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二十三話 アニキ、輝く
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気合は充分! 今のこの身体ならブランクは然程、気にならない。
注意すべき点は、格段にパワーが弱まっていること。
ただし、その分は身軽く、しなやかに立ち回ることができる。
地を蹴り、加速するボクにクリッピ―が手をかざす。
途端、地中から無数のカラーコーンが突き出し、コチラの進行を妨害してくる。
むろん、タダのカラーコーンではない。
触れた瞬間に破裂する。
次から次へと生えてくるトンガリは、ひしめき合って弾け飛び、鋭い破片を辺りに撒き散らしている。
ボクはそれらを難なく避けて、怪人との距離を縮めてゆく。
全然、攻撃が当たらないことに業を煮やしたクリッピ―は、今度は正面からコーンを飛ばしてくる。
いくら自動で連続生成されるとしても完璧ではない。
縦の動きに強くとも横への移動は、追いつかないようだ。
旋回して移動するボクの方に分がある。
「ちょこまかと鬱陶しいポー! これでも喰らぇぇええ――――」
いつ、持ちだしてきたのか? クリッピ―は体育教諭の特権を用いてラインを引きを振り回してきた。
運動場に白線を描くためにある用具を鈍器として扱うのはイタだけない。
中から漏れた石灰が目に入ったらどうしてくれるんだ?
怪人である彼に、その道理は通用しない。
ためらうことなく、ボクの方へとライン引きを向けてきたので飛び蹴りで軌道を変えてやった。
「ッゲホゲホゲホ!! おぇぇえええええ―――――」
黄緑色の毛並みが瞬く間に真っ白なっていった。
頭から石灰を被った鳥の怪人は、全身を震わせながら粉を落とそうとしていた。
当然ながら、水で洗わなければ石灰は落とせない。
視界を塞がれて、たじろぐ敵の身にボクは拳を当てがって弾き飛ばした。
「ショートストライク!」
寸勁からの無影打法、またをワンインチパンチと呼ばれる技だ。
ドウナッテンジャーには、各々で得意とする武器がある。
レッドならガンブレード、ブルーならトライデント、グリーンはハンドボーガン、ピンクはマリンバとなる。
イエローだったボクにはパーティーグッズが支給された。
オニキス長官がどうしてこんな悪ふざけをしたのか? 今だ、不明だ。
マスタードソードはセコイヤの連中へと効果こそ与えたが玩具である以上、決定的なダメージは与えられない。
そこでボクは、独自のメソッドを用いて体術を鍛えることに成功した。
このパンチも全身で筋力ウェーブを作り出し放つ強烈な一撃!
見た目に対して重く、最小の動きで敵の防御を無視することができる。
決して、キャットパンチなどではない。魔法少女と侮っていれば、痛い目に会うだろう。
ポキポキと指の関節を鳴らしながら、ボクは変体を追い詰めていた。
「もう、一発!」
「迂闊に近寄ってはダメよ!」
間近でパァーン!! 鳴り響く発砲音が耳をつんざく。
見るとクリッピ―の手にスターターピストルが握られていた。
銃弾がボクの胸元手前で停止していた。
星型の宝石が回転しながら銃撃の勢いを吸収し防御してくれたおかげで、ボクは九死に一生を得た。
「一気に片を付ける……ドブデバイス!」
腹部のガーターベルトに四角い危機を取り付ける。
よく見ると先端にUSBコネクターがついている。
差込口はベルトの上部にあった……これが正解のやり方なのかは分からないけど、はめ込んで見れば何か変化が生じるはずだ。
『ピピピッ……ガゥライザーとのリンクを確認。現在位置にピュアコスモブレイドを転送します』
デバイス装着しベルトのレバーを引くこと数秒、ボクの前に前回同様、ショートブレードが出現した。
フルオートで手首のリストアーマーと合体し一つのウェポンとなる。
折り畳み式の刃は通常時は腕に沿って収納されているが、攻撃する時には真横に可変しナイフエッジを展開する。
刃はどういう構造で出来ているのか? 専門家ではないボクには想像もつかない。
