お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

ハイメタモルフォーゼ

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「アイツは一体……」

ティーゴが呆然と見ている中、偽ティーゴとジャイコブ達のダンスは過熱して行く。

ステージに二百匹のジャイコブウルフ達が一気に雪崩れ込んで来た。

その中心に偽ティーゴは立ち、華麗なダンスをジャイコブ達と見事に揃えシンクロさせる。

この壮大かつ見事なダンスに拍手が鳴りやまない。

その周りをハクとロウが見事なアクロバットジャンプで華を添える。

ハクとロウに合わせて偽ティーゴが飛び上がった次の瞬間!
ティーゴの姿が銀太に変わった。

「ーー銀太っ!?」
『我がステージで踊っておるのだ!』

ティーゴの姿がいきなり銀太に変わった事で、ステージの周りに居た皆があのダンスはティーゴじゃない?!誰なんだ?と騒めきだす。

銀太が踊ってると思ったら、今度は獣人のアレクに!さらにはティアに?一号に?ステージを見に来ていた仲間たちの姿にコロコロと変わって行く。

最後にコンちゃんの姿になり、ぺこりとお辞儀した。

驚きの余り只呆然と固まっていたが………次の瞬間大声援が巻き起こる!

「すげえ!何だ今の」
「ティーゴ様が銀太様に!!」
「神のステージ!」
「カッコ良いー!」

ハクとロウもこの歓声に大満足。ご満悦の顔をしてお辞儀した。


★   ★    ★



「コンちゃんがあんなにダンスが得意とかビックリしたよ!」

『えへへ……妾は踊りは得意なのじゃ!アグライア様達と良く宴会した時に、踊ったら喜んでくれるのでいっぱい練習したんじゃ』

コンちゃん……アグライア様の事ばかり考えてたんだな。
どうやって喜ばそうとか……健気すぎる。
悪戯もアグライア様が好きすぎてってのが、コンちゃんと居たら良く分かる。

ティーゴ達はステージ上に集まりコンちゃんのダンスを褒めている。

『我らもビックリしたジャイ!まさかあんなに踊れるとは……』
『即戦力の登場コブ、これでまた新しい踊りに挑戦出来るコブ!』

ハクとロウは踊れる仲間が嬉しいのか、フサフサの尻尾がずっと左右に激しく揺れている。

『本当よっ!それにあの変身は何?一号ソックリ』

『それっすよ!アッシがステージで踊ってるからビックリしたんすよね』

三号と一号がステージ上に上がって来た!
変身が気になるみたいだ。それは俺も同じだ。

『変身は妾のスキル。ハイメタモルフォーゼの力じゃ!これはメタモルフォーゼの進化でソックリそのまま真似出来るんじゃ!』

「何と?メタモルフォーゼに進化があるじゃと?!」

その話を何処で聞きつけたのか、レインボーマスカッシュを片手に持ち、オーちゃんの肩に乗った猫姿のパールが、ステージに上がって来た。
さすが魔法に目がないパールだ。良く鼻が効く。

『妾のハイメタモルフォーゼは、真似た者と同じステータスになるんじゃ。だから魔法が使えたり、空が飛べたり全く同じになれる』

「なんじゃそれっ!メタモルフォーゼにはまだ上があったのか。神眼でコンちゃんのステータスをちゃんと確認したら良かったのじゃ」

パールは少し悔しいのかワナワナと震えている。
猫の姿だからそれさえも可愛い。

『ただ……時間制限があって……十分しか変身出来ないんじゃ。それに一度真似した者には二十四時間経たないと真似できないのじゃ』

「ほう……なるほどのう。時間制限か、ワシもハイメタモルフォーゼを習得したいのじゃ!コンちゃん後でワシに教えてくれっ!」

パールは眩しい程にキラキラした瞳で、コンちゃんにお願いしている。

パール……未知なるスキルを知ってワクワクしてるんだよな?分かりやすいなぁ。

『……ゴニョ…でも妾は尻尾が二尾しか無いから。完璧ではないのじゃ』

コンちゃんはボソッと小さく呟いたが、パールはそれを聞き逃さなかった。

「二尾じゃと何が完璧でないんじゃ?」

『へわっ?聞こえて?!』

まさかパールに聞こえてると思わなかったんだろう。コンちゃんは思わず尻尾をギュウっと抱きしめる。

『……それはっ……妾は今、本来の力じゃないから……真似したステータスは同じじゃなくて、半分以下なんじゃ。それに時間じゃって本来の力を取り戻せば一時間くらいは真似出来るんじゃ!今は十分じゃけど……』

コンちゃんは俯き少し物哀しげに話した。

「何を言うておる!十分凄いぞコンちゃん!ワシは未だかつてハイメタモルフォーゼを使える者に出会っ事などなかった!コンちゃんが初めてじゃ!じゃから使えるだけで今のコンちゃんは凄いんじゃよ」

パールは少し早口で興奮気味に思いを伝える。
その熱い気持ちが伝わったのか、コンちゃんは嬉しそうに尻尾を握りしめる。

『えっえへへ……お前の事も気に入ったのじゃ!特別にハイメタモルフォーゼを教えてやるのじゃ』

「まことか!さぁ!コンちゃん行こうぞっ!」

『うんっ!』

コンちゃんはピョンッとオーちゃんの肩に飛び乗った。

オーちゃんは右肩にパール、左肩にコンちゃんを乗せた姿で、パールに言われるがまま何処かに歩いて行った。

オーちゃん……優しすぎるよ。パールの我が儘に無理に付き合う事ないんだぞ?

ティーゴは心配してるが、オーちゃんはと言うと頬を緩ませ少し口角を上げ嬉しそうに笑っていた。








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