お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
148 / 314
本編 燦聖教編

肉祭り♪

しおりを挟む

冒険者シルトside


僕とスペイルは助けてくれた天使様に、もう一度お礼を言いたくて走って行くが、天使様の周りには人垣が出来ていて、中々近寄れない。
皆泣きながら感謝しお礼を言っている。気持ちは僕と一緒だ。

やっと順番が回って来て天使様にお礼を言う事が出来た。
ああっ緊張で震える。
僕とスペイルは深々とお辞儀しお礼を言った。

「天使様……先程は助けていただきありがとうございます」

「なっ!俺は天使じゃないよっ人っ族の様な……何かだゴニョ」

天使様が何か困った様に話す。何を言ってるかは聞き取れない。

「俺はティーゴだ。お腹が空いただろ?今からここで肉祭りするからな?楽しみにしてて」

「僕はCランク冒険者のシルトです。肉祭り……ですか?!何やら美味しそうなお祭りですねっ」

「僕はBランク冒険者のスペイルです。腕を戻して頂きありがとうございます!肉祭り楽しみにしています」

「うん。任せて」

「おーいっティーゴ?準備はどーするんじゃ?」

遠くから天使様の御仲間が呼んでいる。

「はーいっ。今行くよーっ!」

天使様は準備があるからと僕達に後でねと手を振り、聖獣様達の所に走って行った。
天使様の後ろ姿をスペイルとずっと見つめて居たら背後から声をかけられる。

「シルト!お前も助けて貰ったんだな。良かったよ生きてて……」

シルトに筋肉隆々の壮年の男が話しかけて来た。

「べっベイカーさん!凄いっ火傷が綺麗に治ってる……!」

ベイカーさんは、手の施しようがないほど全身に火傷を負っていて……火傷が化膿し、身体中を蝕む痛みと戦い毎日苦しそうで、見てられなかった。
ここ最近は精神を蝕まれ殺してくれとテントに近寄る冒険者に言っていた。それがこの笑顔。

「そーなんだよっ!全身火傷で顔は溶け、痛みで死にかけてた所に神様が現れてな?
見てくれよこの身体!
火傷どころか昔の古傷まで治してくれた!今の俺なら何でも討伐出来そうだぜ?がはははっ」

ベイカーさんは元Sランクの冒険者でもあり、ガドウィンのギルドマスターでもある凄い人。
良かった……元気になってくれて。昔のベイカーさんだ。

「こうして俺達が笑って話せるのもあのお方達のおかげだな」

ベイカーさんが、天使様達を眩しそうに見る。

「ええ……本当に」



⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎



さてと……冒険者達にはやはりエネルギーの源、肉だよな。
肉祭り……何の肉焼こうかな。ワイバーンに……オークキングってとこかな。
あと慈愛のスープも付けて……パールとスバルは米も一緒に食べるのが好きだから、米も用意してっと。

焼き台を出して今からジャンジャン焼くぞー!
少し焼いてコピー料理で増やせば早いんだけど、やっぱり肉祭りは目の前で焼かないと!
肉の焼ける音と匂いがまた美味さを倍増させるからな。

ジュウ~…パチッパチッ

肉の焼ける音や油の弾ける良い音が広場に響く……。

ウォォォォォォ!!

肉の匂いに興奮した冒険者達から歓声が沸き起こる。

「肉だぁ!」「美味そうな良い匂い」「ああっ肉っ!」「どれくらいぶりの肉っ」「硬い干し肉じゃないんだー!」

冒険者達が我先にとティーゴの焼き台に集まる。

冒険者達は一号、二号、三号達から皿を受け取り、焼いた肉を皿に乗せてもらう。

ゴクッ……!!

冒険者達の生唾を飲み込む音が響く。

「ーーうめぇっ」「はぁっ幸せだっ」「こんなに美味い肉初めて食った」「もう……悔いわねぇっ」

肉は冒険者達に大好評だった。肉の味を噛み締め。泣きながら頬張っていた。

「ティーゴ様!こんなに美味しい肉は初めて食べました。これは何のお肉でしょうか?」

「んん?君はシルト……だっけ!」

「はいっ!オーガキングから助けて頂いたシルトです」

シルトはあの時の僕ですと言わんばかりにニコニコとアピールする。

「ははっこの肉はワイバーンとオークキングだ」

「なっ……ワイバーン!オークキング!?」

シルトが大声で騒いだ為、肉を食べて居た冒険者の体がプルプルと震えだす……。

「何てこった!貴重な肉をバクバク食っちまった……」「俺のアホウ!何でもっと味わってたべなかったんだ!」「もう二度と食べる機会なんてねーのに!」「もう俺の皿には肉がのってねーっくそっ」

冒険者達が悔しそうにうなだれている。

「あのー……おかわり何回でもオッケーだからな?」

そのティーゴの一言に冒険者達は一斉に焼き台の前に並ぶ。

ティーゴは思った。
何だろう……冒険者達にあるはずの無いシッポがブンブンしている様に見えるのは……。


しおりを挟む
感想 1,519

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

皆さん勘違いなさっているようですが、この家の当主はわたしです。

和泉 凪紗
恋愛
侯爵家の後継者であるリアーネは父親に呼びされる。 「次期当主はエリザベスにしようと思う」 父親は腹違いの姉であるエリザベスを次期当主に指名してきた。理由はリアーネの婚約者であるリンハルトがエリザベスと結婚するから。 リンハルトは侯爵家に婿に入ることになっていた。 「エリザベスとリンハルト殿が一緒になりたいそうだ。エリザベスはちょうど適齢期だし、二人が思い合っているなら結婚させたい。急に婚約者がいなくなってリアーネも不安だろうが、適齢期までまだ時間はある。お前にふさわしい結婚相手を見つけるから安心しなさい。エリザベスの結婚が決まったのだ。こんなにめでたいことはないだろう?」 破談になってめでたいことなんてないと思いますけど?  婚約破棄になるのは構いませんが、この家を渡すつもりはありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。