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第三十五話:ユイとクロ
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「お兄ちゃん!」
ユイが何やら上機嫌な感じだ。
「どうした、ユイ?」
「えっとね、その・・・」
「ジレッたいな、どうしたんだ?」
「欲しいものがあるからお小遣いちょうだい!」
なんだ、小遣いくらい言ってくれたらいくらでも・・
いや、ユイの兄として、一般常識を教えていくのも兄としての重要な責務だな。
危うく何も考えずに何十枚という金貨を渡す所だった。
俺の金銭感覚は初めからマヒしているので、それにユイを巻き込んではいけないのだ。
「何が欲しいんだ?」
「えっとね、いろいろかな?」
ユイがねだるなんて、今まであまり無かったので、了承する。
俺はユイに金貨1枚を渡した。
1枚でも実は相当な金額だったりする。
単純計算で銅貨1枚で100円換算とすると、金貨1枚が銅貨1万枚なので、100万円という事になる。
全然妥当な額じゃないな・・
財布がないと言うので、あまりジャラジャラさせるのも良くない。折角なので、「財布も買ってきたら?」と促す。
どうやらクロと2人っきりで外に出掛けるそうだ。
今までも俺がかまってやれない時は、こうして2人だけで外出していたそうなので、めずらしい話ではないのだが、少し心配だ。
「クロ!行くよ!」
ユイがクロの手を引っ張り出て行ってしまった。
俺はちょうど、サナさんにお城へ呼ばれていたので、向かう事にする。
ここの宿のリタさんに伝言が入っていたのだ。
「戻ってきたらいつでも良いので会いに来て下さい」という事らしい。
俺はツグール帝国に行って来たことを話すつもりだった。
一方その頃、ユイの方は・・
「クロ、今日はお姉ちゃんが何でも買ってあげるからね!」
「欲しいもの特にない」
ユイは、ガーンという漫画やアニメにありがちな表情をしていた。
クロには欲がないというか、飲食ですら必要ない。
栄養供給源は、ユウの魔力オンリーな為。
しかし初っ端から挫けていては始まらない。
ユイは、アクセサリーショップを訪れていた。
獣人や魔族と言えど、女の子には変わりないので、少なくともユイ自身は、俗に言うキラキラ系には多少なれど興味があったのだ。
恐らくクロもそうだろうと思い、最初にここを訪れていた。
今日のユイの行動の目的の一つを達成する為でもある。
そう、クロに対してお姉ちゃんアピールをする事だった。
「クロ、ここはね、立派なレディーになる為の必需品が売ってるんだよ」
「????」
「立派なレディーになって、お兄ちゃんにアタックするの!」
「????」
終始、クロは分からないと言った表情を見せていた。
この一連のやり取りを見ていた店員のお姉さんが、微笑ましそうな笑みを浮かべている。
ユイは、クロに似合いそうなアクセサリーを見繕っている。
そこに、店員のお姉さんが近寄ってきた。
「私も一緒に見繕うのに協力しましょうか?」
彼女は、温かな笑顔を2人に向けている。
最終的にはクロも巻き込んで、なぜだかユウが気に入りそうな、アクセサリーをチョイスしていく。
店員のお姉さんにもユウの特徴を告げ、一緒に選んでもらう。
そしていくつもの候補の中から最終的に購入したのは、ユイは紅色のルビーの輝きを放っていたネックレスだ。
クロは、名前色でもある、ブラックオパールのイヤリングを購入した。
価格は、どちらも銀貨10枚だった。
店員のお姉さんにかけてもらい、ユイは上機嫌だ。
クロもかけてもらったが、表情を変えることはない。いつだってクールなのだ。
店を出る際に、お姉さんからエールを貰った。
「ちなみに、ルビーは、愛の炎という意味があるの。
頑張って、お兄さんをゲットしてね。それと、オパールは、不動とか冷静の意味があるの。クールなのも魅力の一つよ」
