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最後の魔女96 王妃誕生2
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僅か3ヶ月という短い期間で、エルスレインは念願の王妃というポジションに就任してしまった。これも全てはリリベルの幻惑の為せる技であった。
その為に国王だけではなく、周りの者達をも術中に掛ける必要があり、その人数は50人以上に及んだ。最後の最後までバングが抵抗したのは、他でもない王妃ターニャのことだった。
頑なに第二王妃を迎えるということを拒んだのだ。
『もう待てない』と最終手段として、エルスレインは国王バングの元に向かい、半軟禁状態にして徹底して幻惑を浴びせかけるようにリリベルに命令する。拒めばすぐに妹のことをチラつかせ言うことを聞かせた。
そうしてやっとの想いで、王妃となることが出来た。
最後まで障害となった第一王妃ターニャの存在を疎ましく思ったエルスレインは、存在を消すことを決断する。
エルスレインが命じたのは、単に暗殺であったが、何度命令してもリリベルはそれを拒んだ。人の命を奪うことはやりたくないと。しかし、妹のこともあり、直接的に手は出せないが、間接的で良いなら方法があると提案したのだ。それが呪怨だった。
リリベルは博識だった。とにかく本を読むのが好きな彼女は廃屋に忍び込むのは、実はあの時が初めてではなく、寧ろ常習性があった。
その目的は、本を読むことだった。
しかし、彼女はルールを決めており、本を拝借するのは明らかに廃屋となって人が住んでいないと分かっている時だった。しかも徹底していたのは、読み終わるとちゃんと元あった場所に返しに行く所だろう。故に奪うのではなく、拝借だった。
ある時彼女は、如何にも悪魔崇拝者の者と思しき廃墟跡を見つけた。そこには膨大な資料が残されており、床には怪しげな魔法陣が描かれていた。量も量だった為、持ち帰ることを諦めたリリベルは足繁くそこに通った。ある時は時間も忘れて徹夜で書物を読み漁り、気が付けば何日も篭っていると言う日々が続いた。己が知識として蓄積していったのだ。呪怨のこともそこで学んでいた。
「そうして時間を費やして呪怨を施しました。でもまさか解呪されるなんて思っても見なかった」
私はジト目でリリベルを睨む。命令されたからとは言え、私が解呪する為に死ぬ思いまで苦労させられたことに変わりはない。
「凄く苦労した」
リリベルは申し訳なさそうに何度もベッドに頭を叩きつける。
「でも、結果的に助かりました。間接的とは言え、この手で命を殺めることにならなくて」
話を聞き限りでは、きっとこの子はいい子なんだと思う。つまりは真に文句を言いその罪を償わせなければならないのは彼女じゃない。偽王妃エルスレインだ。
その為には、まずしなければならない事がある。
(と言うわけで仕事よ。彼女の妹の居場所を捜し出して今すぐに)
(と言うわけってどう言うわけにゃ! 話が分からないにゃ!)
全く、理解力がない眷属を持つと主は苦労する。
その後、詳しく駄猫に説明し、匂いで捜索して貰う運びとなった。
リグが目を覚ますと、何故だかリリベルはビクリと体を震わせ、私の後ろへと隠れる。それを面白がったリグはワザと怖がらせるように振る舞って遊んでいた。
「本当に申し訳ありませんでした!」
今度は直接ターニャさんとシルフィに謝罪するリリベル。
事前に事情を説明しておいたからターニャさんも敢えて咎める事はしなかった。
シルフィに至っても逆に妹の身を案じてくれていた。
「でも安心しました。やはりあの人は私のことが嫌いになったのではなかったのね」
ボロボロと涙を溢すターニャさんに寄り添うシルフィ。私の入る幕はないわね。
それにしても駄猫のやつ遅いわね。急いでるってのに。などと思っていると連絡が入った。
(駄目にゃ。匂いで捜してるけど全く手掛かりがつかめないにゃ。少なくともこの王国には居ないにゃ)
駄猫の嗅覚は確かだ。地下室に閉じ込めた程度では隠すことは出来ない。じゃあ、妹は一体何処にいるの?
その後も複数の眷属に依頼して懸命に捜索し、漸く見つけ出すことが出来た。
しかし、結果は最悪の結末だった。
私は先に1人その場所を訪れた。
この場所は、リリベルとエルスレインが最初に出会った廃屋の納屋。
そこで待っていたのは、変わり果てた妹の姿だった。
その為に国王だけではなく、周りの者達をも術中に掛ける必要があり、その人数は50人以上に及んだ。最後の最後までバングが抵抗したのは、他でもない王妃ターニャのことだった。
頑なに第二王妃を迎えるということを拒んだのだ。
『もう待てない』と最終手段として、エルスレインは国王バングの元に向かい、半軟禁状態にして徹底して幻惑を浴びせかけるようにリリベルに命令する。拒めばすぐに妹のことをチラつかせ言うことを聞かせた。
そうしてやっとの想いで、王妃となることが出来た。
最後まで障害となった第一王妃ターニャの存在を疎ましく思ったエルスレインは、存在を消すことを決断する。
エルスレインが命じたのは、単に暗殺であったが、何度命令してもリリベルはそれを拒んだ。人の命を奪うことはやりたくないと。しかし、妹のこともあり、直接的に手は出せないが、間接的で良いなら方法があると提案したのだ。それが呪怨だった。
リリベルは博識だった。とにかく本を読むのが好きな彼女は廃屋に忍び込むのは、実はあの時が初めてではなく、寧ろ常習性があった。
その目的は、本を読むことだった。
しかし、彼女はルールを決めており、本を拝借するのは明らかに廃屋となって人が住んでいないと分かっている時だった。しかも徹底していたのは、読み終わるとちゃんと元あった場所に返しに行く所だろう。故に奪うのではなく、拝借だった。
ある時彼女は、如何にも悪魔崇拝者の者と思しき廃墟跡を見つけた。そこには膨大な資料が残されており、床には怪しげな魔法陣が描かれていた。量も量だった為、持ち帰ることを諦めたリリベルは足繁くそこに通った。ある時は時間も忘れて徹夜で書物を読み漁り、気が付けば何日も篭っていると言う日々が続いた。己が知識として蓄積していったのだ。呪怨のこともそこで学んでいた。
「そうして時間を費やして呪怨を施しました。でもまさか解呪されるなんて思っても見なかった」
私はジト目でリリベルを睨む。命令されたからとは言え、私が解呪する為に死ぬ思いまで苦労させられたことに変わりはない。
「凄く苦労した」
リリベルは申し訳なさそうに何度もベッドに頭を叩きつける。
「でも、結果的に助かりました。間接的とは言え、この手で命を殺めることにならなくて」
話を聞き限りでは、きっとこの子はいい子なんだと思う。つまりは真に文句を言いその罪を償わせなければならないのは彼女じゃない。偽王妃エルスレインだ。
その為には、まずしなければならない事がある。
(と言うわけで仕事よ。彼女の妹の居場所を捜し出して今すぐに)
(と言うわけってどう言うわけにゃ! 話が分からないにゃ!)
全く、理解力がない眷属を持つと主は苦労する。
その後、詳しく駄猫に説明し、匂いで捜索して貰う運びとなった。
リグが目を覚ますと、何故だかリリベルはビクリと体を震わせ、私の後ろへと隠れる。それを面白がったリグはワザと怖がらせるように振る舞って遊んでいた。
「本当に申し訳ありませんでした!」
今度は直接ターニャさんとシルフィに謝罪するリリベル。
事前に事情を説明しておいたからターニャさんも敢えて咎める事はしなかった。
シルフィに至っても逆に妹の身を案じてくれていた。
「でも安心しました。やはりあの人は私のことが嫌いになったのではなかったのね」
ボロボロと涙を溢すターニャさんに寄り添うシルフィ。私の入る幕はないわね。
それにしても駄猫のやつ遅いわね。急いでるってのに。などと思っていると連絡が入った。
(駄目にゃ。匂いで捜してるけど全く手掛かりがつかめないにゃ。少なくともこの王国には居ないにゃ)
駄猫の嗅覚は確かだ。地下室に閉じ込めた程度では隠すことは出来ない。じゃあ、妹は一体何処にいるの?
その後も複数の眷属に依頼して懸命に捜索し、漸く見つけ出すことが出来た。
しかし、結果は最悪の結末だった。
私は先に1人その場所を訪れた。
この場所は、リリベルとエルスレインが最初に出会った廃屋の納屋。
そこで待っていたのは、変わり果てた妹の姿だった。
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