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第三十六話:イスとの再会
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アクアリウムにやってきて、3週間が経過していた。
今日もユイ達と一日中街の中を歩き回っている。
外は真っ暗だ。
2人は既にグッスリと夢の中だった。
さて俺も寝るか」
どれくらい眠っていたのだろうか。
何かの気配を感じて、ハッと目を覚ました。
眼前に立っていたのは、見知らぬ女性だった。
寝ぼけているのかとも思ったが、レーダーの赤い点が点滅しているのに気が付き、悟られぬように臨戦態勢をとる。
いや、良く見ると見覚えのある顔だった。
確かに何処かで・・
「あれ、起きちゃったの?ホント、アンタって私の魔術効かないよね~隣の2人は効いてるみたいだけど」
!?
思い出した。
いつだか俺たちの前に現れた魔族のサキュバスもどきだ。
俺は、すぐに2人の状態を確認する。
どうやら、眠っているだけのようだった。
「何の用だ」
「あれれ、つれないなぁ~また会いに来るって言ったじゃん!本当は、眠っているうちに、こっそりお持ち帰ろうと思ってたんだけどね」
そう言い、サキュバスもどきは、不適な笑みを浮かべていた。
「悪いけど、冗談に付き合っている暇はないんだけど」
「ねぇ、名前聞いてもいい?」
「人に尋ねる前にまず自分から名乗るのが礼儀だぞ」
俺の一度は言ってみたかったセリフの一つだ。
「名乗ってもいいけど、ここだとちょっとまずいかな?」
サキュバスもどきは、俺の手を掴む。
そして次の瞬間、景色が一瞬暗転し、いつの間にか見知らぬ荒野にワープしていた。
これは、油断したな・・。
次元転移は、掴んでる相手にも有効なのか。
「ここなら名乗っても良いよ。私の名前は、イスだよ」
なぜ、あの場では名乗れなかったのか。もしかすると監視でもいたのだろうか。
だとすれば2人が危ない!
「俺は、ユウだ。一応聞いておくが、あの部屋に監視がいたのか?」
「へ~、ユウって言うんだ。ううん、いないよ。用心の為かな?あんまし意味なく他種族と話してると怒られるんだよね」
一体誰に怒られるのか。怖くて聞くのは止めておく。しかし、イスの目的が分からない。
俺をどうするつもりなのだろうか。
最悪の場合、戦闘は避けられないだろう。
幸いにも、飛ばされたおかげで、守る事を考えずに戦う事に専念出来る。
それはあくまでも最悪の場合だけどね。
「もう一度聞くけど、俺に何の用だ?」
「前にも言ったけど、キミが欲しくなっちゃった」
やはり意味が分からない。
「友達になら、なってもいい」
どうしてこんな事を言ってしまったのか、それはもちろん、俺自身は魔族とも交流を持ちたいと思っていたからだ。決してイスが美人だからとか、そういうやましい気持ちがあったからではない。
イスは驚いた顔をしている。
そして、笑い出した。
「あははは、やっぱしキミ面白いね!」
その時だった。
俺のレーダーに高速で近付く反応が一つ現れた。
「何かが来るぞ!」
「え、どこ?」
キョロキョロと左右を見渡しているイス。
「そっちじゃない!上だ!」
遠目でもハッキリと認識出来る。
それだけに、近付いて来るそれは、大きかった。
目の前に降り立ったのは、なんと竜だった。
悪夢だな・・。
魔族の幹部の次は竜かよ。
名前「ダルホース・ヴィン」
レベル71
種族:竜
弱点属性:なし
スキル:ワームホール、烈風Lv5、サイレントノイズLv4、レーザービームLv4、火焔玉Lv5
「あちゃ~、ヤバイのに見つかっちゃったね」
てっきりタイミングがいいので、サキュバスもどきの仲間かと思っていたのだが、どうやら違うようだ。
「魔族の匂いがすると思って来てみれば、この魔力量・・上物だな。ワシもついておる」
「イス。一応聞くけど、あんたの仲間じゃないのか?」
「まっさかー。竜族と魔族は敵同士だよ。むしろ連中はアタシらの事はエサとしか見ていない」
そんな俺たちのやり取りなどお構いなしに、突如けたたましい音が辺りに鳴り響く。
ギィィィィーーン
「あーあ。次元系統が封じられちゃった」
今の音は、そんな効果があったのか、ただの耳潰しかと思った。
「それにしてもやけに余裕こいてるけど、お前エサじゃないのかよ」
「うーん、内心ちょっとヤバいかなって思ってたりもする・・かな?」
「人族の小僧、この場にいた事を後悔するがいい!」
ええ、俺は完全にとばっちりだろう。
とばっちりで死んでたまるかよ!
