嫌われ悪役令息は余命一年だった。

マジ卍

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浮遊していく意識と反対に、体はとても重かった。

光が眩しくて、すぐには目を開けられなかった。

「うっ、ま、眩しい。」

ガタンッ!

僕のすぐ横で物音がした。誰かが僕の隣にいる。

「……エ、ル?」

「レオ?」

「目が覚めたのか?…よかった…!」

すぐ隣で聞こえたのはレオの声だった。
僕が心配で…?

「心配してくれたの?」

「もちろんだよ?私が心配しないと思ったのか?エルが刺された日からずっと、ずっと一緒にいたんだ。もし目が覚めなかったらどうしようかと…。」

あれ?そう言えば僕が刺されてからどのくらいたったんだろう。

「レオ?僕が刺されてからどのくらい経ったの?」

「二週間だよ。」

「二週間!?そんなに長く寝てたの?」

まさか、そんなに時間が経っていたなんて…
二週間も僕といてくれたの?

なんか嬉しくて、心がポカポカする。


「エル。君を刺した人の顔は覚えてないかい?」

僕を刺した人…あっ。

「もし何か知っていたら協力して欲しい、刺さったナイフを犯人が置いていったから指紋を調べてみたんだ。そしたらメイドの指紋が発見されて、それでメイドに聞いてみてみると、違う違うと首を横にしか振らないんだ。」


いや、僕を刺したのはそのメイドじゃない!



あれ?声が…出ない?

僕は口をぱくぱくするだけで声が出なかった。

「メイドは牢にいた。だからここまで来るのはできないと考えて捜査をしているのだが、メイドが犯人のことを言わない。何かを伝えようと口をぱくぱくするから闇魔法だと思って捜索をしている。…みたところエルもそうだね。」

僕は首を縦に振り、頷いた。
フィーネ…もしかしたら闇魔法で口封じをしたのかな?
なんで僕にもかける必要があったんだろう。
あの時に僕を殺していたら、フィーネにとっても良かったはずなのに…。

そういえば意識が落ちる前、誰かが僕のことを読んでいたような…?

だからフィーネは僕を殺すことはできずに、口封じの魔法だけかけて逃げたのかもしれない。

でもあの声…レオの声と似ていたなぁ……まさかね。

「犯人の顔は見たはずだよな?犯人には極力近づかないで。騎士をつけておこう。さぁ、起きたばっかりで悪い、まだ体が回復してないんだからもう少し休んでね。」

そうレオから言われたあとレオは立ってドアの方に向かっていった。

「じゃあね、エル。」

「ありがとう、レオ。」

レオは手を振ってから部屋から出ていった。



シエル。
どうしてるのかな?
僕のところから出て、ちゃんと生まれ変わったのかな?

シエルのことを考えると体がポカポカしてくる。

僕はここでうまくやっていくよ。
シエルは、次こそ幸せな家庭に生まれて、幸せな友達に恵まれて、婚約者にも愛されて欲しいなぁ。
そして次、もし会うことがあったら。
僕と友達になって欲しい。お互い最高の親友になれるよ。

絶対に。


なんだか、眠くなってきた。…体を回復するためにも少し休憩しよう。
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