ギロチン悪役令嬢の異世界配信~断罪回避するために幼少期から配信したら、色んな人から慕われる。え、スパチャでスキルが買えるんですか!?

大福金

文字の大きさ
17 / 27

アルビダ様は天使

しおりを挟む

「あっ……あのう……ジェイデン様……離していただけると」
「わっ、ごっ、ごめんね。嬉しくって、ついジュリアにするみたいに抱きしめてしまった」
「いっ、いえ……大丈夫です」

 アルビダに言われ慌てて離れるジェイデン。その頬は少し赤い。

 ジェイデンは、恥ずかしさを隠すように「父と母に、ジュリアの容体が回復したと告げてきます」と言って慌てて部屋を出て行った。

『あ~あ……アビィったら、あれだけ妖精達に注意されていたのに、ジェイデンを攻略ちゃったね。ヤンデレ化しないことを祈るよ』

 ジェイデンが部屋を出ていくと、ロビンが動き出す。

「え……コウリャク? よく分かりませんが。そんな事はしていないと思うのですが、わたくし達はお薬を一緒に作っていただけですよ?」

 アルビダはロビンの言っている意味が分からず首を傾げる。ロビンはというと、そんなアルビダの姿をジト目で見つめ、両手を上げやれやれとジェスチャーをするのだった。
 
『まぁ……そうだけどね。アビィはまだまだお子ちゃまだね』
「む! なんだかバカにされているような気がします。あっ、そうですわ! お屋敷に帰ったら妖精さんたちにも報告しないとですね。ジュリア様のことを心配していましたから」
『それはいいね。今日はまだ配信してないから、妖精達も喜ぶだろうね』
「ふふふ。嬉しい報告ができますね」

 アルビダはスヤスヤと気持ちよさそうに眠っているジュリアに視線を送る。さらに容体が良くなってきているのが分かり、嬉しくてアルビダの表情が綻ぶ。

 ——薬の効果がこんなにも早く出るなんて、これは想定外でした。

 そんな時。
 ドタドタドタと激し足音と共に、勢いよく部屋と扉が開かれる。
 そこには、リンドール公爵と夫人さらにアルビダの父が、ジェイデンに連れられ中に傾れ込むように入ってきた。
 
「ジュリアの病が治ったって! 本当かい?」
「ジュリア!!」

 リンドール公爵の声に驚き、眠っていたジュリアが目覚める。

「……んん。どうしたのお父様? そんな声を荒げて?」

 ジュリアが目を擦りながら起き上がる。

「ジュリアがっ、起き上がってっ……ふぅぅっ」

 眠そうに目を擦るジュリアの姿を見たリンドール公爵夫人が勢いよく抱きしめる。その二人をさらにリンドール公爵が上から抱きしめた。そんな二人の姿を後ろからジェイデンは瞳を潤ませ見つめていた。

 ジュリアは何が起こったのか理解できずキョトンとしていたが、自分の病気が完治したのだと理解すると一緒になって泣いて喜んだ。

 アルビダの父マティアスも、無表情にリンドール公爵達を見ていたが、その心の声は表情とは真逆で……。

〝よがった……良かったなぁ。ふぅぅっ、私もアビィが病気になどなったら生きていけぬ。本当に元気になってくれて良かった〟

 そんな父の心の声を聞いてアルビダはほっこりし、幸せな気持ちになるのだった。



★★★


「あっ、あのう、頭を上げてください! お願いします」

 リンドール公爵、夫人、ジェイデン、ジュリアがアルビダに向かって頭を下げている。

 当のアルビダは、リンドール公爵たちにどう対応していいのか分からず困惑しいている。

 感動の対面が終わると、どうしてジュリアの病気が完治したんだとの疑問が浮かぶ。それをジェイデンが得意げに、アルビダ嬢が治癒方法を見つけてくれたとリンドール公爵に話した。

 その後の展開がこれである。

 アルビダはもう心底やめて欲しいのだが、それをリンドール公爵は全く気くきがない。
 
「そういうわけにはいかない! 治癒師の誰もが匙を投げた原因不明の病を、アルビダ嬢が解明し、治癒の薬まで作ってくれた。ジュリアの父として……どうお礼をしたらいいのか……ふぅぅっ」
「そうですよ! わたくし達はアルビダ様に最大限のお礼がしたいのです。ジュリアを助けていただきありがとうございます」

 そう言って頭を下げることをやめない。
 自分がしたことがこんなことになると思ってなかったアルビダはもうどうしていいのか分からない。
 そんな困惑しているアルビダの様子を見て、いち早く冷静になったのが父マティアス。
 リンドール公爵にアルビダが困っているから止めろと忠告してくれた。
 父の助言でやっと頭を上げ、リンドール公爵と落ち着いて話ができるようになったのだが。

 冷静を取り戻したリンドール公爵と父マティアスは、アルビダの鑑定能力に目を向けた。

 なぜそんな能力がアルビダにあるのかと、新たに取り調べが始まるのだった。

 アルビダはこの難関をどう乗り越えようかと、再び頭を悩ませロビンをギュッと抱きしめた。

 ——困りましたわ。みなさまにどう説明すればいいのでしょう?




★★★




ロビン『アビィお疲れ様、無事にジュリアの病が治って良かったね』
アルビダ『はい! 皆様が幸せで……わたくしも嬉しいです』
ロビン『だけど新たな問題が発生したね?』
アルビダ「そうなのです。わたくしどうしたら……」
ロビン『こんな時は読者ようせいさんたちに聞いてみたりしてもいいかもね』
アルビダ「あっ……そのう……わたくし頑張りますのでコメントスパチャで応援、助言していただけるとありがたいです」
ロビン『応援やアイデアを教えて貰えるといいね』
アルビダ「はい♡」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

乙女ゲームは始まらない

みかん桜
恋愛
異世界転生した公爵令嬢のオリヴィア。 婚約者である王太子殿下の周囲に、乙女ゲームのヒロインを自称する女が現れた。 だが現実的なオリヴィアは慌てない。 現実の貴族社会は、物語のように優しくはないのだから。 これは、乙女ゲームが始まらなかった世界の話。 ※恋愛要素は背景程度です。

醜悪令息レオンの婚約

オータム
ファンタジー
醜悪な外見ゆえに誰からも恐れられ、避けられてきたレオン。 ある日、彼は自分が前世で遊んでいたシミュレーションRPGの世界に転生しており、 しかも“破滅が確定している悪役令嬢の弟”として生きていることに気付く。 このままでは、姉が理不尽な運命に呑まれてしまう。 怪しまれ、言葉を信じてもらえなくとも、レオンはただ一人、未来を変えるために立ち上がる――。 ※「小説家になろう」「カクヨム」にも投稿しています。

処理中です...