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冒険者が統べる村
集え! 俗物共の畑
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辺りも薄暗くなってきた頃、私はアリシアお婆ちゃんの道具店に戻った。
お婆ちゃんは夕食の支度をしているらしく台所のかまどには焚き木がくべられている。
「お婆ちゃん、何か手伝おうっか?」
「ふん、不要さね。客は部屋でおとなしく待ってな」
「じゃあ、話したいことがあるんだけどいい?」
戻るなり、私はビーンズ一家のことを訊いてみることとした。
しかし、彼らの話題を持ち出すのはお婆ちゃんにとってのタブーだったらしい。
滅茶苦茶、怖い顔でにらまれた。
「ビーンズか。あの、ろくでなし姉弟には関わるんじゃないよ」
てな感じで、どんなを質問しても彼らの事は知るな関わるなと一蹴されてしまう。
あからさまに何かを知っていそうではあるものの、押してダメなら引いてみろという言葉もある。
ここで下手してねばるとお婆ちゃんの機嫌をさらに損ねかねない。
今は言われた通り、部屋にこもるとしよう。
やらないといけないこともあるし。
『もしや、その縫いぐるみ! 召喚用に買ったものでしょうか?』
「詳しいね、そろそろ必要だと思って。ほら、良い感じに翼のついた黒い奴を買っておいたよ。とりあえず、中のワタを取り出して魔法薬に浸した藁を詰めてと――――――できた」
『こ、これは鳥ではなく蝙蝠? なのですかね。いまいちコンセプトが掴めませんね』
「キメラらしいよ」
『ほわ、キメ顔でキメラときましたか。なるほど……キメラ最高ぅぅぅ!!』
木炭の粉、ミスリルの粉、ヘカントンケイルとかいう魔物の骨をすりつぶしたものを混ぜ合わせ、床に魔法陣を描くようにして撒いておく。
そしたら、陣の真ん中に縫いぐるみを置き準備完了。
あとは、アーカイブスとのリンクを接続しながら術式をいくつか構築していく。
今日一日、外に繰り出して嫌というほど身に染みたことがある。
それは私自身、この世界の常識や価値観といった世情に疎すぎて、不適切な行動をいつとってもおかしくないということだ。
実際、博識であるモリスンのサポートがなければ買い物さえ危うかった。
これからも旅を続ける上でガイドモードを使用する機会は多々あるだろう。
その為には膨大な魔力消費というガイドモードのクソ燃費をどうにかしないといけない。
現状、一度の使用で魔力がゴリゴリ削り取られ疲労感が半端ないのだ。
どうすればいいのか思考する私だったが、つい先日出会ったサンタクノースの事を思いだし閃いた。
アストラル体、魂は触媒に宿り実体を得る。
ならば、器さえ用意できれば、移し替えが可能じゃないかと。
「ふふっん、この方法なら上手くイケる。異界から魂を召喚する魔法、異魂召喚様様よね」
翌日――――――――
まだ、ベッドに潜りまどろんでいるさなか。
奇妙な揺れが突如として私を襲った。
「ぬわっ!」と驚いた私が飛び起きるように上体を動かすと……。
「朝だよ! 早く、起きなオラァ――」
齢70のババアが意気揚々とベッドの脚にローキックをかましていた。
「なん……なん? 婆ちゃん、まだ陽が昇ってきたばかりだよ」
「何って萌知、フランクから聞いちゃいないのかい? 私がアンタの面倒をみるかわりにアンタは村に滞在中、畑仕事を手伝うことになってんだよ」
「へぇ~。じゃ、おやすみなさい」
「寝るな、バカ垂れ。畑の野菜はアンタを待っちゃくれないんだよ」
この婆様はいったい何を言っているのだろうか?
