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2章
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しおりを挟むミーシャが目を開くと、母親と父親は一心不乱に祈っていました。サーシャの方を見ると、彼女も起きてミーシャを見ます。
「お母様、お父様。」
はっと我に返った両親は、双子の姿を見て安堵しました。
「よかった。ちゃんと覚醒できたのね。」
「でも、随分と変わったなあ。識別はしやすくなったが。」
言われてみると、お互いの姿がかなり違うことを双子は気付きました。
もともと2人は、茶髪のショートで、瞳はサーシャが青でミーシャは紫です。サーシャはというと、金髪で赤い瞳、ミーシャは銀髪で赤い瞳になっています。
「これからは、必要な時にすぐ覚醒できる。戻ることもな。早速戻ってみたらどうだ。方法は簡単。戻りたいと願うだけだ。」
双子は祈ると、元の姿に戻りました。
「お母様、お父様!見て!ボクの翼!」
ミーシャは興奮しながら飛んでみせます。
両親はそれを喜んでいるような、悲しんでいるような、そんな複雑な表情で見守っていました。サーシャは片割れが飛んでいるのをみて、感動して言葉もでません。
「もうこんな時間!城下視察に行かなきゃ!」
ようやく我に返った4人は、いそいそと宮殿に戻ります。
そこにいたのは、やはり怒っているメイド長です。
「アイ(メイド長です。)、時間内には戻ってきたじゃないか。そう怒らないでくれないか?」
「皇帝陛下、お言葉ですが、私が朝申し上げたことをお忘れでしょうか?」
「いや、その、」
「晩にでもゆっくりとお話を。
では、姫様方お着替えを。」
部屋に戻り渡されたのは、先ほどのドレスとはうってかわって、動きやすいズボンです。そしてまたもや背中があいています。
「レイラ、なんでどれも背中があいているの?」
サーシャはレイラに問います。
「私にはなんとも。伝統とは聞いておりますが。」
「ふうん。」
着替えて両親のところにいくと、2人も同じような格好をしていました。
「よく聞け。城下視察には、飛んでいってもらう。自分の翼を使ってな。そしてここからが本領の見せ所だ。幻術を使って、この着ている服を礼服に見せるのだ。こんな風にな。」
皇帝が指を鳴らすと、皇帝の服は立派な鎧へと変わりました。そしてまた指を鳴らすと、元に戻ります。
双子の表情は曇ります。なんせ、幻術は勉強中ですし、ミーシャにおいては、飛べるようになったのはついさっきのことです。
そんな双子を見て皇后は、
「大丈夫よ、私たちもいるわ。今回の護衛は、空中戦闘に自信がある方たちを選んだから、もし落ちそうでも支えてくれるわ。」
そういって護衛を指差します。そこには、新しく入隊した人からベテランまで、ざっと10人ほどおりました。
「さあ、時間も時間だ。行こうか。」
次々と空中に舞い上がっていく人々。
双子も後に続いて、城下視察にでかけるのでした。
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