お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 浮島編

鳥人族

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「まずは回復じゃよな。ティーゴよ。この鳥人族を回復してやれ」

 パールは鳥人族に近寄ると、まじまじと見ながら、回復してやれと言ってきた。
 その姿をよく見ると千切れてボロボロだが、背中に生えているのは翼だよな? 後は人族と何ら変わりない。この見た目は男か?

「ボーッ見とらんと、回復魔法!」

「おっおう」

 っとそうだった。早く回復してあげないと! 見てる場合じゃないな。

《リザレクト》

 俺は鳥人族に回復魔法をかけた。

「ふむ、なかなか上手くなったのう。これなら九十点かの」

 俺の魔法を見て、パールが褒めてくれた。それはなんだか嬉しいもんだ。

「数分もしたら目を覚ますじゃろうて」
「そうだな。目が覚めたら話を聞いてみよう」


★★★


「んん? あれっ? 私は一体……?」

 目を覚ました鳥人族の男が、座ったままキョロキョロと船を見回している。 
 どうにか立ち上がり自分のいる場所が船だと分かると、やっと俺達の存在に気付いた。

「あっ貴方達は一体……?!」

 怯えた様な表情を一瞬みせるが、すぐさま眉間に皺を寄せ必死に表情を隠している。

 そんな身構えなくても何もしないんだけどな。

「俺はティーゴだ」

 俺はニコリと笑うと、手を差しだし握手を求めた。少しオズオスとしながらも、鳥人族はその手を握り返してくれた。

「あっわっ……私は鳥人族の翼の戦士ロックだ」

「そうかよろしくな。俺達は倭の国に向かっている途中で、いきなり君ロックが、空から降ってきたんだ」

「あ……!! そうだっあの時……斬られて! 私は助かったのか? 翼を千切れもう……死にかけていたはずなのに……なぜ?」

 鳥人族の戦士ロックは、自分の体に触れると、全て全回復している事に驚いている。

「回復している事が不思議なようじゃのう、それならソコにおるティーゴが回復魔法をかけてくれたんじゃ。礼を言うがいい」

「えっ……回復魔法を? ですが欠損部分まで!? 回復するなんて……」

 ロックは信じられないといった様子。

「ティーゴはリザレクトが使えるからのう。全回復するのは当たり前じゃ。何をそんなに驚く事があるんじゃ」

 パールのその言葉に驚き、ロックは震えている。

「りっ……リザレクトを使える人が存在するなんて! 驚きだ。あれを使える賢者はこの世界に残って居ないと聞いていたから……大賢者ティーゴ殿! このご恩は一生忘れません! 絶対に返します」

 ロックは深々と頭を下げた。

「そんなっ! ちょっと待ってくれ。俺は大賢者じゃない。大袈裟だな。まぁ怪我が治って良かった」

「えっ……ですが」

 俺が大賢者じゃないと否定すると、ロックに困った顔をされる。そんな顔されても、そんな恐れ多い称号はいらないよ。

 そんな中パールがジッポをユラユラと動かし、ふわりと飛び上がるとロックの前に立った。

「して、お主はなんで空から降ってきたんじゃ? そんな大怪我をしてじゃ」

 パールが不思議そうに質問すると、ロックは空を見上げた。

「見えますか? あの大空に浮いている島が」

 そう言って空を指さした。

 えっ? 浮いている島ってなんだよ? そもそも島って浮くもんなのか?

 言われた先を見上げると大きな島が五つ不規則に並び浮かんでいた。

「なんと浮島……! ほう懐かしいのう」

 パールが瞳を爛々とさせ、興奮気味に空を見上げている。

「浮島?」

 パールよ浮島ってなんだ? そして何だか嫌な予感しかしないんだが。
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