65 / 242
第六十六話:ハイエルフの里
しおりを挟む
俺たちは、渋々ガゼッタ王国のシャロン王女の依頼を引き受ける事になった。
依頼内容は、ハイエルフの里とガゼッタ王国までの往復の護衛だった。
ハイエルフの里がある南バラナーンまでは、馬車で10日程掛かる距離だ。
道中には凶悪なモンスターが生息しているらしいので、念入りに準備はしておく。
出発前夜に魔導具による遠距離通信でエルフの里にいるエレナに連絡を取った。
「・・・そんな訳で、明日ハイエルフの里を目指す事になったんだ」
「私も行きます」
え?
「だから、私もお供します」
「いや、でもエレナは、エルフの里の姫だし、そう簡単には・・」
「大丈夫です。両親には説明しておきます。それに、ユウ様はハイエルフがどんな種族なのか知っているのですか?」
「えっと、、いえ、全く・・」
「はぁ・・」
何故か、エレナに呆れられてしまったようだ。
「ハイエルフは、私たちエルフの上位種であり、私たち以上に警戒心が強いのです。人族の前に現れたという話も、にわかには信じられないくらいです」
「そこで、エルフであるエレナがいれば、ハイエルフ達の警戒心も和らぐという事かい?」
「よく出来ました。パチパチッ」
何だか上手いこと乗せられてしまった感は否めないが、未開の地に向かうにあたり、守るべき対象が増えるのは正直怖いが、皆も強くなったので、精一杯頼らせてもらう事にしよう。
出発の朝に俺はエレナを迎えにエルフの里を訪れた。
「こんばんはユウ様」
「こんばんはエレナ」
「既に話は済ませてますので、早速行きましょうか」
エレナを連れて戻って来た俺は、皆にエレナも同行する事を説明した。
「よし、いこう!」
またガゼッタ王国には戻ってくるつもりだったが、いつ戻って来れるか分からない為、宿屋はチェックアウトしておく。
「やあ、グリム。今日からまた頼むよ」
馬車での移動は、久しぶりなのだ。
王女のシャロンとは、正門で集合する事になっていた。
道中、感慨深い眼差しを送りながらも正門へ到着すると、こちらに向かい近付いて来る人物が見える。
カツラとメガネで見事な変装を遂げていたシャロン王女だった。
「おはようございます、ユウさん」
「おはようございます。じゃ、早速向かいましょうか」
流石に7人も乗ると馬車が手狭だった。
道中、まず最初に簡単に自己紹介をしていた。
「エレナさんはエルフなのですね!」
シャロンは、目を輝かせていた。
「はい、短い間ですが、宜しくお願いしますね」
「クロさんもユイさんも凄く可愛らしいです!是非、お友達になって下さいね!」
「シャロンお姉ちゃん、よろしくね~」
「よろしく」
さっきから、シャロンの様子がおかしい。
誰にも聞こえない声で壊れたスピーカーのように何度も呟いている。
「今、お姉ちゃんって、お姉ちゃんって言ったよね・・お姉ちゃんって・・」
尚も続く。
「力一杯抱きしめて、モフモフしたい!」
ん、あれか、シャロンは、もしかして、俗に言う残念な子なのだろうか・・
いや、シャロン、俺には分かるよ。
俺もユイと出会った頃は、モフモフ衝動を抑えるのに苦労したものだ。
道中は、暇なくらい何も起きなかった。
モンスターもグリムを恐れてか、近寄ってこなかった。
夜は、外で皆と夜景を楽しみながら食事を取る。
グリムにも労いの骨つき肉を提供して疲れを癒してもらう。
仮眠中は、レーダーを索敵モードにし、馬車の周りには念の為モンスターの近寄ってこない、サーキュレイトフラワーを植えておく。
そんなこんなで、あっという間に俺たちは、バラナーンまで到着していた。
今、眼前には、荒れ果てた広大な大地が続いていた。
「なんだこれは・・」
まるで、戦争の後のような死に絶えた大地だった。
「私も来たのは、初めでですが、両親に聞いていた感じとは違います」
「という事は、ここ数年でこんな惨状になったって事なのか」
取り敢えず進むしかない。
しかし、すぐにモンスターに囲まれてしまった。
確認した限りだとレベル40前後だ。
モンスターとしては、かなり強い方だろう。
上級冒険者でも囲まれれば命はない。
「マスター、ここは私一人でやらせてもらいます」
「分かった。でも油断はするなよ」
ジラは、コクリと頷く。
ジラが馬車屋根の上に立つ。
全てのモンスターの場所を把握した上で、超高圧の水球を一斉にモンスター目掛けて撃ち放つ。
モンスターたちは、身動きすら出来ず、水球が貫通してその場に倒れ込む。
「ジラさん、凄い・・」
そういえば、この旅が始まってからまともにジラの戦う姿を見るのは初めてだった。
