お地蔵さまとなった”爆弾岩”はそっと少女の様子を見ている

 そう。僕は魔王によって製造された岩石生体爆弾兵器。
 ボムロック試作強化型。

 その失敗作だ。

 ルマルの村で “聖なる柱”として崇められていた巨大なクリスタル柱が、魔王の城に運ばれて新型ボムロックの素材にされてしまう。
 しかし、柱の中にいた精霊によって完全なロックボムにはならず、失敗作として元の森に捨てられた数日後、一人の少女と出会う。

「爆弾岩? だったらお地蔵さまの名前はバクちゃんだね。よろしくね。バクちゃん!」

 これは爆弾岩と少女が紡ぐささやかな願いの物語である。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,417 位 / 184,417件 児童書・童話 3,201 位 / 3,201件