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本編 燦聖教編
大集合
しおりを挟むコンちゃんを異空間にいる仲間達に紹介するつもりが何故か……
異空間に作ったジャイコブ用の特設ステージに仲間達が集まり、楽しく飲み食いしている。
ジャイコブ達と早朝に会い『歓迎パーティーの準備ジャイ』とハクが言い出してからの二匹の行動は早かった……あっと言う間に異空間の仲間達を上手く使い昼前にはパーティーの準備を終えていた。
今は皆がほろ酔いでジャイコブ達のステージを今か今かと待っている。
「おおー!ティーゴ様こんにちは」
キノ小人族の長老がフラフラと千鳥足で歩いて来た。
「長老?」
「いやぁこのレインボーマスカッシュは美味しいですねぇ村にはないお酒です♪」
キノ小人族の長老がステージをウロウロし楽しんでいた。
慎重で臆病なキノ小人族が?!よく見ると他にもキノ小人達が歩いている!
俺が燦聖教の事で忙しくしていた時に、仲間達で交流をし親睦を深めていたらしい。
ふとステージ横を見ると、大きな蜘蛛が苦手と言っていたカーバンクルのパティと慈愛の聖龍ティアは、キングスパイダーであるエンの背に乗り楽しそうにはしゃいでいる。
エンも満更ではなさそうだ。
その横を古代種のエンシェントスパイダー、ニジが楽しそうに歩いている。
知らなかった……スパイダー達とティア、パティがあんなに仲良くなってるなんて何だか嬉しいな。
俺の知らない所でってのが少し寂しいけど、大好きな仲間達が仲良くしてる姿を見るのはニマニマと頬が緩む。
あっ!そんな幸せに浸ってばかりはいられないんだった!
コンちゃんが『今日の主役ジャイ』とハク達に連れて行かれてしまった。
コンちゃん不安そうな顔してたけど……大丈夫かな。
「何じゃティーゴ?そんなソワソワして?今から始まるステージがそんなに楽しみなのか?」
パールがレインボーマスカッシュ片手に話しかけて来た。その顔はほんのりと頬が色付いている。
「楽しみだけど……コンちゃんが大丈夫なのか不安で」
「ははっ心配せんでも大丈夫じゃよ!ハクとロウが上手くやるじゃろうて」
パールはご機嫌でティーゴの側を離れると、オーちゃんが錬金術のお店を休みステージを見に来てたので、その横に座って何やら話しかけていた。
『主~♪見つけた。今からどんなステージになるのか楽しみなのだ。新しい仲間が主役なんじゃろ?』
『……俺はもう飲めねーぜっ』
酔っ払いのスバルを背中に乗せた銀太がやって来た。
「ああそうか、銀太はまだ姿も見てないもんな?」
『そうなのじゃ!』
『ククッ…俺はリコリパイになる!』
スバルよ、お前は食べ物になりたいのか?
酔っ払いスバルの事はとりあえず置いといて。
「銀太には後で紹介するからな?」
『楽しみなのだ!フンスッ』
銀太は尻尾を左右にふりふりした後俺の横に座った。
その拍子で背中に乗っていたスバルは転げ落ち地面に転がった。
『ゲフッ寄せやいっ俺が可愛いからって……むにゃ』
スバルは転げ落ちたけど目が覚める気配がないみたいだ。
ジャジャーイ♪ジャイジャイジャイジャイジャイジャイジャイ♪
ジャイコブ達のいつもの軽快なリズムが鳴り響く。
「ステージが始まるみたいだな」
皆がわらわらとステージ前に集まって行く。
ティーゴも銀太を連れ酔っ払いスバルを抱きステージ前に座る。
音楽と共に現れたのは小さなキノ小人達、ステージのギリギリ端に立ち上下に屈伸している。
これはキノ小人達の独特の踊りだ。
「ぷぷっ可愛いな」
キノ小人達のテンションがMAXまで上がると、頭から色とりどりの綺麗な胞子がキラキラと舞う。
そこにハクとロウが現れた。その中央に立つのは……えっ?はっ?
「俺!?」
『何で主が?』
俺はハクとロウと一緒にステージで美しい回転ジャンプを披露していた。
皆はティーゴと勘違いし、大声援を送っている。
ちょっと偽物!本物よりカッコ良いとかやめて!
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