世界の理

医白影(いしかげ)

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2章

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 いよいよ国民の皆さんに顔を見せる時。サーシャはガチガチに緊張し、ミーシャは緊張していないよ的なそぶりをしながら緊張しています。宮殿の庭には、多くの人が押し寄せています。
 まず皇帝が紹介します。
「本日は、我が国の皇女の誕生日パーティーによく来てくれた。存分に楽しめ。15の誕生日だからな。皆も早く皇女達の顔が見たいだろう。来い、トリテシア、グリテシア。」
 双子は本番に強いことが証明されました。さっきの硬直はどこにいったのか、というくらい適度に力が抜けた美しい姿勢で進み出ます。
 「ぅゎぁ。」
 双子は感動しました。民衆は満面の笑みを顔に浮かべ、口々に祝いの言葉を叫びます。空にはギリギリまで双子に近寄る記録媒体と記者たち。皇国の各地は宮殿と中継で結ばれており、どこの人たちも双子の顔を見て、祝うのです。
「ほら、早く。」
 母親に急かされて、双子は口を開きます。
「本日は私たちの誕生日を祝ってくださり、ありがとうございます。私は双子の姉のトリテシア・サーシャ・ディアン。」
「そして妹のグリテシア・ミーシャ・ディアンです。今日は楽しんでくださいね。」
 挨拶が終わると、大歓声が国を包みます。
 この光景を見て双子は、この人々を守りたい、と強く思うのでした。

「あー疲れた!でも凄かった。」
「そうだねー。私たちの知らないところで、いろんな人が生きてるんだね。」
 ・・・。
 部屋に帰ってきたサーシャとミーシャは、黙り込んでしまいました。
 考えてみてください。将来、きっと今日見た人々を支配する日がやってきます。(この国では、女皇族にも王位継承権はあります。まだなった人はいませんが。)
 他国からの干渉から国を守り、きっと汚いこともするでしょう。恐ろしくもなります。それが皇族に生まれた運命だとしても。
「とりあえず、神殿に行こう。」
「うん。いこっか。」
 
双子は神殿に向かいます。何があるのかも知らずに。
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