72 / 242
第七十三話:絶界の魔女
しおりを挟む
シュガーさんの呪いを解く為にシャロンさんと共に、絶界の魔女が示した場所へと急ぎ馬車を走らせていた。
貰った地図の尺度が今一分からないが、通常の馬車で6日の距離なので、グリムのスピードならば、恐らく半分の3日程度だろう。
「ユウさん、今回の件、巻き込んでしまい本当に申し訳ありません。ユウさん以外、他に頼る人がいなくて・・」
「気にしないで下さい。困った時はお互い様です。俺達に出来る事ならば、最大限協力しますよ」
とは言っても、相手が魔女であり、俺よりもレベルが高い可能性がある。
今回に限っては、全く余裕が無いのも事実だった。
最悪戦闘になった場合を想定して、幾つかの作戦を考えていた。
皆のコンディションを整える為、食事、睡眠にまで気を遣う。
夜中の見張りも、全て俺が行っている。
勿論、その代償として日中に仮眠をとるようにしている。
ここまで徹底するのには理由がある。
本当に強者が相手の場合、俺一人では到底対峙出来ないのは言うまでもない。その時は皆に頼る事になる。
ならば、皆が最大限の力が発揮出来るようにしなければならない。
仲間達にはベストコンディションでいて欲しい。
俺にはチート性能があるので多少の無茶は効く。
最悪の状況を考えての行動だった。
ガゼッタ王国を出発してから早3日が経過していた。
そして当初の予定通り、絶界の魔女が指し示した目的地へと到着した。
眼前には、古めかしい廃城がポツリと聳え立っている。
周りにその他の建造物はない。
明らかにあの城だけが浮いてしまっている。
まるで、城毎何処かから転移してきたかのようだ。
遠くから見ている分には気が付かなかったが、近付くと、かなりの大きさがあった。
魔女というよりもお化けでも住んでいそうな雰囲気を醸し出している。
お化け屋敷と言っても過言ではない。なんとも不気味だ。
「ここであってるよな・・」
「ええ、恐らく」
リンが地図を見ながら再確認してくれた。
範囲探索により、城内に幾つかの反応があるのが確認出来た。
俺達を招き入れるかのように城門は開け放たれている。
そのまま敷地内に入ると、正面に閉まっている大扉が見えた。
恐らく正面入り口で間違いないだろう。
扉の前まで進むと、それを見計らったかのように5mを超える大扉がひとりでに開いたのだ。
人感センサーでもついているなら驚きだが、そういう魔術が施されているのだろう。
恐る恐る中を確認するが、開かれた先には誰もいない。勿論近くには範囲探索にも反応はない。
グリムと馬車は、扉前に待機させておく。
「グリム、すぐに戻ってくるから、悪いけどここで待機していてくれ」
洞察力に優れているユイが先頭で、真ん中にシャロンを挟む形で俺達は、城の中へと進んでいく。
少し進むと、正面に2階へと登る階段が見える。
取り敢えず、定石に従い上層を目指そうと、階段を登ろうとした、その時だった。
いきなり、階段の前に人影が現れたのだ。
地面から生えてきたように見えたんだけど・・。
人影は、2mを超すであろう全身フルプレートアーマーを身に纏っている。
古めかしい甲冑の為か、動く度にキシキシと鈍い音を立てていた。
皆が武器を持ち、臨戦態勢に入っていた。
すると何処からともなく若い女性の声が辺りに響き渡る。
「よくぞ参ったな。シャロン王女よ。そして、勇者ユウよ」
はい?
勇者と呼ばれた事にも驚いたけど、本質はそこじゃない。
何故、俺の名前がバレてるんだ?
これは、マジで気を引き締めて掛からないと危ない。
「歓迎の意を込めて、この城内に4人の刺客を放っている。全てを倒して私の元に辿り着けるかしらね」
そっちから呼んでおいて、この待遇はないだろう。
「取り敢えず、この城内の何処かにいる4人の刺客を倒さなければ、魔女まで辿り着かないならば、言われるまでもない。倒すまでだ」
皆が頷く。
「ご主人様、目の前の相手は身なりからして騎士のようです。私に相手をさせて下さい」
「分かった。無理はするなよ。あと、油断は禁物だからな」
というのも俺の鑑定で、相手の情報が見えないのだ。
名前は出ているので発動はしているはずなんだけど・・。
推測するに、恐らく生物じゃない。人形とか傀儡の類だろう。
リンは強い。
心配はしていないけど何が起こるか分からないので、油断は禁物だ。
リンは長刀を抜刀し、相手に向けて構えを取った。
少しの間両者に沈黙が流れる。
どうやら相手の出方を伺っているようだ。
先に仕掛けたのはリンだ。
「行きます!」
動いたと把握した時は既に相手の目の前に移動していた。
リンがスキルである縮地を発動したのだ。
その勢いを殺さぬまま、長刀を甲冑目掛けて薙ぎ払う。
甲高い音が辺りに響く。
なんと、俊速のリンの一撃を相手は剣で防いだのだ。
誰しも予期していなかった事態に、俺を始め皆が目を見開いた。
リンは躊躇する事なく、2撃、3撃と高速の斬撃を繰り出す。
しかし、その全てを相手は防いでいる。
やはり、相手も相応の強さらしい。
リンは速さで相手を翻弄し、様々な角度から無数の剣撃、数歩離れて斬撃を放っていく。
「驚きましたね。リンさんの攻撃についていけるなんて・・」
ジラは以前リンと真剣勝負した事があり、リンの実力を知っているが故の発言なのだろう。
リンもさすがに相手にただの一太刀すら浴びせられないとは思っていなかったのか、その表情は険しかった。
それにしても、相手は防ぐ一方で全く動く気配がない。
それどころか、その場を一歩足りとも動いていなかった。
リンもその様を不思議に思い、地面に強力な斬撃を放ち、絶対動かなければならない状況を作り出した。
しかし、甲冑の騎士は、受け止める姿勢を取るだけで相変わらず動く素振りがない。
結果、地面を甲冑の騎士諸共削り取った。
斬撃の余波で、甲冑が無残にも粉砕される。
しかし、甲冑の中に人影は見えなかった。
予想通りみたいだね。
他の皆は、中身がない事に驚いていた。
どういった訳かいまいち不明だが、防御に特化した人形だったのだろう。
守ってるだけじゃ、勝つ事は出来ない。しかし、相手に攻撃が通じず諦めて負けを認める
何て事もないこともないかもしれない。
どちらにしても、リンの勝ちだ。
刺客の1人を倒すのに成功した。
「反撃してこなかったのが不気味でした。実力は相当高かったので、反撃してきていたら、こうは簡単にいかなかったでしょう」
「さすがリンだな」
戻ってきたリンとハイタッチをしておく。
勿論そんな文化、こっちの世界にはないのだが、仲間内には俺が仕込んでおいた。
こういう儀式みたいなのって大事だと思うんだよね。
こんな手強い奴らが後3人もいるのかと思うとゾッとする。
階段を守護していた刺客を排除したので、俺達は2階へと上がる。
それにしても城内は、どこも廃墟となってから何十年も放置されていたような有様で、
荒廃が進み、壁なんかも腐食が目立ち、少し押しただけで崩れそうになっている。
とても人が住んでいるとは思えない。
周りの景色を確認しながら慎重に進んでいると範囲探索に反応があった。
視認は出来ないが、どうやらこの部屋の先に刺客の2人目がいるのだろう。
「中に誰かいるみたいだな。いいか、開けるぞ?」
俺がドアを開け、中を確認した。
かなり広い部屋だった。
不思議と中はキレイに片付けられており、外とはまた違った雰囲気を醸し出していた。
奥に正座して座っている人物が見える。
こっちの世界で正座している人を見たのは実は初めてだったりする。
「来たか・・」
