29 / 110
最後の魔女28 大司教の策略
しおりを挟む
私たちは、教会の前までやって来た。
隣には勿論サーシャとキャシーさんがいる。一緒にいるのは私たちだけではない。この国の衛兵その数50人。その傍らには青の教の聖女様とその護衛数人の姿も見える。
レイランの蓄積していた教会に関する情報は全て王宮検察官に証拠と一緒に提出したのだ。
王宮検察官とは、この国の法を司る番人たちの総称。これまで教会の行って来た行為がこの国の法に反する疑いがあると言うことが認められ、ついに国がその重たい腰を上げた。
治療を求めやって来た人たちはこれから起こる事に対して、心配そうに只々眺めているばかりだった。
そうしていると、教会の中から見慣れた一人の神官が出てくる。
件の幼い聖女様の教育係でもあるマリア様だ。
「こんなに大勢の方が、一体全体どのようなご用件でしょうか? 今はご覧の通り神聖なる治療のお時間です。急ぎの要件でなければ、夕刻までお待ち頂けませんか?」
群集を掻き分け、1人の人物がマリア様の前に歩み寄る。
「私は、筆頭王宮検察官のグレイブだ。貴殿は、マリア殿で間違いないな」
「はい、そうでございます」
筆頭王宮検察官はマリア様に何やら紙の束を手渡した。
「これは?」
「今まで教会が裏で行って来た罪状の数々だ。一番古いもので45年前に遡っている。これらの件について詳しくお聞かせ願いたいので、教会の最高責任者である教皇様に取り次ぎ願いたい」
「ちょっと待って下さい。本気で言われているのでしょうか? ここは王都のシンボル、顔でもある教会なんですよ? その教会が罪を働くなんてあり得るはずがありません」
「知らぬと言うなら知っている人物に話を聞くまで。こちらとて教会の神官全員が加担しているとは思っていない。だがマリア殿、私が入手した資料によると貴殿も中心人物の1人だと書いてあるのだがな」
いつもは聖母様のようなマリア様もその表情に少し焦りが見えている。
(ご主人様、気が付いているかにゃ?)
(⋯⋯誰に言ってるの? 教会の奥の方から膨大な魔力が迸っている事でしょ?)
(そうにゃ。今まで感じた事がにゃい程におぞましい感じにゃ。きっと悪い奴にゃ)
確かに駄猫の言う通り。言われてから気が付いたのは黙っておく。異質な感じの魔力。魔族とはまた違った何かが、教会内部にいると言う事かしら。
「証拠はお有りなのですか? いきなり大勢で押し掛けて来られて、罪を認めて下さいなどと、少し一方的ではありませんか? この場所は神の祀られし教会本部なのですよ」
2人の言い合いに近付くもう1人の存在。
「こ、国王様!?」
マリア様は、膝をつき頭を下げる。
「まずは、このような時間帯に押し掛けてしまった事、謝罪致そう。じゃが、事が事じゃからな。それにグレイブ検察官。こんな場所でする話でもないじゃろう。場所を変えてはどうかな?」
「はっ、申し訳ございません!」
国王様の介入により、主要関係者のみだけで話し合いの場が設けられた。
その他の主に兵たちは、教会外で待機する事となった。
私?
私は勿論主要関係者の1人として話し合いに参加してる。
サーシャがどうしても居て欲しいと懇願してくれたからなんだけど。
そうでなければ、唯の第2付き人の私なんておまけのおまけみたいな存在でしかない。
キャシーさんにサーシャを頼みますと言われてしまった。大丈夫、私が命に代えてもサーシャを守るから。
ちなみに国王様は他に用事があるそうで、この場にはいなかった。流石にこの国のトップが居たんじゃ、お互いが気を使っちゃうから配慮したのかな?
「それで、教皇様はお越しになるのですか?」
気弱そうな神官の一人が汗を流しながら応える。
「何分教皇様もお年を召しており、長期で療養中の身でありますもので⋯この場にお呼びするのは難しいと思われます⋯」
「ならば、次に権限を持っておられる方を呼んでは頂けませんか?」
筆頭王宮検察官は、苛立ちを隠せないのだろう。
さっきから、机の下で繰り広げられている貧乏揺すりが半端ない。
長期療養中?
