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天上へ続く箱庭
約束の丘
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「二十年にも前になるかねぇ。当時、このジップ村は今のようにちんまりした所ではなく、多くの冒険者たちで賑わう小さな街だった――――
街の名はシェルティ。
その街の成り立ちは少々、奇妙で冒険者の為に生まれた街といっても過言ではなかった。
冒険者どもが、この辺境の地に集う目的は近隣で発見されたばかりの未踏破ダンジョン。
巨大な空洞となっているダンジョンに多くの者が訪れ、一攫千金を夢見てもぐりこんだ。
実際、空洞内では良質な鉱石が採掘できた。
その上、古代人が残したとされる財宝も見つかり、昼夜問わず我先にと最奥を目指す者たちでダンジョンは常に溢れかえっていたという。
さらに、キケンな罠や魔物に遭遇する率は極めて低いというダンジョンの特徴に目をつけた商人どもが冒険者目当てで商売を始めた。
最初はポツポツとしかなかった露店も、瞬く間に多くの店がひしめき合うバザーになっていった。
これだけ人の出入りが多ければ、当然ながらトラブルは起きる。
誰が望むわけでもなく、障害事件、器物破損や盗みなどは日常茶飯事に起きた。
はてはダンジョンそのものを独占しようと目論んだ野盗団の襲撃を受け、一時期、この場所は荒れに荒れた。
冒険者や彼らを雇う多数の権力者の要望もあり事態を重くみた、時の皇帝ルマンティティルク三世は、ある貴族の若者をこの辺境を平定し統括するように任を命じた。
それが、先代オルド伯ことへイデル・ビーンズ……ビーンズ姉弟の父親さ。
ヘイデル様は生粋の剣士でありながら、騎士としても数々の武功を挙げていた。
そのこともあり、皇帝陛下からも一目置かれていた。
その頃、帝都騎士を引退し事務方に回っていた私も派遣団の一員として、リシリの母親らとヘイデル様に同行するカタチとなった。
本当に武人らしい気骨稜々としたお方で、一度敵と相まみえれば自ら先陣を切って戦っていく姿に多くの人々が心うたれた。
ヘイデル様を中心とし騎馬隊や冒険者たちが一丸となるのにそう時間は要さなかった。
その甲斐もあって、着任から半月も絶たないうちに、ここオルドリア一帯にいた野盗はすべて撃退された。
そこから、八か月余り。街づくりの為に私たちは各種手配や住民手続きの管理などに不慣れな仕事に追われ多忙な日々を送ることなった。
それでも、あれほど充実した日々は生涯のうちでもなかなか経験できないだろう。
一年半後、ようやくシェルティの街は完成した。
このまま街が安定すれば帝都に帰還するつもりだったが、ヘイデル様たっての願いで私はゾイ達の養育係を務めることになった。
しばらくして、ヘイデル様は執事として雇った出自不明なタンゾウという少年を引き連れ、ダンジョンの調査を定期的に行うようになった。
その頃になると、ダンジョンの騒ぎも落ち着き、以前のように混雑することは減ってきた。
とはいえ依然として未踏破ダンジョン、それなりには活気づいている。
今にして思えば、そこから十年は穏やかで幸せな時間を過ごせた。
街での生活に不自由がないわけではなかったが、旦那と共に道具屋を営むかたわら養育係から学び舎の教師を任されるまでになった。
いつまでも順風満帆に暮らしていきたい。
そんな、私達の平凡な願いを打ち砕くかのようにその日は突如やってきた。
ある日、ヘイデル様とタンゾウはダンジョンから古代の遺物を持ち帰ってきた。
ダンジョンコア――――彼らはそう呼んでいたが、それがどういった物なのか? 私たちには一切教えてくれなかった。
それから間もなくヘイデル様がおかしくなりだした。
しきりに辺りを見回したり、何もない空間に物を投げつけたり、「取り返しのつかない事をした」と喚き散らす様子は、まるで何かに怯えているようだった。
次第に食事もとらなくなり、日に日に衰えていく。
医者にも診てもらったが精神疾患と栄養失調としか分からず、原因を特定するまでには至らなかった。
自室にこもり、青白い顔で膝を抱えうずくまる彼に、栄えある騎士だった頃の面影はすでになく、いたたまれなくなった私は、ついにタンゾウに真を問いた。
「まさか、旦那様が密かにアレを持ち帰ってくるとは思わなかった。あの御方が魔に魅入られてしまうとは……すべて自分の責任だ。自分が最奥に続く通路を発見しなければこうはならずにすんだ!!」
タンゾウはダンジョンコアの正体を知っているようだったが、自責の念にかられるばかりで、それ以上語ろうとはしなかった。
どうすれば、ヘイデル様がもとに戻るのか? 訊いてみると彼は――
「途轍もなく強力な呪いです。解呪では駄目だ! 高位の神官何人かに頼んでみたが効果はまったくなかった。元凶となる術者を見つけて本人に術を解かせるしかない」
そう告げたが、それがいかに絶望的な方法なのか彼の表情を見て察してしまった。
