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第一話
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”あぁ、今日は満月なんだ。とてもキレイだ”
雲の隙間から現れた光る月が表面の青いクリスタルを照らす。
ここはルマルの村の近くにある森の中だが、少し離れたここからでも村の光が見えてくる。
月の光を受けて光るクリスタルの一部はドス黒い岩石となっていて、形も従来と少し変わってしまいゴツゴツしていた。そして、クリスタルと岩の境目から光る赤いモノが僕を苦しめている。
それはいわば”呪いの痕跡” であり、いわば聖と邪のせめぎあいだ。望んでそんな身体になった訳ではない。それなのに、なぜこうなってしまったのだろうか。
「アァ、ドウシテ……」
ルマルの村を見ながら一人の少女を思い出し、僕はゴツゴツとした動かしにくい口を動かして独り言をしてしまう。
あの子は明日もここに来るのだろうか。何故ここに来るのかは正直わからない。しかし、これはどう考えても良い事ではない。
今の僕は人間に見られてはいけない存在だ。いや、むしろここにいる事自体がおかしいのだ。
それなのに僕はまだここに残っている。ただ、こうやってルマルの村を見ているだけで良かったのに……
そう。僕は魔王によって製造された
岩石生体爆弾兵器、ボムロック試作強化型。
その失敗作だ。
僕がここで目を覚ましたのは数十年前の話だ。
人間達がここで収穫祭の儀式を行い、巫女様と言われる人間が僕のすぐ前に座って儀式を行っていた。
その儀式の内容を見る限り、どうやら僕は” 聖なる柱”と呼ばれるとても大きく美しいクリスタルの中にいるらしい。
そして、同時に人間には見えない意識のようなモノだという事も理解した。
僕という存在を生み出したのはここにいるルマルの村の人達、そして儀式をしていた”巫女様”なのは間違いないだろう。
だから僕はあの村に恩義があるし、ずっと”聖なる柱”としてあの村を見守っていこうと心に決め長い時を過ごしていた。
しかしその安息な日々は
数週間前、突然崩される事になる。
…
……
………
いつものようにルマルの様子を見ていると、突然大柄のモンスター達が現れた。
ひと目でこの森にいるモンスターとはまったく違う力と恐ろしさを感じ取る。こいつらは魔王直属の “本物のモンスター"だ。
そしてモンスター達は2メートルはある僕を力任せに地面から引き抜き、そのまま魔王の城に運んでいき、連れていかれた大部屋には様々な岩や石が並べられている。
それらは全て普通とは異なっていて光っていたり、不思議な形をしていたり、魔力を帯びていたりと様々だった。
“やぁ。君もここに連れてこられたんだね"
隣に置かれていた赤い岩が僕に話しかけてきた。ここにある不思議な岩、石の中には僕と同じく意識を持つモノも多かった。
詳しく話を聞いたら、僕らは人間やモンスターには認識の出来ない“精霊“と呼ばれる存在らしい。
“僕達はどうなってしまうの?”
“ここのオーラで気が変になりそうだ!"
“怖い……誰か助けて……"
という声がそこかしこから聴こえてくるが、その声を一瞬で打ち消すかのようにこの大部屋に魔王が現れた。
“ヒィッ!"
“こいつが、魔王……!"
