13 / 110
最後の魔女12 教会の闇1
しおりを挟む
真っ白い何もない世界に、私と少し薄いシオン様がいた。
「私が条件に指定したのは⋯⋯それは、私が死んだ時」
「え、そんな⋯だって、、だって現に今会話してるじゃないですか!」
「もしかしたら会話が噛み合っていないかもしれないけど、今喋っているのは、生きていた頃に喋った内容よ。実際にあなたを見ているわけではないけど、あなたが今どんな顔をしているのか手に取るように分かる気がするわ。貴女、私を嫌ってるくせにどうして涙を流しているの?」
泣いている? 私が?
言われて初めて気がつく。そこには確かに頬を伝う物があった。
あ、私泣いてるんだ⋯
シオン様が死んじゃったから?
「泣いている時間はないぞ。今から話すことを良く聞きなさい」
そしてシオン様は私に重大な事を話し出した。
それは、一言で例えるならば教会の闇について。
「私が死んだということは、たぶん教会の闇に近付き過ぎてしまったから。やつらは、国民の心を留めておく為だけに私たち聖女を利用しているの」
シオン様、確かあの時も聖女はただの道具でしかないって愚痴ってた。
「やつらにとって邪魔になれば聖女だって使い捨てにされる。その為に連れてこられたのがアン、貴女よ」
何それ、意味がわからないよ⋯
「あなたが私の前に現れた時、私は悟ったの。もうすぐ殺されるかもしれないってね」
初めてシオン様に会った時、凄くシオン様怖い顔をしていた気がする。
当たり前か、シオン様の話が全て本当ならば、私はシオン様の後釜で連れてこられた存在なだけ。
「いいかいアン? 私は別にあんたの事が嫌いだからキツクく扱ってきたわけじゃないのよ?」
「はい、分かってます。いえ、今分かりました。シオン様は何も知らない私に強く生きてもらおうと不測の事態が起きた場合に対処できるだけの経験と知識を教えようとしてくれていたのですよね?」
今のシオン様は、予め吹き込まれた会話をしているだけ。会話など繋がるはずがないのは分かっている。だけど。
「あんたは強いよ。私なんかよりもね。だから今から言うことを実行しなさい。あんたなら出来る! だからこれから言うことをちゃんと聞きなさい」
「はい!」
ここは⋯
ハッと気が付くと、シオン様のベッドで横になっている私がいた。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
さっきのは、うん、夢、じゃないんだよねシオン様。私頑張ります。シオン様の分まで、シオン様がやりたかったこと、必ず果たして見せます!
この部屋には修道士の姿は見えない。
部屋の入り口に鍵をかけた。
私はすぐにシオン様に言われた通りに行動を開始する。シオン様のベッドの下に隠し通路があるはず。
ベッドは四方の足が床にガッチリと固定されていて、動かすことが出来ない。
潜るしかないか。しかもその幅は非常に狭く、華奢な私でもギリギリ通れるかどうかった。
シオン様は、どうやって通っていたんだろう。
教えられた通りに床に不自然な窪みを見つけ、それを押した。すると、床が開いてズルりと中へと落ちた。中は坂道になっていて、滑り台を滑っていく感じで、下へ下へと進んでいく。
暫く進むと、行き止まりなのか壁に突き当たった。
真っ暗なので殆ど何も見えないけど、ここは一本道。しかも、人1人が這いずり回れるほどの狭い道。
目の前の壁は押しても引いてもビクともしない。
え、シオン様に説明受けてないよ。
どうしようかと思いあぐねていると、イキナリ壁が開いた。
壁の向こうは光が差している。私は眩しさで思わず目をそらす。
中から私に向かって手が差し伸べられていた。
怖かったけど、どのみちもう何処にも行き場はない。私は差し伸べられた手を掴んだ。
そのまま中へと引きずり込まれた。
「あれ、シオン様ではないのですね?」
私よりも少しだけ年上の男の子か女の子か分からない中性的な感じの恐らく男の子だと思われる存在がいた。
一瞬、私を追ってきた教会側の人かと思ったけど違うみたい。
私はここに来た経緯を彼に説明した。
「そっか、シオン様は亡くなったのか⋯」
彼は凄くショックを受けているようだった。
話を聞くに、シオン様と一緒に教会の闇を暴こうとしていたのだと言う。
確か、夢でシオン様が言っていたのは、その場所に行ってある人物に会いなさい。後はその人が導いてくれると言うものだった。
「シオン様は聖女になったその時から、この王都の教会に巣食う闇について調べていました。そして、僕はその記録を保管し、守る番人をしています」
「人⋯じゃないんですか?」
「うん、違うよ。僕はシオン様に造られた、いわば感情を持つことを許された人形かな」
「そう、なんだ」
改めて辺りを見渡すが、ここには何も見当たらない。記録が保管してあるって聞いていたけど、何にも見当たらない。
「何処にその記録があるの?」
「その前に、僕はまだキミを信用していないんだ。シオン様が死んだって話もね。もしそれが本当ならば、キミは聞いてるはずだよ。僕を従わせる言葉を」
え?
そんなの夢では何も言っていなかったよ。
私が忘れているだけ? それとも、シオン様が伝え忘れただけ?
夢の内容は鮮明に覚えているはずだけど、確かに聞いた記憶はない。
いや、でもここまで用意周到のシオン様だもん、きっと何か手掛かりを残してくれているはず。
夢の中にヒントは無かったか?
暫く考え込んだが、何も浮かばない。ならば、夢の中以外でもシオン様との会話の中に何かヒントがなかったのかを思い出してみる。
暫く考えていると、一つ思い出したことがある。
確かシオン様には、幼い頃に亡くされた弟さんがいたらしい。
ご存命ならば私よりも少し上だったはず。
外見的特徴までは分からないけど、目の前のこの人はシオン様が造られたそうだし、外見年齢的には私よりも少しだけ上だと思う。
確か名前は、えっと⋯
「⋯レイラン」
「正解!」
そう告げると、私の前で彼はこうべを垂れる。
「あなた様を新たな私の主人と位置付します。今後は何なりとご命令下さい」
すっごく勘だったんだけど、あってたんだ⋯。
「えっと、よ、よろしくね」
「以降僕のことはレイランと呼んで下さい。シオン様にもそう呼ばれていました」
私はキョロキョロと辺りを探していた。
ないよ! ていうか、この部屋には何にもない。ソファーが片隅に置いてあるだけ。
広さは3m程の正方形な部屋だった。
「シオン様の集められた記録でしたら私が持っていますよ」
「え?」
いや、でも両手には何も持っていないんだけど。
「ここに全て入ってます」
レイランは自身の頭を指差している。
「え、それって、まさか記憶してるってこと?」
「そうです。僕は記憶力には自信があるんですよ。それに、下手に記録を目に見える形で残していたら、見つかってしまった時に言い訳が出来ませんからね」
「な、なるほどー」
「我々の敵はそれだけ危険ってことですよ」
レイランはニッコリと微笑んでいる。
私はシオン様と約束したんだ。教会の闇の正体を暴き、廃絶してやるって! もう二度と聖女の犠牲者は出さないって! でも次の犠牲者って、たぶん私だよね?
ははっ⋯⋯って、笑えないよっ!
「ご主人、もう一つだけ、すぐにお伝えせねばならないことがあります」
「なんですか? あ、それと私のことはアンでいいです」
「ではアン様。すぐにこの指輪をはめて下さい」
レイランが差し出したのは3つの指輪だった。
え、ちょ! まだ私たちそんな関係じゃないよね!!
自分でも分かる程に私の頰は紅くなってる。
「えっと、何か勘違いされておられるようですが、こちらの指輪は、シオン様の聖女たる力が宿っている指輪です」
ふぇ?
あれ、もしかして盛大な勘違い?
穴があったらすぐに入りたい、、恥ずかしい。
だって、年頃の男の人から指輪を渡されたら、年頃の女の子なら誰だって勘違いするよね? ね?
「シオン様の、力?」
レイラン曰く、この3つの指輪にそれぞれ3つの力が宿っているみたい。なんでも、シオン様が来たるべき時の為に準備していたものらしい。
まず一つ目は、相手の嘘を見抜く力。何回でも使用出来るみたい。だけど、使用するたびに聖力をちょっぴり消費するみたい。
ご利用は計画的にってやつだね。
二つ目は、一時的にだけど姿を消すことが出来る。
消してる間も聖力をどんどん消費しちゃうので、時と場合を考えないと枯渇とかなったらマズイかも。
で、最後の三つ目だけど、たぶんこれは使うことはないんじゃないかな?
ていうか内容聞いたけど意味不明だし。
ていうかこれを使う程の局面が訪れるってことは、色々と私詰んでるってことじゃない?
”一時的に全ての記憶を無くして教会の従順な人形になりさがる”
しかも一時的って言うのは曖昧で、数日かもしれないし、一生かもしれないしって説明だった。
人形? 何それ怖い。
取り敢えずさ、指輪は3種類貰って自分の指にはめてみた。
使い方は簡単で、使いたい指輪に指を置き、聖力を送るだけ。
私は指輪に名前を付けた。
嘘発見器くんが1号。
透明人間さんが2号。
まじもう終わりちゃんが3号。
間違っても、まじもう終わりちゃん3号に魔力を送らないようにしないと、私の人生がそれこそまじでもう終わる。マッハで終わる。
これって、聖女の力? それともシオン様の力?
今思えば私、癒しと祝福以外の聖女の力って知らないんだよね。こんなことなら、もっと勉強しておけば良かった。あ、久しぶりにザークス先生を訪ねてみようかな?
あの人は、教会側でも信頼の置ける人だと思うし。私の味方だと思うから。
余り長い間、姿を消すのは怪しまれる為、レイランと別れ、シオン様の寝室へと戻ってきた。
部屋に戻ると、ちょうど部屋をノックする音が聞こえた。一瞬、誰だろうと不安になったけど、声を聞く限り先程ここに居た修道士たちだった。
私はすぐに部屋の鍵を開けた。
「何かあったのかと心配しましたぞ」
「ごめんなさい、怖くなっちゃって鍵を掛けてました」
「それよりも、あなた様に正式に御触れが出ました」
「御触れ?」
「はい、アン様はたった今からこの王都の正式な聖女様となられたのです」
聖女をしていたシオン様が亡くなったから、後釜の私が聖女に昇格するのは頷けるけど、正直気乗りしない。それに私はここに勉強に来ているだけであって、私は聖地アグヌスの聖女なんだよ!
「でも、私はまだ半人前の見習いですし、それに私は聖地アグヌスの聖女をしています。ここでの勉強が終われば私は自国へ帰ります」
きっぱり言ってやったよ!
「私が条件に指定したのは⋯⋯それは、私が死んだ時」
「え、そんな⋯だって、、だって現に今会話してるじゃないですか!」
「もしかしたら会話が噛み合っていないかもしれないけど、今喋っているのは、生きていた頃に喋った内容よ。実際にあなたを見ているわけではないけど、あなたが今どんな顔をしているのか手に取るように分かる気がするわ。貴女、私を嫌ってるくせにどうして涙を流しているの?」
泣いている? 私が?
言われて初めて気がつく。そこには確かに頬を伝う物があった。
あ、私泣いてるんだ⋯
シオン様が死んじゃったから?
「泣いている時間はないぞ。今から話すことを良く聞きなさい」
そしてシオン様は私に重大な事を話し出した。
それは、一言で例えるならば教会の闇について。
「私が死んだということは、たぶん教会の闇に近付き過ぎてしまったから。やつらは、国民の心を留めておく為だけに私たち聖女を利用しているの」
シオン様、確かあの時も聖女はただの道具でしかないって愚痴ってた。
「やつらにとって邪魔になれば聖女だって使い捨てにされる。その為に連れてこられたのがアン、貴女よ」
何それ、意味がわからないよ⋯
「あなたが私の前に現れた時、私は悟ったの。もうすぐ殺されるかもしれないってね」
初めてシオン様に会った時、凄くシオン様怖い顔をしていた気がする。
当たり前か、シオン様の話が全て本当ならば、私はシオン様の後釜で連れてこられた存在なだけ。
「いいかいアン? 私は別にあんたの事が嫌いだからキツクく扱ってきたわけじゃないのよ?」
「はい、分かってます。いえ、今分かりました。シオン様は何も知らない私に強く生きてもらおうと不測の事態が起きた場合に対処できるだけの経験と知識を教えようとしてくれていたのですよね?」
今のシオン様は、予め吹き込まれた会話をしているだけ。会話など繋がるはずがないのは分かっている。だけど。
「あんたは強いよ。私なんかよりもね。だから今から言うことを実行しなさい。あんたなら出来る! だからこれから言うことをちゃんと聞きなさい」
「はい!」
ここは⋯
ハッと気が付くと、シオン様のベッドで横になっている私がいた。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
さっきのは、うん、夢、じゃないんだよねシオン様。私頑張ります。シオン様の分まで、シオン様がやりたかったこと、必ず果たして見せます!
この部屋には修道士の姿は見えない。
部屋の入り口に鍵をかけた。
私はすぐにシオン様に言われた通りに行動を開始する。シオン様のベッドの下に隠し通路があるはず。
ベッドは四方の足が床にガッチリと固定されていて、動かすことが出来ない。
潜るしかないか。しかもその幅は非常に狭く、華奢な私でもギリギリ通れるかどうかった。
シオン様は、どうやって通っていたんだろう。
教えられた通りに床に不自然な窪みを見つけ、それを押した。すると、床が開いてズルりと中へと落ちた。中は坂道になっていて、滑り台を滑っていく感じで、下へ下へと進んでいく。
暫く進むと、行き止まりなのか壁に突き当たった。
真っ暗なので殆ど何も見えないけど、ここは一本道。しかも、人1人が這いずり回れるほどの狭い道。
目の前の壁は押しても引いてもビクともしない。
え、シオン様に説明受けてないよ。
どうしようかと思いあぐねていると、イキナリ壁が開いた。
壁の向こうは光が差している。私は眩しさで思わず目をそらす。
中から私に向かって手が差し伸べられていた。
怖かったけど、どのみちもう何処にも行き場はない。私は差し伸べられた手を掴んだ。
そのまま中へと引きずり込まれた。
「あれ、シオン様ではないのですね?」
私よりも少しだけ年上の男の子か女の子か分からない中性的な感じの恐らく男の子だと思われる存在がいた。
一瞬、私を追ってきた教会側の人かと思ったけど違うみたい。
私はここに来た経緯を彼に説明した。
「そっか、シオン様は亡くなったのか⋯」
彼は凄くショックを受けているようだった。
話を聞くに、シオン様と一緒に教会の闇を暴こうとしていたのだと言う。
確か、夢でシオン様が言っていたのは、その場所に行ってある人物に会いなさい。後はその人が導いてくれると言うものだった。
「シオン様は聖女になったその時から、この王都の教会に巣食う闇について調べていました。そして、僕はその記録を保管し、守る番人をしています」
「人⋯じゃないんですか?」
「うん、違うよ。僕はシオン様に造られた、いわば感情を持つことを許された人形かな」
「そう、なんだ」
改めて辺りを見渡すが、ここには何も見当たらない。記録が保管してあるって聞いていたけど、何にも見当たらない。
「何処にその記録があるの?」
「その前に、僕はまだキミを信用していないんだ。シオン様が死んだって話もね。もしそれが本当ならば、キミは聞いてるはずだよ。僕を従わせる言葉を」
え?
そんなの夢では何も言っていなかったよ。
私が忘れているだけ? それとも、シオン様が伝え忘れただけ?
夢の内容は鮮明に覚えているはずだけど、確かに聞いた記憶はない。
いや、でもここまで用意周到のシオン様だもん、きっと何か手掛かりを残してくれているはず。
夢の中にヒントは無かったか?
暫く考え込んだが、何も浮かばない。ならば、夢の中以外でもシオン様との会話の中に何かヒントがなかったのかを思い出してみる。
暫く考えていると、一つ思い出したことがある。
確かシオン様には、幼い頃に亡くされた弟さんがいたらしい。
ご存命ならば私よりも少し上だったはず。
外見的特徴までは分からないけど、目の前のこの人はシオン様が造られたそうだし、外見年齢的には私よりも少しだけ上だと思う。
確か名前は、えっと⋯
「⋯レイラン」
「正解!」
そう告げると、私の前で彼はこうべを垂れる。
「あなた様を新たな私の主人と位置付します。今後は何なりとご命令下さい」
すっごく勘だったんだけど、あってたんだ⋯。
「えっと、よ、よろしくね」
「以降僕のことはレイランと呼んで下さい。シオン様にもそう呼ばれていました」
私はキョロキョロと辺りを探していた。
ないよ! ていうか、この部屋には何にもない。ソファーが片隅に置いてあるだけ。
広さは3m程の正方形な部屋だった。
「シオン様の集められた記録でしたら私が持っていますよ」
「え?」
いや、でも両手には何も持っていないんだけど。
「ここに全て入ってます」
レイランは自身の頭を指差している。
「え、それって、まさか記憶してるってこと?」
「そうです。僕は記憶力には自信があるんですよ。それに、下手に記録を目に見える形で残していたら、見つかってしまった時に言い訳が出来ませんからね」
「な、なるほどー」
「我々の敵はそれだけ危険ってことですよ」
レイランはニッコリと微笑んでいる。
私はシオン様と約束したんだ。教会の闇の正体を暴き、廃絶してやるって! もう二度と聖女の犠牲者は出さないって! でも次の犠牲者って、たぶん私だよね?