竜から発せられた突風が俺たち2人を襲う。
まるで刃のように、体が切り刻まれていく感じだ。
この場にいるだけで、ミンチにされてしまう。
相手は、確かに強い。しかし、レベルは俺の方が上だ。
それだけが理由ではないのだが、冷静に対処する事が出来た。
白煙を使い、自身の周りに白煙を発生させ、姿を晦ました。
ヴィンは、俺達を見失っている。
俺はイスを連れて、近くの茂みに隠れる。
そして、双方に速度増加と防御力上昇を施していく。
「どーいうつもり?」
「友達を守るのは当然だからな。言っただろ、友達にならなるって」
「ふーん。でもどうするつもりなの、あいつ前に戦ったことあるけど、めっちゃ強いよ」
「話は後だ、気付かれたぞ」
数多のレーザービームがピンポイントで2人を襲う。
2人は、特に打合せした訳でもないのだが、見事なまでの回避行動を取りつつ散会し、ヴィンとの距離を次第に詰めていく。
魔術の射程に入った俺は、3連続で雷撃を叩き込む。
ヴィンが悲鳴を上げている。
「へぇ~やるじゃない!次は私の番ね!」
イスも俺に続き、シャボン玉のような無色透明な無数の気泡をヴィン目掛けて飛ばしていく。
一見して威力の無さそうな攻撃に見えたが、無数のシャボン玉がヴィンに当たる度に、小規模な爆発が起こっている。
「お前もやるじゃないか」
「まあね!」
俺たち2人の攻撃に耐え切れなくなったのか、たまらず上空に退避しようとする。
このまま逃がすつもりはない。追撃だ。
俺は、妖精の羽でヴィンの後を追う。
イスは、普通に飛べる為、そのまま追いかける。
「アンタ飛べるのね」
「10秒だけだけどな」
俺は、この間覚えたばかりのエレメンタルボムを使用する。
エレメンタルボムは、一瞬のうちにヴィンの位置まで到達し、翼にヒットする。
翼が轟音と共に爆発し、炎上している。
本当は胴体を狙ったのだが、結果オーライだ。
ヴィンは、片方だけの翼では浮力を維持出来ないのか次第に、その高度を下げていく。
そこに、すかさずイスの攻撃で畳み掛けていく。
俺も妖精の羽の効力が切れ、高度を下げ始めた。
「アタシに捕まりなっ!」
咄嗟に差し出された手に捕まっていた。
「悪い、助かった」
再び浮力を得た俺もエレメンタルボムで追加攻撃だ。
溜めるに溜めた魔力でぶっ放す。
今度は見事に胴体に命中し、どうやら相当にダメージを負ったようで、勢い良く地上へと降下していく。
「やったね!」
イスと一緒に俺も地上へと降り立った。
ヴィンは、ピクリとも動かない。どうやら、先程の一撃で仕留めてしまったようだ。
「まさか、本当に倒しちゃうなんて、アンタって本当人族?」
「アンタじゃなくて、ユウだ」
狙われた理由をイスに聞いたが、一部の竜族は魔族が大好物なのだそうだ。
魔族を食べると、そのパワーを自身に取り込む事が出来るなどと思われているらしい。
もちろん、竜たちの一方的な思い込みだそうだが。
あのヴィンも、過去に何人もの魔族を殺してきたそうだ。
イスは、横たわるヴィンを踏みつけていた。
「よくも今まで私の仲間たちを殺してくれたね!」
その表情は、怒りに満ちていながら、どことなく悲しい雰囲気を醸し出していた。
魔族は、血も涙もない連中と聞いていたが、今のやり取りをみていると、根本は俺たちとさして変わらないのではないだろうかと思えた。
やはり魔族とも分かち合えるかもしれない。
今は無理でもいつの日にか・・。
イスがこっちに向かって歩いてくる。
「アンタ、じゃないや、ユウ・・に借りが出来ちゃったね」
「借りなんていいさ、俺も助けてもらったしね。おあいこだ」
その後、イスが黙ってしまった。
俺の顔をジーっと眺めている。
まじまじと改めてイスの顔を見たが、物凄い美人だな。
こんなに見つめられて、美人耐性が無かったらヤバかったかもしれない。
「ねぇ、ユウ?」
何やら嫌な予感がした。
「私の番にならない?」
!?
番って、夫婦って事だよな。
その時セリアとノアが俺の中から出てくる。
「ユウさん、ソイツから離れて下さい!」
精霊の2人は警戒態勢を取っている。
「精霊の匂いがすると思ったら、やっぱりね」
双方が睨み合っている。
「アンタら精霊には関係ないでしょ!」
このままでは、戦闘が始まってしまいそうな雰囲気だ。
その場を納めようと、声を発しかけようとした時だった。
「ご主人様は、誰にも渡しません!」
「え、私のユウさんだよー」
「精霊が何言ってるのかしら。人族と精霊が一緒になれる訳ないじゃん」
え、喧嘩してたのって、そっちだったのかよ・・
それにご主人様じゃない。
てっきり、魔族がどうとか言われると思ったんだが。
俺が1人呆れていると・・
「ユウさん、確かに魔族と人族ですが、過去に一緒になった例は幾つかあります。非常に稀ですけどね」
「でしょ!ユウは、私の番になる運命なのよ」
セリア、解説ありがとう。って煽ってどうするよ・・
セリアが驚いた顔で「はぅ。私としたことが・・」と、膝をついている。
「セリアは、戦線離脱ね。残りは私たち2人の争いよ」
おい、完全にノアは遊んでるだけだろ。
その後もこんなやり取りが数分に渡り繰り広げられた。
「取り敢えず、埒があかないわ!ユウ!今日の所は、勘弁してあげる。返事は、次に会った時に聞かせて貰うからね」
そう言い残し、虚空へと羽ばたいて飛んで行ってしまった。
「って、おい!待て!ここは、どこなんだよーー!!」
俺の声は虚しく、木霊する。
今日もユイ達と一日中街の中を歩き回っている。
外は真っ暗だ。
2人は既にグッスリと夢の中だった。
さて俺も寝るか」
どれくらい眠っていたのだろうか。
何かの気配を感じて、ハッと目を覚ました。
眼前に立っていたのは、見知らぬ女性だった。
寝ぼけているのかとも思ったが、レーダーの赤い点が点滅しているのに気が付き、悟られぬように臨戦態勢をとる。
いや、良く見ると見覚えのある顔だった。
確かに何処かで・・
「あれ、起きちゃったの?ホント、アンタって私の魔術効かないよね~隣の2人は効いてるみたいだけど」
!?
思い出した。
いつだか俺たちの前に現れた魔族のサキュバスもどきだ。
俺は、すぐに2人の状態を確認する。
どうやら、眠っているだけのようだった。
「何の用だ」
「あれれ、つれないなぁ~また会いに来るって言ったじゃん!本当は、眠っているうちに、こっそりお持ち帰ろうと思ってたんだけどね」
そう言い、サキュバスもどきは、不適な笑みを浮かべていた。
「悪いけど、冗談に付き合っている暇はないんだけど」
「ねぇ、名前聞いてもいい?」
「人に尋ねる前にまず自分から名乗るのが礼儀だぞ」
俺の一度は言ってみたかったセリフの一つだ。
「名乗ってもいいけど、ここだとちょっとまずいかな?」
サキュバスもどきは、俺の手を掴む。
そして次の瞬間、景色が一瞬暗転し、いつの間にか見知らぬ荒野にワープしていた。
これは、油断したな・・。
次元転移は、掴んでる相手にも有効なのか。
「ここなら名乗っても良いよ。私の名前は、イスだよ」
なぜ、あの場では名乗れなかったのか。もしかすると監視でもいたのだろうか。
だとすれば2人が危ない!
「俺は、ユウだ。一応聞いておくが、あの部屋に監視がいたのか?」
「へ~、ユウって言うんだ。ううん、いないよ。用心の為かな?あんまし意味なく他種族と話してると怒られるんだよね」
一体誰に怒られるのか。怖くて聞くのは止めておく。しかし、イスの目的が分からない。
俺をどうするつもりなのだろうか。
最悪の場合、戦闘は避けられないだろう。
幸いにも、飛ばされたおかげで、守る事を考えずに戦う事に専念出来る。
それはあくまでも最悪の場合だけどね。
「もう一度聞くけど、俺に何の用だ?」
「前にも言ったけど、キミが欲しくなっちゃった」
やはり意味が分からない。
「友達になら、なってもいい」
どうしてこんな事を言ってしまったのか、それはもちろん、俺自身は魔族とも交流を持ちたいと思っていたからだ。決してイスが美人だからとか、そういうやましい気持ちがあったからではない。
イスは驚いた顔をしている。
そして、笑い出した。
「あははは、やっぱしキミ面白いね!」
その時だった。
俺のレーダーに高速で近付く反応が一つ現れた。
「何かが来るぞ!」
「え、どこ?」
キョロキョロと左右を見渡しているイス。
「そっちじゃない!上だ!」
遠目でもハッキリと認識出来る。
それだけに、近付いて来るそれは、大きかった。
目の前に降り立ったのは、なんと竜だった。
悪夢だな・・。
魔族の幹部の次は竜かよ。
名前「ダルホース・ヴィン」
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種族:竜
弱点属性:なし
スキル:ワームホール、烈風Lv5、サイレントノイズLv4、レーザービームLv4、火焔玉Lv5
「あちゃ~、ヤバイのに見つかっちゃったね」
てっきりタイミングがいいので、サキュバスもどきの仲間かと思っていたのだが、どうやら違うようだ。
「魔族の匂いがすると思って来てみれば、この魔力量・・上物だな。ワシもついておる」
「イス。一応聞くけど、あんたの仲間じゃないのか?」
「まっさかー。竜族と魔族は敵同士だよ。むしろ連中はアタシらの事はエサとしか見ていない」
そんな俺たちのやり取りなどお構いなしに、突如けたたましい音が辺りに鳴り響く。
ギィィィィーーン
「あーあ。次元系統が封じられちゃった」
今の音は、そんな効果があったのか、ただの耳潰しかと思った。
「それにしてもやけに余裕こいてるけど、お前エサじゃないのかよ」
「うーん、内心ちょっとヤバいかなって思ってたりもする・・かな?」
「人族の小僧、この場にいた事を後悔するがいい!」
ええ、俺は完全にとばっちりだろう。
とばっちりで死んでたまるかよ!
竜から発せられた突風が俺たち2人を襲う。
まるで刃のように、体が切り刻まれていく感じだ。
この場にいるだけで、ミンチにされてしまう。
相手は、確かに強い。しかし、レベルは俺の方が上だ。
それだけが理由ではないのだが、冷静に対処する事が出来た。
白煙を使い、自身の周りに白煙を発生させ、姿を晦ました。
ヴィンは、俺達を見失っている。
俺はイスを連れて、近くの茂みに隠れる。
そして、双方に速度増加と防御力上昇を施していく。
「どーいうつもり?」
「友達を守るのは当然だからな。言っただろ、友達にならなるって」
「ふーん。でもどうするつもりなの、あいつ前に戦ったことあるけど、めっちゃ強いよ」
「話は後だ、気付かれたぞ」
数多のレーザービームがピンポイントで2人を襲う。
2人は、特に打合せした訳でもないのだが、見事なまでの回避行動を取りつつ散会し、ヴィンとの距離を次第に詰めていく。
魔術の射程に入った俺は、3連続で雷撃を叩き込む。
ヴィンが悲鳴を上げている。
「へぇ~やるじゃない!次は私の番ね!」
イスも俺に続き、シャボン玉のような無色透明な無数の気泡をヴィン目掛けて飛ばしていく。
一見して威力の無さそうな攻撃に見えたが、無数のシャボン玉がヴィンに当たる度に、小規模な爆発が起こっている。
「お前もやるじゃないか」
「まあね!」
俺たち2人の攻撃に耐え切れなくなったのか、たまらず上空に退避しようとする。
このまま逃がすつもりはない。追撃だ。
俺は、妖精の羽でヴィンの後を追う。
イスは、普通に飛べる為、そのまま追いかける。
「アンタ飛べるのね」
「10秒だけだけどな」
俺は、この間覚えたばかりのエレメンタルボムを使用する。
エレメンタルボムは、一瞬のうちにヴィンの位置まで到達し、翼にヒットする。
翼が轟音と共に爆発し、炎上している。
本当は胴体を狙ったのだが、結果オーライだ。
ヴィンは、片方だけの翼では浮力を維持出来ないのか次第に、その高度を下げていく。
そこに、すかさずイスの攻撃で畳み掛けていく。
俺も妖精の羽の効力が切れ、高度を下げ始めた。
「アタシに捕まりなっ!」
咄嗟に差し出された手に捕まっていた。
「悪い、助かった」
再び浮力を得た俺もエレメンタルボムで追加攻撃だ。
溜めるに溜めた魔力でぶっ放す。
今度は見事に胴体に命中し、どうやら相当にダメージを負ったようで、勢い良く地上へと降下していく。
「やったね!」
イスと一緒に俺も地上へと降り立った。
ヴィンは、ピクリとも動かない。どうやら、先程の一撃で仕留めてしまったようだ。
「まさか、本当に倒しちゃうなんて、アンタって本当人族?」
「アンタじゃなくて、ユウだ」
狙われた理由をイスに聞いたが、一部の竜族は魔族が大好物なのだそうだ。
魔族を食べると、そのパワーを自身に取り込む事が出来るなどと思われているらしい。
もちろん、竜たちの一方的な思い込みだそうだが。
あのヴィンも、過去に何人もの魔族を殺してきたそうだ。
イスは、横たわるヴィンを踏みつけていた。
「よくも今まで私の仲間たちを殺してくれたね!」
その表情は、怒りに満ちていながら、どことなく悲しい雰囲気を醸し出していた。
魔族は、血も涙もない連中と聞いていたが、今のやり取りをみていると、根本は俺たちとさして変わらないのではないだろうかと思えた。
やはり魔族とも分かち合えるかもしれない。
今は無理でもいつの日にか・・。
イスがこっちに向かって歩いてくる。
「アンタ、じゃないや、ユウ・・に借りが出来ちゃったね」
「借りなんていいさ、俺も助けてもらったしね。おあいこだ」
その後、イスが黙ってしまった。
俺の顔をジーっと眺めている。
まじまじと改めてイスの顔を見たが、物凄い美人だな。
こんなに見つめられて、美人耐性が無かったらヤバかったかもしれない。
「ねぇ、ユウ?」
何やら嫌な予感がした。
「私の番にならない?」
!?
番って、夫婦って事だよな。
その時セリアとノアが俺の中から出てくる。
「ユウさん、ソイツから離れて下さい!」
精霊の2人は警戒態勢を取っている。
「精霊の匂いがすると思ったら、やっぱりね」
双方が睨み合っている。
「アンタら精霊には関係ないでしょ!」
このままでは、戦闘が始まってしまいそうな雰囲気だ。
その場を納めようと、声を発しかけようとした時だった。
「ご主人様は、誰にも渡しません!」
「え、私のユウさんだよー」
「精霊が何言ってるのかしら。人族と精霊が一緒になれる訳ないじゃん」
え、喧嘩してたのって、そっちだったのかよ・・
それにご主人様じゃない。
てっきり、魔族がどうとか言われると思ったんだが。
俺が1人呆れていると・・
「ユウさん、確かに魔族と人族ですが、過去に一緒になった例は幾つかあります。非常に稀ですけどね」
「でしょ!ユウは、私の番になる運命なのよ」
セリア、解説ありがとう。って煽ってどうするよ・・
セリアが驚いた顔で「はぅ。私としたことが・・」と、膝をついている。
「セリアは、戦線離脱ね。残りは私たち2人の争いよ」
おい、完全にノアは遊んでるだけだろ。
その後もこんなやり取りが数分に渡り繰り広げられた。
「取り敢えず、埒があかないわ!ユウ!今日の所は、勘弁してあげる。返事は、次に会った時に聞かせて貰うからね」
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