今までとは比べられないドス黒い邪悪なオーラに僕達は圧倒された。生き物では無い僕達にでもわかる底知れぬ力と恐ろしさ、そして邪悪さ。
ここまで来ると生き物とすら思えない。そう。まさに地獄を体現した存在だ。
「ふむ……」
魔王は集められた物を一通り見渡した後、配下達に指示を出して何かの準備を始めた。
「始めるぞ」
それから僕達の地獄が始まった。
魔王は配下が目の前に運んできた岩にゆっくり手を添えて、一気に大量の魔力を注入すると中の精霊が絶叫を上げた。
それと同時に身体の輝きが奪われ、代わりにドス黒い岩石が身体の中から生えてくる。
遂には彼は忌まわしい岩石だけの身体に成り果て、ニタニタとおぞましい笑顔を浮かべながらこちらをじっと見つめていた。
"……!?“
この光景を見ていた僕達はただただ戦慄していた。
"あれは……“
“ボムロックだ!“
ボムロック。それは岩石で出来た生体爆弾。衝撃等により大爆発を起こして相対しているパーティーに大ダメージを与えるモンスターだ。
勿論、ボムロック自身も爆散してしまう為生きられない。人間からは畏怖を込めて”爆弾岩”と呼ばれているがまさに爆弾兵器だ。
“しかし変だ。あれは俺の 知ってるボムロックではない“
彼が言うには、一般的なボムロックとは色や大きさが異なり、おそらく爆発力も桁違いだろうとの事だ。つまり、特殊な岩や石を使った強化型ボムロックを作るのが、魔王達の目的なのだと精霊達は理解した。
ある意味死ぬより酷い最悪の結末を迎えてしまう。
それからは阿鼻叫喚だった。モンスター達には聞こえない叫びや号泣、憎悪、絶望が大部屋の中で響き渡る。
一部の岩はそのまま死んでしまい、大半がボムロックに成り果てる。段々と大部屋の中におぞましい大小のボムロックがうごめく地獄絵図。
さっき話しかけてきた赤い岩の彼も、醜いボムロックになってしまった。ついに僕の番だ。
配下のモンスターに運ばれて魔王と対峙する。手を添えられる前でもこの圧迫感。これは抵抗不可能だと諦めたくもなるが、それでも僕は最後まで抵抗したい。
例え死ぬ事になったとしても、モンスターでは無く僕は僕のままで……
そして死刑執行されるように、ゆっくりと魔王の手が僕の身体に添えられる。
“!!!!”
想像を絶する痛みが体中を駆け巡る。まるでマグマの中に入れられたようだ。更に魔王の魔力は精神まで侵食してきた。今まで体験した事の無い強い不快感に思わず悲鳴を上げる。
魂の中に刻まれてゆく魔王の呪い。例えるなら怒り、怨念、哀しみの結晶。この世界を憎まずにはいられない狂気。きっと、この怒りや悲しみが爆発エネルギーの根源なのだろう。
少しずつ消えてゆく意識。でも、僕は最後まで抵抗する。僕自身の為、そしてルマルの皆の為。僕はルマルの村を見守らないといけない。聖なる柱として、そして僕を生んでくれたあの巫女様にもう一度会いたい。
もう一度あの人の笑顔を見たい。
そして、頭の中が焼き切れる寸前、どこからかあの人の声が聞こえた気がした。
「神の祝福と光あれ」
僕はその言葉を意識を失うまで頭の中で繰り返していた。
…
……
………
そして、どれ程の時が経過したのだろう。気がつけば僕は夜空の下、元の森の中にいた。
周りにはモンスターもおらず穏やかな空気が流れている。まるで長い悪夢を見ていたかの様だ。しかし、残念ながらあれは夢ではないと身体中の痛みが訴えてくる。
身体の所々から見える今まで無かった鈍く光る赤い筋がまるでにじみ出る血の様でありジリジリと火傷のように身体を痛めつけてくる。まるで、何かの境界線のようだ。
そして、一番の大きな変化は極めて感覚的なモノで、見えている世界、聞こえてくる音、におい、触感全てが今までとは異なり” ダイレクトに”感じる事が出来ている。
この感覚は間違いない。今までの意識という存在ではなく、現実の物質として存在している。
つまり僕はモンスターとして”受肉"している。
何故、途中で変態が止まり完全なボムロックにならなかったのか。
何故、魔王から解放されて元の場所に戻ってこれたのか。
それはわからないが、いずれにせよ” 僕のまま”でまたここに戻れた事を素直に喜ぶべきだろう。モンスターとなった僕は動きにくい身体を頑張って動かして綺麗な夜空を見上げた。
…
……
………
そうして今に至る訳だが、この穏やかな日がいつまで続くのか、僕は不安だった。
雲の隙間から現れた光る月が表面の青いクリスタルを照らす。
ここはルマルの村の近くにある森の中だが、少し離れたここからでも村の光が見えてくる。
月の光を受けて光るクリスタルの一部はドス黒い岩石となっていて、形も従来と少し変わってしまいゴツゴツしていた。そして、クリスタルと岩の境目から光る赤いモノが僕を苦しめている。
それはいわば”呪いの痕跡” であり、いわば聖と邪のせめぎあいだ。望んでそんな身体になった訳ではない。それなのに、なぜこうなってしまったのだろうか。
「アァ、ドウシテ……」
ルマルの村を見ながら一人の少女を思い出し、僕はゴツゴツとした動かしにくい口を動かして独り言をしてしまう。
あの子は明日もここに来るのだろうか。何故ここに来るのかは正直わからない。しかし、これはどう考えても良い事ではない。
今の僕は人間に見られてはいけない存在だ。いや、むしろここにいる事自体がおかしいのだ。
それなのに僕はまだここに残っている。ただ、こうやってルマルの村を見ているだけで良かったのに……
そう。僕は魔王によって製造された
岩石生体爆弾兵器、ボムロック試作強化型。
その失敗作だ。
僕がここで目を覚ましたのは数十年前の話だ。
人間達がここで収穫祭の儀式を行い、巫女様と言われる人間が僕のすぐ前に座って儀式を行っていた。
その儀式の内容を見る限り、どうやら僕は” 聖なる柱”と呼ばれるとても大きく美しいクリスタルの中にいるらしい。
そして、同時に人間には見えない意識のようなモノだという事も理解した。
僕という存在を生み出したのはここにいるルマルの村の人達、そして儀式をしていた”巫女様”なのは間違いないだろう。
だから僕はあの村に恩義があるし、ずっと”聖なる柱”としてあの村を見守っていこうと心に決め長い時を過ごしていた。
しかしその安息な日々は
数週間前、突然崩される事になる。
…
……
………
いつものようにルマルの様子を見ていると、突然大柄のモンスター達が現れた。
ひと目でこの森にいるモンスターとはまったく違う力と恐ろしさを感じ取る。こいつらは魔王直属の “本物のモンスター"だ。
そしてモンスター達は2メートルはある僕を力任せに地面から引き抜き、そのまま魔王の城に運んでいき、連れていかれた大部屋には様々な岩や石が並べられている。
それらは全て普通とは異なっていて光っていたり、不思議な形をしていたり、魔力を帯びていたりと様々だった。
“やぁ。君もここに連れてこられたんだね"
隣に置かれていた赤い岩が僕に話しかけてきた。ここにある不思議な岩、石の中には僕と同じく意識を持つモノも多かった。
詳しく話を聞いたら、僕らは人間やモンスターには認識の出来ない“精霊“と呼ばれる存在らしい。
“僕達はどうなってしまうの?”
“ここのオーラで気が変になりそうだ!"
“怖い……誰か助けて……"
という声がそこかしこから聴こえてくるが、その声を一瞬で打ち消すかのようにこの大部屋に魔王が現れた。
“ヒィッ!"
“こいつが、魔王……!"
今までとは比べられないドス黒い邪悪なオーラに僕達は圧倒された。生き物では無い僕達にでもわかる底知れぬ力と恐ろしさ、そして邪悪さ。
ここまで来ると生き物とすら思えない。そう。まさに地獄を体現した存在だ。
「ふむ……」
魔王は集められた物を一通り見渡した後、配下達に指示を出して何かの準備を始めた。
「始めるぞ」
それから僕達の地獄が始まった。
魔王は配下が目の前に運んできた岩にゆっくり手を添えて、一気に大量の魔力を注入すると中の精霊が絶叫を上げた。
それと同時に身体の輝きが奪われ、代わりにドス黒い岩石が身体の中から生えてくる。
遂には彼は忌まわしい岩石だけの身体に成り果て、ニタニタとおぞましい笑顔を浮かべながらこちらをじっと見つめていた。
"……!?“
この光景を見ていた僕達はただただ戦慄していた。
"あれは……“
“ボムロックだ!“
ボムロック。それは岩石で出来た生体爆弾。衝撃等により大爆発を起こして相対しているパーティーに大ダメージを与えるモンスターだ。
勿論、ボムロック自身も爆散してしまう為生きられない。人間からは畏怖を込めて”爆弾岩”と呼ばれているがまさに爆弾兵器だ。
“しかし変だ。あれは俺の 知ってるボムロックではない“
彼が言うには、一般的なボムロックとは色や大きさが異なり、おそらく爆発力も桁違いだろうとの事だ。つまり、特殊な岩や石を使った強化型ボムロックを作るのが、魔王達の目的なのだと精霊達は理解した。
ある意味死ぬより酷い最悪の結末を迎えてしまう。
それからは阿鼻叫喚だった。モンスター達には聞こえない叫びや号泣、憎悪、絶望が大部屋の中で響き渡る。
一部の岩はそのまま死んでしまい、大半がボムロックに成り果てる。段々と大部屋の中におぞましい大小のボムロックがうごめく地獄絵図。
さっき話しかけてきた赤い岩の彼も、醜いボムロックになってしまった。ついに僕の番だ。
配下のモンスターに運ばれて魔王と対峙する。手を添えられる前でもこの圧迫感。これは抵抗不可能だと諦めたくもなるが、それでも僕は最後まで抵抗したい。
例え死ぬ事になったとしても、モンスターでは無く僕は僕のままで……
そして死刑執行されるように、ゆっくりと魔王の手が僕の身体に添えられる。
“!!!!”
想像を絶する痛みが体中を駆け巡る。まるでマグマの中に入れられたようだ。更に魔王の魔力は精神まで侵食してきた。今まで体験した事の無い強い不快感に思わず悲鳴を上げる。
魂の中に刻まれてゆく魔王の呪い。例えるなら怒り、怨念、哀しみの結晶。この世界を憎まずにはいられない狂気。きっと、この怒りや悲しみが爆発エネルギーの根源なのだろう。
少しずつ消えてゆく意識。でも、僕は最後まで抵抗する。僕自身の為、そしてルマルの皆の為。僕はルマルの村を見守らないといけない。聖なる柱として、そして僕を生んでくれたあの巫女様にもう一度会いたい。
もう一度あの人の笑顔を見たい。
そして、頭の中が焼き切れる寸前、どこからかあの人の声が聞こえた気がした。
「神の祝福と光あれ」
僕はその言葉を意識を失うまで頭の中で繰り返していた。
…
……
………
そして、どれ程の時が経過したのだろう。気がつけば僕は夜空の下、元の森の中にいた。
周りにはモンスターもおらず穏やかな空気が流れている。まるで長い悪夢を見ていたかの様だ。しかし、残念ながらあれは夢ではないと身体中の痛みが訴えてくる。
身体の所々から見える今まで無かった鈍く光る赤い筋がまるでにじみ出る血の様でありジリジリと火傷のように身体を痛めつけてくる。まるで、何かの境界線のようだ。
そして、一番の大きな変化は極めて感覚的なモノで、見えている世界、聞こえてくる音、におい、触感全てが今までとは異なり” ダイレクトに”感じる事が出来ている。
この感覚は間違いない。今までの意識という存在ではなく、現実の物質として存在している。
つまり僕はモンスターとして”受肉"している。
何故、途中で変態が止まり完全なボムロックにならなかったのか。
何故、魔王から解放されて元の場所に戻ってこれたのか。
それはわからないが、いずれにせよ” 僕のまま”でまたここに戻れた事を素直に喜ぶべきだろう。モンスターとなった僕は動きにくい身体を頑張って動かして綺麗な夜空を見上げた。
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