問答無用!でランキングブレイカー!! ースキル、グラビアこそ最強最高ですー

心絵マシテ

文字の大きさ
116 / 122
黒幕の内

116話 天へと通じる道

しおりを挟む
「おまっ……フッ…………フフフ。だよな! ワイの名前はアマニ。オメガ三兄弟の三男でありながらも、サボテンが完全に忘れかけていた存在、鎌使いのお兄さんや」

 切なさしかない言葉とともに、彼がリニューアルして戻ってきた。
 前はこんな感じではなかったような気もしなくはないが……。
 過去は振り返らない主義だ。
 今の鎌使いのお兄さんを受け入れることとしよう。

「アマニ……余計な手出しをするな!」

「まったまたぁ~。サトル君たら、無理しちゃって敵同士だったワイらが、こうしてマーダ様の下で共に働く! これって幸せなことだよねぇー」

「とにかく、アンタは伝説の木だけ用意してくれればいい。そうすれば、マーダ様の大願成就は果たされる」

「良く言う。君って、抜け目ないよねぇ~。マーダ様の事情にかこつけて漁夫の利を得ようとするのは、ズルいんじゃないかな?」

「ほざけ! オマエがマイペース過ぎるだけだ。あの方の信頼を勝ち取るには、多少、強引な手を使おうとも僕は躊躇しない」

 俺のことを放っておいて大丈夫なのか?
 そう心配するぐらいに、二人は話に夢中になっていた。
 ちなみに、あと三秒でソーラーレイが発動する、3、2、1。

「「だぁあああああ―――――!!」」

 天より、いでし裁きの光。
 その中で三つの人影が、3000~6000度の高温にさらされ躍り狂う。
 デジタルモードという無効化能力が備わっている半導体の俺からすれば日光浴でしかない。
 しかしながら、高齢であるワカモトさんには厳しい光だ。
 意識がない以上、安全な場所へと連れていってやるべきだ。

「インジウムホスファイド!」
 瞬時に子牛園前の墓地へと転送してやった。
 これで、後顧の憂いは断った。
 あとはコイツらをどうにか処分すれば、エンドロールが流れてくるはずだ。

「スキルブック! 不死身ファンタジア」

 サトランの叫び声とともに、ソーラーレイの光がかき消された。
 なかなかにしぶとい奴だ。
 仮想世界想像という能力により、危機を脱したようだ。

「ふしゅうぅぅ―――――。やってくれたな。危うく、消し炭になるところだった。今度はこちらの番だ!」

 サトランはタフな奴だと思う。
 それは良い意味でも、悪い意味でも…………。

 俺と対峙するそれは、もはや、人のカタチすら留めていなかった。
 黒く炭化した三人の姿は、まんま炭人間、見ただけで仰天してしまう。
 いくら、現実の本体が無事でも、今の奴らは誰が誰なのか? 見分けすらつかない。

「スキルブック、モノトリアム」

 アマニらしき、炭が自身の本を開きスキルを解放した。
 その動作に合わせ、焦土と化す中庭に再度、伝説の木が出現した。

「復元したのか? それよりも……スキル、DSP」

 アマニが生み出した伝説の木の正体を探るべく、高性能アナライズを使用した。
 すでに、この身はスキルブックと融合化している。
 いわば、意識の中に 本がある感覚だ。
 ほどなくして、調査の結果がでた。

 伝説の木と呼ばれているが、これは木とは程遠い物体だ。
 天界へと至る階段。
 それは、よくある物質的なモノではなく、いわゆる大人の階段という奴だった。

 小難しい話は取っ払って説明すれば、自分というモノが何であるのか? 答えをしれば知るほど天界(屋上)に通じる道が開かれるらしい。
 おそらく、マーダはその先にいる。
 アマニの能力で、生物の頂点にまで上り詰めた奴は、この星団船ごと手中に収めようとしている。
 同属である魔王になったから、マーダの考えはよく分かる。
 意味があろうが無かろうが、より多くを支配したいという欲望が永延に続く心の飢餓をもたらす。
 魔王とは、その呪縛に侵されている者たちの総称だ。

「マーダの下へと、向かうつもりか? お前ら……」

「ああ、そうだとも! 僕は人を超越した存在となり、この異世界に君臨してやる」

「待て! 俺は一言も聞いていないぞ、サトラン。というーか、身体がカリン糖みたくなってねぇーか?」

「ん? 言ってないから、当然だ。安心しなよ、グゼン。君とはここでお別れだ。ただ、この階段を上るには、願いが必要だ。ちょうど六人分の願いを背負った者だけが天界へと至る」

「ソレに何の意味があるんだ?」

 マーダを崇拝しないグゼンにとって、サトランの目論見など大した物ではないらしい。
 ドストライクで大人の正論をブチかましてくる。
 グゼンはもう誰かではない、グゼンという個人として、しっかりと成り立っている。
 それは、世代格差によるところの影響が大きい。
 未だ、何者でもないサトランは、より優れた存在になろうとしている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...