118 / 242
第百十九話:誘拐犯を追って2
しおりを挟む
今俺は、聖女様と向き合っていた。
噂通りかそれ以上の美人だった。
金髪ロングに整った顔立ち、年齢はリンと同じくらいだろうか。
しかし、その姿は容姿を台無しにするかのように酷く憔悴しきっていた。
この感じ、俺は心当たりがある。
以前に何度も経験があったのだ。
そう、魔力の枯渇だ。
よく見ると、かなりの汗もかいているようだ。
一瞬、脅されて無理やりにやらされているのかと想像したが、さっきの祈りにしてもそうだが、この子はきっと、ドがつくほど優しく真面目な性格なのだろう。
あの時、誘拐された現場の部屋が荒らされていなかったのは、きっと後者のお人好しが正解だったに違いない。
「いきなりすみません、俺はユウと言います。冒険者をしてるんですが、モルトトであなたの噂を聞いたので、是非一眼お会いした・・今は自己紹介している場合じゃないですね」
呑気に挨拶している場合じゃなかった。
「まず、これを飲んでください」
ストレージからMP回復ポーションを取り出し聖女様に手渡す。
「これは・・ポーションですか?」
「はい、魔力の使い過ぎです。それでは貴女の方が倒れてしまいますよ」
「必要、ありません・・」
聖女様は、何故かポーションを受け取らない。
「この子の名前はシェリル・・」
聖女様は、目の前で横たわっている少女の容態を説明してくれた。
少女の名前はシェリル。
シェリルは、この世界では不治の病と言われている瘴病に侵されていた。
瘴病は、聖女様でも治せないようで、それでも奇跡を信じ、全魔力を使い治療を施してみたが、症状が改善せず、後出来る事といえば、神に祈るくらいだという。
まさに今、神に祈っているところだ。
取り敢えず、見ていて俺の方がつらいので聖女様にMP回復ポーションを飲んでもらう。
「俺も治癒(ヒール)が使えますので、今度は同時に治療をしてみましょう」
俺が治療(ヒール)が使えるのが意外だったのか聖女様は少し驚いていた。
「そうですね!可能性のある事は全部やってみましょう!」
うお、聖女様、治癒レベル4もあるのか。
今まで出会った中では一番高い。
ていうか見た事がない。
瘴病というのも恐らく俺の治癒Lv5で治せるとは思うが、それだと聖女様の治癒レベルより上だという事がバレてしまう。
だから二人同時に行う必要がある、
「では行きますよ」
俺の掛け声を合図に二人同時に治癒を発動する。
相乗効果でもあるのか、いつも以上の眩い光が少女の身体全体を包み込んでいた。
聖女様は、全快したMPを全て使い切る勢いで連続使用している。
聖女様、確か治癒の連続使用って意味ないですよ。
まぁ、聖女様の頑張りを無駄ですなんて口が裂けても言えないんだけどね。
「聖女様、シェリルの顔色が良くなってきましたよ」
鑑定(アナライズ)により、瘴病の表示が消えていたので、恐らくもう大丈夫だろう。
「本当・・・良かった・・・本当に良かった・・」
聖女様は、シェリルの手を握り続けた。
それから少しの時間が経過する。
「お姉ちゃん、だれ?」
シェリルが目を覚ました。
バルザーさんがシェリルを抱きしめている。
「お前を瘴病から救ってくれた聖女様だよ」
「モルトトで聖女をしてます。サーシャと言います。治って本当に良かったです」
俺は、こっそりと建物から出る。
讃えられるのは聖女様だけでいいよ。
頑張ったのは彼女だし、おれは少しばかり手助けしただけだしね。
「ご主人様、おかえりなさい」
外にはリンとアリスが待ってくれていた。
聖者様もいたか。
「それで、聖女様は中に?」
「はい、無事に治療が済みましたので、じきに出て来られると思いますよ」
聖者様は、ホッと肩をなで下ろす。
それからしばらく待つと聖女様とバルザーさんが出てくる。
最初、聖者様がいる事に驚いていた。
「アリウス。心配を掛けてごめんなさい」
聖女様が頭を下げていた。
「サーシャ様は何にも悪くありません。悪いのは、後ろのその男です!」
バルザーさんが、地に膝をつける。
「約束だ。俺を連行するなり、この場で殺すなり好きにすればいい」
聖女様が驚いた顔をしていた。
「それはどういう事ですか?アリウス」
偉そうな聖者様の名前はアリウスと言うらしい。
終始偉ぶっていたアリウスも何故だかタジタジだった。
「い、いえ、この者は、聖女様誘拐の罪でモルトトに連行するのです」
「なんですかそれは!そんなのは私が認めません!」
「で、ですが・・」
「認 め ま せ ん っ !」
あ、聖者様が根負けした。
聖女様つよし。
その後少しもめていたが、俺達は無事にモルトトまで戻ってきた。
道中の馬車の中で、ユイ達獣人族がこの国の決まりで宿屋内から外に出る事が出来ない事を説明したところ、特例で出歩いても良い許可をもらった。
さすが、この国で一番の裏権力者だ。
もちろん、周りの目があるので形態変化で獣人族の特徴である耳や尻尾は隠した上でだけどね。
聖女様と聖者様は、大聖堂からの迎えの馬車が来たので、そっちに乗り換えだ。
その際、大聖堂に来て欲しいと言われたので、後からみんなで行こうと思っている。
「ただいま」
「お兄ちゃんおかえりなさい!」
ユイが出迎えて飛びついて来たので、タイミングを合わせ抱き抱える。
なかなかの衝撃とスピードが出ていたが、俺以外だと受け止めるだけでかなりのダメージを受けてたんじゃないだろうか。
もう少しお兄ちゃんを労わりなさい!
「お帰りなさいませご主人様。留守中特に異常はなしです」
「ただいまリン。了解」
くいくいと俺の袖をクロが引っ張る。
「ユウ、お願いある」
クロがお願いなんて珍しいな。
「珍しいな、どうした?」
クロがシュリを手招きしている。
シュリは、少しモジモジしている。
シュリは、見た目尻尾が生えている以外はまんま人族と変わらない竜人族だ。
本人曰く突然変異だとかで、人族の姿のまま生まれてきた。
「服欲しいです」
あ。
そういえば、シュリは俺達と出会ってからも元々着ている軽装の鎧をずっと身にまとっていた。
確かに、みんなとの服にギャップがあるね。
ユイやクロよりは大きくて、リンやジラよりは小さい為、使い回すことが出来ない。
「よし、外出の許可も出たし、久しぶりにみんなで露店巡りしようか」
時刻は昼過ぎだった為、最初に昼ご飯を食べる事になった。
自炊以外は外食なんだけど、外食する時は基本的に上限はない。みんなが思い思いに好きな物を頼んでいる。
こっちの世界に来た当初は、チート仕様により、文字は読めても名前だけでは想像がつかないので、結局新しい物を注文する時はいつも冒険だった。
「シュリちゃん、何でも好きなメニューを注文してもいいのよ」
ジラがお姉さんぶりを発揮する。
「本当?」
竜人族の口に合うのか心配していたが、聞けば人族の食べ物とそんなに差はないようだ。
相変わらずユイの食べる量は半端ない。
軽く俺の5倍は食べている。
まぁ、食べる子は育つって言うしね。
向かいの席のシュリが何故だか涙を流している。
口に合わなかったか?
「こんなに美味しい食事初めて・・」
あ、そっちね。
自給自足の生活も中々に大変だったみたいだな。
「ちゃんと残さず全部食べるんですよ」
「うん」
ジラの妹という立場が定着しつつあるシュリだった。
食事を終えた俺達は、早速シュリの服を買いに衣服屋へと向かう。
防具屋と違い、衣服屋には戦闘に使える特殊効果や耐久性のある物は取り扱っていない。
せっかく来たので、みんなも普段着を購入していく。
次々と・・。
「いや、買いすぎじゃないか?」
「お兄ちゃん!服はいくつあっても大丈夫だよ!」
「いやまぁ、うん、ちゃんと無駄にせずに着るならば文句は言わないけどさ」
「ユウ様、シュリちゃんをちょっと可愛くコーデしてみましたので、来て下さい」
ジラに連れられて店の奥の試着室の前まで案内された。
「シュリちゃん、ちゃんと着れた?」
「うーん。人族の服難しい」
試着室のカーテンが開けられた。
他でもない、シュリ本人の手によって。
出てきたのは、ほとんど全裸状態のシュリだった。
「ちょ、ちょっとシュリちゃん!」
俺は流石に直視できずに目を逸らしてしまった。
すぐにジラが試着室の中へと入り、中からカーテンを閉めた。
「もう!人がいっぱいいるんだから、ちゃんと服を着ないとだめでしょ!それになんで下着まで脱いでるの!それと、ユウ様以外の殿方に肌を見せるのはだめです!禁止です!」
いや、うん、男としては、ラッキースケベ的なあれは嫌ではないんだけど、ね、周りの目があるからね?さっきから周りの視線が痛いんだよね。せめてもう少し小声でお願いします・・。
そして、試着室から出てきたシュリは、フリフリスカートの可愛い系のコーデだった。
「どうですか、ユウ様?」
「えっと、良いんじゃないかな?」
面と向かって言うのって、ちょっと恥ずかしいものだよね。
心の中で感想を述べておく。
”かなり似合ってて凄くいいよ!”
どうやらシュリには、羞恥心というものがないようなので、そこらへんジラにちゃんと教育するように言っておいた。
みんなが思い思いの服を何着か購入し、ユイの持っているマジックバックに入れる。
「さてと、じゃ、聖女様のところに行きますかね」
(ユウさんは、聖女様のようなタイプの女の子が好きなのですか?)
(なぜそうなる!)
(ただなんとなくです)
最近良く、セリアに絡まれてる気がするな。
聖女様のいる大聖堂へとやってきた。
「こ、この行列はいったい・・」
リンが行列の最前線から最後尾までを目で追っていた。
「美味しいものでも売ってるのかな?」
「聖女様に治療してもらう為の列ですね」
「なんだ、食べ物じゃないのかぁ」
「聖女様竜人達も一目置いてた」
今は仕事で忙しいようだから後から出直そうかと思った矢先、大聖堂に備え付けられている青銅の鐘がリーンゴーンと鳴り出した。
すると、治療待ちの行列の列が、散り散りとなり解散していく。
先程まで人でごった返していた大聖堂前の広場が、今は閑散としてしまった。
「お待ちしておりました。ユウ様」
声に反応して振り向くと、いつの間にやら、聖女様がそこにいた。
噂通りかそれ以上の美人だった。
金髪ロングに整った顔立ち、年齢はリンと同じくらいだろうか。
しかし、その姿は容姿を台無しにするかのように酷く憔悴しきっていた。
この感じ、俺は心当たりがある。
以前に何度も経験があったのだ。
そう、魔力の枯渇だ。
よく見ると、かなりの汗もかいているようだ。
一瞬、脅されて無理やりにやらされているのかと想像したが、さっきの祈りにしてもそうだが、この子はきっと、ドがつくほど優しく真面目な性格なのだろう。
あの時、誘拐された現場の部屋が荒らされていなかったのは、きっと後者のお人好しが正解だったに違いない。
「いきなりすみません、俺はユウと言います。冒険者をしてるんですが、モルトトであなたの噂を聞いたので、是非一眼お会いした・・今は自己紹介している場合じゃないですね」
呑気に挨拶している場合じゃなかった。
「まず、これを飲んでください」
ストレージからMP回復ポーションを取り出し聖女様に手渡す。
「これは・・ポーションですか?」
「はい、魔力の使い過ぎです。それでは貴女の方が倒れてしまいますよ」
「必要、ありません・・」
聖女様は、何故かポーションを受け取らない。
「この子の名前はシェリル・・」
聖女様は、目の前で横たわっている少女の容態を説明してくれた。
少女の名前はシェリル。
シェリルは、この世界では不治の病と言われている瘴病に侵されていた。
瘴病は、聖女様でも治せないようで、それでも奇跡を信じ、全魔力を使い治療を施してみたが、症状が改善せず、後出来る事といえば、神に祈るくらいだという。
まさに今、神に祈っているところだ。
取り敢えず、見ていて俺の方がつらいので聖女様にMP回復ポーションを飲んでもらう。
「俺も治癒(ヒール)が使えますので、今度は同時に治療をしてみましょう」
俺が治療(ヒール)が使えるのが意外だったのか聖女様は少し驚いていた。
「そうですね!可能性のある事は全部やってみましょう!」
うお、聖女様、治癒レベル4もあるのか。
今まで出会った中では一番高い。
ていうか見た事がない。
瘴病というのも恐らく俺の治癒Lv5で治せるとは思うが、それだと聖女様の治癒レベルより上だという事がバレてしまう。
だから二人同時に行う必要がある、
「では行きますよ」
俺の掛け声を合図に二人同時に治癒を発動する。
相乗効果でもあるのか、いつも以上の眩い光が少女の身体全体を包み込んでいた。
聖女様は、全快したMPを全て使い切る勢いで連続使用している。
聖女様、確か治癒の連続使用って意味ないですよ。
まぁ、聖女様の頑張りを無駄ですなんて口が裂けても言えないんだけどね。
「聖女様、シェリルの顔色が良くなってきましたよ」
鑑定(アナライズ)により、瘴病の表示が消えていたので、恐らくもう大丈夫だろう。
「本当・・・良かった・・・本当に良かった・・」
聖女様は、シェリルの手を握り続けた。
それから少しの時間が経過する。
「お姉ちゃん、だれ?」
シェリルが目を覚ました。
バルザーさんがシェリルを抱きしめている。
「お前を瘴病から救ってくれた聖女様だよ」
「モルトトで聖女をしてます。サーシャと言います。治って本当に良かったです」
俺は、こっそりと建物から出る。
讃えられるのは聖女様だけでいいよ。
頑張ったのは彼女だし、おれは少しばかり手助けしただけだしね。
「ご主人様、おかえりなさい」
外にはリンとアリスが待ってくれていた。
聖者様もいたか。
「それで、聖女様は中に?」
「はい、無事に治療が済みましたので、じきに出て来られると思いますよ」
聖者様は、ホッと肩をなで下ろす。
それからしばらく待つと聖女様とバルザーさんが出てくる。
最初、聖者様がいる事に驚いていた。
「アリウス。心配を掛けてごめんなさい」
聖女様が頭を下げていた。
「サーシャ様は何にも悪くありません。悪いのは、後ろのその男です!」
バルザーさんが、地に膝をつける。
「約束だ。俺を連行するなり、この場で殺すなり好きにすればいい」
聖女様が驚いた顔をしていた。
「それはどういう事ですか?アリウス」
偉そうな聖者様の名前はアリウスと言うらしい。
終始偉ぶっていたアリウスも何故だかタジタジだった。
「い、いえ、この者は、聖女様誘拐の罪でモルトトに連行するのです」
「なんですかそれは!そんなのは私が認めません!」
「で、ですが・・」
「認 め ま せ ん っ !」
あ、聖者様が根負けした。
聖女様つよし。
その後少しもめていたが、俺達は無事にモルトトまで戻ってきた。
道中の馬車の中で、ユイ達獣人族がこの国の決まりで宿屋内から外に出る事が出来ない事を説明したところ、特例で出歩いても良い許可をもらった。
さすが、この国で一番の裏権力者だ。
もちろん、周りの目があるので形態変化で獣人族の特徴である耳や尻尾は隠した上でだけどね。
聖女様と聖者様は、大聖堂からの迎えの馬車が来たので、そっちに乗り換えだ。
その際、大聖堂に来て欲しいと言われたので、後からみんなで行こうと思っている。
「ただいま」
「お兄ちゃんおかえりなさい!」
ユイが出迎えて飛びついて来たので、タイミングを合わせ抱き抱える。
なかなかの衝撃とスピードが出ていたが、俺以外だと受け止めるだけでかなりのダメージを受けてたんじゃないだろうか。
もう少しお兄ちゃんを労わりなさい!
「お帰りなさいませご主人様。留守中特に異常はなしです」
「ただいまリン。了解」
くいくいと俺の袖をクロが引っ張る。
「ユウ、お願いある」
クロがお願いなんて珍しいな。
「珍しいな、どうした?」
クロがシュリを手招きしている。
シュリは、少しモジモジしている。
シュリは、見た目尻尾が生えている以外はまんま人族と変わらない竜人族だ。
本人曰く突然変異だとかで、人族の姿のまま生まれてきた。
「服欲しいです」
あ。
そういえば、シュリは俺達と出会ってからも元々着ている軽装の鎧をずっと身にまとっていた。
確かに、みんなとの服にギャップがあるね。
ユイやクロよりは大きくて、リンやジラよりは小さい為、使い回すことが出来ない。
「よし、外出の許可も出たし、久しぶりにみんなで露店巡りしようか」
時刻は昼過ぎだった為、最初に昼ご飯を食べる事になった。
自炊以外は外食なんだけど、外食する時は基本的に上限はない。みんなが思い思いに好きな物を頼んでいる。
こっちの世界に来た当初は、チート仕様により、文字は読めても名前だけでは想像がつかないので、結局新しい物を注文する時はいつも冒険だった。
「シュリちゃん、何でも好きなメニューを注文してもいいのよ」
ジラがお姉さんぶりを発揮する。
「本当?」
竜人族の口に合うのか心配していたが、聞けば人族の食べ物とそんなに差はないようだ。
相変わらずユイの食べる量は半端ない。
軽く俺の5倍は食べている。
まぁ、食べる子は育つって言うしね。
向かいの席のシュリが何故だか涙を流している。
口に合わなかったか?
「こんなに美味しい食事初めて・・」
あ、そっちね。
自給自足の生活も中々に大変だったみたいだな。
「ちゃんと残さず全部食べるんですよ」
「うん」
ジラの妹という立場が定着しつつあるシュリだった。
食事を終えた俺達は、早速シュリの服を買いに衣服屋へと向かう。
防具屋と違い、衣服屋には戦闘に使える特殊効果や耐久性のある物は取り扱っていない。
せっかく来たので、みんなも普段着を購入していく。
次々と・・。
「いや、買いすぎじゃないか?」
「お兄ちゃん!服はいくつあっても大丈夫だよ!」
「いやまぁ、うん、ちゃんと無駄にせずに着るならば文句は言わないけどさ」
「ユウ様、シュリちゃんをちょっと可愛くコーデしてみましたので、来て下さい」
ジラに連れられて店の奥の試着室の前まで案内された。
「シュリちゃん、ちゃんと着れた?」
「うーん。人族の服難しい」
試着室のカーテンが開けられた。
他でもない、シュリ本人の手によって。
出てきたのは、ほとんど全裸状態のシュリだった。
「ちょ、ちょっとシュリちゃん!」
俺は流石に直視できずに目を逸らしてしまった。
すぐにジラが試着室の中へと入り、中からカーテンを閉めた。
「もう!人がいっぱいいるんだから、ちゃんと服を着ないとだめでしょ!それになんで下着まで脱いでるの!それと、ユウ様以外の殿方に肌を見せるのはだめです!禁止です!」
いや、うん、男としては、ラッキースケベ的なあれは嫌ではないんだけど、ね、周りの目があるからね?さっきから周りの視線が痛いんだよね。せめてもう少し小声でお願いします・・。
そして、試着室から出てきたシュリは、フリフリスカートの可愛い系のコーデだった。
「どうですか、ユウ様?」
「えっと、良いんじゃないかな?」
面と向かって言うのって、ちょっと恥ずかしいものだよね。
心の中で感想を述べておく。
”かなり似合ってて凄くいいよ!”
どうやらシュリには、羞恥心というものがないようなので、そこらへんジラにちゃんと教育するように言っておいた。
みんなが思い思いの服を何着か購入し、ユイの持っているマジックバックに入れる。
「さてと、じゃ、聖女様のところに行きますかね」
(ユウさんは、聖女様のようなタイプの女の子が好きなのですか?)
(なぜそうなる!)
(ただなんとなくです)
最近良く、セリアに絡まれてる気がするな。
聖女様のいる大聖堂へとやってきた。
「こ、この行列はいったい・・」
リンが行列の最前線から最後尾までを目で追っていた。
「美味しいものでも売ってるのかな?」
「聖女様に治療してもらう為の列ですね」
「なんだ、食べ物じゃないのかぁ」
「聖女様竜人達も一目置いてた」
今は仕事で忙しいようだから後から出直そうかと思った矢先、大聖堂に備え付けられている青銅の鐘がリーンゴーンと鳴り出した。
すると、治療待ちの行列の列が、散り散りとなり解散していく。
先程まで人でごった返していた大聖堂前の広場が、今は閑散としてしまった。
「お待ちしておりました。ユウ様」
声に反応して振り向くと、いつの間にやら、聖女様がそこにいた。
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる