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第六十五章:王女の護衛
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グラン王国から戻ってきた俺たちは、ガゼッタ王国の国王に此度の討伐任務の報告をするように言われ、渋々謁見の間を訪れていた。
国王の横に、恐らく娘であろう、17.8歳くらい美少女の姿があった。
美少女耐性がついていなかったら、ヤバかったかもしれない。
俺は、皆を代表して国王に説明し、報告する。
「グラン王国討伐任務は、見事な活躍だったと聞いておる。其方らがおらなんだら、此度のモンスターの進軍を止められなかったと余は思っておる。ついては、ここにいる者全員に勲章を授与したいと思っておる」
堅苦しい授与式を想像し、遠慮しようと思ったのだが、ふと、ユイの方を見ると、目をキラキラ輝かせているじゃないか。しかも俺の方を見ている。
恐らく、お腹いっぱい食べられる晩餐会でも想像しているのかもしれない。
ダメだ・・ハッキリ言おう。俺はあの目には弱い。
結局断れず、快く受ける事になった。
勲章授与式は、後日盛大に執り行われるという。
謁見の間を出たところで、国王の娘のシャロンさんに声を掛けられた。
「初めまして、私は、グラン王国第一王女シャロンと申します。以後お見知り置きを」
スカートの裾を持ち、お辞儀する。
本物のお姫様が、一体俺に何の用だろうか。
「初めましてシャロン様、ユウと申します」
シャロンが真剣な顔立ちでこっちを見る。
「ユウのその強さを見込んで、折り入ってお願いしたい事が御座います」
嫌な予感しかしない。
「ユウとお呼び下さいシャロン様。どのような内容でしょうか?」
「ではユウさん、私の事もシャロンと呼び捨てにして頂いて構いません。それで、お願いしたい内容なのですが・・」
彼女は、驚愕の事実を告げる。
「私をエルフ国まで連れて行って頂けないでしょうか?」
あまりにも唐突な内容だった為、一瞬何を言っているのか理解出来なかった。
エルフの国に行きたいとは、一体・・。
「えっと、なぜエルフの国に行きたいのですか?」
「ごめんなさい。このお願いを聞き入れて頂くまでは、理由についてはお話し出来ないんです」
恐らく、それだけ重要な内容なのだろう。
しかし、どうしたものか。
正直に言うと断りたいのだが・・。
さっきから、隣のユイがいつもの如く俺の袖をクイクイと引っ張ってくるのだ。
俺は念仏のように自分に言い聞かせる。何度も何度も。
ダメだ、ダメだぞ。絶対ユイの顔を見ちゃダメだぞ。
すると、隣にいたユイが、俺の正面に回ってきた。
「お兄ちゃん、困ってるから助けてあげよ?ね?」
だからユイ、その目はダメだって・・
(諦めましょう。ユウさんは、超ド級のお人好しなんですから)
(エルフいいじゃん!私もエレナさん以外にもエルフのお友達欲しいな)
俺の中で精霊たちが勝手な事を言っている。
はぁ・・・
「分かりました。何やら重要な要件でしょうから、お引き受けさせて頂きますよ」
まぁ、特にする事もないしね。
「本当ですか!!ありがとうございます。サナから聞いてた通り、お優しい方ですね」
「サナを、あ、サナさんを知っているんですか?」
サナとは、水上都市アクアリウムの姫の事だ。
「はい、サナとは文通友達なのです」
文通の中で、俺の事が出てきたので、シャロンさんは知っているのだそうだ。
「詳細をお話ししたいので、私の部屋に来て下さい」
流石に全員でお邪魔するのは悪いので、ユイだけ残ってもらい、他のみんなには宿へ帰ってもらった。
何故だか、シャロンさんの寝室に案内されてしまった。
ここは広い王宮だ。他にも部屋があるだろうに。
「適当に寛いで下さい」と言われたが、この国の王女の寝室で、寛げるはずもないのは言うまでもない。
ユイは、素直なので、十二分に寛いでいるようだった。
フカフカのソファーを堪能した後、窓を開けて眺めの良さを感じていた。
早速本題に入る。
「単刀直入に言います。私を南バラナーンにいるエルフの所まで護衛して下さい!」
ここから、馬車で10日程行った先にバラナーン地方という所があり、そこにエルフ族が住んでいるというのは、この国では広く知られているそうだ。
彼女は訳あって幼い頃に、エルフの少女と一緒に生活をおくっていた。
しかし、今から10年前にエルフの少女は、急遽親元に帰ってしまったらしい。
簡単に言えば、10年振りにその子と会いたいのだそうだ。
「変な別れ方をしてしまったので、ちゃんと謝りたいのです」
「内容は分かりましたが、俺でなくとも護衛でしたら、この王国の騎士隊に任せるという手も」
「駄目なのです。バラナーン地方までの道は険しく、高レベルのモンスターも出現します。何より、お父様には、絶対知られたくないの!」
「ちょっと待って下さい。という事は、事がバレたら俺たちは、王女様の誘拐犯という事になってしまうんじゃないですか?」
誰が考えてもそういう捉え方になってしまう。
「もし、バレてしまったら、その時は私がお父様に全てを話します」
うーん。たぶんそれだけだと、どのみち連れ出した俺たちに何かしらのお咎めがあるような気がするが。
その時だった。
レーダーに反応がある。部屋のすぐ外に誰かがいる。
「シャロン、入ってもいいかしら?」
「お母様!?」
どうやら、シャロンさんの母親らしい。
入ってきた人物は、とても年頃の娘がいるような歳には見えない、妥協してもお姉さん止まりの赤髪ロングの美人が入ってきたではないか。
この状況はユイが居なければ、ヤバかった。
娘のましてや王女の寝室に見ず知らずの男がいる局面など、間違いなく、牢獄送りは必須だ。
「お母様、どうしてここへ・・」
こっそりと覗いた母親の名前は、シュガーさんと言うらしい。
シュガーさんは、俺とユイを見て、ニコッと微笑んだ。
「貴方ね、ジョセフの言っていた将来有望な若者というのは」
てっきり、怒られるものと思っていたのだが、違うようだ。
「お母様、えっとこれは・・私が彼を招いたの。だから彼は悪い人じゃなくて・・」
突然の母親の登場にシャロンが慌てふためいていた。
美少女が慌てふためく姿というのも何とも新鮮で、もう少し観察していたい衝動に苛まれるが、すぐに平静を取り繕う。
「シャロン、あの子に会いに行くんでしょう?」
!?
「何故、その事を」
「分かるわよ、だって貴女はあの子の事を想う時、目が優しくなるんだもの。その道中の護衛をこの方たちに依頼したって所かしら」
シャロンは、自分の思惑が全て見透かされてしまったにも関わらず、その表情は晴れ晴れとしていた。
「やっぱり、お母様には隠し事は通用しませんわね」
「ふふふ。でも私は、応援してますよ」
「え!じゃあ、行っても良いのですか?」
「私が止めても、貴女は行くのでしょう?それに、あの子には本当に悪い事をしちゃったから、本当なら私も一緒に行って謝りたい所なのだけど、私はこの国を離れられないから」
「お母様!ありがとうございます!」
シャロンが、勢い良く母親に抱きついた。
今度は、シュガーさんが俺を見る。
「シャロンをお願いしますね、若いナイトさん」
俺は、すぐさま片膝を地面についた状態で受け答えする。
それを見たユイも真似をしていた。
「決して王女様に危険が及ばぬように、誓います」
シュガーさんは、少しだけ微笑み、語り出す。
「少し昔話をしましょうか。この話は、シャロン・・貴女にもちゃんとした事は無かったわね」
今から15年前程前にガゼッタ王国の領土内に怪我をしたハイエルフが保護されていた。
ハイエルフは、酷く衰弱していて、何日も昏睡状態が続いたそうだ。
しかし、懸命な治療と看護により、ハイエルフは一命を取り留めた。
現国王でもある当時の国王は、ハイエルフを故郷に帰すべく、精鋭の騎士隊を従えて、ハイエルフを故郷まで送り届けたそうだ。
それから2年後のある日、ガゼッタ王国の国王の元にハイエルフの親子が訪れたのだ。
両親と母親に抱かれた赤ちゃんと父親と手を繋ぐ女の子の計4人だった。
国王は、ハイエルフの父親に見覚えがあった。
そう、2年前に保護したハイエルフ当人だったのだ。
両親が訪れた理由は、二つあった。