古代の遺物にかけられていた呪いだ、術者なんぞ生きているわけがないと。
「じき、コアが暴走する。アリシアさんは一刻も早く街の住民を安全な場所に避難させてください」
「一体、どういう事だい?」
「説明している時間はありません。この街の南東に転移陣が準備してあります。そこから聖域になっている丘に出られるはず」
「アンタは……どうするんだい?」
「自分にしかできない事があるので、それを。ご心配なく、終わったらすぐ向かいます」
「約束だよ! 必ず来なさい」
タンゾウが事の重大さを伝えようとしていた。
ただ、すべてを理解するまでの時間は私たちには残されていなかった。
街に火の手が上がった。
魔物の群れだ。
どこからともなく、魔物があふれ出してきた。
スタンピードにしては妙な光景だった。
本来なら街の付近に生息している亜人系や昆虫系の魔物が大量に湧き出てくるはず……なのにいるはずのないオーガ種や翼竜種、海辺にしか生息しない不定形のポイズンジェリーまでも混ざっている。
明らかに異常だった、私だけなら戦って逃げ場を作れる可能性はあるかもしれない。
けれど街の人たちを見殺しにはできない。
私は住民を避難誘導しながら、真っ先に学び舎に向かった。
他に向かうべき場所があろうがなかろうが、その時はそれしか考えられなかった。
私たち夫婦には子供ができなかった。
だから、私のとって子供とは自分の生徒になっていた。
街が壊される音がした。
吐き気を覚えるほどの煙の臭い。
街の西側では獣の雄叫びのようなものが聴こえている。
人々が逃げ惑う中を、声を張り上げ駆けていく。
けれど、彼らの多くには届かない。
私はたった一つだけの為に決断した。
恐怖、未練、怒り、悲しみ、無念、信念、誇り、全てをかなぐり捨てて、置き去りしなければならない私の中に残ったものは、子供たちを生存させるという執念。
もはや、願いですらないソレは酷く醜悪だった。
私は子供たちを優先して逃がした。
できる限り、転移陣の場所まで送った。
そうして、ふと気づいてしまった……私が助けた子供たちの中にタンゾウとビーンズ家の子供たちがいない事を。
街に引き返そうする私を周囲の人々が羽交い締めにしていた。
どうやら、酷く取り乱していたらしい。
「もう、手遅れだ」
という、誰かの言葉で我に返った。
辺り一面真っ赤に染まっていた。
もう、それが夕焼けなのか? 炎上する街なのか? さえ、分からなくなってしまった。
あれだけ、長い時間と労力を重ねて、皆で一緒に築き上げたモノが崩壊する時は一瞬だ。
あまりにやるせなく、とめどなく虚しい……抗うことすら出来なかった自分の無力さに打ちひしがれていた。
全部、終わったのだと実感し私は、ようやくそこで咽び泣いた」
街の名はシェルティ。
その街の成り立ちは少々、奇妙で冒険者の為に生まれた街といっても過言ではなかった。
冒険者どもが、この辺境の地に集う目的は近隣で発見されたばかりの未踏破ダンジョン。
巨大な空洞となっているダンジョンに多くの者が訪れ、一攫千金を夢見てもぐりこんだ。
実際、空洞内では良質な鉱石が採掘できた。
その上、古代人が残したとされる財宝も見つかり、昼夜問わず我先にと最奥を目指す者たちでダンジョンは常に溢れかえっていたという。
さらに、キケンな罠や魔物に遭遇する率は極めて低いというダンジョンの特徴に目をつけた商人どもが冒険者目当てで商売を始めた。
最初はポツポツとしかなかった露店も、瞬く間に多くの店がひしめき合うバザーになっていった。
これだけ人の出入りが多ければ、当然ながらトラブルは起きる。
誰が望むわけでもなく、障害事件、器物破損や盗みなどは日常茶飯事に起きた。
はてはダンジョンそのものを独占しようと目論んだ野盗団の襲撃を受け、一時期、この場所は荒れに荒れた。
冒険者や彼らを雇う多数の権力者の要望もあり事態を重くみた、時の皇帝ルマンティティルク三世は、ある貴族の若者をこの辺境を平定し統括するように任を命じた。
それが、先代オルド伯ことへイデル・ビーンズ……ビーンズ姉弟の父親さ。
ヘイデル様は生粋の剣士でありながら、騎士としても数々の武功を挙げていた。
そのこともあり、皇帝陛下からも一目置かれていた。
その頃、帝都騎士を引退し事務方に回っていた私も派遣団の一員として、リシリの母親らとヘイデル様に同行するカタチとなった。
本当に武人らしい気骨稜々としたお方で、一度敵と相まみえれば自ら先陣を切って戦っていく姿に多くの人々が心うたれた。
ヘイデル様を中心とし騎馬隊や冒険者たちが一丸となるのにそう時間は要さなかった。
その甲斐もあって、着任から半月も絶たないうちに、ここオルドリア一帯にいた野盗はすべて撃退された。
そこから、八か月余り。街づくりの為に私たちは各種手配や住民手続きの管理などに不慣れな仕事に追われ多忙な日々を送ることなった。
それでも、あれほど充実した日々は生涯のうちでもなかなか経験できないだろう。
