超絶転身少女 インフィニティアニキ 特撮ヒーローから魔法少女系νtuberに転職します

心絵マシテ

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五十三話 アニキ、エスカレーション

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初撃を皮切りに拳を連打させる。
魔法少女でも肉弾戦が得意な子は珍しくない。それに倣い、相手をフルボッコにする!

「フエェェ!! フエェヘッヘッヘ――――!!」

殴られ過ぎて頭がおかしくなったのだろうか?
レッドがブラックデビルみたいに笑っていた。
ブラックデビルが何なのかは、一言で片づければ悪魔――――みたいな秋刀魚。
とにかく、終始痛がる素振りもなく純粋な気持ち悪さを感じずにいられない。

そうこうしているうちにボクの体力が底をついてしまった。

「ん、はぁはぁはぁ……な、何故? そんなにピンピンしているんだ?」

「決まっているだろう!! エロいことを考えているからだぁぁぁ」

そんな力説をされても困る…………確かにエロスは偉大だ。それだけで三日三晩、不眠不休で戦える。
けれど、戦隊ヒーローモノのレッドにドスケベな奴が今までいたのだろうか?
ムッツリはあったと思うが、平気で垣根を破壊するほどオープンな奴はそうそういない。
危なかった……危うくボクの中のヒーローの定義が崩れるところだった。

「それは、精神的な問題で肉体にはダメージが残ってはずだろう? ボクが聞きたいのはどうして無傷なのかだぁ!」

「そこまで見抜かれているとはな……実はな、変わり身の術により貴様の攻撃はすべて無効化になっているのだ! ガバババッ―――――――」

説明している最中に、レッドの顎下から血が流れ落ちていた。
無効化どころか、ボクの攻撃はすべてクリーンヒットしていた。
どうして、こんなしょうもない嘘をつくのだろうか?
よく分からないが、分かってしまったらボクもヤバイ奴になってしまっていることだ。

「赤で良かったぁ―――白だったら洗濯するのが大変だったわ!!」

気にするところ、そこ!? 主婦みたいなことを言っている。
白だったら、それ単なるタイツじゃん。

「どうやら、身体がほぐれてきたようだねぇ~。ならば、こちらも本気モードで行かせて貰おう」

パキッパキパキ――――!!

レッドが自身のシンボルでもあるマスクを素手で引き剥がした。
予期せぬ出来事に、ボクは自分の目を疑いたくなってきた。
マスクの下から新たなレッドのマスクが現れた―――――何も変わらない。
というか、同じマスクを重ねて装着する意図が見えてこない。

「ぁはっ!! 変身するとでも思ったのか!? 残念だが、これから変身するのだ!」

結局、変身するかい……。
いい加減、わけも分からない前振りは止めていただきたい!

「ひぃぃぃろぉぉぉ―――チェ「シルフィードショット!!」

「ヘブゴォ――――」

惜しい、あと少しで変身できるかというところで、ケツに風の弾丸が直撃しレッドが無言でしゃがみ込んでしまった。
意味もなく遊んでいるからそうなるだ。この反省を次に活かしてもらたいが、生憎と次があるのかは保証できない。

「どうやら間に合ったようね! フェアリー」

「シルフィードハーネス? どうやってここに?」

「どうもこうも、外の井戸を調べていたら中から物音がしたから変身して下まで降りてきたのよ」

ハーネスが天上を指さすとその先に地上へと伸びるパイプがあった。
井戸と思われたものは、ジャムさんのP工場みたいな煙突だったらしい。
ちなみにパンの包装紙などに書かれているアルファベットは製造工場を意味する。

「貴様ぁぁあ――――!! 何か良からぬことを想像していたなぁぁ」

レッドがついにタイツをビリビリと引き裂いた。
そこから露出される肉体はオスカー像みたいに金色に光輝いていた。

「やっぱり、変体だったのね……」ハーネスがハンドガンを構える。

変体かはともかく変質者であることは疑う余地もない。
ブーメランパンツ一丁の姿で手首にカフス、首には蝶ネクタイを装着すると、マスクまでもが金色に染まってゆく。

「ゴールデンレッド、参上!! これが俺のファイナルフォームだ!!」

「レッドの要素がどこにもNEEEEEEEEEEE―――――」

「フェアリー、相手がファイナルなら私たちもで一気に決着をつけましょう」

何か知らなけれど、ハーネスが悪い意味で触発されていた。
いくら二人がかりでもフルスタイルモードでない状態で今のブルジョアレッドに通じるのか?
いいや、考えている場合ではない。先手を打たなければボクたちの負けだ。

「「ファイナルフィニッシャー!」」

ボクたちは息を合わせて、ベルトのレバーを引いた。
再び、コスモブレイドが展開し、ハーネスの装衣の一部だったフェザーブレイキングチェーン伸びてゆく。

「世界に蔓延る悪意と闇をこの鎖で縛りつけてみせる! シルフィードハーネス、今宵も華麗に舞ってみせるわ」

ふえぇええ!? まさかと思うケド、このタイミングで決め台詞とかいわないとイケないの!?
なんの段取りもなしに、ボクの方へとウィンクするハーネス。
お約束とは言え、特撮でもない本物でも魔法少女としてやらないといけないの?

「カレー大好きとか言わないよね? キュイちゃん」

もはや、決め台詞を言わないとイケない空気になっていた……。
考えていなかったボクも悪いけれど、それって最初の方でやっておくべきだったんじゃ―――――迷っていても始まらない。
こうなればヤケだ、ボクのありったけをぶつけてやる!!

「さんざめく光は絶頂の兆し、ハッピービームでアナタの心もリフレッシュ! 妖精界の魔法少女サークレットフェアリー、ここに推参!!」
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