嫌われ悪役令息は余命一年だった。

22 元魔術師side

王宮に着いたら、王宮の使用人に案内され、魔王討伐の仲間と会うことになった。

魔王討伐は勇者、聖者、魔術師、戦士でなっている。
聖者を見た時に、なんで綺麗な人なんだろうと思った。
髪は白で目は黄金であった。まるで天使のような人だった。
勇者と、戦士は剣で訓練をしていて、私と聖者は、魔法や、魔術を使うため、一緒に行動することが多かった。
一緒に訓練をしたり、話したりする度に聖者の優しさや、笑顔に惹かれて行った。

訓練も大体終わって力がついてきた頃、私たちは王に呼び出された。
内容は時間が無いからまだ完全では無いが向かって欲しいという故だった。

「リオナ様。僕たちは、生きて帰ってこれるのでしょうか。」

そう聖者が言った。聖者の瞳は暗くなった空を眺めていた。
私はその横顔から目が離せなかった。

「私たちは必ず誰一人としてかけることなく帰ってこよう。」

「そうですよね。必ず。リオナ様、僕帰ってきたらリオナ様に伝えたいことがあるんです。その時はお話、聞いてくれますか？」

そう聖者は頬を赤らめて優しく笑いながら私に視線を向けてくれた。

「サシャにも、私から話したいことがあるんです。では帰ってきてから私の話も聞いてくれますか？」

この討伐から帰ってきてからこぼてれこぼれて止まらない愛を、聖者。サシャ、貴方に伝えたい。

「だからどうか、この討伐が無事に終わりますように。」

そう私は空に広がる無数の星に願った。