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23 元魔術師side
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だが、その願いは叶わなかった。
「サシャ!サシャッ!!」
口から血を吐き出した聖者の、体を支える。
「リオナ様。僕は、…もう無理そうです。……ごめんなさい、お話…出来なさそうです。」
魔王の手下と戦い。倒したと思った死体から最後の最後に一つの氷の刃が飛んできてそれが聖者の腹部を貫いてしまった。
ただ貫くだけなら回復魔法で回復できるが、これは呪いがかかっていて回復魔法が効かなかった。
「サシャッ!ダメだ行くな!!私もまだ話してないことがあるんだッ!サシャ!私は君を愛している。生きて私と人生を共にしてくれ!お願いだっ!」
自分の意思とは別に涙が溢れる。
聖者の体を抱きしめ、小さいがまだある鼓動を聴きながら必死に聖者に話しかける。
「リオナ様、もし神様がいるなら、…次は…次こそは…、リオナ様の妻になりたいです。ごめんなさい。っ…ごめんなさいリオナ様。」
そう言った瞬間にサシャの体からは力が抜け、腕がだらんと力なく落ちる。
「サシャ……?」
胸に耳を当てても僅かにも鼓動は聞こえてこなかった。
その時に私は初めて、命とはこんなにも軽くて、短くて、…。
どうしようもできないことを知った。
そこからのことはあまり記憶に無い。
聖者がいなくなったから魔王を倒すことができなくて、封印した気がする。
あまりの絶望感に生きる意味を失っていた時に夢を見たんだ。
魔王を倒した後に生まれ変わった聖者と幸せに生きていく夢を。
そして、サシャは私に言ったんだ。
「リオナ様。僕は待ってるから、ゆっくり来てね。」
優しい笑顔を向けてそう言った。
だから私は魔王が死んだのを見届けてから。
サシャのところに向かうと決めた。
魔王がいない世界を作ってから僕は生まれ変わってサシャと共に生きていく。
「サシャ!サシャッ!!」
口から血を吐き出した聖者の、体を支える。
「リオナ様。僕は、…もう無理そうです。……ごめんなさい、お話…出来なさそうです。」
魔王の手下と戦い。倒したと思った死体から最後の最後に一つの氷の刃が飛んできてそれが聖者の腹部を貫いてしまった。
ただ貫くだけなら回復魔法で回復できるが、これは呪いがかかっていて回復魔法が効かなかった。
「サシャッ!ダメだ行くな!!私もまだ話してないことがあるんだッ!サシャ!私は君を愛している。生きて私と人生を共にしてくれ!お願いだっ!」
自分の意思とは別に涙が溢れる。
聖者の体を抱きしめ、小さいがまだある鼓動を聴きながら必死に聖者に話しかける。
「リオナ様、もし神様がいるなら、…次は…次こそは…、リオナ様の妻になりたいです。ごめんなさい。っ…ごめんなさいリオナ様。」
そう言った瞬間にサシャの体からは力が抜け、腕がだらんと力なく落ちる。
「サシャ……?」
胸に耳を当てても僅かにも鼓動は聞こえてこなかった。
その時に私は初めて、命とはこんなにも軽くて、短くて、…。
どうしようもできないことを知った。
そこからのことはあまり記憶に無い。
聖者がいなくなったから魔王を倒すことができなくて、封印した気がする。
あまりの絶望感に生きる意味を失っていた時に夢を見たんだ。
魔王を倒した後に生まれ変わった聖者と幸せに生きていく夢を。
そして、サシャは私に言ったんだ。
「リオナ様。僕は待ってるから、ゆっくり来てね。」
優しい笑顔を向けてそう言った。
だから私は魔王が死んだのを見届けてから。
サシャのところに向かうと決めた。
魔王がいない世界を作ってから僕は生まれ変わってサシャと共に生きていく。
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ところどころ呼んでるが読んでるになってます。
一回読んでみたんですが、どこが間違っているのか分からなかったので訂正ができなかったです( ; ; )
もし間違っているところがわかったら詳しく教えてくれるとありがたいです!
いつも読んでくれてありがたいございます!
お話が面白くていつも更新を楽しみに待ってます!
感想ありがとうございます!
そんなことを言ってくれるまぬまぬさんが凄く好き!笑
見てくれてありがとう!
母を染め、照れたような→母???頬を?
直しました〜!読んでくれてありがとうございます!