そもそもが疑問だったんだけど、教皇様って姿を見た事がないんだけど、実在してるの?
話から察するにかなりの高齢らしいし、下手をすれば私以上かもしれない。
もしそうなら、確かに寝たきりなのも頷ける。
私はまだ元気でピチピチだけど。
「お待たせしており申し訳ございません。只今大司祭様をお呼びしております」
部屋の中に入って来たのは、マリア様だった。
少しの間姿を見なかったけど、一体どこで何をしていたのやら。
それから数分の後、小太りのいかにもな大司祭様が現れた。着席していた全員が起立し、立礼を持ってそれに応える。
筆頭王宮検察官のグレイブから今回の訪問に至った経緯を簡単に説明すること小一時間…
少しだけウトウトしかけた所で、ハッと目が覚めてしまった。
(リアちゃん)
姿を隠して、教会の内部調査に向かわせていたミーアからの連絡だった。
(どうしたの?)
(最後の一部屋を残して教会の中は隅々に探したんだけど、例の教皇の姿は何処にもないわね。それで最後の部屋なんだけど、中から特殊な力で鍵を掛けられてるみたいね。すり抜ける事が出来ないわ)
魔法で閉ざされた扉か。
そう言えば、アンのお墓があるのも教会地下も特殊な力によって閉ざされた場所だったわね。
(入れそう?)
(こじ開ける事は容易いけど、その場合絶対にバレるわよ?)
(だよね。うーん、今バレるのはちょっとマズい。考えるから、その場に待機してて)
教皇様か、一体何者なのだろう。
先程感じた禍々しい魔力も気になるし、何か嫌な予感がする。
「全て、全く根も葉もない事例ですな。そもそも神に仕える我々神官が神のご意向に背く行為をするはずがありません。そんな事をすれば、天から罰が与えられてしまうでしょう」
「はぁ、ではこれらの証拠の数々はどう説明されるつもりですか?」
「まだ全てに目を通した訳ではありませんが、先の診療所襲撃の件にしても、教会が関与しているなどと言った証拠は、あくまでも襲撃犯の供述のみで決定的な証拠などないように見えますが? それにご本人様の居られる前で恐縮ですが、聖女様暗殺の件にしても我々教会に恨みを持っている連中の仕業だと調べがついていたはずです。大方、我々の事を疎ましく思っておられるそちらの青の教の方々の仕業なのではないですか? なすり付けとは甚だ遺憾ですな」
ここに来るまでの短い間に資料に目を通していたみたい。
まぁ、確かに決定的な証拠がない以上、しらばっくられたら逃げられてしまう。
そんな事は最初から分かっていた。
ならば、言い逃れの出来ない証拠をぶつけるだけ。
「ではこちらをご覧下さい」
筆頭王宮検察官のグレイブは、拳大ほどの黒い箱を机の上に取り出した。良く見ると天面に無数の穴が空いている。
「それは何ですか?」
「これは、音声を記録出来る魔導具です」
魔導具とは、魔法で作られた術式で構築された品物で、その種類は数多存在している。
しかし、現存するその殆どが魔法を扱う魔女たちによって創り出されたもので、魔女なき今、魔導具を新たに創りだせるのは実質私1人。
付与する効果によって、作成難易度が全然違う。
かく言う私も魔導具作成はあまり得意ではない。
グレイブが魔導具を起動させると、その中に記録されている音が流れ出した。
(彼女、絶対私たちの裏事情を知ってるわよ。いくらなんでもタイミングが良すぎるもの)
(いやだが、だとしてもだ⋯我々には彼女に手を出すことは出来んぞ)
(でも、どうして教会が極秘裏に進めているあの計画がバレてるのよ⋯)
(いや、まだバレたとは限らないぞ。たまたま本当に巡礼目的なのかもしれん)
(私はね⋯相手の考えてることがある程度分かるの。あの聖女の目を見た時に、絶対何かを勘ぐってる感じだったわ)
(だが、仮にバレていたとしても、彼女に何か出来るとは思えんがな)
(ダメよ。何かをされる前に消すわ)
(何を言ってる! 他の国の聖女を消そうなど、あの方の命令でもなければそんな事許されるはずがない)
(あなたこそ何を言ってるの? 私は、あの方の全権代理を任されてるのよ? すなわち私の言葉は、あの方の言葉だと思いなさい)
(作戦決行は明日の正午よ。流石に教会の中での襲撃は、こちらの警備体制を疑われるわ。だから、教会から外に出た時を襲う)
そう、この証拠は私が提供したもの。
いつだかの教会の天井裏に侵入した時のマリア様の会話を録音したもの。
「ちなみにこれは、聖女襲撃の前日に録音された会話だ。録音されている声の1人はマリア殿のものである事が既に確認出来ている」
「デタラメよ! 捏造だわ! 一体誰がそんなものを」
「マリア。神官たる者、声を荒げるとは見っとも無いですよ。これでは寧ろ事実だと認めているようなものですね」
大司祭様がマリア様を諌める。
「大司祭様⋯すみません」
いつもの自信満々なマリア様の姿はそこにはなかった。
化けの皮が剥がれた事は喜ばしい。だけど、大司祭様の表情には依然として余裕が窺いしれる。
「魔導具は簡単には捏造出来るものではないとご存知のはず。お認めになりますか?」
教会側は、ボロを出さない。
何か行動を起こそうにも自分たちの手は汚さず第3者を動かす。
その際、決して自分たちの行いだとバレないように何重にも布石を張っている。
ならば、証拠を作るしかない。あちらが考えもしないような方法で。
「確かにマリア本人の声で間違いありませんね」
「大司祭様!?」
あれ、てっきり庇うと思ったのだけど、まさか認めるつもりなのかしら?
「では教会が聖女暗殺を認めたと言う事で宜しいか?」
「そうですね、認めましょう⋯ですが、これは教会が関わっているのではなく、あくまでマリアが勝手に行動したもの。これに一切教会は関与していないと断言します」
隣には勿論サーシャとキャシーさんがいる。一緒にいるのは私たちだけではない。この国の衛兵その数50人。その傍らには青の教の聖女様とその護衛数人の姿も見える。
レイランの蓄積していた教会に関する情報は全て王宮検察官に証拠と一緒に提出したのだ。
王宮検察官とは、この国の法を司る番人たちの総称。これまで教会の行って来た行為がこの国の法に反する疑いがあると言うことが認められ、ついに国がその重たい腰を上げた。
治療を求めやって来た人たちはこれから起こる事に対して、心配そうに只々眺めているばかりだった。
そうしていると、教会の中から見慣れた一人の神官が出てくる。
件の幼い聖女様の教育係でもあるマリア様だ。
「こんなに大勢の方が、一体全体どのようなご用件でしょうか? 今はご覧の通り神聖なる治療のお時間です。急ぎの要件でなければ、夕刻までお待ち頂けませんか?」
群集を掻き分け、1人の人物がマリア様の前に歩み寄る。
「私は、筆頭王宮検察官のグレイブだ。貴殿は、マリア殿で間違いないな」
「はい、そうでございます」
筆頭王宮検察官はマリア様に何やら紙の束を手渡した。
「これは?」
「今まで教会が裏で行って来た罪状の数々だ。一番古いもので45年前に遡っている。これらの件について詳しくお聞かせ願いたいので、教会の最高責任者である教皇様に取り次ぎ願いたい」
「ちょっと待って下さい。本気で言われているのでしょうか? ここは王都のシンボル、顔でもある教会なんですよ? その教会が罪を働くなんてあり得るはずがありません」
「知らぬと言うなら知っている人物に話を聞くまで。こちらとて教会の神官全員が加担しているとは思っていない。だがマリア殿、私が入手した資料によると貴殿も中心人物の1人だと書いてあるのだがな」
いつもは聖母様のようなマリア様もその表情に少し焦りが見えている。
(ご主人様、気が付いているかにゃ?)