畑で野菜が待ち構えているなんて、それこそホラーだ。行きたくないに決まっている。
「ぶつくさ、言ってないで。さっさと着替えな、畑の場所教えるから」
半ば強引に急かされるも昨晩のモリスンの件もあって夜更かししてしまった身には堪える。
身体は硬直したまま、頭の中では回転木馬が飛び跳ねている。
それでも、アリシアお婆ちゃんのアグレッシブさは変わらない。
たとえ相手が何一つ聞いていなくとも、どんなに反発して、いかなる悪態をついても攻めに徹してくる姿勢は年の功がなせるわざとも言える。
「モリすーん、説明聞いておいてぇ~」
『御意。おはようございます、マダム』
畑の道筋を説明されたが、未だ眠気が勝り会話が頭に入ってこなかった。
仕方ないのでモリスンを呼んだけど、縫いぐるみの彼を見て婆ちゃんは目を丸くしていた。
「なっ、なんだい! そのキュウカンチョウは?」
『きゅっ! 我はクロムウェルアーカイブス司書にして萌知様の従者モリスンです、以後お見知りおきを』
「ひゃー、ずいぶん流暢に話す鳥だね」
どうやら、婆ちゃんにはモリスンが鳥にしか見えないらしい、認識阻害魔法とか一切使用してないんだけど……。
ああ、アレだ。飛んでる生き物は全部、鳥と見なしている感じのヤツだ。
「いいかい、萌知。畑仕事は地味だし汚れるし疲れるけど、畑にはロマンがあふれているんだよ。私が若いころなんか、それこそしょっちゅう爺さんと……って何言わせんだい、この娘は」
「……勝手にトップギア入っているみたいだけど、もう畑に向かうよ」
カゴを背うと私は力強くドアを開いた。
ロマンって……畑に何を求めているのやら?
年甲斐もなく熱烈に青春時代を語ろうするアリシアお婆ちゃん。
その話に最後まで付き合う覚悟はさらさら無い。
農家の朝は早いというフレーズがある。
これは、決して農業の大変さを物語りたい為ではなく、農作物を良質のまま収穫するのには早朝の時間が適しているからである。
うんちくは置いておくとして、ここいらでジップ村について説明の一つでも述べておきたい。
……と思っていたけど実は言う事が何もない。
所詮、私はこの村で生まれ育ったわけでもない、よそ者。
だから、ジップ村の詳細を語れといわれても、のどかで良い感じの村ですね~ぐらいのおべっかしか出てこない。
アーカイブスで調べたところでジップ村の情報は今のところマップ関連しか解析できていない。
つまり、初見。
基本アーカイブスは所持者が得た知識、情報を元に差異がないか精査される。
その上で問題がないと判断が下されれば更新が行われる。
マッピング自体、どうやっているのか? その仕組みは定かではないが、それ以上を求めると所持者が自力で調べないとならない。
『また、考え事ですか?』
「まぁね……おそらく、区画分けしているせいだろうね。農村っていってるわりに畑をちっとも見かけないや。この人口だ、大農園でもなければ供給が追いつかないはずだよ。昨日、商店を見てまわった限りだと食料は十二分にまかなえているみたいだけどさ」
『マダム・アリシアがおしゃった通り、村の奥となる南方まで向かえばその謎も解けましょう。ささっ、このまま商店通りを過ぎれば、目的地はすぐそこです』
「もう、人だかりができているけど、場所は……合っているんだよね? なんで皆、一ヶ所にとどまっているんだろう?」
指定された場所には私と同様のカゴを背負った村の大人たちが整列し並んでいた。
ざっと100人ちかくはいるであろう、その先頭には昨日のビーンズ一家が引き連れていたような兵士の姿がある。
どうみても今から農作業する光景には見えない。
むしろ、このままモンスターハントに変更されてもおかしくはない気がする。
それもこれも周りの農民共が解き放つ血肉に飢えたような熱気のせいだ。
「諸君、畑にいきたいかあ――――!」
頃合いを見計らった中年の兵士が声高らかに発破をかける。
それまで温まっていた場が一瞬にしてシーンと静まり返ってしまった。