一年半後、ようやくシェルティの街は完成した。
このまま街が安定すれば帝都に帰還するつもりだったが、ヘイデル様たっての願いで私はゾイ達の養育係を務めることになった。
しばらくして、ヘイデル様は執事として雇った出自不明なタンゾウという少年を引き連れ、ダンジョンの調査を定期的に行うようになった。
その頃になると、ダンジョンの騒ぎも落ち着き、以前のように混雑することは減ってきた。
とはいえ依然として未踏破ダンジョン、それなりには活気づいている。
今にして思えば、そこから十年は穏やかで幸せな時間を過ごせた。
街での生活に不自由がないわけではなかったが、旦那と共に道具屋を営むかたわら養育係から学び舎の教師を任されるまでになった。
いつまでも順風満帆に暮らしていきたい。
そんな、私達の平凡な願いを打ち砕くかのようにその日は突如やってきた。
ある日、ヘイデル様とタンゾウはダンジョンから古代の遺物を持ち帰ってきた。
ダンジョンコア――――彼らはそう呼んでいたが、それがどういった物なのか? 私たちには一切教えてくれなかった。
それから間もなくヘイデル様がおかしくなりだした。
しきりに辺りを見回したり、何もない空間に物を投げつけたり、「取り返しのつかない事をした」と喚き散らす様子は、まるで何かに怯えているようだった。
次第に食事もとらなくなり、日に日に衰えていく。
医者にも診てもらったが精神疾患と栄養失調としか分からず、原因を特定するまでには至らなかった。
自室にこもり、青白い顔で膝を抱えうずくまる彼に、栄えある騎士だった頃の面影はすでになく、いたたまれなくなった私は、ついにタンゾウに真を問いた。
「まさか、旦那様が密かにアレを持ち帰ってくるとは思わなかった。あの御方が魔に魅入られてしまうとは……すべて自分の責任だ。自分が最奥に続く通路を発見しなければこうはならずにすんだ!!」
タンゾウはダンジョンコアの正体を知っているようだったが、自責の念にかられるばかりで、それ以上語ろうとはしなかった。
どうすれば、ヘイデル様がもとに戻るのか? 訊いてみると彼は――
「途轍もなく強力な呪いです。解呪では駄目だ! 高位の神官何人かに頼んでみたが効果はまったくなかった。元凶となる術者を見つけて本人に術を解かせるしかない」
そう告げたが、それがいかに絶望的な方法なのか彼の表情を見て察してしまった。
古代の遺物にかけられていた呪いだ、術者なんぞ生きているわけがないと。
「じき、コアが暴走する。アリシアさんは一刻も早く街の住民を安全な場所に避難させてください」
「一体、どういう事だい?」
「説明している時間はありません。この街の南東に転移陣が準備してあります。そこから聖域になっている丘に出られるはず」
「アンタは……どうするんだい?」
「自分にしかできない事があるので、それを。ご心配なく、終わったらすぐ向かいます」
「約束だよ! 必ず来なさい」
タンゾウが事の重大さを伝えようとしていた。
ただ、すべてを理解するまでの時間は私たちには残されていなかった。
街に火の手が上がった。
魔物の群れだ。
どこからともなく、魔物があふれ出してきた。
スタンピードにしては妙な光景だった。
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明らかに異常だった、私だけなら戦って逃げ場を作れる可能性はあるかもしれない。
けれど街の人たちを見殺しにはできない。
私は住民を避難誘導しながら、真っ先に学び舎に向かった。
他に向かうべき場所があろうがなかろうが、その時はそれしか考えられなかった。
私たち夫婦には子供ができなかった。
だから、私のとって子供とは自分の生徒になっていた。
街が壊される音がした。
吐き気を覚えるほどの煙の臭い。
街の西側では獣の雄叫びのようなものが聴こえている。
人々が逃げ惑う中を、声を張り上げ駆けていく。
けれど、彼らの多くには届かない。
私はたった一つだけの為に決断した。
恐怖、未練、怒り、悲しみ、無念、信念、誇り、全てをかなぐり捨てて、置き去りしなければならない私の中に残ったものは、子供たちを生存させるという執念。
もはや、願いですらないソレは酷く醜悪だった。
私は子供たちを優先して逃がした。
できる限り、転移陣の場所まで送った。
そうして、ふと気づいてしまった……私が助けた子供たちの中にタンゾウとビーンズ家の子供たちがいない事を。
街に引き返そうする私を周囲の人々が羽交い締めにしていた。
どうやら、酷く取り乱していたらしい。
「もう、手遅れだ」
という、誰かの言葉で我に返った。
辺り一面真っ赤に染まっていた。
もう、それが夕焼けなのか? 炎上する街なのか? さえ、分からなくなってしまった。
あれだけ、長い時間と労力を重ねて、皆で一緒に築き上げたモノが崩壊する時は一瞬だ。
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