世界の終焉

ぴんくじん

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エマ

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エマのエゴな一方的な求愛に遂に答えてあげることにした石田健太。

「やっとね、やっと石様が私のことを視野に入れてくれたわ」

大分低い位置から、声が聞こえてくる。それもそうだ。エマは土下座をしていた。初手にひざまづけ、これは石田健太の口癖だ。

「私、そろそろ立ってもいいかな、図書館で土下座は恥ずかしいし、膝とか痛いかも」

「おい、お主、それでも武士か」

「ううん、私はエマ。国も日本じゃないもの。武士なんか知らないわ」

「ほぅ、武士じゃないと。なるほどな。ではお前は誰なんだ」

「私はエマ。とにかく美しい女よ。私が見つめた男は皆揃って固まるから、現代のメデューサって呼ばれてるの。メデューサも元は美女だもの。とにかく美しいの、神様の労力の結果が私なの」

「好かんね、美しさがこの世で大変価値のあるモノという認識がね。かの堰久原将軍は言ったよ、美しさなんて剣を一刺しするだけでジ・エンドってね。エマ、お前は確かに美しいさ。だけどそんなものは数瞬な存在なんだよ。」

「分かってるわ。美しさの寿命が短いことくらい。私は賢い美女よ。しかも美しさは壊れやすい、プラモデルみたいにすぐ壊れるもの。だからそんなに儚くて貴重なモノを石様に献上しようって言ってるのよ」

エマは男の正気を殺す一番の武器、艶のある長いエロい金髪を搔きあげながら、キッと睨みを利かしてきた。

フフフ..勝手に立ってやがる、まだ起立の指示は出してないぞ。気の強い女...鞭だけでは満足しないか、飴がほしいか...これだからブロンド女は...強欲め

「...ごめんよエマ。エマの美しさに嫉妬していたんだ。女とか男とかは関係ない。美しさを平等に配分しない神に怒るべきだったな。ごめんよエマ」

「え...私こそごめんなさい。石様を睨んだりして、勝手に立っちゃったし...そうよね、私に集中しているこの美しさを人々に平等に配分できれば、平和よね世界は」

「そうだよエマ。世界から争いが消えないのは、神が美しさの配分をサボったからだ。だからエマ!いまから神を殺しに行かないか?サボる神なんて要らないだろ」

「う...うん。私は神様に何の恨みもないけど、石様がそういうなら、いや、私も神様を殺したい。殺したいの。一緒に殺しに行きましょう」

「エマ嬉しいよ、僕と同じ気持ちだったなんて。でもさ、その前にエマにお仕置きしないとな、何も言ってないのに勝手に立ち上がっただろ」

「そうだったわ。なんでも受け入れます。悪いのはこのエマ」


「そうか、それは良かった。うーん、じゃあこんなお仕置きはどうだろうか。エマが勝手に立ち上がるから、僕のある部分も勝手に立ち上がってしまったんだ。図書館の中ではあるけども、僕の勝手に立ち上がったある部分をしゃぶっ...」

シミュレーションはこのぐらいでいいだろう。

僕の名前は石田健太42歳独身童貞だ。

いままでに彼女が出来たことがない。初手にひざまづけは、中学生の時に、僕の事を虐めていた亜衣子さんの僕に対する口癖だ。

しかし、そんな僕にもやっとチャンスが巡ってきた。

出会い系サイトで以前から絡んでいた女の子と会うことになったんだ。

今日の午後1時私立図書館で待ち合わせだ。あと一時間ある。

雰囲気が暗くて友達のいない奴が嗜む趣味の読書。

ご多分に漏れず、僕の趣味も読書だった。相手の女の子も読書が趣味らしく、自然と初デートは図書館ということになった。

僕はこの恋愛に賭けている。恋愛にまで発展するかは分からないが、僕が発展させる。フロンティアスピリットだ。

「よし、恋愛シミュレーション通り進めるぞ、まずは初手にひざまづけさせてと...」

神様へ、なぜ可哀想な人間を作るんでしょうか?
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