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最後の魔女97 新たな約束
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私は、ありのままをリリベルに告げる。
リリベルは、私が冗談や嘘を言っていないと分かると『1人にして欲しい』と部屋の中へと入って行った。聞こえても構わない寧ろ抑えが効かないのか、丸一日大泣きしている声が聞こえていた。
私は不器用だから、こういう時に気の利いた事や言葉を掛けてあげることが出来ない。
私にしてやれることなんてない。死んだ者は決して生き返らないのだから。
「リグさん、その場所に連れて行って頂けますか」
翌朝になり、覚悟を決めたリリベルが部屋から出て来る。目元はまだ赤く腫れ上がっていた。たくさん泣いたのだろう。
場所がかなり離れていた為、転移でその場所へと移動する。
納屋の前で私は歩みを止めた。私はここまで。それを敢えて口には出さない。リリベルもそれを理解したのか、頭を下げてゆっくりとした足取りで納屋の中へと入っていく。
死後数ヶ月経過していた為、遺体の腐敗が進んでいたこともあり、私は勝手ながら治療を行い、妹を元のキレイな姿に戻していた。
リリベルが中に入ってから30分⋯1時間が経過する。
流石に心配になった私が入ろうかと悩んでいた時だった。リリベルが妹を抱いて中から出て来たのだ。
「お待たせしてしまい申し訳ありません」
「もういいの?」
「はい、別れは終えました。妹の好きだった景色にお墓を建てたいのですが、強力して頂いてもいいですか?」
獣道を抜け背丈以上に伸びた茂みを掻き分け案内された先は、ここからそう遠くない見晴らしの良い高台だった。
「ここは二人しか知らない秘密の場所なんです。よく里を抜け出してはこうやって妹のリリアと崖下を眺めていたんです」
確かに、綺麗な景色が眼前に広がっていた。色取り取りの大自然がその存在を誇張している。地平線の先に見えるのは海だろうか。この一望を独り占めできるのは最高の贅沢かもしれない。
リリベルの指示の元、魔法で地面に穴を掘り、妹を埋葬する。その際、予め作っておいた棺を取り出してその中に安置した。冷たい土の中じゃ嫌だからね。
最後に墓石を立てる。
二人で手を合わせて別れを告げた。
「ここまで付き合って頂いて本当にありがとうございました」
「気にしないで。私に出来るのはこれくらいだから」
「このご恩はいつか必ず。さて、戻りましょうか」
「もういいの?」
「はい、約束したんですリリアと。全てを終わらせてくるって。自分のしでかした誤ちを正します」
断罪の時来れり。全ての元凶を作った人物に報いを受けてもらう。記憶を捻じ曲げられてしまった人々を元に戻し、バラム王国を在るべき姿へと戻す。
「四日も不在にしていて怪しまれない?」
「大丈夫です。儀式の準備で四日程篭ると伝えていた手前、逆に丁度良いです。それにあの女は儀式をしている場所へはきみ悪がって近付きませんから」
離れの後宮へと戻った私はリリベルと別れた。その足で皆に事情を説明する。
リリベルに一芝居打ってもらい、ターニャさんを呪怨で呪い殺すのではなく、適当な理由をでっち上げ処刑する計画に変更する。
そろそろ来る頃合いかな。
「ターニャはいるか?」
「え、この声はバング?」
離れの後宮に現れたのは、他でもない国王バングだった。
「リリベルに国王様だけ術を解除して貰うようにお願いしておいた」
ちなみに幻惑に掛けるのは相応に時間が必要だけど、解くのは一瞬らしい。
でも、流石に今ここで全員を解除してしまうと、城内が混乱してしまうし、その混乱に乗じて逃げられでもすれば目も当てられない。まぁ、私が絶対に逃がさないけど。
ここは男子禁制の為、場所を移し別の部屋で国王様も交えて作戦会議の続きをする。
リリベルにはエルスレインがこちらの動向に気が付かないように監視役をお願いしていた。一応、サポートに駄猫を配備してある。
作戦は至極簡単。
明日の朝にターニャさんを呼び出し、処刑すると本人に勧告する。そうして全てがうまく行っていると油断しきったエルスレインから自供を謀る。その役は他でもないターニャさんしかいない。正直自供に追い込めるかどうかは賭けでしかない。そこまで自供にこだわるには理由がある。
これだけの確証はあっても全てはリリベルが一人でやった事だと言い逃れされればそれを覆すだけの物的証拠が無い。だから、本人から自供を取る必要がある。
「そんなに心配そうな顔をしないで大丈夫よ。貴方に相手にされなくなったこの四年間の苦労を思えばそんな事、何でもないわよ」
「分かった。お前を信じる。それと、本当に済まなかった。その間の記憶は鮮明に覚えてるんだ。だからこそあんな態度を取ってしまった私自身が許せない。償えるなら何だってしよう」
「まずは、この件を片付けてからね。全ては明日。必ず成功させましょう」
この状況でイチャイチャするとは余程ラブラブなのだろう。羨ましいなんて思わないからね!
私が出来るのは、舞台を整えて膳立てまで。実際にその舞台で演じるのは、国王様やターニャさんやリリベル。私はただ見守ることしか出来ない。頑張ってね、みんな。
リリベルは、私が冗談や嘘を言っていないと分かると『1人にして欲しい』と部屋の中へと入って行った。聞こえても構わない寧ろ抑えが効かないのか、丸一日大泣きしている声が聞こえていた。
私は不器用だから、こういう時に気の利いた事や言葉を掛けてあげることが出来ない。
私にしてやれることなんてない。死んだ者は決して生き返らないのだから。
「リグさん、その場所に連れて行って頂けますか」
翌朝になり、覚悟を決めたリリベルが部屋から出て来る。目元はまだ赤く腫れ上がっていた。たくさん泣いたのだろう。
場所がかなり離れていた為、転移でその場所へと移動する。
納屋の前で私は歩みを止めた。私はここまで。それを敢えて口には出さない。リリベルもそれを理解したのか、頭を下げてゆっくりとした足取りで納屋の中へと入っていく。
死後数ヶ月経過していた為、遺体の腐敗が進んでいたこともあり、私は勝手ながら治療を行い、妹を元のキレイな姿に戻していた。
リリベルが中に入ってから30分⋯1時間が経過する。
流石に心配になった私が入ろうかと悩んでいた時だった。リリベルが妹を抱いて中から出て来たのだ。
「お待たせしてしまい申し訳ありません」
「もういいの?」
「はい、別れは終えました。妹の好きだった景色にお墓を建てたいのですが、強力して頂いてもいいですか?」
獣道を抜け背丈以上に伸びた茂みを掻き分け案内された先は、ここからそう遠くない見晴らしの良い高台だった。
「ここは二人しか知らない秘密の場所なんです。よく里を抜け出してはこうやって妹のリリアと崖下を眺めていたんです」
確かに、綺麗な景色が眼前に広がっていた。色取り取りの大自然がその存在を誇張している。地平線の先に見えるのは海だろうか。この一望を独り占めできるのは最高の贅沢かもしれない。
リリベルの指示の元、魔法で地面に穴を掘り、妹を埋葬する。その際、予め作っておいた棺を取り出してその中に安置した。冷たい土の中じゃ嫌だからね。
最後に墓石を立てる。
二人で手を合わせて別れを告げた。
「ここまで付き合って頂いて本当にありがとうございました」
「気にしないで。私に出来るのはこれくらいだから」
「このご恩はいつか必ず。さて、戻りましょうか」
「もういいの?」
「はい、約束したんですリリアと。全てを終わらせてくるって。自分のしでかした誤ちを正します」
断罪の時来れり。全ての元凶を作った人物に報いを受けてもらう。記憶を捻じ曲げられてしまった人々を元に戻し、バラム王国を在るべき姿へと戻す。
「四日も不在にしていて怪しまれない?」
「大丈夫です。儀式の準備で四日程篭ると伝えていた手前、逆に丁度良いです。それにあの女は儀式をしている場所へはきみ悪がって近付きませんから」
離れの後宮へと戻った私はリリベルと別れた。その足で皆に事情を説明する。
リリベルに一芝居打ってもらい、ターニャさんを呪怨で呪い殺すのではなく、適当な理由をでっち上げ処刑する計画に変更する。
そろそろ来る頃合いかな。
「ターニャはいるか?」
「え、この声はバング?」
離れの後宮に現れたのは、他でもない国王バングだった。
「リリベルに国王様だけ術を解除して貰うようにお願いしておいた」
ちなみに幻惑に掛けるのは相応に時間が必要だけど、解くのは一瞬らしい。
でも、流石に今ここで全員を解除してしまうと、城内が混乱してしまうし、その混乱に乗じて逃げられでもすれば目も当てられない。まぁ、私が絶対に逃がさないけど。
ここは男子禁制の為、場所を移し別の部屋で国王様も交えて作戦会議の続きをする。
リリベルにはエルスレインがこちらの動向に気が付かないように監視役をお願いしていた。一応、サポートに駄猫を配備してある。
作戦は至極簡単。
明日の朝にターニャさんを呼び出し、処刑すると本人に勧告する。そうして全てがうまく行っていると油断しきったエルスレインから自供を謀る。その役は他でもないターニャさんしかいない。正直自供に追い込めるかどうかは賭けでしかない。そこまで自供にこだわるには理由がある。
これだけの確証はあっても全てはリリベルが一人でやった事だと言い逃れされればそれを覆すだけの物的証拠が無い。だから、本人から自供を取る必要がある。
「そんなに心配そうな顔をしないで大丈夫よ。貴方に相手にされなくなったこの四年間の苦労を思えばそんな事、何でもないわよ」
「分かった。お前を信じる。それと、本当に済まなかった。その間の記憶は鮮明に覚えてるんだ。だからこそあんな態度を取ってしまった私自身が許せない。償えるなら何だってしよう」
「まずは、この件を片付けてからね。全ては明日。必ず成功させましょう」
この状況でイチャイチャするとは余程ラブラブなのだろう。羨ましいなんて思わないからね!
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