お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
84 / 314
本編 燦聖教編

奴隷商

しおりを挟む

「ここが奴隷商の店?」

貴族に教えて貰ったこの建物は、どー見ても豪華な貴族の屋敷に見える。何も看板など無い。

「普通の家みたいじゃな?」

「パールもそう思うか?本当にここが奴隷商の店なのか……?」

「おい?お前ら俺達に嘘を言ってるんじゃねーだろうな?嘘ついてたら……」

スバルが案内をさせた貴族を睨んで脅す。

ヒィッ!
「嘘など!動物様につく筈ありません!ここが奴隷商のお店で間違いありません!中に入るには合言葉が有って……」

「合言葉じゃと?」

「はっはい!入り口にあるベルを三回鳴らし、扉の横にある銅像に向かって合言葉『燦聖教の教え』と唱えれば扉が開きます」

なるほど……違法だからバレない様に厳重に偽装してるんだな。

「分かったのじゃ!お主らがいつも奴隷を買いに来た時の様に振る舞い、この扉を開けるのじゃ!」

「わっ私が?」

「他に誰かおる?早くするのじゃ!」

「「はい!」」

貴族達がベルを鳴らし合言葉を唱えると、扉が開き男性が現れた。

「おお!これはロンダール様!先程は奴隷の購入ありがとうございました。購入奴隷に何か問題でも?」

「えっ……問題は無いのですが紹介したいお方がこちらに」

「ロンダール様のご紹介ですか?それはさぞ素敵な貴族様でありましょうね?はて?どちらに?」

奴隷商の男はキョロキョロと周りを見渡す。

「紹介者はワシらじゃ!早く奴隷が居る場所に案内するのじゃ!」

「ひっ!猫が喋った!」

「もうそれは聞き飽きたのじゃ!早く案内せんと……」

パールは案内をした貴族、ロンダールをチラリと見る

ヒィッ!
「こちらの方達は!訳あってこの姿をしておりますが!私などとは比べ物にならない程、高貴なるお方です。
身バレしないように高ランク魔法にて偽装していらっしゃるのです!決して失礼が無い様にお願いしますよ!」

ペラペラと俺達が貴族であるかの様にロンダールは話す。
それを聞いた奴隷商はその話を信じ……

「高貴なるお方に失礼致しました!申し訳ございません!」

頭を下げ俺達を室内に招き入れる。

「偽装して奴隷を購入しにこられる貴族様はいらっしゃいますが、これ程の高ランク魔法を使い偽装して来店される貴族様は初めてです!」

奴隷商の男は意気揚々と話し奴隷がいる部屋へと俺達を案内する。

案内された部屋には三十人以上の獣人族の子供が檻に入れられていた。

「素晴らしいでしょう?この品揃え!」

「これが全ての獣人族なのか?」

「あとはお値段は高くなりますがあちらの部屋に大人の獣人族がおりますよ?」

そう話し扉を開けた。

「成人した獣人族は捕まえるのが大変ですからね?四匹しかおりませんが、どれも美しく愛玩動物としては最高の代物かと」

扉の奥には獣人族の大人達がこちらを睨みたたずんでいた。

「紹介ありがとう!パール始めようか?」

「そうじゃの!」

パールは大人の獣人族が入った檻の鍵を開け、隷属の首輪を外していく。

「ちょっなっ何をしてるんですか!」

「五月蝿いのじゃ!お前はコレを付けて黙っておれ!」

パールは奴隷商の首に隷属の首輪を付けた。

「はわっ!なっ何で?私の首に?隷属の首輪?とっ取れない!くぅ」

突然自分の首に隷属の首輪が付いた奴隷商は騒ぎ出す。

「黙れ!」

「・・・・」

慌て蓋めいていた奴隷商は、首輪の効力ですぐに大人しくなる。


隷属の首輪がとれ自由になった獣人族の大人達は、自分に何が起こったのか理解が追いつかない。

「お主らはもう自由じゃ!今まで辛かったのう」

「わっ私達を助けてくれたのですか?」
「そんな大それた事してないんじゃがの?」

「ありがとうございます!」

獣人族の大人達は俺達に平伏した。

「そんな事しなくて良いからな?普通にしてくれ?」

「そうじゃ!そして何故誇り高き獣人族のお主らが此奴らに捕まったのか教えて欲しい」

奴隷にされた獣人族は隣国ジャバネイル王国に住む獣人族だった。

「お主らは隣国の獣人族じゃったのか……」


しおりを挟む
感想 1,519

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。