あまりにも突拍子もない言葉は時として、人の気持ちを遠ざける。
たとえ場の空気が読めなかったとしても、この兵士に罪はない……そう願いたい。
「…………これより、農園への門を開く。押し合いにならぬよう、くれぐれも落ち着いて列を崩さぬよう行動するように、いいか?」
完全に息の根を絶たれたのか? 不貞腐れた兵士の態度は完全に事務的なモノになっていた。
扉を開くといっていたが、周囲は人の身長をゆうに越える土壁に囲われていて、この先に進む道なんてないように思う。
「こ、これは魔法陣!」
何もなかった土壁、その正面の空間から浮き上がるようにして眩い閃光が走った。
光の魔法陣、私達の前に突如として出現したのは大人一人が難なく通り抜けできるほどの扉型転移陣だった。
お婆ちゃんは夕食の支度をしているらしく台所のかまどには焚き木がくべられている。
「お婆ちゃん、何か手伝おうっか?」
「ふん、不要さね。客は部屋でおとなしく待ってな」
「じゃあ、話したいことがあるんだけどいい?」
戻るなり、私はビーンズ一家のことを訊いてみることとした。
しかし、彼らの話題を持ち出すのはお婆ちゃんにとってのタブーだったらしい。
滅茶苦茶、怖い顔でにらまれた。
「ビーンズか。あの、ろくでなし姉弟には関わるんじゃないよ」
てな感じで、どんなを質問しても彼らの事は知るな関わるなと一蹴されてしまう。
あからさまに何かを知っていそうではあるものの、押してダメなら引いてみろという言葉もある。
ここで下手してねばるとお婆ちゃんの機嫌をさらに損ねかねない。
今は言われた通り、部屋にこもるとしよう。
やらないといけないこともあるし。
『もしや、その縫いぐるみ! 召喚用に買ったものでしょうか?』
「詳しいね、そろそろ必要だと思って。ほら、良い感じに翼のついた黒い奴を買っておいたよ。とりあえず、中のワタを取り出して魔法薬に浸した藁を詰めてと――――――できた」
『こ、これは鳥ではなく蝙蝠? なのですかね。いまいちコンセプトが掴めませんね』
「キメラらしいよ」
『ほわ、キメ顔でキメラときましたか。なるほど……キメラ最高ぅぅぅ!!』
木炭の粉、ミスリルの粉、ヘカントンケイルとかいう魔物の骨をすりつぶしたものを混ぜ合わせ、床に魔法陣を描くようにして撒いておく。
そしたら、陣の真ん中に縫いぐるみを置き準備完了。
あとは、アーカイブスとのリンクを接続しながら術式をいくつか構築していく。
今日一日、外に繰り出して嫌というほど身に染みたことがある。
それは私自身、この世界の常識や価値観といった世情に疎すぎて、不適切な行動をいつとってもおかしくないということだ。
実際、博識であるモリスンのサポートがなければ買い物さえ危うかった。
これからも旅を続ける上でガイドモードを使用する機会は多々あるだろう。
その為には膨大な魔力消費というガイドモードのクソ燃費をどうにかしないといけない。
現状、一度の使用で魔力がゴリゴリ削り取られ疲労感が半端ないのだ。
どうすればいいのか思考する私だったが、つい先日出会ったサンタクノースの事を思いだし閃いた。
アストラル体、魂は触媒に宿り実体を得る。
ならば、器さえ用意できれば、移し替えが可能じゃないかと。
「ふふっん、この方法なら上手くイケる。異界から魂を召喚する魔法、異魂召喚様様よね」
翌日――――――――
まだ、ベッドに潜りまどろんでいるさなか。
奇妙な揺れが突如として私を襲った。
「ぬわっ!」と驚いた私が飛び起きるように上体を動かすと……。
「朝だよ! 早く、起きなオラァ――」
齢70のババアが意気揚々とベッドの脚にローキックをかましていた。
「なん……なん? 婆ちゃん、まだ陽が昇ってきたばかりだよ」
「何って萌知、フランクから聞いちゃいないのかい? 私がアンタの面倒をみるかわりにアンタは村に滞在中、畑仕事を手伝うことになってんだよ」
「へぇ~。じゃ、おやすみなさい」
「寝るな、バカ垂れ。畑の野菜はアンタを待っちゃくれないんだよ」
この婆様はいったい何を言っているのだろうか?
畑で野菜が待ち構えているなんて、それこそホラーだ。行きたくないに決まっている。
「ぶつくさ、言ってないで。さっさと着替えな、畑の場所教えるから」
半ば強引に急かされるも昨晩のモリスンの件もあって夜更かししてしまった身には堪える。
身体は硬直したまま、頭の中では回転木馬が飛び跳ねている。
それでも、アリシアお婆ちゃんのアグレッシブさは変わらない。
たとえ相手が何一つ聞いていなくとも、どんなに反発して、いかなる悪態をついても攻めに徹してくる姿勢は年の功がなせるわざとも言える。
「モリすーん、説明聞いておいてぇ~」
『御意。おはようございます、マダム』
畑の道筋を説明されたが、未だ眠気が勝り会話が頭に入ってこなかった。
仕方ないのでモリスンを呼んだけど、縫いぐるみの彼を見て婆ちゃんは目を丸くしていた。
「なっ、なんだい! そのキュウカンチョウは?」
『きゅっ! 我はクロムウェルアーカイブス司書にして萌知様の従者モリスンです、以後お見知りおきを』
「ひゃー、ずいぶん流暢に話す鳥だね」
どうやら、婆ちゃんにはモリスンが鳥にしか見えないらしい、認識阻害魔法とか一切使用してないんだけど……。
ああ、アレだ。飛んでる生き物は全部、鳥と見なしている感じのヤツだ。
「いいかい、萌知。畑仕事は地味だし汚れるし疲れるけど、畑にはロマンがあふれているんだよ。私が若いころなんか、それこそしょっちゅう爺さんと……って何言わせんだい、この娘は」
「……勝手にトップギア入っているみたいだけど、もう畑に向かうよ」
カゴを背うと私は力強くドアを開いた。
ロマンって……畑に何を求めているのやら?
年甲斐もなく熱烈に青春時代を語ろうするアリシアお婆ちゃん。
その話に最後まで付き合う覚悟はさらさら無い。
農家の朝は早いというフレーズがある。
これは、決して農業の大変さを物語りたい為ではなく、農作物を良質のまま収穫するのには早朝の時間が適しているからである。
うんちくは置いておくとして、ここいらでジップ村について説明の一つでも述べておきたい。
……と思っていたけど実は言う事が何もない。
所詮、私はこの村で生まれ育ったわけでもない、よそ者。
だから、ジップ村の詳細を語れといわれても、のどかで良い感じの村ですね~ぐらいのおべっかしか出てこない。
アーカイブスで調べたところでジップ村の情報は今のところマップ関連しか解析できていない。
つまり、初見。
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その上で問題がないと判断が下されれば更新が行われる。
マッピング自体、どうやっているのか? その仕組みは定かではないが、それ以上を求めると所持者が自力で調べないとならない。
『また、考え事ですか?』
「まぁね……おそらく、区画分けしているせいだろうね。農村っていってるわりに畑をちっとも見かけないや。この人口だ、大農園でもなければ供給が追いつかないはずだよ。昨日、商店を見てまわった限りだと食料は十二分にまかなえているみたいだけどさ」
『マダム・アリシアがおしゃった通り、村の奥となる南方まで向かえばその謎も解けましょう。ささっ、このまま商店通りを過ぎれば、目的地はすぐそこです』
「もう、人だかりができているけど、場所は……合っているんだよね? なんで皆、一ヶ所にとどまっているんだろう?」
指定された場所には私と同様のカゴを背負った村の大人たちが整列し並んでいた。
ざっと100人ちかくはいるであろう、その先頭には昨日のビーンズ一家が引き連れていたような兵士の姿がある。
どうみても今から農作業する光景には見えない。
むしろ、このままモンスターハントに変更されてもおかしくはない気がする。
それもこれも周りの農民共が解き放つ血肉に飢えたような熱気のせいだ。
「諸君、畑にいきたいかあ――――!」
頃合いを見計らった中年の兵士が声高らかに発破をかける。
それまで温まっていた場が一瞬にしてシーンと静まり返ってしまった。
あまりにも突拍子もない言葉は時として、人の気持ちを遠ざける。
たとえ場の空気が読めなかったとしても、この兵士に罪はない……そう願いたい。
「…………これより、農園への門を開く。押し合いにならぬよう、くれぐれも落ち着いて列を崩さぬよう行動するように、いいか?」
完全に息の根を絶たれたのか? 不貞腐れた兵士の態度は完全に事務的なモノになっていた。
扉を開くといっていたが、周囲は人の身長をゆうに越える土壁に囲われていて、この先に進む道なんてないように思う。
「こ、これは魔法陣!」
何もなかった土壁、その正面の空間から浮き上がるようにして眩い閃光が走った。
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