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最後の魔女66 終止符
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晴れて悪魔となった私は、魔大陸の一画を拠点として与えられた。
フォルネウスなる高位悪魔に、ここに住むように言われたんだけど⋯。
与えられたと言っても、別に家を貰ったとかではなく、あくまでその領地を貰っただけ。広大な面積なのだけど、全く嬉しくないのは何故だろう。
それは領地と一緒に仕事も与えられたからだよ! その仕事と言うのは、魔物退治。自分の領地から沸いて出て来る魔物を退治するのが、私が与えられた仕事。隣にも、そのお隣さんにも同じようなことをしている異形の者が見える。
たぶん、私と同じように魔物退治に明け暮れている悪魔さんなんだと思う。
面白いことに、朝の決まった時間から夜の決まった時間までしか、魔物は沸いてこない。
最初の頃は、隙を狙って攻めてくるかもと思ってたけど、何日も何ヶ月も何年も同じ周期の為、きっと決まった時間しか攻めてこれないのだと勝手に解釈した。
魔大陸は、悪魔のみが入ることを許された大陸であり、他種族は存在しない。
しかし、悪魔の楽園かと言われれば、そうではない。この魔大陸には、どう言ったわけか先住民がいて、そいつらは、無限と言っても過言ではない程に今も尚沸き続けていた。
そんな魔物退治の仕事を任され、早数年が経過していた。
気が付けば、右のお隣さんが居なくなり、左のお隣さんも居なくなった。そして、私の担当している領土が勝手に増えた。
当然その分の仕事量も増えたのは言うまでもない。割り増し報酬を貰わないとやってられないんだけど、そもそも私、給金や報酬などを全く貰っていなかった。貰ったのは、そう、領土だけ。領土だけなんだよね。
んなの、全く嬉しくないっての。
「全く、毎日毎日鬱陶しいわね。いい加減飽きて来たわよ!」
《灼熱の業火》
今日も朝から辺り一帯からコンガリとジューシーな匂いが立ち込める。
魔物の侵攻に悩まされながら悪魔たちは日々生活している。そんな魔物を廃絶する役目を担っているのが中位悪魔なのだ。下位悪魔には少し荷が重いらしい。下位悪魔と言ってもピンきりだけど、たぶん100匹束になって仕掛けてきても今の私なら余裕で勝てるくらいには強くなってると思う。まぁ、フォルネウスが悪魔同士は攻撃出来ないと言っていたからそんな事態にはならないのだろうけどね。
一体私はいつまでこんなことをしていればいいのよ。どれだけ駆除しても次から次へと沸き上がってくる魔物共。
そして、この飽き飽きした生活からの脱却を果たすべく私は考えた。
親玉を潰せば終わるんじゃないかと。
そうして編み出したのが、僕召喚なる魔法。
私のイメージした通りの僕が目の前に現れた時は、少しだけ昔に忘れてきたワクワクした感情なるものが顔を覗かせたのだった。
魔物共の一掃を複数の僕に任せて私はただひたすらに魔物の親たる存在を探し続けた。
ある時は、地底の奥底まで赴き、ある時は外れの深海の更に海溝の底などを奔走した。
諦めかけていたそんな矢先、衝撃的な出来事が起こった。
魔物は知能は低く、意思疎通は図れないと言うのが一般常識だった。
しかし、目の前のそいつは確かに口を開いた。
「ココマデ来ルモノガイヨウトハナ」
間違いない、あいつが魔物の親玉だ。
今まで感じたことのない程の強者の気配を感じていた。
それに、異形な姿には変わりないけど、私たち悪魔に近い風貌をしている。顔が骸骨だけどね。
コイツを倒せば長きに亘るこの魔物退治が終わるのだろうか?
「ねえ、あんたが魔物の親玉なの?」
「クカカカッ」
不気味な笑いをするだけで、以後口を閉ざしてしまい、敵意満々と言った感じで臨戦態勢へと入っていた。
その後、辛くも魔物の親玉? の駆除に成功した私は、自身の領地へと戻った。
簡単じゃなかった。正直何度か死に掛けたし、悪魔の腕が無かったら負けていたかもしれない。
辺りは既に夜になっており、ボロボロだった身体だったこともあり、すぐに眠りに落ちた。
朝一番に、奇妙な異変に気がつく。
静かすぎるのだ。
本来ならば、魔物たちの侵攻の足音でも聞こえて来てもおかしくない頃合いだと言うのに。
領土と一緒に与えられたボロい掘立小屋の前で沸くのを待つも、結局その日一日魔物が現れることはなかった。
私自身半信半疑だったけど、どうやら本当に昨日倒したあいつが、魔物を生み出していた親玉だったってことだよね?
次の日の朝、ボロ小屋の扉が叩かれる音で目覚めた私は、姿を見るまでもなく、訪ねて来た者の正体を把握した。
「おい、入るぞ」
私が返事を出す前に強引に中へと押し入って来た。
「仮にもレディの部屋に了承もなく入って来るなんて、どう言った用件ですか、フォルネウス様」
「一体お前は何をやらかしたんだ」
私の問いに対しては無視ですかそうですか。言葉の内容的に怒っているのだろうけど、その顔は呆れていると言った方が正しかった。
「仰っている意味が分かりません」
フォルネウスは、大きな溜息を吐く。
フォルネウスなる高位悪魔に、ここに住むように言われたんだけど⋯。
与えられたと言っても、別に家を貰ったとかではなく、あくまでその領地を貰っただけ。広大な面積なのだけど、全く嬉しくないのは何故だろう。
それは領地と一緒に仕事も与えられたからだよ! その仕事と言うのは、魔物退治。自分の領地から沸いて出て来る魔物を退治するのが、私が与えられた仕事。隣にも、そのお隣さんにも同じようなことをしている異形の者が見える。
たぶん、私と同じように魔物退治に明け暮れている悪魔さんなんだと思う。
面白いことに、朝の決まった時間から夜の決まった時間までしか、魔物は沸いてこない。
最初の頃は、隙を狙って攻めてくるかもと思ってたけど、何日も何ヶ月も何年も同じ周期の為、きっと決まった時間しか攻めてこれないのだと勝手に解釈した。
魔大陸は、悪魔のみが入ることを許された大陸であり、他種族は存在しない。
しかし、悪魔の楽園かと言われれば、そうではない。この魔大陸には、どう言ったわけか先住民がいて、そいつらは、無限と言っても過言ではない程に今も尚沸き続けていた。
そんな魔物退治の仕事を任され、早数年が経過していた。
気が付けば、右のお隣さんが居なくなり、左のお隣さんも居なくなった。そして、私の担当している領土が勝手に増えた。
当然その分の仕事量も増えたのは言うまでもない。割り増し報酬を貰わないとやってられないんだけど、そもそも私、給金や報酬などを全く貰っていなかった。貰ったのは、そう、領土だけ。領土だけなんだよね。
んなの、全く嬉しくないっての。
「全く、毎日毎日鬱陶しいわね。いい加減飽きて来たわよ!」
《灼熱の業火》
今日も朝から辺り一帯からコンガリとジューシーな匂いが立ち込める。
魔物の侵攻に悩まされながら悪魔たちは日々生活している。そんな魔物を廃絶する役目を担っているのが中位悪魔なのだ。下位悪魔には少し荷が重いらしい。下位悪魔と言ってもピンきりだけど、たぶん100匹束になって仕掛けてきても今の私なら余裕で勝てるくらいには強くなってると思う。まぁ、フォルネウスが悪魔同士は攻撃出来ないと言っていたからそんな事態にはならないのだろうけどね。
一体私はいつまでこんなことをしていればいいのよ。どれだけ駆除しても次から次へと沸き上がってくる魔物共。
そして、この飽き飽きした生活からの脱却を果たすべく私は考えた。
親玉を潰せば終わるんじゃないかと。
そうして編み出したのが、僕召喚なる魔法。
私のイメージした通りの僕が目の前に現れた時は、少しだけ昔に忘れてきたワクワクした感情なるものが顔を覗かせたのだった。
魔物共の一掃を複数の僕に任せて私はただひたすらに魔物の親たる存在を探し続けた。
ある時は、地底の奥底まで赴き、ある時は外れの深海の更に海溝の底などを奔走した。
諦めかけていたそんな矢先、衝撃的な出来事が起こった。
魔物は知能は低く、意思疎通は図れないと言うのが一般常識だった。
しかし、目の前のそいつは確かに口を開いた。
「ココマデ来ルモノガイヨウトハナ」
間違いない、あいつが魔物の親玉だ。
今まで感じたことのない程の強者の気配を感じていた。
それに、異形な姿には変わりないけど、私たち悪魔に近い風貌をしている。顔が骸骨だけどね。
コイツを倒せば長きに亘るこの魔物退治が終わるのだろうか?
「ねえ、あんたが魔物の親玉なの?」
「クカカカッ」
不気味な笑いをするだけで、以後口を閉ざしてしまい、敵意満々と言った感じで臨戦態勢へと入っていた。
その後、辛くも魔物の親玉? の駆除に成功した私は、自身の領地へと戻った。
簡単じゃなかった。正直何度か死に掛けたし、悪魔の腕が無かったら負けていたかもしれない。
辺りは既に夜になっており、ボロボロだった身体だったこともあり、すぐに眠りに落ちた。
朝一番に、奇妙な異変に気がつく。
静かすぎるのだ。
本来ならば、魔物たちの侵攻の足音でも聞こえて来てもおかしくない頃合いだと言うのに。
領土と一緒に与えられたボロい掘立小屋の前で沸くのを待つも、結局その日一日魔物が現れることはなかった。
私自身半信半疑だったけど、どうやら本当に昨日倒したあいつが、魔物を生み出していた親玉だったってことだよね?
次の日の朝、ボロ小屋の扉が叩かれる音で目覚めた私は、姿を見るまでもなく、訪ねて来た者の正体を把握した。
「おい、入るぞ」
私が返事を出す前に強引に中へと押し入って来た。
「仮にもレディの部屋に了承もなく入って来るなんて、どう言った用件ですか、フォルネウス様」
「一体お前は何をやらかしたんだ」
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