ははっ⋯⋯って、笑えないよっ!
「ご主人、もう一つだけ、すぐにお伝えせねばならないことがあります」
「なんですか? あ、それと私のことはアンでいいです」
「ではアン様。すぐにこの指輪をはめて下さい」
レイランが差し出したのは3つの指輪だった。
え、ちょ! まだ私たちそんな関係じゃないよね!!
自分でも分かる程に私の頰は紅くなってる。
「えっと、何か勘違いされておられるようですが、こちらの指輪は、シオン様の聖女たる力が宿っている指輪です」
ふぇ?
あれ、もしかして盛大な勘違い?
穴があったらすぐに入りたい、、恥ずかしい。
だって、年頃の男の人から指輪を渡されたら、年頃の女の子なら誰だって勘違いするよね? ね?
「シオン様の、力?」
レイラン曰く、この3つの指輪にそれぞれ3つの力が宿っているみたい。なんでも、シオン様が来たるべき時の為に準備していたものらしい。
まず一つ目は、相手の嘘を見抜く力。何回でも使用出来るみたい。だけど、使用するたびに聖力をちょっぴり消費するみたい。
ご利用は計画的にってやつだね。
二つ目は、一時的にだけど姿を消すことが出来る。
消してる間も聖力をどんどん消費しちゃうので、時と場合を考えないと枯渇とかなったらマズイかも。
で、最後の三つ目だけど、たぶんこれは使うことはないんじゃないかな?
ていうか内容聞いたけど意味不明だし。
ていうかこれを使う程の局面が訪れるってことは、色々と私詰んでるってことじゃない?
”一時的に全ての記憶を無くして教会の従順な人形になりさがる”
しかも一時的って言うのは曖昧で、数日かもしれないし、一生かもしれないしって説明だった。
人形? 何それ怖い。
取り敢えずさ、指輪は3種類貰って自分の指にはめてみた。
使い方は簡単で、使いたい指輪に指を置き、聖力を送るだけ。
私は指輪に名前を付けた。
嘘発見器くんが1号。
透明人間さんが2号。
まじもう終わりちゃんが3号。
間違っても、まじもう終わりちゃん3号に魔力を送らないようにしないと、私の人生がそれこそまじでもう終わる。マッハで終わる。
これって、聖女の力? それともシオン様の力?
今思えば私、癒しと祝福以外の聖女の力って知らないんだよね。こんなことなら、もっと勉強しておけば良かった。あ、久しぶりにザークス先生を訪ねてみようかな?
あの人は、教会側でも信頼の置ける人だと思うし。私の味方だと思うから。
余り長い間、姿を消すのは怪しまれる為、レイランと別れ、シオン様の寝室へと戻ってきた。
部屋に戻ると、ちょうど部屋をノックする音が聞こえた。一瞬、誰だろうと不安になったけど、声を聞く限り先程ここに居た修道士たちだった。
私はすぐに部屋の鍵を開けた。
「何かあったのかと心配しましたぞ」
「ごめんなさい、怖くなっちゃって鍵を掛けてました」
「それよりも、あなた様に正式に御触れが出ました」
「御触れ?」
「はい、アン様はたった今からこの王都の正式な聖女様となられたのです」
聖女をしていたシオン様が亡くなったから、後釜の私が聖女に昇格するのは頷けるけど、正直気乗りしない。それに私はここに勉強に来ているだけであって、私は聖地アグヌスの聖女なんだよ!
「でも、私はまだ半人前の見習いですし、それに私は聖地アグヌスの聖女をしています。ここでの勉強が終われば私は自国へ帰ります」
きっぱり言ってやったよ!
0
あなたにおすすめの小説
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる