった。
勿論これで倒せるとは思っていない。
吸血鬼の弱点が火であることは周知の事実。
多少なりともダメージを喰らっているとありがたいのだけどね。
「何処を見ている」
不意に背後からの音に振り向き身構えるが、遅かった。
腹部に鈍い感触を感じつつも、転移でその場から離脱する。
といっても、シリュウが展開した結界内からは術者であっても転移で出る事は出来ない。
中途半端な構築だと、防御力自体に影響を及ぼす為、全てにおいて誰もこの中から出られないというルールで生成されていた。当然本人も然り。
本人でさえこの中から強引に出るには、それ相応の時間を要する必要がある。
やられたわね…。
まさか私と同じように姿を消せるなんてね。
それだけじゃなく、気配まで完全に殺していた。
一瞬退くのが遅ければ心臓をグサリだったわ。
シリュウに刺さった短剣は、的確に急所を突き、心臓のまさに手前にまで到達していた。
止血しながら短剣を抜き、|治癒(ヒール》を施す。
ダメージを負う事自体久し振りね。
そう呟くと再びシリュウがその場から消えた。
側から見ると誰もいない空間で、時間だけが過ぎていく。
正確にはいないではなく、見えないのが正しい。
だが、見えない中でも攻防戦が繰り広げられていた。
互いのぶつかり合う武器の音だけが今も戦いが行われている事を誇張していた。
「埒があきませんね。取って置きを見せてあげましょう」
不意に吸血鬼が姿を表すと、高速で何やら唱え始めた。
当然、隙だらけのこの光景をシリュウが狙わない道理はない。
背後からの容赦ない一刺し。
しかしこれは空振りに終わった。
ちっ、素早く上空に退避したか。
上を見ながら舌打ちをすると、次に目にしたものは真っ暗な暗黒の世界だった。
吸血鬼を中心に黒い闇が展開されていく。
この結界内を闇で覆うのに掛かった時間はほんの数秒程だった。
「貴女の視界を奪わせてもらいました。どうですか?何も見えないでしょう?」
魔族という種族柄、どんなに視界不良でもその目は暗視ゴーグルのような役割を果たしてくれる。本来ならば…
それがどういう訳か、確かに何も見えないわね…。
単純に暗いだけじゃないってことね。
つまり魔術による影響ってこと。
だけどそれは相手も同じはず。
そして同じ土俵なら不利にはならないと私は油断してしまった。
前方に何かの気配を感じ、咄嗟に後方へと避ける。
そのまま気配を探るが、追撃の気配はなかった。
数分が経過する。
何も感じない。
そう、何も感じない。
暗いだけならば目が慣れてくるものだけど、やはり待っていても一向に慣れる様子はない。
そんな時、違和感を感じた私は自分の右手を触る。
あれ、ない?
右手が肘の辺りからなくなっていた。
え? いつ? いつやられた?
いや、真に可笑しいのは斬り落とされているにも関わらず、一切の痛みを感じない事。
なら、考えられるのは現実に起きている訳ではなく、幻影か何かって事?
この私が術中にハマってる?
声を出そうとするが声が出ない。
試しに勢いよく武器を地面に突き立てるが、やはり音は聞こえない。
つまりは、声が出ないのではなく聴覚自体が失われているみたい。
つまりは、現時点で視覚に聴覚、触覚まで奪われたってこと?
マズいわね、この状況。
考えれば考えるほど訳が分からない。
何だか頭が変になりそう。
恐らくこの闇が諸々の正体のはず。
吹き飛ばせる事が出来れば・・
(大竜巻)
シリュウを中心に高さ10mはあろうかと言う竜巻が徐々に広範囲に広がっていく。
もしかしたら視界の妨げとなっている闇を飛ばせればと思ったけど、やはりそんなに簡単には行かないか。
次なる手を思案中、またしても何かが迫り来る気配を感じ、咄嗟に半径2m範囲のドーム型結界を展開する。
魔界でも最高の結界師であるシリュウは、結界範囲を最小限に絞る事により、その硬度は例え魔王の全力を持ってしてもそう簡単には破れない程になっていた。
何かが結界に阻まれた衝撃だけをシリュウは感じ取った。
取り敢えずこの中にいれば安心…だけど、防戦一方じゃ、どの道勝てない。
はぁ、奥の手を使うしかない…か。
使いたくなかったんだけど仕方がない。
私にも相応のリスクはある。
最悪の場合は死ぬかもしれない。だけど、奴は道連れにしてでもここから出してはいけない。
「空気断絶」
「今更魔術など、場所が分からねばミーに当てる事すら叶わぬと言うのがまだ分からないのですか? っと、聴覚も既に失ってる頃でしたね。フフフ、まさかこの闇に私の調合した猛毒が溶け込んでいるとも知らずに。愉快ですね」
物音一つせずに数分が経過していた。
「何だ…気のせいか息苦しく…。き、貴様……まさか……」
「…恐らく近くで聞いてるんでしょ?そうよ。この結界内の酸素の供給を絶ったわ。どちらが酸欠で死ぬか。最後の勝負と行こうじゃない」
「……」
数分が経過する。
そこには、無音の世界が広がっていた。
吸血鬼は酸素消費量を抑える為に身体機能を極限まで停止させていた。
一方、シリュウは正反対に動き回っていた。
自身を守っていた結界を解除して、吸血鬼を探す。
そもそも私が死ぬと、他で展開している結界が消滅してしまうのよね。
それだけは駄目。
そこそこ時間は経過してるけど、みんなまだ戦ってるはず。
なら、拘束している結界を消滅させる訳にはいかない。
と言う訳で悪いけど死ねなくなったの。
シリュウは、魔術「ソナー」を発動させて吸血鬼と思われる反応の前まで静かに忍び寄る。
(騙し討ちみたいで気がひけるけど悪く思わないでね)
そのまま正確に胴体と頭を切断した。
それを眺めながらゲスな笑みを浮かべる男が1人。
男は黒地のマントを羽織り、片目にモノクルをつけている執事風の男。
その口元からは長く伸びた牙のような物がギラリと異彩を放っていた。
「いきなり何処かへ転移させられたかと思えば、待ち伏せとは、挙げ句の果てに返り討ちの末路なのだからこれを笑わずになんと言えばいいのだ」
男は苦しそうにもがく女に侮蔑な視線を送ると、興味を失ったのか、その場を去ろうとする。
しかし、そこに立ち塞がる人物が1人。
「ふむ。今度のミーの相手は貴女ですか?」
その女は側で横たわる女に視線をくべると、歯痒そうに睨みを利かせた視線を今度は目の前の男に送る。
ゼゼ…ごめんなさい。すぐに助けるからね。
殺気を放つこの人物は、魔族の精鋭集団クオーツに所属するシリュウ。
序列2位の実力者だ。
横たわるのは、彼女の直属の部下でもある同じくクオーツに席を置く序列7位ゼゼだ。
「吸血鬼風情が、この魔界に進入して生きて帰れると思わない事ね」
シリュウの両の目が光り輝いたかと思いきや、2人の位置が入れ替わる。
《相互入替》
術者と視界の先にいる対象者との位置を強制的に変えてしまう魔術なのだが、この術が使える者は世界広しと言えど彼女しかいない。
シリュウは、傍で苦しそうにしているゼゼに治癒と状態回復を施す。
傷は癒えたものの、依然としてゼゼは苦しそうにしていた。
吸血鬼は、ニヤつきながら言葉を発する。
「ミーの毒は特別性でね、誰にも解毒する事は叶わぬのだよ。恐らくもってあと30分程だろう」
ゼゼが苦しんでいたのは、先の戦闘によって吸血鬼から受けた毒が原因だった。
今出来ることは、精々時間を稼ぐ事しか出来ない。
はやく解毒剤を入手しないと。
「すぐに死にたくなければ解毒剤を渡しなさい!」
「ミーがそんな脅しに屈するとでも?それに、解毒剤など存在せぬよ。何の為にそんな物を作る必要がある? ミーは相手の苦しむ顔が見たいだけなのにそれをワザワザ自分の手で救済してやるなど、笑止」
「そう、ならいいわ。お前を殺して体内の毒を絞り出し解毒剤を作るまでの話」
ごめんねゼゼ。もう暫く待っていて。必ず私がその毒の解毒剤を作ってみせるから。
シリュウの姿が消えた。
これには吸血鬼も辺りを警戒するが、彼女は痕跡すらも残さず完全に気配を絶った。
居処は掴めない。
「姿を隠しての奇襲ですか、面白い。いいでしょう。何処からでも掛かって来なさい」
今度は吸血鬼側が動く。
「眷属召喚吸血蝙蝠」
吸血鬼の周りに無数の蝙蝠が現れた。
蝙蝠達は、召喚主を取り囲むように飛び回っている。
少し厄介ね。
このまま背後からグサリとしてやろうと思ったけど、あれじゃ、近付く前に私の術が解けるわね。
シリュウの使った隠蔽は、完全に気配を断ち自身の姿を消し去る。
しかし、何かに触れてしまうと術が解けてしまうという難点がある。
触れなければ絶対に察知される事はないので、ある意味無敵の術と言える。
そうとは知らない吸血鬼は、自身の身を守る為に盾とするべく自らの眷属を呼び出した。
召喚した眷属とは意識が繋がっており、眷属が察知した内容を召喚主は自身の五感のように感じ取る事が出来る。
結果的にこれが功を奏し、シリュウは闇討ちを諦め次なる行動に移る。
「その周でうろちょろしてるの邪魔ね」
途端に地面に魔法陣が展開されたかと思いきや、灼熱の業火となり、周りの全てを炎で呑み込んだ。
その間、魔法陣が出現してから1秒程の出来事だった。
勿論これで倒せるとは思っていない。
吸血鬼の弱点が火であることは周知の事実。
多少なりともダメージを喰らっているとありがたいのだけどね。
「何処を見ている」
不意に背後からの音に振り向き身構えるが、遅かった。
腹部に鈍い感触を感じつつも、転移でその場から離脱する。
といっても、シリュウが展開した結界内からは術者であっても転移で出る事は出来ない。
中途半端な構築だと、防御力自体に影響を及ぼす為、全てにおいて誰もこの中から出られないというルールで生成されていた。当然本人も然り。
本人でさえこの中から強引に出るには、それ相応の時間を要する必要がある。
やられたわね…。
まさか私と同じように姿を消せるなんてね。
それだけじゃなく、気配まで完全に殺していた。
一瞬退くのが遅ければ心臓をグサリだったわ。
シリュウに刺さった短剣は、的確に急所を突き、心臓のまさに手前にまで到達していた。
止血しながら短剣を抜き、|治癒(ヒール》を施す。
ダメージを負う事自体久し振りね。
そう呟くと再びシリュウがその場から消えた。
側から見ると誰もいない空間で、時間だけが過ぎていく。
正確にはいないではなく、見えないのが正しい。
だが、見えない中でも攻防戦が繰り広げられていた。
互いのぶつかり合う武器の音だけが今も戦いが行われている事を誇張していた。
「埒があきませんね。取って置きを見せてあげましょう」
不意に吸血鬼が姿を表すと、高速で何やら唱え始めた。
当然、隙だらけのこの光景をシリュウが狙わない道理はない。
背後からの容赦ない一刺し。
しかしこれは空振りに終わった。
ちっ、素早く上空に退避したか。
上を見ながら舌打ちをすると、次に目にしたものは真っ暗な暗黒の世界だった。
吸血鬼を中心に黒い闇が展開されていく。
この結界内を闇で覆うのに掛かった時間はほんの数秒程だった。
「貴女の視界を奪わせてもらいました。どうですか?何も見えないでしょう?」
魔族という種族柄、どんなに視界不良でもその目は暗視ゴーグルのような役割を果たしてくれる。本来ならば…
それがどういう訳か、確かに何も見えないわね…。
単純に暗いだけじゃないってことね。
つまり魔術による影響ってこと。
だけどそれは相手も同じはず。
そして同じ土俵なら不利にはならないと私は油断してしまった。
前方に何かの気配を感じ、咄嗟に後方へと避ける。
そのまま気配を探るが、追撃の気配はなかった。
数分が経過する。
何も感じない。
そう、何も感じない。
暗いだけならば目が慣れてくるものだけど、やはり待っていても一向に慣れる様子はない。
そんな時、違和感を感じた私は自分の右手を触る。
あれ、ない?
右手が肘の辺りからなくなっていた。
え? いつ? いつやられた?
いや、真に可笑しいのは斬り落とされているにも関わらず、一切の痛みを感じない事。
なら、考えられるのは現実に起きている訳ではなく、幻影か何かって事?
この私が術中にハマってる?
声を出そうとするが声が出ない。
試しに勢いよく武器を地面に突き立てるが、やはり音は聞こえない。
つまりは、声が出ないのではなく聴覚自体が失われているみたい。
つまりは、現時点で視覚に聴覚、触覚まで奪われたってこと?
マズいわね、この状況。
考えれば考えるほど訳が分からない。
何だか頭が変になりそう。
恐らくこの闇が諸々の正体のはず。
吹き飛ばせる事が出来れば・・
(大竜巻)
シリュウを中心に高さ10mはあろうかと言う竜巻が徐々に広範囲に広がっていく。
もしかしたら視界の妨げとなっている闇を飛ばせればと思ったけど、やはりそんなに簡単には行かないか。
次なる手を思案中、またしても何かが迫り来る気配を感じ、咄嗟に半径2m範囲のドーム型結界を展開する。
魔界でも最高の結界師であるシリュウは、結界範囲を最小限に絞る事により、その硬度は例え魔王の全力を持ってしてもそう簡単には破れない程になっていた。
何かが結界に阻まれた衝撃だけをシリュウは感じ取った。
取り敢えずこの中にいれば安心…だけど、防戦一方じゃ、どの道勝てない。
はぁ、奥の手を使うしかない…か。
使いたくなかったんだけど仕方がない。
私にも相応のリスクはある。
最悪の場合は死ぬかもしれない。だけど、奴は道連れにしてでもここから出してはいけない。
「空気断絶」
「今更魔術など、場所が分からねばミーに当てる事すら叶わぬと言うのがまだ分からないのですか? っと、聴覚も既に失ってる頃でしたね。フフフ、まさかこの闇に私の調合した猛毒が溶け込んでいるとも知らずに。愉快ですね」
物音一つせずに数分が経過していた。
「何だ…気のせいか息苦しく…。き、貴様……まさか……」
「…恐らく近くで聞いてるんでしょ?そうよ。この結界内の酸素の供給を絶ったわ。どちらが酸欠で死ぬか。最後の勝負と行こうじゃない」
「……」
数分が経過する。
そこには、無音の世界が広がっていた。
吸血鬼は酸素消費量を抑える為に身体機能を極限まで停止させていた。
一方、シリュウは正反対に動き回っていた。
自身を守っていた結界を解除して、吸血鬼を探す。
そもそも私が死ぬと、他で展開している結界が消滅してしまうのよね。
それだけは駄目。
そこそこ時間は経過してるけど、みんなまだ戦ってるはず。
なら、拘束している結界を消滅させる訳にはいかない。
と言う訳で悪いけど死ねなくなったの。
シリュウは、魔術「ソナー」を発動させて吸血鬼と思われる反応の前まで静かに忍び寄る。
(騙し討ちみたいで気がひけるけど悪く思わないでね)
そのまま正確に胴体と頭を切断した。
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