お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
166 / 314
本編 燦聖教編

再開

しおりを挟む


パールはジャイコブウルフ達を従え、貴族達が住む屋敷近くの広場に集まっていた。

「ようしっ!ジャイコブ達よっ屋敷の何処に獣人奴隷達がおるか分かるの?」

『ジャイジャーイ♪』

バイコーンの背中に乗ったジャイコブウルフ達は任せてくれと言わんばかりにドンッと自分の胸を叩いた。

「では集合場所はここの広場じゃ!獣人を連れこの場所に再び戻って来るのじや。分かったの?」

『ジャイコブ♪』

「よしっでは行けい!」

ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪

ジャイコブウルフ達は軽快なリズムを口遊みながら進んで行く。

ジャイコブウルフを乗せたバイコーン達は、散り散りになりながら貴族の屋敷へと消えて行った。

「ふむ……このままジャイコブ達に任せて大丈夫そうじゃのう……さて、ワシはどうしようかの?」

パールがステージに戻ろうか?貴族の屋敷に行こうか?っと一人迷っているとパールを呼ぶ声が聞こえる。

『主~~。見っけっ!』

スバルがいつもの小鳥姿に戻ってパールの所に飛んで来た。

「スバル!お主ステージはどうしたのじゃ?」

『ステージはティーゴとハクとロウそれに三号で盛り上がってて、俺はもう出番もないし暇だから主の所に遊びに来た!』

「そうかっステージは盛り上がっておるのか……どんなステージか気になるのう」

『気になるなら空からステージを見るか?』

「ほう……それも良いのう」

スバルがグリフォンの姿に戻り、パールが背中に乗ってステージに向かい飛び立とうとしたその時……!?一番大きな屋敷から魔力が溢れ出した。

「なっ?」

『何だこの凶々しい魔力は?!』

「これは……魔族?!」

(魔族の魔力じゃが……はかなり穢れておる。何じゃこの気持ち悪い魔力は!?)

『主、何か気になる行って見ようぜ!』

「そうじゃのっ!スバル頼んだのじゃ」

『任せとけって』

スバルは凶々しい魔力を放つ一番大きな建物に向かって飛んでいく。
すると近付くに連れ建物の形が鮮明に見えてくる……何と凶々しいオーラを放つその建物の形は、ガドウィンで見た青色の塔にそっくりだった。

「まさかっ貴族の屋敷に紛れて燦聖教の建物があるなんてっ。これは……司祭の屋敷か?」

屋敷は瘴気の結界で覆われていた。

『コレ見た事あるぞ!ティーゴの村近くにあった森で魔族が作ってた結界だ!』

スバルが知ってるとパールに得意げに話す。

「やはり魔族……」

(いったい何が起こってるのじゃ?魔族の結界にしては穢れが酷い)

『主、屋敷の近くに降りるぞ』

スバルが急降下して結界の外に降りた。

「ほう……屋敷全体を魔族の結界で覆っておるのか……こんなもの」

パールがそう言うと目の前に漂っていた濁った空気が一瞬で消えた。

『さっすが主!一瞬だな』

「茶化すでない。ほれっ行くぞ!」

パールとスバルは正面の門から堂々と中に入った。
中に入ると整地された美しい歩道と庭園が広がる。
魔族の結界で覆われてた屋敷とは思えない。

先を歩くと数十匹のジャイコブウルフとバイコーンが倒れていた。
魔族の瘴気に酔い倒れた様だ。

慌ててパールはジャイコブウルフ達の所へと走って行く。

「ジャイコブウルフよっ大丈夫か?」

『ジャイジャーイ……』

「大丈夫余裕じゃと?無理しおってからに。いま楽にしてやるからの」

パールはジャイコブウルフ達の穢れを浄化し回復魔法をかけてやる。

『ジャイジャーイ♪』

ジャイコブウルフ達は元気になった。

ジャイコブ達が襲撃したからこの様な瘴気の結界で対抗したんじゃな。
結界がない今、さて次はどう出てくるかの?

「ほう……ボスの登場かのう?」

屋敷の入り口から穢れを纏った魔族が飛び出て来た。

角を除けば魔族は人とさほど変わらぬ様な姿をしているが……。

その姿は気味が悪い程に異形化していた。
黒ずんだ鈍色にびいろの肌は血管が浮き出ており、目は少し飛び出ている。額には三個もの魔石が埋め込まれてその周りは溶けていた。

その姿をみたパールは固まってしまった。

「なっ……お主はメフィスト?」

パールの前に現れたのは異形化した部下、四天王メフィストの姿だった。

しおりを挟む
感想 1,519

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。