世界の理

医白影(いしかげ)

文字の大きさ
5 / 23
1章

4

しおりを挟む
 まだ時は聖月20日。夕食の少し前の時間です。
 サーシャとミーシャは部屋で着替えをしておりました。
「今日のご夕食には、お客人がいらっしゃいます。くれぐれも失礼のないようにと国王陛下がおっしゃっておりました。
我らに力を分け与えよ。加速魔法展開。さ、参りましょうか、皇女様方。」
こくんと2人は揃って頷き、歩き出します。

「皇女様方がいらっしゃいました。」
「入りなさい。」
 「失礼します。」
2人が静かに入ると、見慣れた顔がお客人として招かれておりました。
 隣国ジステア王国王子兄弟、兄グリーズと弟グロウです。ジステア王国はベルトムルト皇国と1番親しい国で、王族の交流も多く、双子は兄のように2人を慕っておりました。
 知り合いであったことにほっとして双子は席につき、いつの間にか席にいた皇后も加わって、食事が始まりました。

 食事も終盤、みんなでデザート待ちをしていたときのことです。皇帝は急に話をし始めました。
「グリテシア、トリテシア。(サーシャ、ミーシャの名前です。)よく聞きなさい。
本当は生まれた時から決まってはいたのだが、タイミングがなくてな。グリーズ殿とグロウ殿はお前たちの許婚だ。今後も仲良くするように。婚儀はずっと先だが、知っておいても良いだろう。」
・・・。
双子は目を見開き口をあんぐり開け、父親を見ます。
「何を驚いてるの。そのはしたないお口を閉じなさい。」
母親に言われて同時に双子はぱくんと口を閉じました。
双子にとっては青天の霹靂せいてんのへきれきです。
大好きな王子様と・・・結婚!?本当に!?
言葉にもなりません。
「・・・どっちがどっち?」
サーシャはやっとの事で問います。
「それは4人次第だなあ。どうだ、グリーズ殿はどちらが良い?」
「・・・私個人では決めかねます。」
グリーズは皇帝の何気ない問いに苦笑いで応え、グロウは、
「そういうわけだからよろしくね。君たちが15になったら本格的に動き出すと思うけど、それまでは何もないから。今まで通りで。」
「うん・・・。」
 双子は頷いたものの、その時は理解できませんでした。

 双子は2日ほど考え、納得しました。
嫌いな相手、いやむしろ大好きな相手です。2人はなぜか恥ずかしくなり、ベッドでバタバタ転がりまわりました。(それでメイド長にまたお灸を据えられたことは、言うまでもありません。)

なんやかんやと、今日も平和です。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...