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本編 燦聖教編
マーヌ・ケーデス司祭の帰還
しおりを挟むふはははっ【貴族街ミナトゥーク】にも燦聖教スターセブンを送り混んで来た。
ガドウィンに続きミナトゥークの貴族達も、魅了により金貨を落とすだろう。
これが成功すれば……ぐふっぐふふっ
功績が認められて、ワシは大司教グリモワール様に謁見する事が出来るやもしれん。
ああっまだ絵姿でしか見たことのない大司教グリモワール様!
一度で良いから……お会いしたい。
その為にはミナトゥーク街も成功させんとな。
マーヌ司祭はまだ見ぬ未来を想像して、一人ほくそ笑んでいた。
「おいっガドウィンまで後どれくらいかかるのだ?」
マーヌ司祭が横にいる助祭に問いかける。
「後二時間程で到着かと」
後二時間か……それまで眠るとするか。
ガドウィン街に着いたら、魔石や鉱石も大分集まっているはずだから、それも魔獣兵器研究所へと送らないと。確か催促の手紙が届いてたからな。
この後……ティーゴ達により地獄をみるのだが。マーヌ司祭はそんな事など露知らず、先の未来を想像し幸せを噛み締めていた。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
冒険者達を引き連れティーゴ達は鉱石場へと戻ってきた。
その最後尾を三号が歩いて行く。
素っ裸の燦聖教の男達を見えないロープで縛り、引きずる様にして歩いている。
岩肌の地面の上を、裸で引きずられている燦聖教の男達は悶絶し余りの痛さで気絶している者もいる。
冒険者達が全て鉱石場に集まると、感動の再会を果たしていた。
恋人同士や家族……友達と様々だが鉱石場一帯が幸せなオーラで包まれている。
その姿をティーゴは遠くから見守っていた。
「ふふっ何か良いな。良かった」
「何じゃティーゴ。目をウルウルとそんな泣きそうな顔して」
「なっ……何言ってんだよ。パールこそ!泣いてんじゃないか」
「ふぬっ!ワシは目にゴミが入っただけじゃ」
「はははっ俺もだよ」
などとパールと話していたら、商業ギルド副マスターのカリーナさんとシルトが一緒にやって来た。
「天使様、弟を助けて頂きありがとうございます。それも体の怪我まで全て治して貰えるなんて……ぐすっ」
「カリーナさんが言ってた弟ってシルトだったのか!」
「はいっ姉弟で助けて頂きありがとうございます」
「良かったな。再会出来て」
カリーナさんとシルトは幸せそうに微笑んだ。
「じゃあ帰るか!」
鉱石場にいる人達全てをパールが転移させた。
「ここは……ステージの上か?」
「そうじゃあの人数が移動出来る場所がステージしか思いつかなんだ」
突然ステージ上に現れた大勢の冒険者達に、近くに居た人達はビックリし腰を抜かしていたが、正気に戻るとステージに上がって来る者、家に呼びに行ってる者と反応は様々だった。
ふと横の男に目が止まり様子を見ていると、ステージ横に建つ青色の塔を見て男が悔しそうに何かを叫んでる。
「なんだ……?」
その様子が気になったティーゴは男に近寄ってみる。
あれは……全身火傷で殺してくれって言ってた人だ。
思わず俺は気になって話しかけた。
「どうしたんだ?」
「あっ!天使様……実はこの建物は冒険者ギルドだったんです……それをこんな風に変な建物に改造されちまって俺……悔しくて」
「そうか……この建物は元は冒険者ギルドだったのか」
「はいっ俺はここでギルマスをしてて……人一倍思い入れもある建物だっただけに……はぁ」
「ギルマス!?そうなの?」
「へへッ一応……ギルマスのベイカーと言います。お見知りおきを」
ベイカーさんは悲しそうに青色の塔を見ている。
「ベイカーさん!この建物は元に戻そうよ。任せて」
「へっ?元に?」
「ちょっと待ってて?」
ティーゴはそう言って何処かへ走って行くと、直ぐに二号を連れて戻って来た。
「二号、お願いがあるんだ。この建物をカッコいい冒険者ギルドに変えてくれないか?」
『何だそんな事……簡単だよ。どんな風に変えるんだ?』
「それは……えっと?ベイカーさん。冒険者ギルドはどんな風だったの?」
「へえ?あっ朱色の落ち着いた石造りの建物で屋根は何層も重なりあった頑丈な木造で……」
それを聞いた二号は
『ふうむ?こんな感じか?』
青色の屋根をベイカーが話していた重厚な木造に変え壁の色を白から落ち着いた朱色の石造の壁に変えた。
それを見たベイカーは腰を抜かしプルプルと震え新しくなった冒険者ギルドを見つめていた。
「あっ…あっ…昔の冒険者ギルドだっ…ああっ……ふううっ」
ベイカーさんは何度も何度も二号にお礼を言い、泣き崩れてしまった。
泣き止むと、二号がベイカーさんを連れ新しくなったギルドの中に入って行った。
きっと内装を直すんだろうな。優しいなぁ二号は、何も言ってないのにな。
ーー!!!?!?
んんっ?ステージの下が騒がしい。何だ?誰かが叫んでるのか?
気になりその場に走って行くと……。
煌びやかな馬車の横で黒いマントを羽織った男が何やら必死に叫んでいた。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
正解は
マーヌ・ケーデスでした。(*´꒳`*)♪
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