ジラもそうだけど、皆の強さはこんなもんじゃないんだけどね。
エレナとシャロンに自慢したくなるのをグッと堪える。
馬車は進む。
その後も何度かモンスターが襲ってきたが、馬車の上に陣取っているジラに瞬殺されていく。
次の日は、大雨だった。
1m先も見えないという悪条件だった為、雨が止むまでその場に留まる事となった。
一匹の反応がゆっくりとこちらへ近づいて来るのが分かった。
それに近づくに連れて、地面がドシンドシンと揺れるのだ。
グリムの主人である俺には、時折感情が伝わってくる事があった。
そして今伝わってきた感情は、恐怖だ。
グリムが怯えているのだ。
只事じゃないと思い、土砂降りの中、俺は馬車から飛び出す。
煙幕などは無効化出来るのだが、雨による視界不良は俺でもどうする事も出来ない。
足音だろうか?
対象が動く度に地面が縦に揺れるのだ。
一体どんな大きさならこんな事になるのか想像もつかない。
目の前に来るまで、その正体が分からなかった。
やがて、得体の知れないものが視界に入ると皆、一様に言葉を無くしていた。
今見えているのは、巨大な何かの足だった。
その全貌は見上げても見えない。
しかし、相手も襲ってくる様子はない。
むしろ、そのまま俺たちの馬車を飛び越え、歩き去ってしまった。
心配になった、ユイとジラも馬車から飛び出し、俺の後ろで唖然としていた。
俺が声を失っていたのは、単に見た目の大きさだけではない。すれ違いざまに、鑑定(アナライズ)を使用していた。
それによって得られた情報に驚いていたのだ。
エンシェントマウントバス【神】
レベル:92
名前とは別に神とついているのもあるが、レベル92はありえないだろう。
いつかの龍王よりも高いとか。
取り敢えず、去ってくれた事にホッと安堵の溜息を漏らす。
馬車へと戻った俺たちは、すぐに洗浄で濡れた部分を乾かし、先程の光景を話した。
当然、#鑑定__アナライズ_#の情報は話していない。
怯えさせても駄目だしね。
雨は、結局その日1日中降り続けた。
次の日、朝になると雨は止んでいた。昨日の視界不良が嘘のように遠くまで見渡せる事が出来る。
「ユウ様、感じます。私たちと同じ存在を」
エルフ族には、存在をお互いが感じ取れる術があるそうだ。
「近いね」
「恐らく。しかし、私もハイエルフに会うのは初めてなので、私の感じているこの感覚がそうであると断言は出来ませんけどね」
「うん、充分だよ。ありがとう」
俺とエレナがお立ち台にいて、馬車屋根の上には、ユイがゴロンと寝転んでいる。
「みんな、近いぞ!」
そのまま進んでいくと俺のレーダーにも反応が現れた。
しかし、視界での確認が出来ない。
恐らく、物陰に隠れているのだろう。
そのまま警戒しながらレーダーに反応があった辺りを通過しようとすると、何処からともなく声が聞こえてきた。
「立ち去れ!ここは、人族が近づいて良い場所ではない!」
どうやら、あまり歓迎はされていないようだ。
返事を発しようと思った時だった。
「私たちは、怪しい者ではありません。私の名前はシャロン・ウォルナート・フィゼルです」
シャロンが馬車の前に立つ。
悪いけど、シャロンは是が非でも守らなければならないからね。
俺もお立ち台から飛び降り、シャロンの隣に並ぶ。
「誰であろうが、ここから先に行く事は、許されない!立ち去れ!」
駄目か。困ったな。
無理矢理通る訳にもいかない。
「テュナに会いに来ました」
見張りの男の目つきが変わった。
「テュナ様にだと!」
テュナという言葉に反応しているようだ。
「もしかして、お前は、ガゼッタ王国王家の者か?」
「そうです。テュナに伝えて下さい。シャロンが会いに来たと」
それから待たされる事数分。
話をしていた見張りの男が姿を見せていた。
初めて、ハイエルフを見たが、エレナたちエルフとの違いは分からないが、確かに情報はハイエルフとなっていた。
違いがあるとすれば、ちょっぴりハイエルフの方が耳が長い?かな・・。
二人とも姿を隠していたが、俺と同じで姿を消す魔導具でも持っていたのだろうか。
鑑定(アナライズ)で確認した限りでは、スキルにはそれらしい物は見当たらなかった。
見張りの男に中に入るように促される。
暫く進んだ先で、一人が声を発した。
「止まれ!」
ハイエルフの見張りの一人が何やら呪文のようなものを唱えている。
”ハイエルフの禁呪を取得しました”
何やら視界の端に文字が浮かび上がった。
どうやら、先程の呪文を取得してしまったようだ。
取得なんて久しぶりだったので、普通にスルーしてしまう所だった。
しかし、これは取得するのはマズいやつじゃないのか?
呪文を言い終わると、何やらゲートのような物が目の前に現れた。
凄いな、一体どんな仕組みなんだろう。
非常に興味がある。
詳しく調べたい所だけど、先へ進むように促されてしまった。
ゲートを潜ると、そこは一転して緑の広がるなんとも幻想的な世界が広がっているではないか。
10人が見たら10人共こう言うだろう。
「おおー!」
「キレイです」
エレナもその光景に見惚れているようだった。
「私たちの里よりも大自然と一体化していますね。凄いです感動しました」
エレナの里も幻想的な感じだったが、この目の前に広がる光景もなんとも胸躍らせる。
うっすらと遠目に見える位置には、見上げても雲で先が見えない程の巨大樹がそびえ立っていた。
正面には、滝も見える。
滝によって上がった水しぶきで虹が発生していた。
「ここが、テュナの故郷なのね・・」
隣にいるシャロンを見ると、目に薄っすらと涙を浮かべているようだった。
依頼内容は、ハイエルフの里とガゼッタ王国までの往復の護衛だった。
ハイエルフの里がある南バラナーンまでは、馬車で10日程掛かる距離だ。
道中には凶悪なモンスターが生息しているらしいので、念入りに準備はしておく。
出発前夜に魔導具による遠距離通信でエルフの里にいるエレナに連絡を取った。
「・・・そんな訳で、明日ハイエルフの里を目指す事になったんだ」
「私も行きます」
え?
「だから、私もお供します」
「いや、でもエレナは、エルフの里の姫だし、そう簡単には・・」
「大丈夫です。両親には説明しておきます。それに、ユウ様はハイエルフがどんな種族なのか知っているのですか?」
「えっと、、いえ、全く・・」
「はぁ・・」
何故か、エレナに呆れられてしまったようだ。
「ハイエルフは、私たちエルフの上位種であり、私たち以上に警戒心が強いのです。人族の前に現れたという話も、にわかには信じられないくらいです」
「そこで、エルフであるエレナがいれば、ハイエルフ達の警戒心も和らぐという事かい?」
「よく出来ました。パチパチッ」
何だか上手いこと乗せられてしまった感は否めないが、未開の地に向かうにあたり、守るべき対象が増えるのは正直怖いが、皆も強くなったので、精一杯頼らせてもらう事にしよう。
出発の朝に俺はエレナを迎えにエルフの里を訪れた。
「こんばんはユウ様」
「こんばんはエレナ」
「既に話は済ませてますので、早速行きましょうか」
エレナを連れて戻って来た俺は、皆にエレナも同行する事を説明した。
「よし、いこう!」
またガゼッタ王国には戻ってくるつもりだったが、いつ戻って来れるか分からない為、宿屋はチェックアウトしておく。
「やあ、グリム。今日からまた頼むよ」
馬車での移動は、久しぶりなのだ。
王女のシャロンとは、正門で集合する事になっていた。
道中、感慨深い眼差しを送りながらも正門へ到着すると、こちらに向かい近付いて来る人物が見える。
カツラとメガネで見事な変装を遂げていたシャロン王女だった。
「おはようございます、ユウさん」
「おはようございます。じゃ、早速向かいましょうか」
流石に7人も乗ると馬車が手狭だった。
道中、まず最初に簡単に自己紹介をしていた。
「エレナさんはエルフなのですね!」
シャロンは、目を輝かせていた。
「はい、短い間ですが、宜しくお願いしますね」
「クロさんもユイさんも凄く可愛らしいです!是非、お友達になって下さいね!」
「シャロンお姉ちゃん、よろしくね~」
「よろしく」
さっきから、シャロンの様子がおかしい。
誰にも聞こえない声で壊れたスピーカーのように何度も呟いている。
「今、お姉ちゃんって、お姉ちゃんって言ったよね・・お姉ちゃんって・・」
尚も続く。
「力一杯抱きしめて、モフモフしたい!」
ん、あれか、シャロンは、もしかして、俗に言う残念な子なのだろうか・・
いや、シャロン、俺には分かるよ。
俺もユイと出会った頃は、モフモフ衝動を抑えるのに苦労したものだ。
道中は、暇なくらい何も起きなかった。
モンスターもグリムを恐れてか、近寄ってこなかった。
夜は、外で皆と夜景を楽しみながら食事を取る。
グリムにも労いの骨つき肉を提供して疲れを癒してもらう。
仮眠中は、レーダーを索敵モードにし、馬車の周りには念の為モンスターの近寄ってこない、サーキュレイトフラワーを植えておく。
そんなこんなで、あっという間に俺たちは、バラナーンまで到着していた。
今、眼前には、荒れ果てた広大な大地が続いていた。
「なんだこれは・・」
まるで、戦争の後のような死に絶えた大地だった。
「私も来たのは、初めでですが、両親に聞いていた感じとは違います」
「という事は、ここ数年でこんな惨状になったって事なのか」
取り敢えず進むしかない。
しかし、すぐにモンスターに囲まれてしまった。
確認した限りだとレベル40前後だ。
モンスターとしては、かなり強い方だろう。
上級冒険者でも囲まれれば命はない。
「マスター、ここは私一人でやらせてもらいます」
「分かった。でも油断はするなよ」
ジラは、コクリと頷く。
ジラが馬車屋根の上に立つ。
全てのモンスターの場所を把握した上で、超高圧の水球を一斉にモンスター目掛けて撃ち放つ。
モンスターたちは、身動きすら出来ず、水球が貫通してその場に倒れ込む。
「ジラさん、凄い・・」
そういえば、この旅が始まってからまともにジラの戦う姿を見るのは初めてだった。
ジラもそうだけど、皆の強さはこんなもんじゃないんだけどね。
エレナとシャロンに自慢したくなるのをグッと堪える。
馬車は進む。
その後も何度かモンスターが襲ってきたが、馬車の上に陣取っているジラに瞬殺されていく。
次の日は、大雨だった。
1m先も見えないという悪条件だった為、雨が止むまでその場に留まる事となった。
一匹の反応がゆっくりとこちらへ近づいて来るのが分かった。
それに近づくに連れて、地面がドシンドシンと揺れるのだ。
グリムの主人である俺には、時折感情が伝わってくる事があった。
そして今伝わってきた感情は、恐怖だ。
グリムが怯えているのだ。
只事じゃないと思い、土砂降りの中、俺は馬車から飛び出す。
煙幕などは無効化出来るのだが、雨による視界不良は俺でもどうする事も出来ない。
足音だろうか?
対象が動く度に地面が縦に揺れるのだ。
一体どんな大きさならこんな事になるのか想像もつかない。
目の前に来るまで、その正体が分からなかった。
やがて、得体の知れないものが視界に入ると皆、一様に言葉を無くしていた。
今見えているのは、巨大な何かの足だった。
その全貌は見上げても見えない。
しかし、相手も襲ってくる様子はない。
むしろ、そのまま俺たちの馬車を飛び越え、歩き去ってしまった。
心配になった、ユイとジラも馬車から飛び出し、俺の後ろで唖然としていた。
俺が声を失っていたのは、単に見た目の大きさだけではない。すれ違いざまに、鑑定(アナライズ)を使用していた。
それによって得られた情報に驚いていたのだ。
エンシェントマウントバス【神】
レベル:92
名前とは別に神とついているのもあるが、レベル92はありえないだろう。
いつかの龍王よりも高いとか。
取り敢えず、去ってくれた事にホッと安堵の溜息を漏らす。
馬車へと戻った俺たちは、すぐに洗浄で濡れた部分を乾かし、先程の光景を話した。
当然、#鑑定__アナライズ_#の情報は話していない。
怯えさせても駄目だしね。
雨は、結局その日1日中降り続けた。
次の日、朝になると雨は止んでいた。昨日の視界不良が嘘のように遠くまで見渡せる事が出来る。
「ユウ様、感じます。私たちと同じ存在を」
エルフ族には、存在をお互いが感じ取れる術があるそうだ。
「近いね」
「恐らく。しかし、私もハイエルフに会うのは初めてなので、私の感じているこの感覚がそうであると断言は出来ませんけどね」
「うん、充分だよ。ありがとう」
俺とエレナがお立ち台にいて、馬車屋根の上には、ユイがゴロンと寝転んでいる。
「みんな、近いぞ!」
そのまま進んでいくと俺のレーダーにも反応が現れた。
しかし、視界での確認が出来ない。
恐らく、物陰に隠れているのだろう。
そのまま警戒しながらレーダーに反応があった辺りを通過しようとすると、何処からともなく声が聞こえてきた。
「立ち去れ!ここは、人族が近づいて良い場所ではない!」
どうやら、あまり歓迎はされていないようだ。
返事を発しようと思った時だった。
「私たちは、怪しい者ではありません。私の名前はシャロン・ウォルナート・フィゼルです」
シャロンが馬車の前に立つ。
悪いけど、シャロンは是が非でも守らなければならないからね。
俺もお立ち台から飛び降り、シャロンの隣に並ぶ。
「誰であろうが、ここから先に行く事は、許されない!立ち去れ!」
駄目か。困ったな。
無理矢理通る訳にもいかない。
「テュナに会いに来ました」
見張りの男の目つきが変わった。
「テュナ様にだと!」
テュナという言葉に反応しているようだ。
「もしかして、お前は、ガゼッタ王国王家の者か?」
「そうです。テュナに伝えて下さい。シャロンが会いに来たと」
それから待たされる事数分。
話をしていた見張りの男が姿を見せていた。
初めて、ハイエルフを見たが、エレナたちエルフとの違いは分からないが、確かに情報はハイエルフとなっていた。
違いがあるとすれば、ちょっぴりハイエルフの方が耳が長い?かな・・。
二人とも姿を隠していたが、俺と同じで姿を消す魔導具でも持っていたのだろうか。
鑑定(アナライズ)で確認した限りでは、スキルにはそれらしい物は見当たらなかった。
見張りの男に中に入るように促される。
暫く進んだ先で、一人が声を発した。
「止まれ!」
ハイエルフの見張りの一人が何やら呪文のようなものを唱えている。
”ハイエルフの禁呪を取得しました”
何やら視界の端に文字が浮かび上がった。
どうやら、先程の呪文を取得してしまったようだ。
取得なんて久しぶりだったので、普通にスルーしてしまう所だった。
しかし、これは取得するのはマズいやつじゃないのか?
呪文を言い終わると、何やらゲートのような物が目の前に現れた。
凄いな、一体どんな仕組みなんだろう。
非常に興味がある。
詳しく調べたい所だけど、先へ進むように促されてしまった。
ゲートを潜ると、そこは一転して緑の広がるなんとも幻想的な世界が広がっているではないか。
10人が見たら10人共こう言うだろう。
「おおー!」
「キレイです」
エレナもその光景に見惚れているようだった。
「私たちの里よりも大自然と一体化していますね。凄いです感動しました」
エレナの里も幻想的な感じだったが、この目の前に広がる光景もなんとも胸躍らせる。
うっすらと遠目に見える位置には、見上げても雲で先が見えない程の巨大樹がそびえ立っていた。
正面には、滝も見える。
滝によって上がった水しぶきで虹が発生していた。
「ここが、テュナの故郷なのね・・」
隣にいるシャロンを見ると、目に薄っすらと涙を浮かべているようだった。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる