お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

新たなる街へ出発

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皆でケーキを食べ終わった後、俺達は異空間からシガーの森に出て来た。
森を出た先にあるガドウィン街を目指すためだ。

早く王都に行きたいと焦る気持ちは有るが、急いだ所で全ての状況が改善されて行く訳でもない。

初めて訪れた国ジャバネイル王国の情報を集め調べながら焦らず旅を楽しみながら行こうと決めた。

その方が気持ちも楽だ。
もちろん燦聖教に苦しめられているこの国の人達を助けたい気持ちは変わってない。

って事で、俺は森の探索を満喫している。

「わっ!何だこの葉はキラキラしている。ヴァンシュタイン王国では見た事ないぞ……《神眼》
なんだっコレは毒か……危なかった。触ったら笑いが止まらないってなんだ」

『ティーゴ!ティアは可愛い葉っぱ見つけたの』

「おっ?これは変わった形の葉っぱだな。手の平みたいな形だな」

    《神眼》

【モミジ草】
ランク A
ジャバネイル王国にしか生息していない。
赤い葉を乾燥させ細かく砕くと万能調味料になる。
その味は塩、胡椒、旨味、出汁が絶妙なバランスで合わさった絶品の味。
これを肉や魚にかけて焼くだけで美味い。

「何だこれっ凄いぞティア!何処で見つけたんだ?」

『ティア凄いの?ふふっ嬉しーの。あっちにいっぱいあったの』

ティアが嬉しそうに飛び回りモミジ草の群生地に向かって先導する。

「わっ本当だっ沢山あるな。これは今日の料理の主役になるぞー」


ティーゴが嬉しそうにモミジ草を採取している姿を、銀太とキラはまたいつもの趣味が始まったと、優しく見守っていた。残りのメンバー達は異空間でお昼寝中だ。

『主は相変わらず草集めが好きだのう……』

『ふふ…ティーゴの…しゅみ…』


このモミジ草異空間でも育てたいなぁ。
だってこの国でしか生えてないなんて、中々取りに来れないもんな。

よしっ葉っぱだけじゃなく、根っこまで掘って異空間に移植するか。

俺は必死に掘り出しては苗をアイテムボックスに入れる。

「おっありがとう。気が利きくな……ん?」

誰かが掘った苗を手渡してくれた。

『トレント♪』

「わっ!お前っ何だ急にっ」

『トレント?』

目の前に居る五十センチ程の木が、苗を渡してくれた。
丸太の木に手と足見たいな木がはえ目らしきものと口らしきものが付いている。

『主~どうしたのだ?』

『…ティーゴ…だいじょぶ?』

俺が急に大声を出したので銀太とキラが心配して走って来た。

『ほう……これは珍しいトレントではないか』

「トレント?」

俺は神眼で見てみる。

【トレント】
樹の精霊
ドライアドの仲間。
木や薬草などを植樹するのが好き。
人前にはまず現れない。
出会える事が稀とされている。出会えれば幸せになれるとも言われている。希少種



うわぁ出会えると幸せになれるだって!凄いのに出会たな。

『トレント?』

トレントは何?とでも言わんばかりにこちらを見る。

「手伝ってくれてありがとな。じゃっまたな」

『トレント♪』

トレントは嬉しいのかその場でぴょんぴょん飛び跳ねる。俺の言ってる事分かるのか?

『主は次々珍しい奴を引き寄せるのだ』

「俺によって来てるのか?」

『だって……主の後ついて来てるのだ』

背後を見ると、トレントが跳ねながら後をついて来ていた。

「えーっ森を抜けるまでついてくるのかな?」

『トレント♪』

トレントを連れ森を歩いて行くと、小さな湖があった。

【イワーニャの湖】

イワーニャが良く釣れる。
乾燥させたモミジ草を振りかけて焼くと最高に美味しい。


何だイワーニャって?
まぁ魚の一種だろうけど……。

そんな美味いって説明されたら釣りたくなるよな。

「皆~釣りするか!」

『我は釣りが上手くなったのだ!』

『ティアは釣りした事ないのっでもティーゴと一緒にするの!』

銀太とティアが人化した。

「ティア?服着ような?」

『オデ…してみる…』

アイテムボックスからオーちゃん特製の釣竿を出す。
一番大きな物でもキラには少し小さそうなので、またオーちゃんにキラサイズの釣竿を作って貰わないとだな。
その時俺も錬金術を教えてもらって、一緒に作るのも良いな。

「さてと釣るか。今からは勝負だぞ?誰が一番つれるかな」

『『『負けない』のー』のだ』

皆それぞれ、好きは場所に移動して釣りを始める。

『トレント♪』

俺の横にトレントが座り、拾った様な木の枝に紐を付けて釣りを始めた。

「なっ……お前も釣るのか?」

『トレーント♪』

あんな竿で釣れるのか?
まぁ俺の真似してるのだけかもな。ちょっと可愛いな。

『トレント♪』

次の瞬間トレントが釣った魚が地面に転がる

ピチピチピチッ

「えーー!?」

いきなりトレントが釣り上げた。何コレ?木の枝で?

この後も釣りを続けたが、俺が十五匹、銀太が三十匹、ティアが十匹、キラが八匹、トレントが百三十匹と言う結果になった。

トレントは木の移植が得意なんじゃねーのか?
得意はイワーニャ釣りって神眼に書き足しといてくれよ。

まぁ何はともあれ、いっぱいイワーニャが釣れて良かったな。

早速食べて見るか。

まずはモミジ草を炎魔法で乾燥させ、風魔法で細かい粒子になるまで砕く……すると赤かった色が金色へと変わった。
うわっ赤から金色に変わった……不思議だな。

モミジ草粉を瓶に詰めて、イワーニャの調理に取り掛かる。
イワーニャは三十センチ前後の大きさで、腹にある朱色の点々が特徴的な魚だ。
体全体の色は薄水色をしている。まぁ普通の魚だな。

薪に火を付けて焚き火をつくり、枝に串刺しにし、モミジ草をふりかけたイワーニャを焚き火の周りに刺して焼いていく。
これぞ、冒険者飯って感じだな。

パチパチッ

焚き火で良い具合焼かれて行くイワーニャ……

ゴクリッ!

『美味そうなのだ』

「だな?もうそろそろ食べ頃かな?」

そう言うと同時に、皆が一斉に焚き火の周りに刺してあるイワーニャを取って行く。

どれ……俺も。

表面が綺麗に焼かれて美味そうだ……

パリッ!

「うっうまっ」

何だコレ!表面の皮はパリッと香ばしくたまらない歯応えに、中の身はふわっふわで何とも言えない甘さ……それにモミジ草の旨味!最高だ。

『おいちいのー!ティアはもっと食べたいのっ』

『コレは……美味いのう皮も良い味がしてパリパリで我はいっぱい食べるのだ』

『オデ…コレ好き…美味い』

『トレ~ント♪』

トレントが飛び跳ねる。

おいおい……トレントよ?お前も魚食べるんだな。

大好評のイワーニャ、釣った分は殆ど食べてしまったので、異空間の仲間達のお土産に、もう一度釣り大会が始まった。
次はトレントに勝ってやる。
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