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黒幕の内
116話 天へと通じる道
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「おまっ……フッ…………フフフ。だよな! ワイの名前はアマニ。オメガ三兄弟の三男でありながらも、サボテンが完全に忘れかけていた存在、鎌使いのお兄さんや」
切なさしかない言葉とともに、彼がリニューアルして戻ってきた。
前はこんな感じではなかったような気もしなくはないが……。
過去は振り返らない主義だ。
今の鎌使いのお兄さんを受け入れることとしよう。
「アマニ……余計な手出しをするな!」
「まったまたぁ~。サトル君たら、無理しちゃって敵同士だったワイらが、こうしてマーダ様の下で共に働く! これって幸せなことだよねぇー」
「とにかく、アンタは伝説の木だけ用意してくれればいい。そうすれば、マーダ様の大願成就は果たされる」
「良く言う。君って、抜け目ないよねぇ~。マーダ様の事情にかこつけて漁夫の利を得ようとするのは、ズルいんじゃないかな?」
「ほざけ! オマエがマイペース過ぎるだけだ。あの方の信頼を勝ち取るには、多少、強引な手を使おうとも僕は躊躇しない」
俺のことを放っておいて大丈夫なのか?
そう心配するぐらいに、二人は話に夢中になっていた。
ちなみに、あと三秒でソーラーレイが発動する、3、2、1。
「「だぁあああああ―――――!!」」
天より、いでし裁きの光。
その中で三つの人影が、3000~6000度の高温にさらされ躍り狂う。
デジタルモードという無効化能力が備わっている半導体の俺からすれば日光浴でしかない。
しかしながら、高齢であるワカモトさんには厳しい光だ。
意識がない以上、安全な場所へと連れていってやるべきだ。
「インジウムホスファイド!」
瞬時に子牛園前の墓地へと転送してやった。
これで、後顧の憂いは断った。
あとはコイツらをどうにか処分すれば、エンドロールが流れてくるはずだ。
「スキルブック! 不死身ファンタジア」
サトランの叫び声とともに、ソーラーレイの光がかき消された。
なかなかにしぶとい奴だ。
仮想世界想像という能力により、危機を脱したようだ。
「ふしゅうぅぅ―――――。やってくれたな。危うく、消し炭になるところだった。今度はこちらの番だ!」
サトランはタフな奴だと思う。
それは良い意味でも、悪い意味でも…………。
俺と対峙するそれは、もはや、人のカタチすら留めていなかった。
黒く炭化した三人の姿は、まんま炭人間、見ただけで仰天してしまう。
いくら、現実の本体が無事でも、今の奴らは誰が誰なのか? 見分けすらつかない。
「スキルブック、モノトリアム」
アマニらしき、炭が自身の本を開きスキルを解放した。
その動作に合わせ、焦土と化す中庭に再度、伝説の木が出現した。
「復元したのか? それよりも……スキル、DSP」
アマニが生み出した伝説の木の正体を探るべく、高性能アナライズを使用した。
すでに、この身はスキルブックと融合化している。
いわば、意識の中に 本がある感覚だ。
ほどなくして、調査の結果がでた。
伝説の木と呼ばれているが、これは木とは程遠い物体だ。
天界へと至る階段。
それは、よくある物質的なモノではなく、いわゆる大人の階段という奴だった。
小難しい話は取っ払って説明すれば、自分というモノが何であるのか? 答えをしれば知るほど天界(屋上)に通じる道が開かれるらしい。
おそらく、マーダはその先にいる。
アマニの能力で、生物の頂点にまで上り詰めた奴は、この星団船ごと手中に収めようとしている。
同属である魔王になったから、マーダの考えはよく分かる。
意味があろうが無かろうが、より多くを支配したいという欲望が永延に続く心の飢餓をもたらす。
魔王とは、その呪縛に侵されている者たちの総称だ。
「マーダの下へと、向かうつもりか? お前ら……」
「ああ、そうだとも! 僕は人を超越した存在となり、この異世界に君臨してやる」
「待て! 俺は一言も聞いていないぞ、サトラン。というーか、身体がカリン糖みたくなってねぇーか?」
「ん? 言ってないから、当然だ。安心しなよ、グゼン。君とはここでお別れだ。ただ、この階段を上るには、願いが必要だ。ちょうど六人分の願いを背負った者だけが天界へと至る」
「ソレに何の意味があるんだ?」
マーダを崇拝しないグゼンにとって、サトランの目論見など大した物ではないらしい。
ドストライクで大人の正論をブチかましてくる。
グゼンはもう誰かではない、グゼンという個人として、しっかりと成り立っている。
それは、世代格差によるところの影響が大きい。
未だ、何者でもないサトランは、より優れた存在になろうとしている。
切なさしかない言葉とともに、彼がリニューアルして戻ってきた。
前はこんな感じではなかったような気もしなくはないが……。
過去は振り返らない主義だ。
今の鎌使いのお兄さんを受け入れることとしよう。
「アマニ……余計な手出しをするな!」
「まったまたぁ~。サトル君たら、無理しちゃって敵同士だったワイらが、こうしてマーダ様の下で共に働く! これって幸せなことだよねぇー」
「とにかく、アンタは伝説の木だけ用意してくれればいい。そうすれば、マーダ様の大願成就は果たされる」
「良く言う。君って、抜け目ないよねぇ~。マーダ様の事情にかこつけて漁夫の利を得ようとするのは、ズルいんじゃないかな?」
「ほざけ! オマエがマイペース過ぎるだけだ。あの方の信頼を勝ち取るには、多少、強引な手を使おうとも僕は躊躇しない」
俺のことを放っておいて大丈夫なのか?
そう心配するぐらいに、二人は話に夢中になっていた。
ちなみに、あと三秒でソーラーレイが発動する、3、2、1。
「「だぁあああああ―――――!!」」
天より、いでし裁きの光。
その中で三つの人影が、3000~6000度の高温にさらされ躍り狂う。
デジタルモードという無効化能力が備わっている半導体の俺からすれば日光浴でしかない。
しかしながら、高齢であるワカモトさんには厳しい光だ。
意識がない以上、安全な場所へと連れていってやるべきだ。
「インジウムホスファイド!」
瞬時に子牛園前の墓地へと転送してやった。
これで、後顧の憂いは断った。
あとはコイツらをどうにか処分すれば、エンドロールが流れてくるはずだ。
「スキルブック! 不死身ファンタジア」
サトランの叫び声とともに、ソーラーレイの光がかき消された。
なかなかにしぶとい奴だ。
仮想世界想像という能力により、危機を脱したようだ。
「ふしゅうぅぅ―――――。やってくれたな。危うく、消し炭になるところだった。今度はこちらの番だ!」
サトランはタフな奴だと思う。
それは良い意味でも、悪い意味でも…………。
俺と対峙するそれは、もはや、人のカタチすら留めていなかった。
黒く炭化した三人の姿は、まんま炭人間、見ただけで仰天してしまう。
いくら、現実の本体が無事でも、今の奴らは誰が誰なのか? 見分けすらつかない。
「スキルブック、モノトリアム」
アマニらしき、炭が自身の本を開きスキルを解放した。
その動作に合わせ、焦土と化す中庭に再度、伝説の木が出現した。
「復元したのか? それよりも……スキル、DSP」
アマニが生み出した伝説の木の正体を探るべく、高性能アナライズを使用した。
すでに、この身はスキルブックと融合化している。
いわば、意識の中に 本がある感覚だ。
ほどなくして、調査の結果がでた。
伝説の木と呼ばれているが、これは木とは程遠い物体だ。
天界へと至る階段。
それは、よくある物質的なモノではなく、いわゆる大人の階段という奴だった。
小難しい話は取っ払って説明すれば、自分というモノが何であるのか? 答えをしれば知るほど天界(屋上)に通じる道が開かれるらしい。
おそらく、マーダはその先にいる。
アマニの能力で、生物の頂点にまで上り詰めた奴は、この星団船ごと手中に収めようとしている。
同属である魔王になったから、マーダの考えはよく分かる。
意味があろうが無かろうが、より多くを支配したいという欲望が永延に続く心の飢餓をもたらす。
魔王とは、その呪縛に侵されている者たちの総称だ。
「マーダの下へと、向かうつもりか? お前ら……」
「ああ、そうだとも! 僕は人を超越した存在となり、この異世界に君臨してやる」
「待て! 俺は一言も聞いていないぞ、サトラン。というーか、身体がカリン糖みたくなってねぇーか?」
「ん? 言ってないから、当然だ。安心しなよ、グゼン。君とはここでお別れだ。ただ、この階段を上るには、願いが必要だ。ちょうど六人分の願いを背負った者だけが天界へと至る」
「ソレに何の意味があるんだ?」
マーダを崇拝しないグゼンにとって、サトランの目論見など大した物ではないらしい。
ドストライクで大人の正論をブチかましてくる。
グゼンはもう誰かではない、グゼンという個人として、しっかりと成り立っている。
それは、世代格差によるところの影響が大きい。
未だ、何者でもないサトランは、より優れた存在になろうとしている。
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