正座していた人物は、そう呟くと立ち上がった。
よく見ると、何処となく忍者のような出で立ちをしている気がする。
「吾輩の相手は誰だ」
一瞬笑いそうになったのをグッとこらえる。
まさか、吾輩と来るとは思っていなかった。
見た目とのギャップに笑いそうになってしまった。
俺の脳内で吾輩忍者と命名しておく。
右手に何か感じると思ったら、クロが俺の袖をクイクイと引っ張っていた。
「次私」
「分かった。だけど、無理したらダメだからな。危ないと思ったらすぐに下がるんだぞ」
コクリと頷いた。
クロが自身の鉤爪を構えて前へと出る。
「嬢ちゃんが吾輩の相手か。悪いが吾輩は相手が誰で、うぬのような小童だろうが手加減はしなーー」
クロが先手必勝で吾輩忍者へと攻撃を繰り出した。
相手の言動など無視と言わんばかりに。
しかし、吾輩忍者もギリギリでクロの攻撃を受け止めていた。
「容赦のない一撃。まだ話の途中だと言うのに、せっかちな小童だ」
「何を喋っているのか分からないから」
どうやらクロには吾輩忍者の独特な口調はハードルが高いらしい。
吾輩忍者の武器は二刀短剣だった。
先程から互いが技を繰り出し、ぶつけ合っていた。
「やるな、小童!」
互いに実力は拮抗しているようだ。
好敵手相手に、クロもどこか楽しそうにしている気がする。
クロは基本無表情だからね。顔色だけじゃ判断出来ないので、あくまでも、そんな気がする。なのだ。
一瞬のクロの隙をつき、吾輩忍者が煙幕を使い、クロの視界を奪った。
「悪いな小童、決めさせてもらう!」
どうやら吾輩忍者には、煙幕の中でも視認出来る術を持っているようだ。
しかし、残念だね。
魔族であるクロに目くらましは効かないよ。
相手が見えないと思い油断していた吾輩忍者は、アッサリと後ろを取られ、両短剣をクロに弾かれた。
そしてクロが吾輩忍者に鉤爪を突き出している。
「グッ・・・吾輩の負けだ・・」
文句無しでクロの勝ちだ。
俺は、戻ってきたクロの頭を労いも込めて撫でる。
いつも以上にその犬耳をモフモフする。
クロが喜ぶからしているんであって、俺が堪能したいからでは断じてない。
「よく頑張ったな」
「さすがクロだね!」
ユイも嬉しそうだった。
ともあれ、刺客の2人倒した事になる。
気が付くと吾輩忍者の姿は無かった。
貰った地図の尺度が今一分からないが、通常の馬車で6日の距離なので、グリムのスピードならば、恐らく半分の3日程度だろう。
「ユウさん、今回の件、巻き込んでしまい本当に申し訳ありません。ユウさん以外、他に頼る人がいなくて・・」
「気にしないで下さい。困った時はお互い様です。俺達に出来る事ならば、最大限協力しますよ」
とは言っても、相手が魔女であり、俺よりもレベルが高い可能性がある。
今回に限っては、全く余裕が無いのも事実だった。
最悪戦闘になった場合を想定して、幾つかの作戦を考えていた。
皆のコンディションを整える為、食事、睡眠にまで気を遣う。
夜中の見張りも、全て俺が行っている。
勿論、その代償として日中に仮眠をとるようにしている。
ここまで徹底するのには理由がある。
本当に強者が相手の場合、俺一人では到底対峙出来ないのは言うまでもない。その時は皆に頼る事になる。
ならば、皆が最大限の力が発揮出来るようにしなければならない。
仲間達にはベストコンディションでいて欲しい。
俺にはチート性能があるので多少の無茶は効く。
最悪の状況を考えての行動だった。
ガゼッタ王国を出発してから早3日が経過していた。
そして当初の予定通り、絶界の魔女が指し示した目的地へと到着した。
眼前には、古めかしい廃城がポツリと聳え立っている。
周りにその他の建造物はない。
明らかにあの城だけが浮いてしまっている。
まるで、城毎何処かから転移してきたかのようだ。
遠くから見ている分には気が付かなかったが、近付くと、かなりの大きさがあった。
魔女というよりもお化けでも住んでいそうな雰囲気を醸し出している。
お化け屋敷と言っても過言ではない。なんとも不気味だ。
「ここであってるよな・・」
「ええ、恐らく」
リンが地図を見ながら再確認してくれた。
範囲探索により、城内に幾つかの反応があるのが確認出来た。
俺達を招き入れるかのように城門は開け放たれている。
そのまま敷地内に入ると、正面に閉まっている大扉が見えた。
恐らく正面入り口で間違いないだろう。
扉の前まで進むと、それを見計らったかのように5mを超える大扉がひとりでに開いたのだ。
人感センサーでもついているなら驚きだが、そういう魔術が施されているのだろう。
恐る恐る中を確認するが、開かれた先には誰もいない。勿論近くには範囲探索にも反応はない。
グリムと馬車は、扉前に待機させておく。
「グリム、すぐに戻ってくるから、悪いけどここで待機していてくれ」
洞察力に優れているユイが先頭で、真ん中にシャロンを挟む形で俺達は、城の中へと進んでいく。
少し進むと、正面に2階へと登る階段が見える。
取り敢えず、定石に従い上層を目指そうと、階段を登ろうとした、その時だった。
いきなり、階段の前に人影が現れたのだ。
地面から生えてきたように見えたんだけど・・。
人影は、2mを超すであろう全身フルプレートアーマーを身に纏っている。
古めかしい甲冑の為か、動く度にキシキシと鈍い音を立てていた。
皆が武器を持ち、臨戦態勢に入っていた。
すると何処からともなく若い女性の声が辺りに響き渡る。
「よくぞ参ったな。シャロン王女よ。そして、勇者ユウよ」
はい?
勇者と呼ばれた事にも驚いたけど、本質はそこじゃない。
何故、俺の名前がバレてるんだ?
これは、マジで気を引き締めて掛からないと危ない。
「歓迎の意を込めて、この城内に4人の刺客を放っている。全てを倒して私の元に辿り着けるかしらね」
そっちから呼んでおいて、この待遇はないだろう。
「取り敢えず、この城内の何処かにいる4人の刺客を倒さなければ、魔女まで辿り着かないならば、言われるまでもない。倒すまでだ」
皆が頷く。
「ご主人様、目の前の相手は身なりからして騎士のようです。私に相手をさせて下さい」
「分かった。無理はするなよ。あと、油断は禁物だからな」
というのも俺の鑑定で、相手の情報が見えないのだ。
名前は出ているので発動はしているはずなんだけど・・。
推測するに、恐らく生物じゃない。人形とか傀儡の類だろう。
リンは強い。
心配はしていないけど何が起こるか分からないので、油断は禁物だ。
リンは長刀を抜刀し、相手に向けて構えを取った。
少しの間両者に沈黙が流れる。
どうやら相手の出方を伺っているようだ。
先に仕掛けたのはリンだ。
「行きます!」
動いたと把握した時は既に相手の目の前に移動していた。
リンがスキルである縮地を発動したのだ。
その勢いを殺さぬまま、長刀を甲冑目掛けて薙ぎ払う。
甲高い音が辺りに響く。
なんと、俊速のリンの一撃を相手は剣で防いだのだ。
誰しも予期していなかった事態に、俺を始め皆が目を見開いた。
リンは躊躇する事なく、2撃、3撃と高速の斬撃を繰り出す。
しかし、その全てを相手は防いでいる。
やはり、相手も相応の強さらしい。
リンは速さで相手を翻弄し、様々な角度から無数の剣撃、数歩離れて斬撃を放っていく。
「驚きましたね。リンさんの攻撃についていけるなんて・・」
ジラは以前リンと真剣勝負した事があり、リンの実力を知っているが故の発言なのだろう。
リンもさすがに相手にただの一太刀すら浴びせられないとは思っていなかったのか、その表情は険しかった。
それにしても、相手は防ぐ一方で全く動く気配がない。
それどころか、その場を一歩足りとも動いていなかった。
リンもその様を不思議に思い、地面に強力な斬撃を放ち、絶対動かなければならない状況を作り出した。
しかし、甲冑の騎士は、受け止める姿勢を取るだけで相変わらず動く素振りがない。
結果、地面を甲冑の騎士諸共削り取った。
斬撃の余波で、甲冑が無残にも粉砕される。
しかし、甲冑の中に人影は見えなかった。
予想通りみたいだね。
他の皆は、中身がない事に驚いていた。
どういった訳かいまいち不明だが、防御に特化した人形だったのだろう。
守ってるだけじゃ、勝つ事は出来ない。しかし、相手に攻撃が通じず諦めて負けを認める
何て事もないこともないかもしれない。
どちらにしても、リンの勝ちだ。
刺客の1人を倒すのに成功した。
「反撃してこなかったのが不気味でした。実力は相当高かったので、反撃してきていたら、こうは簡単にいかなかったでしょう」
「さすがリンだな」
戻ってきたリンとハイタッチをしておく。
勿論そんな文化、こっちの世界にはないのだが、仲間内には俺が仕込んでおいた。
こういう儀式みたいなのって大事だと思うんだよね。
こんな手強い奴らが後3人もいるのかと思うとゾッとする。
階段を守護していた刺客を排除したので、俺達は2階へと上がる。
それにしても城内は、どこも廃墟となってから何十年も放置されていたような有様で、
荒廃が進み、壁なんかも腐食が目立ち、少し押しただけで崩れそうになっている。
とても人が住んでいるとは思えない。
周りの景色を確認しながら慎重に進んでいると範囲探索に反応があった。
視認は出来ないが、どうやらこの部屋の先に刺客の2人目がいるのだろう。
「中に誰かいるみたいだな。いいか、開けるぞ?」
俺がドアを開け、中を確認した。
かなり広い部屋だった。
不思議と中はキレイに片付けられており、外とはまた違った雰囲気を醸し出していた。
奥に正座して座っている人物が見える。
こっちの世界で正座している人を見たのは実は初めてだったりする。
「来たか・・」
正座していた人物は、そう呟くと立ち上がった。
よく見ると、何処となく忍者のような出で立ちをしている気がする。
「吾輩の相手は誰だ」
一瞬笑いそうになったのをグッとこらえる。
まさか、吾輩と来るとは思っていなかった。
見た目とのギャップに笑いそうになってしまった。
俺の脳内で吾輩忍者と命名しておく。
右手に何か感じると思ったら、クロが俺の袖をクイクイと引っ張っていた。
「次私」
「分かった。だけど、無理したらダメだからな。危ないと思ったらすぐに下がるんだぞ」
コクリと頷いた。
クロが自身の鉤爪を構えて前へと出る。
「嬢ちゃんが吾輩の相手か。悪いが吾輩は相手が誰で、うぬのような小童だろうが手加減はしなーー」
クロが先手必勝で吾輩忍者へと攻撃を繰り出した。
相手の言動など無視と言わんばかりに。
しかし、吾輩忍者もギリギリでクロの攻撃を受け止めていた。
「容赦のない一撃。まだ話の途中だと言うのに、せっかちな小童だ」
「何を喋っているのか分からないから」
どうやらクロには吾輩忍者の独特な口調はハードルが高いらしい。
吾輩忍者の武器は二刀短剣だった。
先程から互いが技を繰り出し、ぶつけ合っていた。
「やるな、小童!」
互いに実力は拮抗しているようだ。
好敵手相手に、クロもどこか楽しそうにしている気がする。
クロは基本無表情だからね。顔色だけじゃ判断出来ないので、あくまでも、そんな気がする。なのだ。
一瞬のクロの隙をつき、吾輩忍者が煙幕を使い、クロの視界を奪った。
「悪いな小童、決めさせてもらう!」
どうやら吾輩忍者には、煙幕の中でも視認出来る術を持っているようだ。
しかし、残念だね。
魔族であるクロに目くらましは効かないよ。
相手が見えないと思い油断していた吾輩忍者は、アッサリと後ろを取られ、両短剣をクロに弾かれた。
そしてクロが吾輩忍者に鉤爪を突き出している。
「グッ・・・吾輩の負けだ・・」
文句無しでクロの勝ちだ。
俺は、戻ってきたクロの頭を労いも込めて撫でる。
いつも以上にその犬耳をモフモフする。
クロが喜ぶからしているんであって、俺が堪能したいからでは断じてない。
「よく頑張ったな」
「さすがクロだね!」
ユイも嬉しそうだった。
ともあれ、刺客の2人倒した事になる。
気が付くと吾輩忍者の姿は無かった。
1
あなたにおすすめの小説
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる