お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

コンの紹介

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ーー天界の何処か。

『おいおいアグライア?聞いたぜ、デミウルゴス様に怒られて封印したお前の可愛いがってた狐。封印が解けたんだってな?』

炎の女神アグニがアグライアの肩を抱き話しかける。

『なっ何でもうアグニが知ってるのよー!』

アグライアがビックリしたようにアグニを見る。

『だってヘスティアが騒いでたぜ?自分のおかげだってよ。旨そうな酒を見せびらかされたぜ。その腕に抱き締めてるのってヘスティアが自慢してた酒だよな?』

ゴクリッと喉を鳴らしアグニが酒を見る。

『えっコレは……私が貰ったお酒で……』

思わずアグライアは酒瓶をギュッと抱きしめる。

『まぁまぁ。狐の封印が解けた祝いをしよーぜ?』
『それは楽しそうな話をしてるなぁ?我もまざろうではないか』
『なっ?お前はジェラルド!』

二人の話を聞いていた水の女神ジェラルドが、話に混ざる。

アグニとジェラルドは目を合わせると。

『『宴会だな?』』

『ちょっと待ってよー!これは私が貰ったお酒なのよ?』

『良いではないか?我の加護を与えた聖獣も仲間におるであろ?だから我も飲む権利がある』

ジェラルドは銀太に加護を与えた女神様。その事をアピールする。

『ちょっ!そんな権利聞いた事ないけど?』

『なら俺も加護を与えた聖獣が仲間だからな?飲み仲間だよな?』

アグニは一号に加護を与えた女神様。にししっと歯を見せて笑う。

アグニとジェラルドはアグライアを両側から挟み。肩を抱き合い何処かへと消えて行った。

この後レインボーマスカッシュを飲みリコリパイを食べた女神達は、余りの美味しさに恍惚とし、ティーゴからの奉納をソワソワと待つ事になるのだった。





★    ★     ★




アグライアが去った後も祭壇の前で何も話さず佇んでいたティーゴ達。

『トレ~ント♪』

トレントの声でハッと我にかえったティーゴ。

そのままトレントはクルクルと回りオーちゃんの所に歩いて行った。

そうだ皆にもコンちゃんを紹介しないとな。

「コンちゃんは今日から仲間になるんだ。俺の仲間達を紹介するよ」

『主殿の仲間?』

コンは不思議そうに首を傾げる。

「この場所、異空間って言うんだけど此処に住んでいる仲間達だよ」

すると早起きのキラがティーゴを見つけ歩いて来た。

『…ティーゴ…おはよ…何してるの?…』

「おおっ!おはようキラ。丁度良い。新しい仲間を紹介するよ、コイツは金色九尾のコン。コンちゃんだ仲良くしてくれよ?」

『…新しい仲間…ふふ…オデ嬉しい…宜しく…オデはキラ…』

キラは前脚を少しモジモジさせながら翼を広げた。

『よっ宜しく……』

コンは初め少し戸惑っていたが、ニコニコと微笑む優しいキラの瞳を見てホッとしたのか、直ぐにキラに馴染んだ。

コンはキラの背中に乗り、異空間を案内して貰っている。
その顔は頬が緩み嬉しそうだ。
本の中でずっと一人で居たコンは寂しくて誰かに甘えたかったのかもしれない。

『キラの背中は大きくって乗り心地がいいな!』

『ふふ…そう?…いつでも乗って…』

キラに乗ったコンを連れ、異空間を歩いて行くティーゴ。まだ朝も早いので殆どの聖獣達が寝ていて外に出て来ていない。

「どこに案内しようかな……あっそうだ!アイツはもう起きてるな」

ティーゴはベヒィの所にコンを連れて来た。

すると先に来ていたトレントが、美味しそうにミルクを飲んでいた。

「おはようベヒィ!」

ベヒィはコカトリスの小屋で卵を集めていた。

『おはようティーゴ!ん?どしたんその子?』

キラの背中に乗るコンに早速気付くベヒィ。

「コイツは金色九尾のコン。コンちゃんだ、新しく仲間になったんだ宜しくな」

『また仲間にしたん?ティーゴは直ぐに気に入られるなぁ。宜しくな?ワイはベヒィーモスのベヒィや』

『ちょちょい?ワイも混ぜて!ワイはベヒィーモスのモスや!』

隣のチーズ小屋で作業していたモスが走って来た。

『あっわっ……妾は…コンじゃ!宜しくなのじゃ』

ベヒィ達の勢いに圧倒されたのか、コンは大きな尻尾をギュッと抱きしめる。

「ほらほら、ベヒィとモスの勢いにコンちゃんがビックリしてるだろ?」

『えー?ワイはそんなつもり無いんやけどなぁ』

ベヒィは少し困ったように頭をぽりぽりとかく。

『あっそうや!お近付きの印にコレどうぞ?ベヒィ特製ミルクやで』

ベヒィはミルクをコップに入れてコンに渡した。

ミルクをじっと見つめるコン。一口飲んで見ると

「………!美味しいっ」

『そやろー?めっちゃ美味いやろ?ミルク飲みたーなったら遊びにおいで』

ベヒィはコンの頭を撫でた。

『へへっ……』

コンは頭を撫でられ嬉しそうだ。

そこへ……アイツらが登場した。

軽快なステップで走りよる二匹。そうジャイコブウルフのハクとロウ。

ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪

あちゃー……ジャイコブ達の紹介は一番最後にしようと思ってたんだけどなぁ。
アイツらが関わると、毎回大騒動になるから後にしたかったのになぁ。

『主様が~♪見た事の無い♪狐を連れてるジャイ~♪』

『狐は~♪何者♪気になるコブ♪』

ハクとロウが歌いキラの前に立った。

ハクとロウの登場にポカンっとしていたコンは我に返ると。

『なっ!妾は狐じゃないんじゃ!金色九尾のコンじゃ!』

キラの頭に身を乗り出し少し怒り気味に挨拶するコン。

『まぁまぁ怒るなジャイ?コンは新しい仲間ジャイ?』

その言葉を聞いたティーゴが

「そうだ!ハク、ロウ仲良くしてくれよ?」

その言葉を聞いたハクとロウ。

『任せるジャイ!これは歓迎のダンスパーティージャイ♪』
『そうコブ♪新しいダンスを披露するコブ♪』

ハクとロウがノリノリで楽しそうに話す。

やっぱり……絶対に言い出すと思ったんだよな。
今日は一日宴会だな……。



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