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ルチア十六歳、魔法学園編
実技の授業
しおりを挟む「ヤバイヤバイ! どうしたら良い?」
ーーうーん。妖精達と話すのは良いとして、その時にテンションが上がっていっぱい妖精たちが集まりそうなんだよな。そうなるとまずい。
ーーだよなぁ……どーする?
ーーあっ! そうだ! 今妖精を呼んで相談しとくんだよ。
黒ちゃんが相談すればと言い出したけど……妖精さんと相談?
「えっ? 妖精さんを呼んでどんな相談をするの?」
ーールチィが次の実技の時に呼ぶ妖精を、今決めとくんだよ。代表三人位。後の奴は来たらダメってな。
「なるほど! 黒ちゃん頭良い。じゃあ今呼んで相談したら良いんだよね」
ーーそうだけど……もう少し人気がない場所に移動しよ。この前学園を散歩してた時にいい場所を見つけたんだ。そこで妖精達と相談だ!
★★★
「わぁ……」
こんな場所があったんだ。
私たちは使って居ない校舎裏に来ている。古びた建物だけど魔法映画のセットみたいで、厳かな感じを醸し出している。
……こんな場所が学園にあったんだ。
「ここなら誰も来ないよね?」
ーーそうだな
「妖精さーん。ちょっと集まって貰って良いかなー!」
少し見上げて妖精さんたちに声をかける。
ーーん?
ーールチィ?
ーーどしたのー学園はダメじゃないの?
ーー近く行って良い?
学園ではダメだと言ってたので良いのかな? と少し困惑している。
「今は良いよー! お願いがあるから!」
ーーはーい
ーー来たよー何?
「あのね? 秘密の作戦何だけどね!」
ーーワクワク
ーー秘密?
ーードキドキ
秘密と言うと無邪気にはしゃぐ妖精さんたち。小さな子供みたい。
「次呼ぶ時は、代表三人だけが来てね。後の子達は、今集まってない子達が来ないように、全力で止めてね? 大丈夫? 出来る? 秘密のミッションだよ」
ーーゴクッ
ーー秘密
ーードキドキー
「お礼は魔力たっぷりのクッキーだよー」
ーーやた
ーー頑張る
ーー任せてー
妖精さんたちが、秘密のミッションと楽しそうに飛び回っている。
ええと……大丈夫だよね?
ーールチィもうそろそろ行かないと!
「うんっ。妖精さん達後でねー!」
ーーわかたー任せてーミッションー
実技授業をする校庭に走っていくと……先生やクラスメートが集まっている。
わっ! みんないる! ギリギリだった。……ふう。
「クスクスッ。何も出来ないのが恥ずかしいから、来ないの思ったけど? 来たのね」
わざわざシャリオンさんが寄って来て、嫌味を言う。
ーー何だあいつ? イラつくな。
むうー。後で覚えといてよ? 妖精さん達、お願いだよー。
「では皆さん! 妖精達を感じる事は出来ますか? 私と一緒にやってみましょう!」
先生の話の後、シャリオンさんが前に出る。
「アレン先生! 始めに委員長のお手本が見たいです!」
「「「オオー!」」」
その言葉に盛り上がるクラスメートたち。やっぱりね……こうなると思ったよ。
「そうですか? ではルチアさんお願いしても良いですか?」
先生も少しみたいのか、瞳が輝いている。
ようし……やるぞ!
妖精さんたち? 頼んだよ?
「はい! 頑張ります!」
おおーい妖精さん達ー!!
ーーはいはい! 来たよー
ーー賢い?
ーーミッション
わぁありがとう!
ちゃんと三人だけ来ている!
「今妖精さん達が来てくれましたが、何の魔法を使いますか?」
「おお! 妖精を呼ぶ事も出来るのですね。素晴らしい! では風魔法をお願いします。」
風魔法かぁ。どんなのが良いのかな?
分かりやすく竜巻みたいなの作る?
ようし! 妖精さん達力を貸してね。
竜巻をイメージして……
「竜巻みたいな風ええと……《ハリケーン!》」
ーーあっ! それっヤバいっ
ん?
みんなの目の前に大きな竜巻が巻き上がり、突風を巻き起こす。
ちょっとまって!?
思ってたのの何倍も大きい。小さなのをイメージしてたのに!
どーしよ……?
ーーヤバイなっ!
パチンッ
黒ちゃんが指を鳴らすと竜巻が消えた。
助かったぁ。
「ふぅーっ」
竜巻が消えたけど、まだ皆は呆然としている。
『さすがだのルチア嬢』
パチパチパチパチッ
ドヤ顔のシェラ様だけ拍手喝采。
参観日のお父さんみたい。ちょっと恥ずかしい。
シェラ様が発言したら、クラスメートたちも急に我に返ったのか、一斉に拍手が巻き起こる。
パチパチパチパチパチパチ
「オオー!」
「凄い!」
「あんな魔法初めて見た! さすが委員長! すげー!」
「なっなっ何で? 人族の分際で強力な魔法を使えるなんて……!何よ! 何なのよっ! あれくらい私だって出来るわよ! あれをもっと上回るくらいのを私が今から見せてあげるわよ!」
シャリオンさんが一人、顔を真っ赤にして文句を言っている。
それをシェラ様が見逃すはずも無く。
『ほう……ルチア穣より凄いだと? シャリオンよ、では見せて貰おうか』
シェラ様がシャリオンさんを煽る。
「任せて下さい! 余裕です」
『ほう? それは楽しみだの』
今度はシャリオンさんがみんなの前に出る。
「妖精達よ我に集まれ!」
そして妖精さんを呼ぶのだけれど……。
シーーーーーン。
「えっ? 何で妖精が来ないの? 妖精たちよ! 集まれっ」
(シェラザード様が楽しみにしてくれているのよ? 何で? 空の上には沢山集まってるのに!? 何でみんな降りて来ないの?)
「妖精達よ! 集まってってば! 何でよ? 集まってよ!」
シーーーーーーン。
「んんっ……今日は調子が悪いみたいです。いつもは出来るんですが……」
シャリオンさんが肩をガックリと落として歩いて行った。
ーーククッいい気味だよ。
ーー今は何をしても妖精達は降りて来ないよ。
「えっどう言う事?」
ーー上をよく見て? ルチィがお願いした妖精達が、他の妖精が来るのを止めてるのが見えるだろ?
「本当だ……」
シャリオンさんの邪魔までしちゃった。
★★★
「では皆さんで妖精達を感じ、声に耳を澄ましましょう!」
「うーん。何も聞こえない……」
「今日は周りに全然妖精がいない」
「こんな事は珍しいですね?」
アレン先生が首を傾げる。
「これは……次回に再チャレンジしましょうか。」
実技の授業は、結局何も出来ずに終わった。
ごめんなさい。私の責任です。
次からは別の作戦考えないと。
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