一つは、2年前にお礼も出来なかったので、正式にお礼に参ったという事。
もう一つは、娘を少しの間だけ養子に貰って欲しいというものだった。
女の子の名前は、テュナ。
まだ4歳にも関わらず、知的そうな顔をしていたそうだ。
この養子の話は、彼女自身の願いというのだから、皆驚いた。
外の世界を見てみたいという純粋な願いだったそうだ。
歳の近い娘もいた事もあり、国王はそれを快く承諾した。
娘というのは、勿論シャロンの事だ。
その日以降、シャロンは王宮でテュナと一緒に住む事になったのだ。
同い年という事もあり、すぐに打ち解けあい、何処に行くにも一緒で、端から見たら本当の姉妹と勘違いされてもおかしくない程だったそうだ。
しかし、シャロンとテュナが一緒に生活するようになって、3年が経過したある日、テュナの叔父という者がガゼッタ王国を訪れた。
テュナの両親が不運の事故で他界したと伝えに来たのだ。そして、テュナを迎えに来たと行い、そのまま半ば強引に連れ帰ってしまったそうだ。
深夜という事もあり、シャロンが聞いたのは、次の日の朝だった。
別れを言う事すら出来なかったのだ。
「あの時、貴女をちゃんと起こして、せめてお別れだけでも言わせてあげたかった。本当にごめんなさいね」
「お母様にはその事で、もう何度も謝って頂きましたわ。それにあの時は、本当に急な出来事だったと、皆お話ししておりました」
シャロンは続ける。
「私、テュナに会いたい!そして、あの時言えなかったお別れをちゃんと言いたい!」
なんとも感動的な話しだ。
事情は、大体分かった。
しかし、一つ気になることがある。
ハイエルフとは何だろうか?エルフとは違う種族なのだろうか。
(ハイエルフは、エルフの上位種です。現存数は、少なくエルフの1/10とも言われています)
物知りセリアさん、ありがとう!
「ジョセフには、上手く誤魔化しとくわね」
母親を仲間に出来れば、取り敢えず国王にバレても、極刑という事にはならないだろう。
一安心・・なのか?極刑にならないだけで、何かしらの処分はされる事くらいは最悪覚悟しておいた方が いいかもしれない。
シャロンさんと打ち合わせし、出発は明日の明朝という事に決まった。
俺とユイもみんなの待つ宿屋へと戻って来た。
国王の横に、恐らく娘であろう、17.8歳くらい美少女の姿があった。
美少女耐性がついていなかったら、ヤバかったかもしれない。
俺は、皆を代表して国王に説明し、報告する。
「グラン王国討伐任務は、見事な活躍だったと聞いておる。其方らがおらなんだら、此度のモンスターの進軍を止められなかったと余は思っておる。ついては、ここにいる者全員に勲章を授与したいと思っておる」
堅苦しい授与式を想像し、遠慮しようと思ったのだが、ふと、ユイの方を見ると、目をキラキラ輝かせているじゃないか。しかも俺の方を見ている。
恐らく、お腹いっぱい食べられる晩餐会でも想像しているのかもしれない。
ダメだ・・ハッキリ言おう。俺はあの目には弱い。
結局断れず、快く受ける事になった。
勲章授与式は、後日盛大に執り行われるという。
謁見の間を出たところで、国王の娘のシャロンさんに声を掛けられた。
「初めまして、私は、グラン王国第一王女シャロンと申します。以後お見知り置きを」
スカートの裾を持ち、お辞儀する。
本物のお姫様が、一体俺に何の用だろうか。
「初めましてシャロン様、ユウと申します」
シャロンが真剣な顔立ちでこっちを見る。
「ユウのその強さを見込んで、折り入ってお願いしたい事が御座います」
嫌な予感しかしない。
「ユウとお呼び下さいシャロン様。どのような内容でしょうか?」
「ではユウさん、私の事もシャロンと呼び捨てにして頂いて構いません。それで、お願いしたい内容なのですが・・」
彼女は、驚愕の事実を告げる。
「私をエルフ国まで連れて行って頂けないでしょうか?」
あまりにも唐突な内容だった為、一瞬何を言っているのか理解出来なかった。
エルフの国に行きたいとは、一体・・。
「えっと、なぜエルフの国に行きたいのですか?」
「ごめんなさい。このお願いを聞き入れて頂くまでは、理由についてはお話し出来ないんです」
恐らく、それだけ重要な内容なのだろう。
しかし、どうしたものか。
正直に言うと断りたいのだが・・。
さっきから、隣のユイがいつもの如く俺の袖をクイクイと引っ張ってくるのだ。
俺は念仏のように自分に言い聞かせる。何度も何度も。
ダメだ、ダメだぞ。絶対ユイの顔を見ちゃダメだぞ。
すると、隣にいたユイが、俺の正面に回ってきた。
「お兄ちゃん、困ってるから助けてあげよ?ね?」
だからユイ、その目はダメだって・・
(諦めましょう。ユウさんは、超ド級のお人好しなんですから)
(エルフいいじゃん!私もエレナさん以外にもエルフのお友達欲しいな)
俺の中で精霊たちが勝手な事を言っている。
はぁ・・・
「分かりました。何やら重要な要件でしょうから、お引き受けさせて頂きますよ」
まぁ、特にする事もないしね。
「本当ですか!!ありがとうございます。サナから聞いてた通り、お優しい方ですね」
「サナを、あ、サナさんを知っているんですか?」
サナとは、水上都市アクアリウムの姫の事だ。
「はい、サナとは文通友達なのです」
文通の中で、俺の事が出てきたので、シャロンさんは知っているのだそうだ。
「詳細をお話ししたいので、私の部屋に来て下さい」
流石に全員でお邪魔するのは悪いので、ユイだけ残ってもらい、他のみんなには宿へ帰ってもらった。
何故だか、シャロンさんの寝室に案内されてしまった。
ここは広い王宮だ。他にも部屋があるだろうに。
「適当に寛いで下さい」と言われたが、この国の王女の寝室で、寛げるはずもないのは言うまでもない。
ユイは、素直なので、十二分に寛いでいるようだった。
フカフカのソファーを堪能した後、窓を開けて眺めの良さを感じていた。
早速本題に入る。
「単刀直入に言います。私を南バラナーンにいるエルフの所まで護衛して下さい!」
ここから、馬車で10日程行った先にバラナーン地方という所があり、そこにエルフ族が住んでいるというのは、この国では広く知られているそうだ。
彼女は訳あって幼い頃に、エルフの少女と一緒に生活をおくっていた。
しかし、今から10年前にエルフの少女は、急遽親元に帰ってしまったらしい。
簡単に言えば、10年振りにその子と会いたいのだそうだ。
「変な別れ方をしてしまったので、ちゃんと謝りたいのです」
「内容は分かりましたが、俺でなくとも護衛でしたら、この王国の騎士隊に任せるという手も」
「駄目なのです。バラナーン地方までの道は険しく、高レベルのモンスターも出現します。何より、お父様には、絶対知られたくないの!」
「ちょっと待って下さい。という事は、事がバレたら俺たちは、王女様の誘拐犯という事になってしまうんじゃないですか?」
誰が考えてもそういう捉え方になってしまう。
「もし、バレてしまったら、その時は私がお父様に全てを話します」
うーん。たぶんそれだけだと、どのみち連れ出した俺たちに何かしらのお咎めがあるような気がするが。
その時だった。
レーダーに反応がある。部屋のすぐ外に誰かがいる。
「シャロン、入ってもいいかしら?」
「お母様!?」
どうやら、シャロンさんの母親らしい。
入ってきた人物は、とても年頃の娘がいるような歳には見えない、妥協してもお姉さん止まりの赤髪ロングの美人が入ってきたではないか。
この状況はユイが居なければ、ヤバかった。
娘のましてや王女の寝室に見ず知らずの男がいる局面など、間違いなく、牢獄送りは必須だ。
「お母様、どうしてここへ・・」
こっそりと覗いた母親の名前は、シュガーさんと言うらしい。
シュガーさんは、俺とユイを見て、ニコッと微笑んだ。
「貴方ね、ジョセフの言っていた将来有望な若者というのは」
てっきり、怒られるものと思っていたのだが、違うようだ。
「お母様、えっとこれは・・私が彼を招いたの。だから彼は悪い人じゃなくて・・」
突然の母親の登場にシャロンが慌てふためいていた。
美少女が慌てふためく姿というのも何とも新鮮で、もう少し観察していたい衝動に苛まれるが、すぐに平静を取り繕う。
「シャロン、あの子に会いに行くんでしょう?」
!?
「何故、その事を」
「分かるわよ、だって貴女はあの子の事を想う時、目が優しくなるんだもの。その道中の護衛をこの方たちに依頼したって所かしら」
シャロンは、自分の思惑が全て見透かされてしまったにも関わらず、その表情は晴れ晴れとしていた。
「やっぱり、お母様には隠し事は通用しませんわね」
「ふふふ。でも私は、応援してますよ」
「え!じゃあ、行っても良いのですか?」
「私が止めても、貴女は行くのでしょう?それに、あの子には本当に悪い事をしちゃったから、本当なら私も一緒に行って謝りたい所なのだけど、私はこの国を離れられないから」
「お母様!ありがとうございます!」
シャロンが、勢い良く母親に抱きついた。
今度は、シュガーさんが俺を見る。
「シャロンをお願いしますね、若いナイトさん」
俺は、すぐさま片膝を地面についた状態で受け答えする。
それを見たユイも真似をしていた。
「決して王女様に危険が及ばぬように、誓います」
シュガーさんは、少しだけ微笑み、語り出す。
「少し昔話をしましょうか。この話は、シャロン・・貴女にもちゃんとした事は無かったわね」
今から15年前程前にガゼッタ王国の領土内に怪我をしたハイエルフが保護されていた。
ハイエルフは、酷く衰弱していて、何日も昏睡状態が続いたそうだ。
しかし、懸命な治療と看護により、ハイエルフは一命を取り留めた。
現国王でもある当時の国王は、ハイエルフを故郷に帰すべく、精鋭の騎士隊を従えて、ハイエルフを故郷まで送り届けたそうだ。
それから2年後のある日、ガゼッタ王国の国王の元にハイエルフの親子が訪れたのだ。
両親と母親に抱かれた赤ちゃんと父親と手を繋ぐ女の子の計4人だった。
国王は、ハイエルフの父親に見覚えがあった。
そう、2年前に保護したハイエルフ当人だったのだ。
両親が訪れた理由は、二つあった。
一つは、2年前にお礼も出来なかったので、正式にお礼に参ったという事。
もう一つは、娘を少しの間だけ養子に貰って欲しいというものだった。
女の子の名前は、テュナ。
まだ4歳にも関わらず、知的そうな顔をしていたそうだ。
この養子の話は、彼女自身の願いというのだから、皆驚いた。
外の世界を見てみたいという純粋な願いだったそうだ。
歳の近い娘もいた事もあり、国王はそれを快く承諾した。
娘というのは、勿論シャロンの事だ。
その日以降、シャロンは王宮でテュナと一緒に住む事になったのだ。
同い年という事もあり、すぐに打ち解けあい、何処に行くにも一緒で、端から見たら本当の姉妹と勘違いされてもおかしくない程だったそうだ。
しかし、シャロンとテュナが一緒に生活するようになって、3年が経過したある日、テュナの叔父という者がガゼッタ王国を訪れた。
テュナの両親が不運の事故で他界したと伝えに来たのだ。そして、テュナを迎えに来たと行い、そのまま半ば強引に連れ帰ってしまったそうだ。
深夜という事もあり、シャロンが聞いたのは、次の日の朝だった。
別れを言う事すら出来なかったのだ。
「あの時、貴女をちゃんと起こして、せめてお別れだけでも言わせてあげたかった。本当にごめんなさいね」
「お母様にはその事で、もう何度も謝って頂きましたわ。それにあの時は、本当に急な出来事だったと、皆お話ししておりました」
シャロンは続ける。
「私、テュナに会いたい!そして、あの時言えなかったお別れをちゃんと言いたい!」
なんとも感動的な話しだ。
事情は、大体分かった。
しかし、一つ気になることがある。
ハイエルフとは何だろうか?エルフとは違う種族なのだろうか。
(ハイエルフは、エルフの上位種です。現存数は、少なくエルフの1/10とも言われています)
物知りセリアさん、ありがとう!
「ジョセフには、上手く誤魔化しとくわね」
母親を仲間に出来れば、取り敢えず国王にバレても、極刑という事にはならないだろう。
一安心・・なのか?極刑にならないだけで、何かしらの処分はされる事くらいは最悪覚悟しておいた方が いいかもしれない。
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