けれど、一度使用した時のあの切れ味は身体が覚えている。
コイツがあれば、あのメタル装甲もバターのように斬れるはずだ。
「ファイナルフィニッシャー、エスカレーションスマァァシュッ――――!!」
内部から発光する刃が辺りを眩く照らした。
瞬間、クリッピ―の身体に十文字の斬撃がほとばしる。
サークレットフェアリーの必悩殺技、その能力は斬った相手を変身させることにある。
この力ならば、カルタ先生を戻の人間の姿に戻せるはずだ。
戻れ、戻れと念じながら攻撃をしたんだ、この方法でダメならサガワ博士同様……他の手立てを考えるしかない。
「り……リフレッシュ――――」
爆発音とともに怪人の素体が砕け散った。白煙の中から、生まれたままの姿のカルタ先生が出てきて、その場に倒れ込んだ。気を失っているものの、脈はしっかりとしている。
どうやら、ボクの思惑どおりの結果となってくれたんだと思う?
「サークレットフェアリーだったわね……やるわね、アンタ。まさか、私以外にも本物の魔法少女がいたなんて驚きよ」
「ボクの方こそ、さっきは助けてくれてありがとう」
ペコリと頭を下げると彼女は首を横に振って見せた。
あまり浮かない表情をしているけれど、何か失礼があったのだろうか?
「そういうのヤメテよ。私はアンタを助けたわけじゃない……血塗れになるアンタを見たくなかっただけ。今日は、勝ちを譲るけれど、次回は私がバケモノどもを倒してみせるわ!」
毅然とした態度で、ボクにそう告げると彼女はその場から去っていってしまった。
まったく友好的ではないのは伝わってきたけど、ついボクは思ってしまった。
シルフィードハーネスは間違いなくツンデレさんタイプの魔法少女だなと。
注意すべき点は、格段にパワーが弱まっていること。
ただし、その分は身軽く、しなやかに立ち回ることができる。
地を蹴り、加速するボクにクリッピ―が手をかざす。
途端、地中から無数のカラーコーンが突き出し、コチラの進行を妨害してくる。
むろん、タダのカラーコーンではない。
触れた瞬間に破裂する。
次から次へと生えてくるトンガリは、ひしめき合って弾け飛び、鋭い破片を辺りに撒き散らしている。
ボクはそれらを難なく避けて、怪人との距離を縮めてゆく。
全然、攻撃が当たらないことに業を煮やしたクリッピ―は、今度は正面からコーンを飛ばしてくる。
いくら自動で連続生成されるとしても完璧ではない。
縦の動きに強くとも横への移動は、追いつかないようだ。
旋回して移動するボクの方に分がある。
「ちょこまかと鬱陶しいポー! これでも喰らぇぇええ――――」
いつ、持ちだしてきたのか? クリッピ―は体育教諭の特権を用いてラインを引きを振り回してきた。
運動場に白線を描くためにある用具を鈍器として扱うのはイタだけない。
中から漏れた石灰が目に入ったらどうしてくれるんだ?
怪人である彼に、その道理は通用しない。
ためらうことなく、ボクの方へとライン引きを向けてきたので飛び蹴りで軌道を変えてやった。
「ッゲホゲホゲホ!! おぇぇえええええ―――――」
黄緑色の毛並みが瞬く間に真っ白なっていった。
頭から石灰を被った鳥の怪人は、全身を震わせながら粉を落とそうとしていた。
当然ながら、水で洗わなければ石灰は落とせない。
視界を塞がれて、たじろぐ敵の身にボクは拳を当てがって弾き飛ばした。
「ショートストライク!」
寸勁からの無影打法、またをワンインチパンチと呼ばれる技だ。
ドウナッテンジャーには、各々で得意とする武器がある。
レッドならガンブレード、ブルーならトライデント、グリーンはハンドボーガン、ピンクはマリンバとなる。
イエローだったボクにはパーティーグッズが支給された。
オニキス長官がどうしてこんな悪ふざけをしたのか? 今だ、不明だ。
マスタードソードはセコイヤの連中へと効果こそ与えたが玩具である以上、決定的なダメージは与えられない。
そこでボクは、独自のメソッドを用いて体術を鍛えることに成功した。
このパンチも全身で筋力ウェーブを作り出し放つ強烈な一撃!
見た目に対して重く、最小の動きで敵の防御を無視することができる。
決して、キャットパンチなどではない。魔法少女と侮っていれば、痛い目に会うだろう。
ポキポキと指の関節を鳴らしながら、ボクは変体を追い詰めていた。
「もう、一発!」
「迂闊に近寄ってはダメよ!」
間近でパァーン!! 鳴り響く発砲音が耳をつんざく。
見るとクリッピ―の手にスターターピストルが握られていた。
銃弾がボクの胸元手前で停止していた。
星型の宝石が回転しながら銃撃の勢いを吸収し防御してくれたおかげで、ボクは九死に一生を得た。
「一気に片を付ける……ドブデバイス!」
腹部のガーターベルトに四角い危機を取り付ける。
よく見ると先端にUSBコネクターがついている。
差込口はベルトの上部にあった……これが正解のやり方なのかは分からないけど、はめ込んで見れば何か変化が生じるはずだ。
『ピピピッ……ガゥライザーとのリンクを確認。現在位置にピュアコスモブレイドを転送します』
デバイス装着しベルトのレバーを引くこと数秒、ボクの前に前回同様、ショートブレードが出現した。
フルオートで手首のリストアーマーと合体し一つのウェポンとなる。
折り畳み式の刃は通常時は腕に沿って収納されているが、攻撃する時には真横に可変しナイフエッジを展開する。
刃はどういう構造で出来ているのか? 専門家ではないボクには想像もつかない。
けれど、一度使用した時のあの切れ味は身体が覚えている。
コイツがあれば、あのメタル装甲もバターのように斬れるはずだ。
「ファイナルフィニッシャー、エスカレーションスマァァシュッ――――!!」
内部から発光する刃が辺りを眩く照らした。
瞬間、クリッピ―の身体に十文字の斬撃がほとばしる。
サークレットフェアリーの必悩殺技、その能力は斬った相手を変身させることにある。
この力ならば、カルタ先生を戻の人間の姿に戻せるはずだ。
戻れ、戻れと念じながら攻撃をしたんだ、この方法でダメならサガワ博士同様……他の手立てを考えるしかない。
「り……リフレッシュ――――」
爆発音とともに怪人の素体が砕け散った。白煙の中から、生まれたままの姿のカルタ先生が出てきて、その場に倒れ込んだ。気を失っているものの、脈はしっかりとしている。
どうやら、ボクの思惑どおりの結果となってくれたんだと思う?
「サークレットフェアリーだったわね……やるわね、アンタ。まさか、私以外にも本物の魔法少女がいたなんて驚きよ」
「ボクの方こそ、さっきは助けてくれてありがとう」
ペコリと頭を下げると彼女は首を横に振って見せた。
あまり浮かない表情をしているけれど、何か失礼があったのだろうか?
「そういうのヤメテよ。私はアンタを助けたわけじゃない……血塗れになるアンタを見たくなかっただけ。今日は、勝ちを譲るけれど、次回は私がバケモノどもを倒してみせるわ!」
毅然とした態度で、ボクにそう告げると彼女はその場から去っていってしまった。
まったく友好的ではないのは伝わってきたけど、ついボクは思ってしまった。
シルフィードハーネスは間違いなくツンデレさんタイプの魔法少女だなと。
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