(⋯⋯誰に言ってるの? 教会の奥の方から膨大な魔力が迸っている事でしょ?)
(そうにゃ。今まで感じた事がにゃい程におぞましい感じにゃ。きっと悪い奴にゃ)
確かに駄猫の言う通り。言われてから気が付いたのは黙っておく。異質な感じの魔力。魔族とはまた違った何かが、教会内部にいると言う事かしら。
「証拠はお有りなのですか? いきなり大勢で押し掛けて来られて、罪を認めて下さいなどと、少し一方的ではありませんか? この場所は神の祀られし教会本部なのですよ」
2人の言い合いに近付くもう1人の存在。
「こ、国王様!?」
マリア様は、膝をつき頭を下げる。
「まずは、このような時間帯に押し掛けてしまった事、謝罪致そう。じゃが、事が事じゃからな。それにグレイブ検察官。こんな場所でする話でもないじゃろう。場所を変えてはどうかな?」
「はっ、申し訳ございません!」
国王様の介入により、主要関係者のみだけで話し合いの場が設けられた。
その他の主に兵たちは、教会外で待機する事となった。
私?
私は勿論主要関係者の1人として話し合いに参加してる。
サーシャがどうしても居て欲しいと懇願してくれたからなんだけど。
そうでなければ、唯の第2付き人の私なんておまけのおまけみたいな存在でしかない。
キャシーさんにサーシャを頼みますと言われてしまった。大丈夫、私が命に代えてもサーシャを守るから。
ちなみに国王様は他に用事があるそうで、この場にはいなかった。流石にこの国のトップが居たんじゃ、お互いが気を使っちゃうから配慮したのかな?
「それで、教皇様はお越しになるのですか?」
気弱そうな神官の一人が汗を流しながら応える。
「何分教皇様もお年を召しており、長期で療養中の身でありますもので⋯この場にお呼びするのは難しいと思われます⋯」
「ならば、次に権限を持っておられる方を呼んでは頂けませんか?」
筆頭王宮検察官は、苛立ちを隠せないのだろう。
さっきから、机の下で繰り広げられている貧乏揺すりが半端ない。
長期療養中?
そもそもが疑問だったんだけど、教皇様って姿を見た事がないんだけど、実在してるの?
話から察するにかなりの高齢らしいし、下手をすれば私以上かもしれない。
もしそうなら、確かに寝たきりなのも頷ける。
私はまだ元気でピチピチだけど。
「お待たせしており申し訳ございません。只今大司祭様をお呼びしております」
部屋の中に入って来たのは、マリア様だった。
少しの間姿を見なかったけど、一体どこで何をしていたのやら。
それから数分の後、小太りのいかにもな大司祭様が現れた。着席していた全員が起立し、立礼を持ってそれに応える。
筆頭王宮検察官のグレイブから今回の訪問に至った経緯を簡単に説明すること小一時間…
少しだけウトウトしかけた所で、ハッと目が覚めてしまった。
(リアちゃん)
姿を隠して、教会の内部調査に向かわせていたミーアからの連絡だった。
(どうしたの?)
(最後の一部屋を残して教会の中は隅々に探したんだけど、例の教皇の姿は何処にもないわね。それで最後の部屋なんだけど、中から特殊な力で鍵を掛けられてるみたいね。すり抜ける事が出来ないわ)
魔法で閉ざされた扉か。
そう言えば、アンのお墓があるのも教会地下も特殊な力によって閉ざされた場所だったわね。
(入れそう?)
(こじ開ける事は容易いけど、その場合絶対にバレるわよ?)
(だよね。うーん、今バレるのはちょっとマズい。考えるから、その場に待機してて)
教皇様か、一体何者なのだろう。
先程感じた禍々しい魔力も気になるし、何か嫌な予感がする。
「全て、全く根も葉もない事例ですな。そもそも神に仕える我々神官が神のご意向に背く行為をするはずがありません。そんな事をすれば、天から罰が与えられてしまうでしょう」
「はぁ、ではこれらの証拠の数々はどう説明されるつもりですか?」
「まだ全てに目を通した訳ではありませんが、先の診療所襲撃の件にしても、教会が関与しているなどと言った証拠は、あくまでも襲撃犯の供述のみで決定的な証拠などないように見えますが? それにご本人様の居られる前で恐縮ですが、聖女様暗殺の件にしても我々教会に恨みを持っている連中の仕業だと調べがついていたはずです。大方、我々の事を疎ましく思っておられるそちらの青の教の方々の仕業なのではないですか? なすり付けとは甚だ遺憾ですな」
ここに来るまでの短い間に資料に目を通していたみたい。
まぁ、確かに決定的な証拠がない以上、しらばっくられたら逃げられてしまう。
そんな事は最初から分かっていた。
ならば、言い逃れの出来ない証拠をぶつけるだけ。
「ではこちらをご覧下さい」
筆頭王宮検察官のグレイブは、拳大ほどの黒い箱を机の上に取り出した。良く見ると天面に無数の穴が空いている。
「それは何ですか?」
「これは、音声を記録出来る魔導具です」
魔導具とは、魔法で作られた術式で構築された品物で、その種類は数多存在している。
しかし、現存するその殆どが魔法を扱う魔女たちによって創り出されたもので、魔女なき今、魔導具を新たに創りだせるのは実質私1人。
付与する効果によって、作成難易度が全然違う。
かく言う私も魔導具作成はあまり得意ではない。
グレイブが魔導具を起動させると、その中に記録されている音が流れ出した。
(彼女、絶対私たちの裏事情を知ってるわよ。いくらなんでもタイミングが良すぎるもの)
(いやだが、だとしてもだ⋯我々には彼女に手を出すことは出来んぞ)
(でも、どうして教会が極秘裏に進めているあの計画がバレてるのよ⋯)
(いや、まだバレたとは限らないぞ。たまたま本当に巡礼目的なのかもしれん)
(私はね⋯相手の考えてることがある程度分かるの。あの聖女の目を見た時に、絶対何かを勘ぐってる感じだったわ)
(だが、仮にバレていたとしても、彼女に何か出来るとは思えんがな)
(ダメよ。何かをされる前に消すわ)
(何を言ってる! 他の国の聖女を消そうなど、あの方の命令でもなければそんな事許されるはずがない)
(あなたこそ何を言ってるの? 私は、あの方の全権代理を任されてるのよ? すなわち私の言葉は、あの方の言葉だと思いなさい)
(作戦決行は明日の正午よ。流石に教会の中での襲撃は、こちらの警備体制を疑われるわ。だから、教会から外に出た時を襲う)
そう、この証拠は私が提供したもの。
いつだかの教会の天井裏に侵入した時のマリア様の会話を録音したもの。
「ちなみにこれは、聖女襲撃の前日に録音された会話だ。録音されている声の1人はマリア殿のものである事が既に確認出来ている」
「デタラメよ! 捏造だわ! 一体誰がそんなものを」
「マリア。神官たる者、声を荒げるとは見っとも無いですよ。これでは寧ろ事実だと認めているようなものですね」
大司祭様がマリア様を諌める。
「大司祭様⋯すみません」
いつもの自信満々なマリア様の姿はそこにはなかった。
化けの皮が剥がれた事は喜ばしい。だけど、大司祭様の表情には依然として余裕が窺いしれる。
「魔導具は簡単には捏造出来るものではないとご存知のはず。お認めになりますか?」
教会側は、ボロを出さない。
何か行動を起こそうにも自分たちの手は汚さず第3者を動かす。
その際、決して自分たちの行いだとバレないように何重にも布石を張っている。
ならば、証拠を作るしかない。あちらが考えもしないような方法で。
「確かにマリア本人の声で間違いありませんね」
「大司祭様!?」
あれ、てっきり庇うと思ったのだけど、まさか認めるつもりなのかしら?
「では教会が聖女暗殺を認めたと言う事で宜しいか?」
「そうですね、認めましょう⋯ですが、これは教会が関わっているのではなく、あくまでマリアが勝手に行動したもの。これに一切教会は関与していないと断言します」
0
あなたにおすすめの小説
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる