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第六十三話:大規模遠征【中編】
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グラン王国へと進行するモンスターを討伐する為に、大規模討伐作戦が進行していた。
ガゼッタ王国王立武道大会の成績を買われ、俺以外は前線部隊へと所属されてしまった。
そして、今俺たちのいる後方部隊へと伝令が届いた。
どうやら、前線部隊がモンスターとの交戦に入ったようだ。
俺たちの役目は、前線部隊からすり抜けて来たモンスターの排除だった。
ユイには、遠距離通信魔導具を持たせている為、逐一状況報告を入れてもらっている。
その報告によれば、モンスターのレベルは大したことないようだが、数が多くて苦労しているようだ。
自分は、こんな所で何もせず、ただ傍観していていいのだろうか?
時折、飛行型のモンスターが数匹前線部隊の攻撃を掻い潜って此方へとやってくるが、それも遠目に見えるだけで俺の所にまでは、やってこない。
前線部隊がモンスターとの交戦が始まってから、早数時間が経過しようとしていた。
当然体力には、限界がある。
体力の有り余っている俺たち後衛部隊は、未だに待機命令しか出されていない。
何度か、抗議したが、「隊列を乱すな!惑わすな!」の一点張りだ。
「素人が作戦に口を出すな!」とまで言われてしまった。
確かに、俺はあんたらに比べたら素人かもしれない。
だが、大事な仲間が前線で命を掛けて戦っているのに、これ以上呑気に見ていたら、俺の方がどうにかなってしまいそうだ。
その時だった。
ユイから連絡が来る。
(お兄ちゃん、まだ遠くの方だけど、何かヤバいのがいる!)
(どんなやつだ!)
ユイの情報によると、ドラゴンの様な出で立ちで、頭が3本あるそうだ。
もしかして、ヒュドラとかキマイラの類か?
ユイの言う特徴に思い当たるモンスターに心当たりがあった。
以前、俺は、エスナ先生と一緒に狩ったことがある。
しかし、その時は先生が一人で倒していた。
確かあの時のキマイラのレベルは、60を超えていたはずだった。
(ユイ、気を付けろよ!相手のレベルは60を超えているはずだ!一人で挑むなよ!仲間と協力するんだ!俺もすぐそっちへ向かう!)
もう待てない。
俺が走って隊列から抜けようとした時だった。
イキナリ背後から、強烈な一撃を浴びてしまった。
まさか攻撃されるとは思っておらず、俺は避ける間もなく、まともに喰らってしまう。
あろう事か、気絶してしまったのだ。
薄れゆく意識の中で、言い争いをしている声が聞こえた気がした。一人は女性の声だった。
次に目が覚めた時は、木に持たれ掛かった状態だった。
近くに女性が一人いる。
「あ、気が付きました?もう、酷いですよね、うちの大将、規律を破るものには遠慮がなくって」
少し頭がグラグラしているせいか、まだ思考が回復していない。
どうやら俺は、彼女の大将とやらにやられたようだ。
仲間がした事だという事で、何故か彼女は負い目を感じ、俺の目がさめるまで看病してくれていたそうだ。
恐らく意識を失う直後の声は、彼女だろうか。
「俺は、どのくらい気を失っていたんだ」
「んー30分くらいかな?まさかこんなに早く起きてくるとは、思わなかったよ」
女性は、笑っていた。
名前:「ユーリ・クロムウェル」
レベル:48
職種:剣士
スキル:移動速度向上Lv2、地雷撃Lv3、連撃斬Lv3、縮地Lv2、ソードクラッシュLv3、龍冥剣Lv3
こっそりと彼女の情報を確認した。
「もしかして、あなた分析が使えるの?」
なっ、バレただと・・。
「うちの大将も使うからね。使ってる時は、同じ様に目が赤くなるんだよ」
これは、違いますと言ってもバレバレか。
「ああ、使えるよ」
「へー、貴方ももしかしたら、大将と同じでそういう星の元に生まれてきたのかもね」
何故だか、彼女は納得したように、うんうんと頷いていた。
そして徐に彼女が立ち上がった。
「さてと、だいぶ置いていかれちゃったけど、大将たちと合流するかな」
!?
そうだ、ユイたちはどうなったんだ!
(ユイ、大丈夫か!)
しかし、ユイの反応はなかった。
(ユイ!返事をしてくれ!)
だめだ、やはり何の反応もない
こんな所で止まってる場合じゃないな。
「俺も行く」
俺をご丁寧に背後から気絶させた大将とやらに文句を言う必要もあるしね。
「いいけど、付いてこれなかったら置いてくよ?」
「それは、こっちのセリフだ」
俺が気を失っている間に前線はどうなったのか。
後衛部隊も、いつの間にか辺りにはいなかった。
胸騒ぎがする。みんなは、無事なんだろうか。
ユーリの後ろをついていくが、彼女も言うだけあり、中々に速い。
恐らく、スキルか装備により移動速度を大幅に向上しているのだろう。
ふいにユーリが立ち止まった。
「なに・・あれ・・?」
そこは、少し開けた場所だった。
ユーリが見ている方向を俺も確認する。
視界に入ってきたのは、山のように大きなカタツムリのようなモンスターだった。
今まで見た中でも間違いなく一番のサイズだった。
全長にして100mはあるだろうか。
「デカいな・・」
すぐさま情報を確認する。
名前「キガント・マイマイ」
レベル65
種族:?
弱点属性:火
スキル:衝撃波Lv4、突進Lv4、硬質Lv3、自己再生Lv2、粘液Lv5、怪音波Lv3、自爆
「レベル65か・・」
俺が漏らした声にユーリが反応する。
「レ、レベル65ですって!?」
確かに高いし驚くのも分かるが、ユーリは何故か俺の方を見て驚いているように見えた。
「あなた・・・一体レベルいくつなの?」
「どういう事?」
「大将に聞いた分析の能力は、自分よりもレベルが下じゃないと分析出来ないと言っていたわ。それに回数も1日1回と言う制限があるわ」
やりづらいな。適当に誤魔化しておこう。
「たぶん俺が使っている能力と、あんたの大将が使っている分析というのは、違うスキルみたいだな。俺の方は回数制限もないしね」
取り敢えずは、今の苦しい説明で納得してくれたようだ。
ここからの眺めで戦況がだいぶ把握出来た。
どうやら、前線部隊に後方部隊が合流し、総力を上げて巨大カタツムリを迎撃しているようだ。
しかし、HPを見る限り、殆ど減っていない。
所構わず攻撃しても有効打になっていないようだ。
俺は、巨大カタツムリを注意深く観察する。
主に踏付けや、粘膜で攻撃しているようだ。
動きは鈍いが、巨大カタツムリが通った先は、死体の山となっている。
重量は、何トンあるのだか考えただけでも恐ろしい。
ん、何か動きに違和感があるぞ。
撃ち損じた魔術師の放った攻撃が巨大カタツムリの触覚に当たった時だった。
明らかに胴体を大きく揺らしたように見えた。
ストレージから、拳サイズの小石を取り出した。
「何をする気なの?」
「実験だ」
この場所から、巨大カタツムリの触覚まで、直線距離で700m位離れている。
投石スキルMAXによる必中補正と風魔術による速度向上で1km以内だったら正確に射撃出来ることは、既に確認済みだった。
狙いを定めて、思いっきり投げ放つ。
投げ放たれた小石は、凄まじい速度で、巨大カタツムリの触覚目掛けて飛んで行く。
そして見事触覚にヒットする。
予想通り、巨大カタツムリがその巨大を大きく動かした。苦しんでいるようにも見て取れなくない。
どうやら、触覚が弱点で間違いないようだ。
ユーリは、呆然と立ち尽くしている。
「あいつの弱点は、恐らく触覚だ。そして、火に弱いから、この情報を討伐隊に流してくれ。あと、奴のスキルの中に自爆というのがあるみたいだ。考えたくはないが、自爆の前兆があれば、すぐに逃げるんだぞ」
「ちょ、ちょっと、あなたはどこに行くの?」
「ああ、俺の仲間がピンチなんだ、仲間の元へ向かう」
俺は、そのまま走り出す。
「この、討伐が終わったら私たちは、グラン王国のバルデスという酒場にいるわ!絶対来なさいよ!」
去り際にユーリが何か喋っていた。
俺は、みんなを探す為、走り出す。
(ノア頼む!みんなの元へ連れてってくれ!)
(そうくると思って、もう見つけておいたよ)
(流石だな、みんなは無事なんだな?)
(ええ、反応はあるよ。どうやら同じ所にいるみたい)
この討伐前にみんなに指示した内容がいくつかある。
その中に強敵がいた場合、一人では対処せず、なるべく他のみんなと合流するようにと。
正直、自惚れかもしれないが、俺たち以外の討伐隊をあてにしていない。
中には、優秀な人材もいるのだろうが、共闘できる可能性は限りなく低いだろう。
それならば、仲間を探したほうがまだ早い。
みんなが同じ場所にいるならば、取り敢えずは安心だが、それは同時に、一人では倒せない強敵がいるという事になる。
ノアに案内してもらいながら、進んでいくと、やはり巨大カタツムリとは、違う方向のようだ。
レーダーに皆の反応を見つけた。
(ノアありがとう。見つけたよ)
全速力でみんなの元へと駆けつけた。
すぐに俺は、目を疑った。
ユイが血だらけで倒れているのだ。
ユイの側にはらクロがいた。
リンとジラは、モンスターと応戦しているようだ。
後は、チラホラと討伐隊の亡骸が見える。
「みんな!遅れて悪い!」
すぐにユイとクロの元へと向かう。
「ユウ・・・ユイが・・」
俺は、クロの顔を思わず二度見してしまった。
クロが涙を流しているのだ。
表情こそは、いつもと変わらないクールな感じなのだが、ハッキリと頬を伝わる水滴が見える。
俺は、ユイの状態を確認する。
よし、まだ大丈夫だ。強烈なダメージを食らって意識を無くしているようだった。
すぐにユイに治癒する。
傷は、見る見るうちに塞がり、やがて出血も止まった。
しかし、流れ出てしまった血まで補充されるわけではない為、当然意識までは戻らない。
「これでもうユイは大丈夫だ」
クロをさとすように頭を撫でながら同時に謝った。
「遅くなって悪かった。ユイの事は、任せたぞ。俺は、二人の応援に向かう」
そして少し先に進む。
次に目に飛び込んできたのは、3本の頭を持つ、巨大な犬のようなモンスターだった。
ユイから連絡があったやつだろうか。
どうやらキマイラとは違うようだ。
名前「サーペント・ウルフ」
レベル73
種族:竜
弱点属性:火
スキル:雄叫びLv5、雷撃咆哮Lv4、氷撃咆哮Lv4、焔撃咆哮Lv4、怪音波Lv4、突進Lv3、一閃Lv4、
おいおい、レベル72は高すぎるだろ。
あの巨大カタツムリよりも強いぞ。
ガゼッタ王国王立武道大会の成績を買われ、俺以外は前線部隊へと所属されてしまった。
そして、今俺たちのいる後方部隊へと伝令が届いた。
どうやら、前線部隊がモンスターとの交戦に入ったようだ。
俺たちの役目は、前線部隊からすり抜けて来たモンスターの排除だった。
ユイには、遠距離通信魔導具を持たせている為、逐一状況報告を入れてもらっている。
その報告によれば、モンスターのレベルは大したことないようだが、数が多くて苦労しているようだ。
自分は、こんな所で何もせず、ただ傍観していていいのだろうか?
時折、飛行型のモンスターが数匹前線部隊の攻撃を掻い潜って此方へとやってくるが、それも遠目に見えるだけで俺の所にまでは、やってこない。
前線部隊がモンスターとの交戦が始まってから、早数時間が経過しようとしていた。
当然体力には、限界がある。
体力の有り余っている俺たち後衛部隊は、未だに待機命令しか出されていない。
何度か、抗議したが、「隊列を乱すな!惑わすな!」の一点張りだ。
「素人が作戦に口を出すな!」とまで言われてしまった。
確かに、俺はあんたらに比べたら素人かもしれない。
だが、大事な仲間が前線で命を掛けて戦っているのに、これ以上呑気に見ていたら、俺の方がどうにかなってしまいそうだ。
その時だった。
ユイから連絡が来る。
(お兄ちゃん、まだ遠くの方だけど、何かヤバいのがいる!)
(どんなやつだ!)
ユイの情報によると、ドラゴンの様な出で立ちで、頭が3本あるそうだ。
もしかして、ヒュドラとかキマイラの類か?
ユイの言う特徴に思い当たるモンスターに心当たりがあった。
以前、俺は、エスナ先生と一緒に狩ったことがある。
しかし、その時は先生が一人で倒していた。
確かあの時のキマイラのレベルは、60を超えていたはずだった。
(ユイ、気を付けろよ!相手のレベルは60を超えているはずだ!一人で挑むなよ!仲間と協力するんだ!俺もすぐそっちへ向かう!)
もう待てない。
俺が走って隊列から抜けようとした時だった。
イキナリ背後から、強烈な一撃を浴びてしまった。
まさか攻撃されるとは思っておらず、俺は避ける間もなく、まともに喰らってしまう。
あろう事か、気絶してしまったのだ。
薄れゆく意識の中で、言い争いをしている声が聞こえた気がした。一人は女性の声だった。
次に目が覚めた時は、木に持たれ掛かった状態だった。
近くに女性が一人いる。
「あ、気が付きました?もう、酷いですよね、うちの大将、規律を破るものには遠慮がなくって」
少し頭がグラグラしているせいか、まだ思考が回復していない。
どうやら俺は、彼女の大将とやらにやられたようだ。
仲間がした事だという事で、何故か彼女は負い目を感じ、俺の目がさめるまで看病してくれていたそうだ。
恐らく意識を失う直後の声は、彼女だろうか。
「俺は、どのくらい気を失っていたんだ」
「んー30分くらいかな?まさかこんなに早く起きてくるとは、思わなかったよ」
女性は、笑っていた。
名前:「ユーリ・クロムウェル」
レベル:48
職種:剣士
スキル:移動速度向上Lv2、地雷撃Lv3、連撃斬Lv3、縮地Lv2、ソードクラッシュLv3、龍冥剣Lv3
こっそりと彼女の情報を確認した。
「もしかして、あなた分析が使えるの?」
なっ、バレただと・・。
「うちの大将も使うからね。使ってる時は、同じ様に目が赤くなるんだよ」
これは、違いますと言ってもバレバレか。
「ああ、使えるよ」
「へー、貴方ももしかしたら、大将と同じでそういう星の元に生まれてきたのかもね」
何故だか、彼女は納得したように、うんうんと頷いていた。
そして徐に彼女が立ち上がった。
「さてと、だいぶ置いていかれちゃったけど、大将たちと合流するかな」
!?
そうだ、ユイたちはどうなったんだ!
(ユイ、大丈夫か!)
しかし、ユイの反応はなかった。
(ユイ!返事をしてくれ!)
だめだ、やはり何の反応もない
こんな所で止まってる場合じゃないな。
「俺も行く」
俺をご丁寧に背後から気絶させた大将とやらに文句を言う必要もあるしね。
「いいけど、付いてこれなかったら置いてくよ?」
「それは、こっちのセリフだ」
俺が気を失っている間に前線はどうなったのか。
後衛部隊も、いつの間にか辺りにはいなかった。
胸騒ぎがする。みんなは、無事なんだろうか。
ユーリの後ろをついていくが、彼女も言うだけあり、中々に速い。
恐らく、スキルか装備により移動速度を大幅に向上しているのだろう。
ふいにユーリが立ち止まった。
「なに・・あれ・・?」
そこは、少し開けた場所だった。
ユーリが見ている方向を俺も確認する。
視界に入ってきたのは、山のように大きなカタツムリのようなモンスターだった。
今まで見た中でも間違いなく一番のサイズだった。
全長にして100mはあるだろうか。
「デカいな・・」
すぐさま情報を確認する。
名前「キガント・マイマイ」
レベル65
種族:?
弱点属性:火
スキル:衝撃波Lv4、突進Lv4、硬質Lv3、自己再生Lv2、粘液Lv5、怪音波Lv3、自爆
「レベル65か・・」
俺が漏らした声にユーリが反応する。
「レ、レベル65ですって!?」
確かに高いし驚くのも分かるが、ユーリは何故か俺の方を見て驚いているように見えた。
「あなた・・・一体レベルいくつなの?」
「どういう事?」
「大将に聞いた分析の能力は、自分よりもレベルが下じゃないと分析出来ないと言っていたわ。それに回数も1日1回と言う制限があるわ」
やりづらいな。適当に誤魔化しておこう。
「たぶん俺が使っている能力と、あんたの大将が使っている分析というのは、違うスキルみたいだな。俺の方は回数制限もないしね」
取り敢えずは、今の苦しい説明で納得してくれたようだ。
ここからの眺めで戦況がだいぶ把握出来た。
どうやら、前線部隊に後方部隊が合流し、総力を上げて巨大カタツムリを迎撃しているようだ。
しかし、HPを見る限り、殆ど減っていない。
所構わず攻撃しても有効打になっていないようだ。
俺は、巨大カタツムリを注意深く観察する。
主に踏付けや、粘膜で攻撃しているようだ。
動きは鈍いが、巨大カタツムリが通った先は、死体の山となっている。
重量は、何トンあるのだか考えただけでも恐ろしい。
ん、何か動きに違和感があるぞ。
撃ち損じた魔術師の放った攻撃が巨大カタツムリの触覚に当たった時だった。
明らかに胴体を大きく揺らしたように見えた。
ストレージから、拳サイズの小石を取り出した。
「何をする気なの?」
「実験だ」
この場所から、巨大カタツムリの触覚まで、直線距離で700m位離れている。
投石スキルMAXによる必中補正と風魔術による速度向上で1km以内だったら正確に射撃出来ることは、既に確認済みだった。
狙いを定めて、思いっきり投げ放つ。
投げ放たれた小石は、凄まじい速度で、巨大カタツムリの触覚目掛けて飛んで行く。
そして見事触覚にヒットする。
予想通り、巨大カタツムリがその巨大を大きく動かした。苦しんでいるようにも見て取れなくない。
どうやら、触覚が弱点で間違いないようだ。
ユーリは、呆然と立ち尽くしている。
「あいつの弱点は、恐らく触覚だ。そして、火に弱いから、この情報を討伐隊に流してくれ。あと、奴のスキルの中に自爆というのがあるみたいだ。考えたくはないが、自爆の前兆があれば、すぐに逃げるんだぞ」
「ちょ、ちょっと、あなたはどこに行くの?」
「ああ、俺の仲間がピンチなんだ、仲間の元へ向かう」
俺は、そのまま走り出す。
「この、討伐が終わったら私たちは、グラン王国のバルデスという酒場にいるわ!絶対来なさいよ!」
去り際にユーリが何か喋っていた。
俺は、みんなを探す為、走り出す。
(ノア頼む!みんなの元へ連れてってくれ!)
(そうくると思って、もう見つけておいたよ)
(流石だな、みんなは無事なんだな?)
(ええ、反応はあるよ。どうやら同じ所にいるみたい)
この討伐前にみんなに指示した内容がいくつかある。
その中に強敵がいた場合、一人では対処せず、なるべく他のみんなと合流するようにと。
正直、自惚れかもしれないが、俺たち以外の討伐隊をあてにしていない。
中には、優秀な人材もいるのだろうが、共闘できる可能性は限りなく低いだろう。
それならば、仲間を探したほうがまだ早い。
みんなが同じ場所にいるならば、取り敢えずは安心だが、それは同時に、一人では倒せない強敵がいるという事になる。
ノアに案内してもらいながら、進んでいくと、やはり巨大カタツムリとは、違う方向のようだ。
レーダーに皆の反応を見つけた。
(ノアありがとう。見つけたよ)
全速力でみんなの元へと駆けつけた。
すぐに俺は、目を疑った。
ユイが血だらけで倒れているのだ。
ユイの側にはらクロがいた。
リンとジラは、モンスターと応戦しているようだ。
後は、チラホラと討伐隊の亡骸が見える。
「みんな!遅れて悪い!」
すぐにユイとクロの元へと向かう。
「ユウ・・・ユイが・・」
俺は、クロの顔を思わず二度見してしまった。
クロが涙を流しているのだ。
表情こそは、いつもと変わらないクールな感じなのだが、ハッキリと頬を伝わる水滴が見える。
俺は、ユイの状態を確認する。
よし、まだ大丈夫だ。強烈なダメージを食らって意識を無くしているようだった。
すぐにユイに治癒する。
傷は、見る見るうちに塞がり、やがて出血も止まった。
しかし、流れ出てしまった血まで補充されるわけではない為、当然意識までは戻らない。
「これでもうユイは大丈夫だ」
クロをさとすように頭を撫でながら同時に謝った。
「遅くなって悪かった。ユイの事は、任せたぞ。俺は、二人の応援に向かう」
そして少し先に進む。
次に目に飛び込んできたのは、3本の頭を持つ、巨大な犬のようなモンスターだった。
ユイから連絡があったやつだろうか。
どうやらキマイラとは違うようだ。
名前「サーペント・ウルフ」
レベル73
種族:竜
弱点属性:火
スキル:雄叫びLv5、雷撃咆哮Lv4、氷撃咆哮Lv4、焔撃咆哮Lv4、怪音波Lv4、突進Lv3、一閃Lv4、
おいおい、レベル72は高すぎるだろ。
あの巨大カタツムリよりも強いぞ。
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