ユイとクロはアクセサリーショップを後にした。
「優しいお姉ちゃんだったね。お兄ちゃんの方が良いけど、お姉ちゃんって存在も少し憧れちゃうかも」
「ユウの方がいい」
「そんなの当たり前だよ」
2人は街中を歩いていた。路地の角に差し掛かった所で、突然呼び止められた。
ユイは声のする方へと振り向く。
そこにいたのは、黒いフードを口元まで被った老婆と思しき人だった。
その人の目の前には、大きな水晶が机上に置いてある。
「お嬢さん方、少し占っていかんかね」
どうやら、占い師のようだ。
「ウラナ?」
ユイもクロも占いという言葉を知らなかった。
「ワシの占いは、お嬢さん方に近々起こる未来を教えてあげる事が出来るのじゃ」
「あ、それ知ってる!クラウおじさんと同じやつだ!」
「今なら、1人10銅貨でどうじゃ?」
「えと、じゃ、お願いしてもらおっか、クロ」
ユイ自身よく分かっていないが、断る理由もないのでお願いする事にした。
占い師の老婆に指示されて、前の椅子に座る。
「では、占ってみようかの」
老婆は水晶に両手をかざし、何やら唱えていた。
ブツブツと声にならないようなうめき声にも聞こえるような事を呟きながら待つ事数分。
占いの結果を教えてくれた。
「もうじき、お嬢ちゃんは大切な選択をする事になるようじゃ。それは、仲間との決別か、大切な人との別れか・・・」
色々と説明してくれたが、難しいことは分からなかった。理解出来たのは、結局最初に言われた事だけだった。
次は、クロが占ってもらう番だ。
占いの最中、老婆は少し驚いた表情をしていた気がしたが、ユイは占いで言われた言葉を自分なりに考えていて、気にも止めていなかった。
「お嬢ちゃんにも、近いうちに大切な選択が迫られる時が来るだろう。だが、さっきのお嬢ちゃんと違い、決して間違った方を選ぶでないぞ。どちらが正しい選択なのかは、お嬢ちゃんなら、その時その答えを導き出す事が出来るはずじゃ」
占いを終えた2人は、それぞれの結果を考えていた。
その後もショッピングは続いていく、可愛い服を買ったり、ぬいぐるみを買ったりもした。
終始ユイが強引にクロを引っ張っている感じだったが、クロ自体も満更ではなさそうだった。
誰がどう見ても、姉妹にしか見えない。
ユイは、いっぱいクロと話をした。
「クロは、お兄ちゃんの事好き?」
間髪入れずに答えていた。
「うん」
「だよねー、じゃさ、私の事は好き?」
同じく間髪入れずに答えていた。
「ユイの事も好き」
「わーい!」と言いながら、ユイはクロを抱きしめている。
「クロも聞いていい?」
「うん、なんでも聞いていいよ!」
「ユイは、クロどう思う?」
「そんなの私の可愛い妹だと思ってるよ!ずっと一緒に居たいし、お兄ちゃんと同じくらい大好きだよ!」
答え終えた瞬間、一瞬だがクロが笑顔になったのだ。
その一瞬をユイは見逃さなかった。
「クロが笑ったよ!私初めて見たかも!」
「????」
クロが困惑した表情をしていた。
「お姉ちゃんから一つアドバイスがあります!クロはもう少し、表情を顔に出した方がいいよ!絶対!さっきの笑った顔も可愛かったから、お兄ちゃんの前でしたら、きっと喜ぶよ!」
クロは、頭を傾けて、?となっている。
「努力する」
ユイは大満足だった。
クロの貴重な笑顔も見えたし、お兄ちゃんへのお土産も買ったしね。
「あ、財布忘れたなぁ。まぁ次の機会でいいよね」
宿に戻る道中に、偶然にもユウと出会っていた。
ユウが、せっかくなので、このままご飯を食べに行こうと言うのでそれに便乗する。
「ユイ、そのネックレス似合ってるじゃないか。クロのイヤリングもいい感じだぞ」
「・・・お兄ちゃん大好き~」
ユイが飛びついてくる。
似合ってると言われた事より、気がついてくれた事が嬉しかったのだ。
ユウとユイの2人は気が付かなかったが、その時、一瞬クロが笑顔になっていた。
クロは、ユイに言われた事を思い出しており、時々は表情に出してみるのもいいかなと思っていた。
ユイが何やら上機嫌な感じだ。
「どうした、ユイ?」
「えっとね、その・・・」
「ジレッたいな、どうしたんだ?」
「欲しいものがあるからお小遣いちょうだい!」
なんだ、小遣いくらい言ってくれたらいくらでも・・
いや、ユイの兄として、一般常識を教えていくのも兄としての重要な責務だな。
危うく何も考えずに何十枚という金貨を渡す所だった。
俺の金銭感覚は初めからマヒしているので、それにユイを巻き込んではいけないのだ。
「何が欲しいんだ?」
「えっとね、いろいろかな?」
ユイがねだるなんて、今まであまり無かったので、了承する。
俺はユイに金貨1枚を渡した。
1枚でも実は相当な金額だったりする。
単純計算で銅貨1枚で100円換算とすると、金貨1枚が銅貨1万枚なので、100万円という事になる。
全然妥当な額じゃないな・・
財布がないと言うので、あまりジャラジャラさせるのも良くない。折角なので、「財布も買ってきたら?」と促す。
どうやらクロと2人っきりで外に出掛けるそうだ。
今までも俺がかまってやれない時は、こうして2人だけで外出していたそうなので、めずらしい話ではないのだが、少し心配だ。
「クロ!行くよ!」
ユイがクロの手を引っ張り出て行ってしまった。
俺はちょうど、サナさんにお城へ呼ばれていたので、向かう事にする。
ここの宿のリタさんに伝言が入っていたのだ。
「戻ってきたらいつでも良いので会いに来て下さい」という事らしい。
俺はツグール帝国に行って来たことを話すつもりだった。
一方その頃、ユイの方は・・
「クロ、今日はお姉ちゃんが何でも買ってあげるからね!」
「欲しいもの特にない」
ユイは、ガーンという漫画やアニメにありがちな表情をしていた。
クロには欲がないというか、飲食ですら必要ない。
栄養供給源は、ユウの魔力オンリーな為。
しかし初っ端から挫けていては始まらない。
ユイは、アクセサリーショップを訪れていた。
獣人や魔族と言えど、女の子には変わりないので、少なくともユイ自身は、俗に言うキラキラ系には多少なれど興味があったのだ。
恐らくクロもそうだろうと思い、最初にここを訪れていた。
今日のユイの行動の目的の一つを達成する為でもある。
そう、クロに対してお姉ちゃんアピールをする事だった。
「クロ、ここはね、立派なレディーになる為の必需品が売ってるんだよ」
「????」
「立派なレディーになって、お兄ちゃんにアタックするの!」
「????」
終始、クロは分からないと言った表情を見せていた。
この一連のやり取りを見ていた店員のお姉さんが、微笑ましそうな笑みを浮かべている。
ユイは、クロに似合いそうなアクセサリーを見繕っている。
そこに、店員のお姉さんが近寄ってきた。
「私も一緒に見繕うのに協力しましょうか?」
彼女は、温かな笑顔を2人に向けている。
最終的にはクロも巻き込んで、なぜだかユウが気に入りそうな、アクセサリーをチョイスしていく。
店員のお姉さんにもユウの特徴を告げ、一緒に選んでもらう。
そしていくつもの候補の中から最終的に購入したのは、ユイは紅色のルビーの輝きを放っていたネックレスだ。
クロは、名前色でもある、ブラックオパールのイヤリングを購入した。
価格は、どちらも銀貨10枚だった。
店員のお姉さんにかけてもらい、ユイは上機嫌だ。
クロもかけてもらったが、表情を変えることはない。いつだってクールなのだ。
店を出る際に、お姉さんからエールを貰った。
「ちなみに、ルビーは、愛の炎という意味があるの。
頑張って、お兄さんをゲットしてね。それと、オパールは、不動とか冷静の意味があるの。クールなのも魅力の一つよ」
ユイとクロはアクセサリーショップを後にした。
「優しいお姉ちゃんだったね。お兄ちゃんの方が良いけど、お姉ちゃんって存在も少し憧れちゃうかも」
「ユウの方がいい」
「そんなの当たり前だよ」
2人は街中を歩いていた。路地の角に差し掛かった所で、突然呼び止められた。
ユイは声のする方へと振り向く。
そこにいたのは、黒いフードを口元まで被った老婆と思しき人だった。
その人の目の前には、大きな水晶が机上に置いてある。
「お嬢さん方、少し占っていかんかね」
どうやら、占い師のようだ。
「ウラナ?」
ユイもクロも占いという言葉を知らなかった。
「ワシの占いは、お嬢さん方に近々起こる未来を教えてあげる事が出来るのじゃ」
「あ、それ知ってる!クラウおじさんと同じやつだ!」
「今なら、1人10銅貨でどうじゃ?」
「えと、じゃ、お願いしてもらおっか、クロ」
ユイ自身よく分かっていないが、断る理由もないのでお願いする事にした。
占い師の老婆に指示されて、前の椅子に座る。
「では、占ってみようかの」
老婆は水晶に両手をかざし、何やら唱えていた。
ブツブツと声にならないようなうめき声にも聞こえるような事を呟きながら待つ事数分。
占いの結果を教えてくれた。
「もうじき、お嬢ちゃんは大切な選択をする事になるようじゃ。それは、仲間との決別か、大切な人との別れか・・・」
色々と説明してくれたが、難しいことは分からなかった。理解出来たのは、結局最初に言われた事だけだった。
次は、クロが占ってもらう番だ。
占いの最中、老婆は少し驚いた表情をしていた気がしたが、ユイは占いで言われた言葉を自分なりに考えていて、気にも止めていなかった。
「お嬢ちゃんにも、近いうちに大切な選択が迫られる時が来るだろう。だが、さっきのお嬢ちゃんと違い、決して間違った方を選ぶでないぞ。どちらが正しい選択なのかは、お嬢ちゃんなら、その時その答えを導き出す事が出来るはずじゃ」
占いを終えた2人は、それぞれの結果を考えていた。
その後もショッピングは続いていく、可愛い服を買ったり、ぬいぐるみを買ったりもした。
終始ユイが強引にクロを引っ張っている感じだったが、クロ自体も満更ではなさそうだった。
誰がどう見ても、姉妹にしか見えない。
ユイは、いっぱいクロと話をした。
「クロは、お兄ちゃんの事好き?」
間髪入れずに答えていた。
「うん」
「だよねー、じゃさ、私の事は好き?」
同じく間髪入れずに答えていた。
「ユイの事も好き」
「わーい!」と言いながら、ユイはクロを抱きしめている。
「クロも聞いていい?」
「うん、なんでも聞いていいよ!」
「ユイは、クロどう思う?」
「そんなの私の可愛い妹だと思ってるよ!ずっと一緒に居たいし、お兄ちゃんと同じくらい大好きだよ!」
答え終えた瞬間、一瞬だがクロが笑顔になったのだ。
その一瞬をユイは見逃さなかった。
「クロが笑ったよ!私初めて見たかも!」
「????」
クロが困惑した表情をしていた。
「お姉ちゃんから一つアドバイスがあります!クロはもう少し、表情を顔に出した方がいいよ!絶対!さっきの笑った顔も可愛かったから、お兄ちゃんの前でしたら、きっと喜ぶよ!」
クロは、頭を傾けて、?となっている。
「努力する」
ユイは大満足だった。
クロの貴重な笑顔も見えたし、お兄ちゃんへのお土産も買ったしね。
「あ、財布忘れたなぁ。まぁ次の機会でいいよね」
宿に戻る道中に、偶然にもユウと出会っていた。
ユウが、せっかくなので、このままご飯を食べに行こうと言うのでそれに便乗する。
「ユイ、そのネックレス似合ってるじゃないか。クロのイヤリングもいい感じだぞ」
「・・・お兄ちゃん大好き~」
ユイが飛びついてくる。
似合ってると言われた事より、気がついてくれた事が嬉しかったのだ。
ユウとユイの2人は気が付かなかったが、その時、一瞬クロが笑顔になっていた。
クロは、ユイに言われた事を思い出しており、時々は表情に出してみるのもいいかなと思っていた。
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