お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

謎のキノコ

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「くそーっまたトレントが一番かっ」

『トレント凄いのだっ』
『ティアはくやちいの!』
『…トレント…上手…』

『トレーント♪』

皆に褒められトレントは嬉しいのか、クルクルその場を回転する。

何であんな枝で魚がジャンジャン釣れるんだ……謎でしかない。

釣り大会も終わり、俺達はプラプラと森を歩き進めている。

シガーの森に生えている植物や木は見た事がない物が多い。
異国に来たって感じがする。
桃色や水色の葉っぱなどカラフルな葉を繁らせた木が沢山生えている。草だって紫、赤、青、黄と色んな色の草が生息している。

森なのに何だか明るくて少し可愛い。妹のリムが見たら可愛いって喜びそうだ。

俺が木々を見つめていたら、トレントが何かを掴み持って来た。

『トレーント♪』

「何をもってるんだ?」

『トレント♪』

トレントが俺の手の平の上に何かを置いた。

「んんっ?キノコ……が服着てる!」

なっ何だコイツは?!頭はキノコ何だけど体は人みたいに服を着、よく見ると靴も履いている。

「キノコの魔物?妖精?」

「なっ!僕はキノ小人こびとだ。離してくれよ」

「わっ!キノコが喋った」

慌てて神眼で確認する。

【キノ小人族】

身長二十センチ前後の小人族の一種。
キノ小人族は、ジャバネイル王国にしか生息していない。
魔獣や人族に乱獲されるのを恐れ、ひっそりと集落を作り隠れ住んでいる。
キノ小人族に会った人族は殆どおらず、謎に包まれ空想上の生物とされている。


空想上の生物……凄いのに出会したぞ……。

「ねえ?そんな驚かなくても……僕達だって話せるよ」

「ゴッゴメンな。ビックリしてな。
所でお前達キノ小人族は、こんな人前に出ないんじゃないのか?こんな所で一人何してたんだ?」

「そそっ……そうだよ?いつも出かける時は隠蔽いんぺい魔法をかけて、見つからない様にしてるんだけど……トレントは森の精霊だから隠蔽魔法は効かなくて、捕まっちゃった。
でもトレントに捕まるなんて初めてだ」

何でトレントはコイツを捕まえたんだ?
トレントを見ると、森の奥を手の様な木で指している。

「トレント向こうに行くのか?」

「トレント♪」

トレントはそうだと言わんばかりに飛び跳ねる。

何でトレントはコイツを捕まえて向こうに行きたいんだ?
トレントは森の精霊……森を守る精霊……だったら森に住むキノ小人族を無闇に捕まえたりしない筈

分かったぞ!

「もしかしてお前迷子だろ?」

「ぎくっ!」

「ププッぎくっじゃねーよ」

「たまたまだよっ!ちょっと気になるキノコを探していたら、帰る道が分からなくなって……そのう……いつもは違うんだっ」

「はいはいっ分かったよ。トレントが家に案内してくれる見たいだぜ?」

『トレーント♪』

任せてっと言わんばかりにトレントはクルクルと回転する。

「ほっ本当か?」

『トレント♪』

「僕っ本当は怖かったんだ……家に帰れないかもって……このまま魔獣に食べられて死んじゃうかもって……ううっ」

「良かったな?」

人差し指でキノ小人の頭?キノコを撫でてやる。何だか少し嬉しそうだ。クスッ

「俺はティーゴって言うんだ?宜しくな」

「僕はピノよろしくね」

『トレント♪』

トレントが行かないのかと急かす。

「分かったよ行きます。案内してくれ」

『トレーント♪』

カラフルな草の道をトレントの後を追い歩いて行く。二十分程歩くと行き止まりになった。

『トレント♪』

トレントは土壁に吸い込まれる様に中へと入って行く。

「へっ!?」

『主~これは隠蔽魔法だの』

「そっそうか、トレントに続くぞ」

土壁に触れると何もない感触が……!そのままスルリと壁の中に入ると、目の前の世界はキノコだらけだった。

赤青黄と色とりどりのキノコが生えキノコの形をした家らしき建物が沢山ある。

俺達が入って来た所為でキノ小人族は少しパニックになり走り回っている。

青い色した少し大きなキノ小人が走って来た。
俺の肩に乗っていたピノが飛びおり青いキノ小人に抱きつく。

「父ちゃんっゴメンっ」

「ピノ……よく無事でっ本当に良かった」

親子だったのか……良かったな。

「トレント良い事するじゃん」

『トレーント♪』

トレントは嬉しいのかクルクルその場を回転しジャンプした。

ププッ……コイツ本当面白いな。ジャイコブ達と気が合いそうだ。

ピノが俺達の事を説明してくれ、キノ小人達のパニックは収まった。良かった。

ピノがキノ小人族村の一番偉い人を連れて来た。
俺は座り話を聞く、自分が巨人になった気分だ。

「私はキノ小人族村の長老マッタケですじゃ。この度はピノを助けて頂きありがとうございます。
人族のお方それに精霊様、聖獣様方感謝いたします」

マッタケ長老は俺達に深々と頭を下げた。

「このトレントが見つけたんだよ。そして、この場所まで案内してくれた」

「ああっ樹の精霊トレント様ありがとうございます」

『トレーント♪』

「是非、お礼をさせて頂きたい。もう少しこの村で、ゆっくりして下され。私共は歓迎の宴の準備をしますので」

「そんな気を使わなくでも良いんだけど?」

「私共はいつもひっそりと、キノ小人族だけで暮らしております。他種族との交流など滅多にない事!皆、嬉しいんですじゃ。皆ワクワクしてますんじゃ」

「そうか……なら。宜しくな」

俺達は初めて訪れたキノ小人族村で、宴の準備を待つ事にした。

『主~どんな宴かのう?我は楽しみなのだ』

『ティアもなの!ふふっ楽しみたの』

『オデ…こんなに小さな生き物…初めて見た…』
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